ご購入またはご試読は、画面下の「書籍購入」あるいは「書籍試読申込」ボタンから

VOC対策
〜発生源対策から法規制まで〜

[コードNo.03NTS056]

■体裁/ B5判 上製 240頁
■発行/ 1998年10月30日
(株)エヌ・ティー・エス
■定価/ 37,950円(税込価格)


編集からのメッセージ

●VOC対策 〜発生源対策から法規制まで〜
 「VOC」とは揮発性有機化合物のことである。国内・国外におけるVOC汚染問題の課題と対策、さらに話題の抗菌対策などを含む環境調和型社会に必要となる技術を解説した。
●VOC対策 〜省エネの功徳、和風への期待〜
 近年、大きな社会問題となっている室内空気汚染は、その端緒を1973年のいわゆるオイルショックにさかのぼることができる。 石油高騰によるエネルギー危機は、社会全体に様々な波紋を投げ掛けたが、建築物も例外ではなかった。
 室内の省エネルギー対策として換気量が減少され、高気密性を保つ省エネビルが建築の主流となり、その結果80年代初頭より めまい、吐き気、眼・鼻・喉の異常、喘息、アトピー等のいわゆるビル病、シックビル症候群が欧米各地で挙に顕在化した。
 日本で当初、欧米ほど劇的に顕在化しなかった理由は、冬期の室内外温度差が欧米ほど顕著でなく、換気率減少による省エネ効果がさほど見込めないため、 気密化が欧米ほど進行しなかったことによる。
 しかし、一層の省エネ圧力の中でセントラル冷暖房方式の普及等により、一般住居においても生活様式の欧米化で高気密化が進むなど、 わが国でもビル病や住宅の空気汚染の顕在化が始まった。
 空気汚染の原因物質としては、主に断熱材や家具・暖房器具等から発生するホルムアルデヒドや内装した壁面の接着剤等から発生する揮発性有機化学物質(VOC)等の他、 コンクリート等より発生するラドン等があげられる。対応策としては、使用素材の見直し、新素材の開発、換気の高度化の他、植物による浄化作用に注目する向きもある。
 米国では新築住宅の入居までに一定期間を置くベイキングアウトが法制化されており、日本でも法制化の準備が進められているが、 日本の風土で育った開放的で換気も十分な和風建築の見直しも一つの方法かもしれない。                                                        協力 西野技術士事務所


講師一覧

西野 敦    西野技術士事務所/松下精工(株)顧問/東京農工大学 客員教授
廣石和朗    松下精工(株) 環境設備営業本部 設備営業部 気調システム推進室 室長
川口洋平    ダイニック(株) 商品技術研究所 理事補
早出広司    東京農工大学 工学部 生命工学科 助教授
山崎偉三雄  ヤヨイ化学工業(株) 品質管理部 部長
斉藤達夫    新コスモス電機(株) 研究開発本部 新分野開発室 室長
出雲正矩    VOC研究所所長/中外炉工業 技術顧問
堀 雅宏    横浜国立大学 教育人間科学部 助教授

目次

第1講 VOC対策の原因とそのシステム化
 1.はじめに  2.高気密・高断熱住宅   2.1 VOC問題の社会的背景       2.2 問題点の発生   2.3 住宅の密閉度と自然換気回数     2.4 日常生活と臭気   2.5 芳香成分と悪臭成分         2.6 換気の必要性  3.ホルムアルデヒド、揮発性有機化合物(VOC)の現状   3.1 日本人の消費動向   3.2 抗菌志向   3.3 抗菌製品の必要性   3.4 抗菌の種類と特徴   3.5 輸入感染症と抗菌    3.5.1 輸入感染症の現状          3.5.2 エボラ出血熱    3.5.3 エイズ(後天性免疫不全症候群)   3.5.4 インフルエンザ    3.5.5 大腸性病原菌 O157   3.6 抗菌の社会的背景  4.室内汚染の現状   4.1 VOCの汚染状況   4.2 VOCによる症状   4.3 VOCの官能基   4.4 シックハウス症候群    4.4.1 住まい環境のVOCと症状    4.4.2 室内空気の汚染状況    4.4.3 新築住宅と室内汚染状況     4.4.4 室内汚染と経時変化  5.VOC対策の現状と計画換気   5.1 VOC濃度と健康      5.2 人体への影響とVOC   5.3 VOCに関する基準     5.4 住宅に関する対策   5.5 住宅に関する基準  6.VOC対策の将来展望   6.1 住宅のVOC対策      6.2 新機能性材料   6.3 新空調システム       6.4 全熱交換システム   6.5 室内計画換気        6.6 皮脂洗浄機  7.将来展望   7.1 L.C.A.とI.S.O.    7.2 環境調和型社会に向けて
第2講 高気密・高断熱住宅での新空調システムの提案
 1.高気密・高断熱住宅と風通し   1.1 注目を浴びている高気密・高断熱住宅   1.2 風通しの良い家   1.3 現在の家と昔の家            1.4 風通しが良い家の条件  2.気温と健康   2.1 平均気温と死亡数の関係のグラフ     2.2 脳卒中の死亡率と平均気温   2.3 寒冷昇圧試験  3.エネルギー政策   3.1 地球環境と省エネルギー     3.2 エネルギー消費の伸び   3.3 政府のエネルギー政策  4.高気密・高断熱住宅の換気システムの問題点   4.1 高気密・高断熱住宅の温度    4.2 高気密・高断熱住宅の失敗した例   4.3 1日に出る水の量と結露      4.4 計画換気   4.5 全館暖房            4.6 3種類の換気システム   4.7 三つの風の種類  5.換気システムの課題   5.1 セントラル換気システムの給気量   5.2 様々な問題点   5.3 室温を変えない除湿   5.4 「断熱」「暖冷房」「気密」「換気」  6.VOC・ホルムアルデヒド対策
第3講 快適住空間の創出
 1.はじめに  2.快適な住空間創出の取り組み   2.1 行政の取り組み   2.2 健康住宅研究会   2.3 ホルムアルデヒド・VOC対策の内装建材    2.3.1 優先取り組み物質     2.3.2 様々な有機化学物質    2.3.3 化学物質過敏症      2.3.4 様々な実験法    2.3.5 合板規格   2.4 業界団体の取り組み    2.4.1 ISM規格        2.4.2 RALマーク・Eマーク    2.4.3 安全規定について   2.5 ダイニック(株)の取り組み   2.6 VOC対策壁紙   2.7 抗菌処理化内装建材
第4講 VOC対策とバイオテクノロジー    〜環境バイオモニタリングとバイオレメディエーションの立場から
 1.はじめに  2.生物化学分析法による環境汚染物質のモニタリング   2.1 バイオモニタリング    2.1.1 原理      2.1.2 環境バイオモニタリング  3.バイオモニタリングによる環境汚染物質の計測   3.1 生物化学分析法    3.1.1 原理   3.2 バイオモニタリング    3.2.1 酵素分析法   3.3 環境モニタリング    3.3.1 アセチルコリンエステラーゼ酵素    3.3.2 ホスホトリエステラーゼ酵素   3.4 簡易検出試験法   3.5 バイオセンサー    3.5.1 グルコースセンサー     3.5.2 バイオセンサーの例   3.6 アセチルコリンエステラーゼの阻害反応とバイオセンサー   3.7 ホスホトリエステラーゼ酵素とバイオセンサー   3.8 微生物・細胞を用いるバイオセンサー    3.8.1 BOD(生物化学的酸素要求量)    3.8.2 細胞センサー    3.8.3 発光によるセンサー  4.VOCバイオモニタリングシステムの展望   4.1 新しい分子認識素子の開発と検索   4.2 蛋白質工学による酵素の改良   4.3 生体模倣技術を用いた非生体成分を用いた分子認識素子の開発   4.4 SELEX法   4.5 TVOCセンサーの開発    4.5.1 ホルマリンの簡易センサー       4.5.2 TVOCの評価    4.5.3 TVOCのモニタリングシステム
第5講 接着剤分野に関するVOC対策
 1.はじめに  2.室内空気の汚染の問題  3.澱粉糊の歴史   3.1 澱粉糊の由来   3.2 澱粉糊の現状  4.澱粉系接着剤とホルマリン   4.1 ホルマリン添加の経緯   4.2 他の国における澱粉糊    4.2.1 ヨーロッパにおける壁紙用澱粉系接着剤    4.2.2 アジアにおける壁紙用澱粉系接着剤   4.3 ホルマリンを添加する意味  5.澱粉系接着剤の開発の経緯と問題点  6.ホルマリン濃度の測定方法と結果  7.シックハウス症候群と澱粉系接着剤   7.1 化学物質過敏症     7.2 シックハウス症候群対策としての新しい防腐剤  8.比較試験   8.1 試験方法     8.2 試験結果     8.3 試験装置  9.ゼロホルマリンの効果  10.日本古来の糊   10.1 糊の用途    10.2 経師屋で使用される糊の特徴  11.ゼロホルマリン接着剤開発の経緯   11.1 従来接着剤との比較      11.2 JIS規格   11.3 ホルマリンの添加量とその効果  12.その他の澱粉系接着剤   12.1 洗濯糊    12.2 工作糊    12.3 その他の糊    12.4 粉末糊  13.まとめ
第6講 ニオイセンサの応用
 1.はじめに  2.ニオイセンサの原理と構造  3.ニオイセンサの応用例  4.TVOC検知器  5.今後の課題
第7講 VOCの国際的な規制の動向と欧米のVOC抑制技術と市場の動向
 1.はじめに  2.VOCの国際的な規制の動向   2.1 VOC規制の背景   2.2 森林衰退の要因   2.3 OHラジカルの生成   2.4 硫酸・硝酸の生成   2.5 光化学スモッグ   2.6 VOC規制の過程    2.6.1 地球環境問題の原点     2.6.2 国連人間環境会議   2.7 ヨーロッパのVOC規制    2.7.1 ECE議定書        2.7.2 EEC指令    2.7.3 ECのVOC放出量     2.7.4 排ガス規制    2.7.5 2000年以降の規制動向   2.8 アメリカのVOC規制    2.8.1 米国大気浄化法       2.8.2 有害大気汚染物質規制    2.8.3 罰則   2.9 台湾のVOC規制   2.10 韓国のVOC規制   2.11 日本のVOC規制  3.欧米のVOC抑制技術と市場の動向   3.1 濃度による分類    3.1.1 直接燃焼装置        3.1.2 触媒燃焼装置    3.1.3 蓄熱燃焼装置        3.1.4 ハニカム式濃縮装置   3.2 今後の展開
第8講 VOC・ホルムアルデヒドの測定・評価法
 1.はじめに  2.VOCの挙動による分類  3.濃度に影響を及ぼす要因   3.1 築年           3.2 換気  4.測定・評価方法  5.濃度計   5.1 TVOCの場合      5.2 ホルムアルデヒドの場合  6.簡易法  7.評価法  8.対策   8.1 試験装置         8.2 モデル住宅による実物大実験   8.3 ホルムアルデヒド除去装置



FAXでもお申し込みいただけます。FAXお申し込み用紙(PDF)を印刷いただき、必要事項をご記入のうえ
 弊社までご送信ください。(FAX番号は、お申込用紙に印刷されています)
※PDF形式のファイルをご覧頂くための Adobe Reader は、アドビ システムズ社から無償提供されています。
                Adobe Reader 最新版ダウンロードはこちらから

■ お問い合わせの前に『よくあるご質問(書籍)』をご一読下さいませ ■
■ セミナー・講習会のご案内はこちらでございます ■


株式会社 技術情報センター  〒530-0038 大阪市北区紅梅町2-18 南森町共同ビル 3F
TEL:06−6358−0141  FAX:06−6358−0134