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翻訳 テラヘルツセンシングテクノロジーVol.1
〜電子デバイスおよび高度システム技術〜
[コードNo.06NTS158]

■体裁/ B5判・388頁
■発行/ 2006年 5月 5日
(株)エヌ・ティー・エス
■定価/ 25,056円(税込価格)

 原書『TERAHERTZ SENSING TECHNOLOGY Volume 1』(2003) World Scientific(米)
 「テラヘルツ」とは、SI(国際単位系)の世界共通ルールに基づくと、電磁波の周波数が1012〜1015Hz、波長で表記すると0.3マイクロメートル〜0.3ミリメートルの電磁波のことである。特に、光と電波の境界領域にある周波数帯は今まで産業的に未踏の領域と言われ、テラヘルツの発生技術、測定技術、分光技術などのシーズ開発にも高度な技術が要求されるが、そのニーズはライフサイエンス、バイオテクノロジー、環境、情報通信、ナノテクノロジー、材料など多くの分野に応用展開が期待されている。
 原書の『TERAHERTZ SENSING TECHNOLOGY』は、これまでのアメリカの国防総省および商務省の研究背景や世界におけるテラヘルツテクノロジーの重要度を考慮し、「テラヘルツ」と「センサ技術」を融合した原書を三人の編者が「テラヘルツセンシングテクノロジー」と名付けたものである。第1巻では電子デバイスおよび高度システム技術を解説する。

監訳にあたって
 今から25年前の1981(昭和56)年10月に我が国では最初の『センサ工学』と名付けた単行本を上梓したことから(その当時は、海外においてもそれに類似した本は発刊されていなかった)、ある雑誌社のインタビューで「21世紀のセンサー社会に向けて」というテーマでセンサーの歴史・未来像について述べたことがある。
 筆者は30年前からの「21世紀はセンサー社会になる」という信念から、これからの大学にはセンサー工学のカリキュラムが必要となってくると考えていた。当時、日本の大学にはセンサー工学というカリキュラムは皆無であったが、その後、10数年前よりあちこちの大学にセンサー工学カリキュラムが見られるようになった。
 一方、米国は10数年前、当時の国防総省や商務省において、今後の重要技術の中にセンサー技術を取り上げ、重点的な研究開発を行って来た。特に国防総省においては、センサー技術の中のパッシブセンサーを取り上げ、赤外線センサーについての研究開発やパッシブセンサーで検出できないような材料、例えば、赤外線を発光しないような材料の研究開発などについても推進していたようである。また国防総省および商務省は、重要技術の自国の技術力を日本の技術力と評価するために海外の研究者や技術者に意見を求め、それらを基に評価結果を発表している。
 我が国には石油、石炭、ウランなどの「ハード資源」がほとんどないため、筆者はそれに代わる資源、すなわち、人材資源やテラヘルツなどの電磁波を「ソフト資源」として位置づけ、長年提唱してきた。その間、1978(昭和53)年から1987(昭和62)年にわたる9年間、資源調査会のエネルギー部会、工業原材料部会および国土資源部会の3部会の専門委員を務め、在任中に「電磁波資源」の調査を提案したが、当時、資源調査会としては適当な部会もなく、テーマとしては採用されなかった。
 その後間もなく、電磁波の中の「遠赤外線」や「テラヘルツ領域のデバイス」、さらには「極紫外線〜ソフトX線」、「準マイクロ波」などの電磁波が大きくクローズアップされ、1998(昭和63)年に6日本機械工業連合会において、産官学からなる電磁波応用交流会(主査:筆者)が設立された。3年後の1991(平成3)年には、同交流会で21世紀の新しい電磁波の研究開発課題を提言している。
 現在、テラヘルツテクノロジーが注目されているのは、テラヘルツ帯の電磁波、特に赤外光と電波の重複する電磁波の特性がいまだ解明されておらず、その応用も推進されていないことや、テラヘルツ帯の紫外光、可視光、赤外光の領域においても特にそれらの光のスペクトルとバイオ・生命分野における作用効果については未解明な領域も存在しているためである。
 今回の原書の『テラヘルツセンシングテクノロジー』は、これまでのアメリカの国防総省および商務省の研究背景や世界におけるテラヘルツテクノロジーの重要度を考慮し、「テラヘルツ」と「センサー技術」を融合した原書を三人の編者が「テラヘルツセンシングテクノロジー」と名付けたもので、その第1巻は、各種電子デバイスと最新のシステム技術について9章にわたって記述されている。
 「テラヘルツ」とは、SI(国際単位系)の世界共通ルールに基づくと、電磁波の周波数が1012〜1015Hz、波長で表記すると0.3マイクロメートル〜0.3ミリメートルの電磁波のことである。特に、光と電波の重複する周波数帯は今まで産業的に未踏の領域と言われ、テラヘルツの発生技術、測定技術、分光技術などのシーズ開発にも高度な技術が要求されるが、そのニーズはライフサイエンス、バイオテクノロジー、環境、情報通信、ナノテクノロジー、材料など多くの分野に応用展開が期待されている。
 なお、原書の翻訳にあたっては、東京工業大学名誉教授・廣瀬千秋氏が詳細に検討し、翻訳した。国内の関係者、特に産・官・学の研究者、技術者に幅広く利用されることを望む次第である。
 最後に、この原書の翻訳を推進された(株)エヌ・ティー・エスの吉田隆社長および臼井唯伸副部長に心より感謝の意を申し上げます。
2006年3月 大森豊明
翻訳にあたって
 原書の”Terahertz Sensing Technology”Vol.1、2は、それぞれInternational Journal of High Speed Electronics and Systems, Vol.13のNo.2およびNo.4(2003年、(c)World Scientific Publishing Company)を再録したものである。
 本書は、そのVol.1であり、最新のテラヘルツ波技術の様々な側面が紹介されており、この分野に参入しようとする若手研究者および学生諸氏にとって、大いに役立つであろう。そして、さしあたり取っつきやすい章が必ず含まれているはずである。各章は、最新のオリジナル研究を紹介しながら、その理解に必要な情報が加味されている記述形式になっている。いくつかの最新論文の内容が順に並べられていると思われる章すらある。また、背景にある基本事項が辟易するほど詳しく記されている章もある。よって、現在この分野にどっぷり浸かっている研究者・技術者の諸氏にとっても、視野を広げかつ基礎を固め直すうえで役立つものと思われる。なお、本書の翻訳と時期を同じくして、日本分光学会誌「分光研究」54巻でも「テラヘルツ・遠赤外分光」と題したシリーズ記事(6回)が掲載されている。最新状況を知るうえでは、こちらも参考になるであろう。
 内容が様々な分野にわたっているため、国内で使われている専門用語がよく分からないケースもいくつかあった。そのため、違和感を感じる読者がおられるかもしれないが、意味するところは伝わるように最大の努力をしたつもりであるから、それに免じてお許し願いたい。また、一部には原書の校正ミスと思われる意味不明な文章もあったため、意訳(推測による創作)した部分もわずかながらあることをここに一言しておきたい。
 最後に、訳者のつたない日本語から用語にわたって丁寧なコメントを頂いた監訳の大森豊明氏、そして、本書の翻訳という苦しみと楽しみの機会を提供してくれた(株)エヌ・ティー・エス編集企画部の臼井唯伸副部長に、この場を借りて心から感謝する。
2006年3月 廣瀬千秋

原書編者
Dwight L Woolard
William R Loerop
Michael S Shur
監訳
大森豊明OHT技術士事務所 所長、工学博士
翻訳
廣瀬千秋東京工業大学名誉教授、理学博士

詳細目次
序言
第1章テラヘルツテクノロジー概論
1まえがき
2背景
3テラヘルツ波の応用
4テラヘルツ波の部品
4.1センサー
4.1.1ヘテロダイン半導体
4.1.2ヘテロダイン超伝導素子
4.1.3直接検出素子
4.2テラヘルツ波源
4.2.1アップコンバータ
4.2.2電子管、レーザー、光ダウンコンバータ
5未来の応用と結びのことば
参考・引用文献
第2章テラヘルツ波発生源のための2端子能動デバイス
1まえがき
2発振器としての2端子負性抵抗デバイス
3製作技術および発振器回路
4固体2端子負性抵抗デバイスの基本特性
4.1トンネルデバイス
4.2Gunn効果デバイス
4.3トランジットタイム(走行時間)デバイス
(1)IMPATTモード
(2)TUNNETTおよびBARITTモード
(3)MITATTモード
(4)QWITTモード
4.4トランジットタイムダイオードのデバイス構造
5固体2端子負性抵抗デバイスの雑音特性
6真空TUNNETTデバイス
7BT3D(バリスティックトンネリングトランジットタイムデバイス)の基本特性
8まとめ
参考・引用文献
第3章テラヘルツ応用のための周波数逓倍器および高調波発生器技術
1まえがき
2概論
32倍波発生器
43倍波発生器
4.1回路の対称を使う3倍波発生器
4.2デバイスの対称を使う3倍波発生器
4.3ヘテロ構造バリヤバラクタ(HBV)を使う3倍波発生器
4.3.1HBVの材料系
4.3.2HBVの回路モデル
4.3.3HBVデバイスの構造と製作
4.3.4HBVベースの周波数逓倍器
5高次逓倍器
6分布周波数逓倍器
7テラヘルツ測帯波発生器
8まとめ
参考・引用文献
第4章超高周波増幅器のためのInPベースのサブミクロンヘテロ接合バイポーラトランジスタ
1まえがき
2HBTの形状縮尺
2.1ftの決定因子
3TSHBT
3.1成長と加工
4高周波数デバイスの測定
4.1超高周波数の測定システム
4.2オンウエハ較正
5デバイスの結果
5.1デバイスのモデル化
6HBT増幅器
6.1増幅器の設計
6.2増幅器の結果
7まとめ
参考・引用文献
第5章超高速光伝導体におけるフォトミキシングを用いたテラヘルツの発生
1まえがき
1.1固体テラヘルツ発生源のチャレンジ
1.2超高速光導電体におけるフォトミキシング
2フォトミキサー技術
2.1材料と製作
2.2直流電気特性
2.3静電気学とキャパシタンス
2.4駆動用レーザーとその結合
2.5交互交叉電極構造体におけるフォトミキシング
2.6テラヘルツアンテナ
2.7自由空間への結合
2.8テラヘルツ出力の測定
3フォトミキシングの理論
3.1光波混合(フォトニック混合)
3.2光電伝達関数
3.3集積光電流
3.4熱的効果
3.5テラヘルツ回路の効果
4実験結果および理論との比較
4.1直流特性と光電流
4.2広帯域テラヘルツ波の出力
4.3共鳴テラヘルツ波の出力
4.4予定外の効果
5改良型フォトミキサー
5.1フォトミキサーの最適化:広帯域負荷
5.2フォトミキサーの最適化:共鳴負荷
5.3共鳴光共振器フォトミキサー(ROCP)
5.4分布フォトミキサー
5.51.55オm用のフォトミキサー
5.62次元アレイへの拡張
6応用例
6.1実験室分光
6.2テラヘルツセンサーと計測への応用
7まとめ
参考・引用文献
第6章シリコン−ゲルマニウム量子カスケードレーザー
1まえがき
2サブバンド間レーザーにおけるSiGeの長所と欠点
3仮想シリコン基板上の緩和SiGeの利点
4理論とシミュレーション技術
5表面発光SiGe量子カスケードレーザー
6端面発光Si/SiGe量子カスケードレーザー
7超格子SiGe量子カスケードレーザーおよび量子並列レーザー
8SiGeレーザーの他のアイデア:フォノン励起レーザー(PPL)
9これまでに得られた実験的進展
10Si-に立脚した光電テラヘルツチップの展望
11まとめ
参考・引用文献
第7章プラズマ波エレクトロニクス
1まえがき
2プラズマ波の振動
3電界効果トランジスタ(FET)の中のプラズマ波
4プラズマ波の不安定性
5不安定条件
6テラヘルツ放射の検出器とミキサー
7プラズマ振動の共鳴励起を用いるテラヘルツフォトミキサー
8まとめ
参考・引用文献
第8章テラヘルツ波センシングとイメージング
1まえがき
2連続発振型テラヘルツシステム
2.1序論
2.2熱的波源
2.3フォトニクス波源
2.3.1自由電子レーザー
2.3.2気体・蒸気レーザー
2.3.3半導体レーザー
2.4非線形光学過程
2.5バイアスされた半導体における光混合
2.6電子を使う波源
2.7検出
3テラヘルツ超短パルス分光計
3.1序論
3.2パルスシステム
3.3発生法
3.3.1光導電アンテナ(PCA)
3.3.2光整流
3.3.3パルス光混合
3.3.4光励起半導体および超伝導体
3.4テラヘルツ超短パルスの検出
3.4.1光導電を使ったサンプリング
3.4.2電気光学を使ったサンプリング(EOS)
3.4.3磁気光学を使ったサンプリング
3.5テラヘルツ超短パルスの伝播
3.5.1伝播フィルター
3.5.2伝送と反射
3.5.3トランシーバー
3.5.4導波路
4センシング
4.1序論
4.2時間領域テラヘルツ分光
4.2.1透過分光
4.2.2反射分光
4.2.3角度測定
4.2.4楕円率測定
4.2.5差分測定
4.2.6干渉測定
4.2.7導波路共振器
4.2.8数値的フーリエスペクトル
4.3テラヘルツ波による材料研究
4.3.1気体および蒸気
4.3.2液体
4.3.3固体
4.3.4生体物質
4.4レーダーおよび距離測定
4.5テラヘルツ波による活性の誘起
5イメージング
5.1序論
5.2走査イメージングおよび合成アパーチャイメージング
5.3PCAアレイイメージング
5.4EOS CCDイメージング
5.5トモグラフィ
5.6近接場イメージング
5.7測定速度
5.8誘電体物質のイメージング
5.9分類の検出方法
6まとめ
参考・引用文献
第9章テラヘルツパルスによる多点測定(マルチスタティック)反射イメージング
1まえがき
2テラヘルツ時間領域分光計
32次元マイグレーション
4再生画像の解像度
5センブランスを使った伝播速度の予測
6まとめ
参考・引用文献
索引

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