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分子デバイスおよび分子マシン
〜ナノワールドへの誘い〜
[コードNo.07NTS171]

■体裁/ B5判・496頁
■発行/ 2006年 10月 6日
(株)エヌ・ティー・エス
■定価/ 38,880円(税込価格)

世界をリードする研究を続ける、Vincenzo Balzani,Alberto Credi,Margeritha Venturiによる編纂「Molecular Devices and Machines −A Journey into the Nanoworld」の翻訳版。
分子デバイス・分子マシンの基本的なコンセプトから超分子種の合成と特性の概論、そして様々な応用に向け、最近の文献から採用された最新研究と開発状況を具体的かつ体系的に解説。
今世紀前半の最もホットな研究分野の一つである分子デバイス・分子マシンの開発と実用を担う研究者・技術者必携の書

原書「Molecular Devices and Machines −A Journey into the Nanoworld」WILEY-VCH Verlag GmbH & Co.KGaA,Weinheim

監訳者 まえがき
 わが国の繁栄には科学技術の振興が必要欠くべからざるものであるという考えから、1995年に科学技術基本法が制定された。これにもとづく第2次及び第3次科学技術基本計画では、広範な分野に大きな波及効果を持つナノテクノロジー・材料の研究が重点4分野の一つとして取り上げられた。デバイスやマシンのサイズをマイクロメートル(10-6 m)からナノメートル(10-9 m)の領域に持ち込むことによって、高密度・小型化、高速化や省資源・エネルギーを可能とすることが目標となっている。これには大別して従来のシステムをマイクロからナノにダウンサイジングする「トップ・ダウン」方式と、サブ・ナノの原子分子を集積させる「ボトム・アップ」の方式とがある。Balzaniらによる本書は、後者の方式を総合的に扱った名著である。
 化学者は19世紀後半から合成化学の手法を磨いて、サブ・ナノメートルの分子からなる物質を任意に作り出すことができるようになった。その後高分子合成が可能となり、20世紀の終わり頃からは、分子性物質を集積させ巨大分子や分子集合体を作り出す方法を明らかにしてナノサイズに到達してきた。これらを分子デバイス・分子マシンにする研究も始まっているが、まだプロトタイプの研究が多く、溶液中の非コヒーレントな分子の性質・挙動にとどまり、実用に耐える固体の分子デバイス・分子マシンとなっているとは言いがたい。
 本書は、化学者に対しては、ナノサイズのデバイスやマシンに到達するには、何が必要なのかを適切に論じている。また物性物理学者、IT科学技術者に対しては、分子からのアプローチがどこまで進んで、どのような可能性を秘めているかを具体的かつ体系的に示している。廣瀬千秋博士は光化学・分光学の専門家であり、短期間に完成度の高い翻訳原稿を作成された。有機化学を背景に持つ岩村は、これと相補的に、化合物の名称、構造式、化学反応について特に目を配った。
 ナノサイエンスには、ボトム・アップの出発点というだけでなく、このサイズの原子.分子に特徴的な量子サイズ効果がある。これをデバイスに組み込むことができれば、概念的にも革新的なデバイス・マシンの誕生が期待される。また、これら研究の成果は、科学技術基本計画のその他の重点分野である情報通信(IT)及びライフサイエンスの研究に対しても大きな波及効果が期待される、21世紀の初頭で最もホットな研究分野の一つである。若手研究者の挑戦を期待し、本訳書がその一助となればと願う。
2006年9月 岩村秀

翻訳者
廣瀬千秋東京工業大学

監訳者
岩村秀日本大学

原書編者
V. Balzani、A. Credi、M. Venturi

詳細目次
Chapter1 概論
1分子レベルのデバイス(素子)とマシン(機械)
2素子と機械の小型化(ミニチュア化)
3トップダウンアプローチ
4ボトムアップアプローチ
5(多元)超分子の化学
PART1 電子および電子エネルギーのプロセシングを行うためのデバイス

Chapter2 電子移動およびエネルギー移動の基本原理
1はじめに
2光誘起型の電子移動過程とエネルギー移動過程
Chapter3 分子導線および関連系
1はじめに
2伝導率測定
3電極における電子移動過程
4光誘起電子移動
5不均一型光誘起電子移動
6エネルギー移動
Chapter4 電子移動過程およびエネルギー移動過程のスイッチング
1はじめに
2電子移動過程のスイッチング
3エネルギー移動過程のスイッチング
Chapter5 光捕集アンテナ
1はじめに
2天然のアンテナ系
3ポルフィリンをベースにした配列
4多重発色団型のシクロデキストリン
5デンドリマー
6その他の系
Chapter6 光誘起電荷分離と太陽エネルギーの変換
1はじめに
2自然界の反応中心
3人工の反応中心
4ハイブリッド型の反応系
5太陽エネルギーの人工変換
PART2 メモリ、論理ゲート、および関連系

Chapter7 双安定システム
1はじめに
2フォトクロミックシステム
3ホスト−ゲスト相互作用の変調
4蛍光スイッチ
5キロオプティカルスイッチ
6光化学反応を用いる生体分子スイッチ
7エレクトロクロミックシステム
8酸素還元スイッチ
9他のシステム
Chapter8 多状態−多機能システム
1はじめに
2双フォトクロミック超分子システム
3光化学的入力と他の刺激の組み合わせ
4多電子型酸化還元過程
5電気化学的入力と化学的入力の組み合わせ
6多重化学入力
Chapter9 論理ゲート
1はじめに
2論理ゲートの基本概念
3分子スイッチによる論理ゲート
4基本的な論理ゲート
5組み合わせ型論理
6ニューラル型システム
7分子スイッチ間の通信
8オリゴヌクレオチドをベースにした計算
9分子ベースの電気回路
10むすび
PART3 分子スケールのマシン

Chapter10 分子マシンの基本原理
1はじめに
2分子マシンのコンセプト
3エネルギー源
4その他の要請
Chapter11 自発的なマシン型運動
1はじめに
2ローター(回転子)
3はめば歯車(コグホイール)
4歯車(ギア)
5水かき車(パドルホイール)
6回転腕木(ターンスタイル)
7ブレーキ(制動装置)
8ラチェット(歯止め装置)
9分子回転儀(ジャイロスケーン)と回転儀(ジャイロスコープ)
Chapter12 開閉および転位に関連する運動
1はじめに
2アロステリック(活性部位移動)運動
3ピンセットと銛(ハルプーン)
4ホスト−ゲストシステムの組織化−解組織化の制御
5タンパク質およびDNAにおける立体配座変化
6分子ロック
7金属イオンの転座
8イオンチャネル
Chapter13 回転運動
1はじめに
2自然界の回転モーター
3ハイブリッド型回転モーター
4人工系における回転運動
Chapter14 輪通し(スレッド)・輪抜き(アンスレッド)運動
1はじめに
2化学駆動型の運動
3電気化学駆動型の運動
4光化学駆動型の運動
5不均一システム
Chapter15 直線運動
1はじめに
2自然界のリニアモーター
3ロタキサンにおける直線運動
4表面および固体担持体への ロタキサン連結
Chapter16 知恵の輪分子カテナンにおける運動
1はじめに
2化学的に駆動された運動
3電気化学的に駆動された運動
4光化学的に駆動された運動
5今後の展望
6表面および固体担持体へのカテナンの連結
略語索引
キーワード索引

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