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次世代キャパシタ開発最前線
−大容量・高耐圧化のための材料・構成から二次電池とのハイブリッドおよび最新応用動向まで−
[コードNo.09NTS234]

■体裁/ B5判・297頁
■発行/ 2009年 9月 25日
技術教育出版社
■定価/ 50,760円(税込価格)
 
★ 次世代キャパシタの材料と構成の開発動向を詳解
★ 電気二重層キャパシタ導入による二次電池の活かし方から最新の応用展開を網羅


はじめに

 エネルギーについて論ずるにあたって、われわれの身体ののしくみに目を転じて考えてみたい。われわれの身体は、生物活動を行い生命を維持するために長い年月をかけて効率的なエネルギーシステムを作り上げてきたが、その高度さには目を見張るものがある。体内のエネルギー生産と供給には、ATP(アデノ三燐酸)といういわばエネルギー貨幣が使われているが、そのATP生成には有酸素反応と無酸素反応の2つの方法がある。
 持続的で大きなエネルギーを必要とする運動(有酸素運動)には、呼吸により取り入れられた酸素を使った有酸素反応によりエネルギーが生成される。この反応では1つのブドウ糖から38個ものATPが作られるが、その速度は遅く瞬発力やパワーを必要とする運動には対応できない。瞬発力やパワーを必要とする運動(無酸素運動)時には、無酸素反応により筋肉にあるブドウ糖を使って即座にエネルギーが生成される。瞬時に大量のエネルギーを供給できるが1つのブドウ糖からは2つのATPしか生成できないので、すぐに供給できなくなる。人間はこの両者をうまく使い分けながら、あらゆる動作に対応したスムースなエネルギー供給を可能としている。
 次世代高容量キャパシタは、高出力、高サイクル性、高安全性、良好な温度特性など、多くの利点を有しており、その特性は同じ蓄電デバイスであるリチウムイオン電池と全く好対照な位置にある。この好対照な2つの蓄電デバイス(電池とキャパシタ)は、実は人間の体内のエネルギー供給システム(有酸素反応と無酸素反応)に対応しているといえる。電池とキャパシタの両者を組合せて用いるシナジー効果は極めて高い。2つの好対照なエネルギーデバイスを絶妙に組合せることにより、あらゆるエネルギーマネージメントが可能となる。
 本書が紹介する電池とキャパシタの補完に関する実用例は益々増えつつあり諸分野に波及している。また、電池だけではなく、燃料電池やインバーターとキャパシタを組合せることによる絶妙なエネルギーシステムも注目を集めている。できるだけ化石燃料に頼らない、できるだけCO2 などの温室効果ガスを排出しない実効性のある環境に優しいエネルギー対策を考えるとき、このような複合的エネルギー貯蔵システムの発展は、日本にとって大きな戦略となると思われる。
2009年8月
直井勝彦・西野敦

【監 修】

直井勝彦東京農工大学大学院共生科学技術研究院 教授
西野敦西野技術士事務所

【執筆者一覧】(執筆順)

直井勝彦東京農工大学大学院共生科学技術研究院 教授
前野徹郎クラレケミカル(株)商品開発室室長補佐
猪飼慶三新日本石油(株)新エネルギー事業本部 エネルギーシステム開発部 蓄電材料生産技術グループ マネジャー
竹下究新日本石油(株) 新エネルギー事業本部 エネルギーシステム開発部 蓄電材料開発グループ シニアスタッフ
宇恵誠三菱化学(株) イノベーションセンター フェロー
千葉一美日本カーリット(株)R&Dセンター 研究員 東京農工大学大学院共生科学技術研究院 直井研究室 リサーチフェロー
高木祥子東京農工大学大学院共生科学技術研究院
本間格(独)産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門 ナノエネルギー材料グループ 研究グループ長
羽鳥浩章(独)産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門 エネルギー貯蔵材料グループ 研究グループ長
石川正司関西大学化学生命工学部化学・物質工学科 教授
本田裕一関西大学化学生命工学部化学・物質工学科 リサーチアシスタント
白石壮志群馬大学大学院工学研究科応用化学・生物化学専攻 准教授
成瀬新二デュポン帝人アドバンストペーパー(株) 技術生産部 シニアリサーチエンジニア
丸茂千郷JMエナジー(株) 執行役員 開発担当
王宏宇佐賀大学先端研究教育施設
朴金載佐賀大学先端研究教育施設
Arjun Tappa佐賀大学先端研究教育施設
鄒美佐賀大学先端研究教育施設
芳尾眞幸佐賀大学先端研究教育施設 名誉教授
吉野彰旭化成(株)理事 旭化成グループフェロー 吉野研究室室長
吉武優旭硝子(株)中央研究所 統括主幹・特任研究員
宮坂力桐蔭横浜大学大学院工学研究科 教授 ペクセル・テクノロジーズ(株)
手島健次郎ペクセル・テクノロジーズ(株)
天野浩名城大学理工学部 教授
島本秀樹パナソニック エレクトロニックデバイス(株) 開発技術センター デバイス技術開発研究所 主幹技師
松井啓真(株)指月電機製作所 第二事業本部 品質保証部長
安藤保雄(株)明電舎 コンポーネント事業部 キャパシタ事業開発部長
野津龍太郎日清紡(株) 新規事業開発本部 キャパシタ事業部
伊藤勝ルビコン(株) 基礎開発部長
西野敦西野技術士事務所

構成および内容

第1編 次世代キャパシタの展望(材料と構成)

第1章次世代キャパシタの展望(材料と構成)
1はじめに
2キャパシタの用途拡大
3キャパシタと電池
4電気二重層キャパシタの構成、電荷貯蔵原理
5大容量新規キャパシタ材料
5-1ナノカーボン材料
5-2金属酸化物電極材料
5-3導電性ポリマー材料
6高電圧化によるエネルギー密度の向上
6-1新しい電解液
6-2イオン性液体電解質
6-3ハイブリッドキャパシタ
7おわりに
第2章活性炭-クラレケミカルにおける取り組み
1はじめに
2EDLC電極用活性炭の製法と高性能化へのポイント
2-1原料について
2-2前処理技術について
2-3賦活技術について
2-4精製技術について
2-5粉砕技術について
3主な製品の概要、性能
3-1YPについて
3-2RPについて
3-3NKについて
3-4NYについて
3-5活性炭繊維 「クラクティブCHについて」
4おわりに
第3章石油コークスを原料とした活性炭
1はじめに
2新日本石油のニードルコークス
3石油コークスを原料としたEDLC用活性炭
3-1原料炭
3-2炭化
3-3賦活
3-4洗浄
4製品の概要、特長
5おわりに
第4章キャパシタ用電解質開発の現状と展望
1はじめに
2電解質の分類と性能
2-1電気伝導率が高い
2-2電位窓が広い
2-3電極容量が高い
2-4使用可能温度範囲が広い
2-5安全性が高い
3水系電解液
4非水系電解液
4-1有機溶媒
4-2溶質
4-3第四級塩系電解液
4-4リチウム塩系電解液
5イオン液体
6おわりに
第5章スピロ型第四級アンモニウム電解質の特性
1はじめに
2電解液に求められる特性
2-1電解質の構造と電解液電導度の関係
2-2電解質の溶媒への溶解性と電解液粘性率の関係
2-3電解質および溶媒の種類と電気化学的安定性の関係
2-4実用化された電解質の種類
3各環状型電解質の特性
3-1電解質種と電導度の関係
3-2電解質種と粘性率の関係
3-3電解質種と電気二重層キャパシタ特性の関係
4スピロ型第四級アンモニウム塩(SBP-BF4)
5すでに実用化されていた電解質との特性比較
5-1電導度-電解質濃度
5-2粘性率-温度
5-3内部抵抗-温度
5-4レート特性
6溶媒種の効果
7まとめ
第6章ナノドットルテニウム酸化物系
1はじめに
2酸化ルテニウム
2-1酸化ルテニウムの利用率と粒子サイズ
2-2容量と利用率
3著者らの研究
3-1電気泳動析出(electrophoretic deposition:EPD)法
3-2ヒュームドシリカを使用した新規湿式法
3-3内包型RuOX/KBナノコンポジット
4おわりに
第7章ナノクリスタル・ディメンションコントロール
1はじめに
2ナノクリスタル活物質の合成と高速充放電特性
2-1ナノコーティング型カーボン電極
2-2メソポーラス型電極
2-3ナノ結晶型電極
3まとめ
第8章単層カーボンナノチューブ(SWCNT)
1SWCNT電極への期待と製造技術の現状
2SWCNT電極のキャパシタ特性
3SWCNT電極の蓄電メカニズム
第9章多層カーボンナノチューブ(MWCNT)
1はじめに
2CNTを直接電極に用いた例
3CVD法による配向MWCNTの作製
4電極化を考慮したCVD法
5転写法による高配向MWCNT電極
6配向性MWCNT電極を用いたキャパシタ特性
6-1ナイキストプロット
6-2周波数依存容量
6-3定電流放電試験
6-4エネルギー密度と出力密度の相関
6-5種々の長さの配向性MWCNTの放電容量
7配向性MWCNT電極の今後
第10章フラーレン関連炭素材料と活性炭ナノ繊維
1はじめに
2フラーレンスート
3活性炭ナノ繊維
4おわりに
第11章アラミドセパレータ、アラミドバインダー
1アラミドセパレータ
1-1はじめに
1-2アラミドセパレータの特徴
1-2-1アラミド
1-2-2アラミドセパレータ
1-3電気二重層キャパシタ
1-3-1電気二重層キャパシタ
1-3-2キャパシタの構造
1-3-3キャパシタの特性
1-4アラミドセパレータの電気二重層キャパシタへの応用例
1-4-1活性炭吸着水
1-4-2電極ユニットの乾燥
1-4-3耐電圧の評価
1-5まとめ
2アラミドバインダー
2-1はじめに
2-2アラミドバインダーの特徴
2-3アラミドバインダーの電気二重層キャパシタへの応用例
2-3-1加熱処理
2-3-2キャパシタの特性
2-4まとめ
第12章リチウムイオンキャパシタ
1リチウムイオンキャパシタの原理と構成
2リチウムイオンキャパシタの特性
3リチウムイオンキャパシタの安全性
4リチウムイオンキャパシタの可能性
第13章黒鉛系高電圧キャパシタ
1はじめに
2従来型および新型キャパシタの充放電曲線とエネルギー密度、電解液の分解
3新型キャパシタの充放電メカニズム
4黒鉛/活性炭キャパシタの高電圧化に伴う電解液分解の抑制
5鉛電池代替としての黒鉛正極高電圧ハイブリッドキャパシタ
6最後に

第2編 キャパシタとバッテリーの共存によるメリットと可能性

第1章二次電池とEDLC
1はじめに
2蓄電デバイスの分類と市場構図
2-1エネルギーデバイスと蓄電デバイスの定義
2-2蓄電デバイスの定義と市場の構図
3EDLCと二次電池の共存
3-1蓄電デバイスの市場構図の分析
3-2EDLCと二次電池の共存によるメリット、可能性、課題
3-2-1EDLCの出力特性と二次電池の共存によるメリット、可能性、課題
3-2-2EDLCの耐久性と二次電池の共存によるメリット、可能性、課題
4おわりに
第2章燃料電池とEDLC
1はじめに
2燃料電池
3EDLCを含む燃料電池システムの開発例と課題
3-1燃料電池車へのEDLCの適用と課題
3-2分散型電源への燃料電池とEDLCの適用
3-3携帯機器用電源への燃料電池とEDLCの適用
4今後の課題と展望
第3章光蓄電機能を持つ太陽電池“光キャパシタ”
1光発電と蓄電
2色素増感太陽電池の特徴
3光キャパシタの原理
4光キャパシタの充放電特性と高容量化
5おわりに
第4章LEDとEDLC
1はじめに
2LEDを構成する化合物半導体材料、基本構造および動作電圧
3まとめに代えて-LEDの課題と解決のための取り組み

第3編 キャパシタ応用展開の最新動向

第1章自動車用キャパシタの開発
1はじめに
2電気二重層キャパシタの自動車への応用
3電気二重層キャパシタに求められる特性
4低抵抗技術開発
4-1電気二重層キャパシタセルの構成
4-2セル構造検討による低抵抗化
4-3活性炭材料
4-4電解液
4-5開発技術の製品適用
5おわりに
第2章キャパシタの瞬時電圧低下補償装置への応用
1はじめに
2瞬低補償装置用電気二重層キャパシタの概要
2-1瞬低補償装置について
2-2瞬低補償装置用として求められるEDLCの性能
3今後の課題と展開について
第3章キャパシタの動力回生、バックアップ電源への応用
1開発及び製品化の経緯
2キャパシタの概要
3動力回生への応用―直流電気鉄道応用
3-1適用の概要
3-2直流電気鉄道システムと回生電力
3-3電気鉄道の電力貯蔵装置
3-4直流電鉄用電力貯蔵装置(キャパポスト)の具体例
3-4-1キャパポストの仕様
(1)キャパシタ
(2)昇圧放電、降圧充電用チョッパ
(3)抵抗器
4バックアップ電源への応用―緊急遮断弁
4-1緊急遮断弁へのキャパシタの適用
4-1-1バネ式緊急遮断弁
4-1-2バッテリー式
4-1-3高圧エアー式
4-2キャパシタ
4-2-1適用キャパシタ
4-2-2キャパシタの温度特性
4-2-3キャパシタの出力特性
4-3キャパシタを適用した緊急遮断弁
4-3-1アクチュエータの制御方法
4-3-2緊急遮断弁の特長
5おわりに
第4章電気二重層キャパシタの産業応用(搬送車、電力貯蔵への応用)
1搬送車等に向けた高出力キャパシタ開発とその応用
1-1電気二重層キャパシタ「N's CAP」について
1-2産業用搬送機器への電気二重層キャパシタの応用
1-3大型搬送機用高出力キャパシタの開発
1-4大型キャパシタモジュール開発および大型搬送機への応用の実際
2自然エネルギーの電力貯蔵に向けたキャパシタ開発とその応用
2-1エネルギー問題の現状と自然エネルギーの電力貯蔵への期待
2-2電力貯蔵向けキャパシタ開発
2-3NEDO技術開発機構 系統連系円滑化蓄電システム技術開発プロジェクトにおける取り組み
第5章ルビコン社における電気二重層キャパシタの応用展開
1ルビコン社における電気二重層キャパシタの開発状況
1-1ルビコン社の概要
1-2電気二重層キャパシタの開発の歴史
2ルビコン社におけるEDLC及び関連製品群
2-1EDLC単体
2-2キャパシタモジュール
2-3EDLC応用商品
2-3-1レーザーポインター(LP)
2-3-2直流保持電源 DCH20、DCH150
3EDLCの応用事例
3-1メモリーバックアップ用途
3-1-1携帯機器関連
3-1-2プリンター関連
3-1-3プロジェクター関連
3-1-4監視カメラ
3-1-5電車用監視カメラ
3-1-6その他の用途
3-2LED照明関連
3-2-1道路鋲
3-2-2サインマーカー
3-2-3LED照明
3-2-4非常灯
3-3産業機器用途
3-3-1電気駆動自動弁の開閉動力用
3-3-2FA機器の停電時電圧保持用
3-3-3瞬低補償装置
3-3-4回生エネルギー利用用途
3-3-5工場搬送機電力供給
3-4車載用途
3-4-1ドライブレコーダー
3-4-2ブレーキバックアップ電源
3-4-3アイドリングストップ対策
3-4-4エンジンスターター
3-4-5車戴その他
3-5新エネルギー用途
3-5-1太陽光発電用途
3-5-2燃料電池用途
3-5-3風力発電用途
(1)小型風力発電
(2)大型風力発電
3-6将来的な電気二重層の応用展開

第4編 電気二重層キャパシタ(EDLC)の開発の歴史と最新の業界動向

1概要
1-1電気二重層キャパシタ(EDLC)の発明と実用化の歴史
1-2電気二重層キャパシタの種類と製品化の歴史
1-3EDLCの各サイズ別、応用機器、活性炭材料の歴史
1-4コイン型EDLCの仕様と用途の経年変化
2EDLCの世界の動向と生産活動
2-1EDLCの概要
2-2世界の主なEDLC生産会社と関連会社
2-3EDLCの生産活動の概要
3EDLCが有ってこそ生きる電池
3-1はじめに(EDLCの電池との相違)
3-2資源の高騰と電池価格の相対価値
3-3電池とEDLCの位置づけ
3-4EDLC応用の代表的な基本電気回路
3-4-1バックアップ電源
3-4-2小型電池との併用電源
3-4-3急速充電可能な簡易電源
3-4-4太陽電池との併用電源
3-5EDLCが有ってこそ生きる電池応用例
3-5-1ソーラーラジオ
3-5-2婦人生理体温計
3-5-3沸騰ジャーポット
3-5-4ガス安全電磁ホルダー
3-5-5ガス無人自動検針システム
4EDLCの最近の応用展開
4-1概要(回生制動応用と産業用応用)
4-2EDLCの自動車への応用展開
4-3HEVの種類
4-4業務用複写機へのEDLCの採用例
4-5半導体製造用電磁バルブへのEDLCの採用例
4-6フォークリフトへのEDLCの採用例
5まとめ



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