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【改訂版】
治験の臨床検査値における軽微変動が意味するもの/有害事象判定  
 
〜カルテの見方と併存疾患の取扱いとその経時変動の解釈〜  
[コードNo.11STP058]

■体裁/ B5判 169ページ
■発行/ 2011年 6月 28日 サイエンス&テクノロジー(株)
■定価/ 43,200円(税込価格)
■ISBNコード/ 978-4-86428-020-4
 
★臨床現場で悩む!基準値から外れていたら、ただちに異常としてよいのか?
★グローバルにおける有害事象評価と日本との違いとは。

書籍趣旨

新薬開発の過程では多かれ少なかれ、肝障害や腎障害などの副作用、および目的とする薬効以外の薬理効果が出現する。これらをモニターして、新薬の臨床での有用性を明らかにする臨床治験において、血液検査データの追跡は欠かすことのできないものである。軽度な検査データの変動は確実に起きる。その際、GOTの上昇を見たら、それだけで肝臓障害と報告、BUN高値をみたら腎障害と報告など、障害臓器を短絡的に特定してしまうと、過度に有害事象との判定を行うこととなるし、また、場合によっては、真の障害を見逃す恐れすらある。検査データから、生体の状態を予測するためには、検討している検査データが生体の代謝経路のどの段階に位置するのかを正確に理解する必要がある。有害事象を予測させる検査データを検出した際に、生体機能障害の病態生理・生化学的な解析を行うための知識を習得する必要がある。
また、臨床の現場でモニターを行っていると、基準値の問題に必ず出会う。基準値から外れていたら、ただちに異常としてよいのか、また、そのような場合に臨床医のコメントを受けると、生理的変動であると言われるなど、悩ましい場面が多くある。症例毎に判断は異なるのであるが、個々の基準値がどのように決められているのかを理解することで、判断をする助けとなる。

治験において治験薬の対象疾患以外に併存している疾患の症状は、時に有害事象の判定を難しくさせる。この節では、治験中の併存疾患、併存症状について、症例報告書作成にあたりどのような問題点が発生する可能性があるか、どのように処理するか、処理に苦慮した具体例をいくつか紹介したい。

著者

福地邦彦昭和大学 医学部 教授
蓮沼智子北里大学 臨床薬理研究所 医学管理部長
原田和博笠岡第一病院 診療部長
臨床開発 担当外資系大手製薬企業 医学博士

目次

第1章治験における臨床検査値の軽微変動が意味するもの
1基準値、人為的な異常値、パニック値
1.1基準値とカットオフ値の設定法
1.1.1基準値の設定
1.1.2検査値は正規分布する
1.1.3基準範囲を設定するための標本
1.1.4生理的変動
1.1.5カットオフ値の設定
1.2感度と特異度
1.2.1感度と特異度の算出
1.2.2ROC 曲線 Receiver Operating Characteristic curve
1.3基準値を外れていたら直ちに身体異常を考慮しなくてはならない検査データは何か
1.4人為的な検査値の変動
1.5パニック値
1.6採血の注意点
1.7軽度な異常値を見たとき
2炎症反応
2.1炎症発生時の生理的応答
2.2炎症マーカー(急性相蛋白)の上昇機序:CRP と赤沈(血沈)の関連
2.3代表的な炎症マーカー
2.3.1インターロイキン-1(IL-1)
2.3.2インターロイキン-6(IL-6)
2.3.3インターロイキン-10(IL-10)
2.3.4腫瘍壊死因子 TNF α
2.3.5CRP
2.3.6赤沈
2.3.7ハプトグロビン
2.3.8フィブリノゲン
2.3.9α 1-アンチトリプシン
2.3.10セルロプラスミン
2.3.11血清アミロイドA(Serum Amyloid A:SAA)
2.3.12α 1 酸性糖タンパク
2.3.13プロカルシトニン(PCT)
2.3.14ヘプシジン
3薬物の有害反応
3.1薬物の代謝と排泄
3.2有害作用発生機序
3.2.1細胞毒性
3.2.2免疫学的機序
3.2.3クームステスト 抗グロブリン試験
3.2.4DLST(Drug-induced lymphocyte stimulation test) 薬剤によるリンパ球刺激試験
3.2.5薬剤の有害反応による代表的な検査値異常
4肝機能検査
4.1肝臓の組織
4.2エネルギー産生
4.2.1エネルギー産生の全体像
4.2.2LDH の役割
4.2.3脂質をエネルギー源とする場合
4.2.4飢餓状態でのエネルギー産生
4.2.5糖尿病では、ケトン体を利用できない
4.2.6エネルギー産生経路のまとめ
4.3解毒機能
4.3.1解毒とは
4.3.2アンモニアの処理、尿素サイクル、AST(GOT)、 ALT(GPT)の働き
4.3.3ビリルビンの代謝
4.3.4シトクロームP450(CYP)による薬剤の代謝
4.3.5肝臓では、ステロイドホルモンも代謝・排泄している
4.4蛋白合成能
4.5胆汁の合成
4.6薬剤性肝障害
4.7肝機能関連検査項目
4.7.1総蛋白
4.7.2アルブミン
4.7.3A/G 比 アルブミン/ グロブリン比
4.7.4AST(GOT)とALT(GPT)
4.7.5LDH
4.7.6コリンエステラーゼ
4.7.7尿素窒素
4.7.8ビリルビン
4.7.9アンモニア
4.7.10ALP アルカリホスファターゼ
4.7.11γ -GTP γ - グルタミルトランスペプチダーゼ
4.7.12LAP ロイシンアミノペプチダーゼ
4.7.135’- ヌクレオチダーゼ 5’ribonucleotide phosphohydrolase
5腎機能検査
5.1ホメオスターシス異常の検査結果の読み方
5.1.1酸塩基平衡
5.1.2アシドーシスとアルカローシス
5.1.3アニオンギャップ
5.1.4電解質の異常
5.1.5Na イオン
5.1.6K イオン
5.1.7Ca イオン
5.1.8Cl イオン
5.2腎機能検査
5.2.1腎による水と電解質バランス調節機能
5.2.2腎の内分泌能
5.3腎機能障害
5.3.1腎機能が障害を受けた際の症状
5.3.2尿毒症とは
5.4腎機能検査
5.4.1初めにチェックする項目
5.4.2BUN(血清尿素窒素)と血清クレアチニン濃度
5.4.3尿でみる腎機能異常
5.4.4腎臓の部位別の機能検査
5.5腎障害の早期検出にはどのような検査が適切か
5.5.1薬剤性腎障害の種類
5.5.2尿蛋白 尿アルブミン
5.5.3クレアチニンクリアランス(CCr)
5.5.4尿中β2- ミクログロブリン(β2-MG)値
5.5.5尿中NAG(N-acetyl- β -D-glucosaminidase)
5.5.6血清シスタチンC(Cys-C)
6血液検査
6.1貧血の判断
6.1.1赤血球恒数
6.1.2鉄の代謝と検査
6.1.3網赤血球(Reticulocyte)
6.1.4エリスロポイエチン
6.1.5症候性貧血(続発性貧血)
6.1.6薬剤による貧血
6.1.7溶血時の検査
6.2出血傾向の検査
6.2.1出血傾向とは
6.2.2血液凝固経路のポイント
6.2.3血液凝固の検査
6.3DIC
6.3.1DIC の発生機序
6.3.2DIC の検査
6.4薬剤による凝固異常
6.4.1薬剤性血小板減少とは
6.4.2ヘパリン起因性血小板減少症(Heparin induced Thrombocytopenia;HIT)
6.4.3血小板機能障害
6.4.4凝固因子への障害
7筋肉障害
7.1横紋筋融解症
7.2筋肉細胞破壊マーカー
7.2.1クレアチンキナーゼCK
7.2.2ミオグロビン
7.2.3アルドラーゼ
最後に
症例検討
解説
第2章治験の有害事象評価におけるカルテの見方
はじめに
1カルテとは
2初診時のカルテの内容
3再診時のカルテ
4特殊な用語
5カルテから知りたいこと
第3章治験の有害事象判定における併存疾患の取り扱いとその経時変動の解釈
第1節併存疾患の取り扱い
はじめに
1併存疾患とは
2発生した事象の取り扱い
3具体例
第2節事象の経時変動の解釈
はじめに
1有害事象の因果関係の判定
2検査値の変動
3具体例
4的確な有害事象の判定のために
第4章有害事象評価の実際(1)−因果関係、重篤度、既知・未知判定のポイント−
1有害反応(=副作用)の発生機序による分類とその特徴
2予測性の評価:既知か未知かの判断
3重篤度の評価
4因果関係判定のポイント:判定の要因とGrading
5因果関係判定のポイント:時間的関係の解釈
6症例提示
第5章有害事象評価の実際(2)−知っておくべき臨床検査値解釈のコツ−
はじめに
1白血球(White Blood Cell;WBC)について
2肝機能検査
3筋肉に関する有害事象
第6章グローバルにおける有害事象評価と日本との違い
1拝啓
2害事象評価における主要3要素
3因果関係
4重篤度
5予測性評価
6有害事象評価に関する判断基準



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