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二酸化炭素を用いた化学品製造技術  
[コードNo.16STA118]

■体裁/ B5判上製本 305ページ
■発行/ 2016年 4月13日 S&T出版(株)
■定価/ 64,800円(税込価格)
■ISBNコード/ 978-4-907002-54-1

著者

杉本裕東京理科大学
室井城アイシーラボ
矢部智宏早稲田大学
小河脩平早稲田大学
関根泰早稲田大学
梅田実長岡技術科学大学
内田希長岡技術科学大学
白仁田沙代子長岡技術科学大学
井出裕介国立研究開発法人物質・材料研究機構
武石薫静岡大学
中田一弥東京理科大学
寺島千晶東京理科大学
勝又健一東京理科大学
藤嶋昭東京理科大学
栄長泰明慶應義塾大学
川島慎悟東京工業大学
三上幸一東京工業大学
山田徹慶應義塾大学
関根康平慶應義塾大学
藤原哲晶京都大学
辻康之京都大学
木村正成長崎大学
美多剛北海道大学
佐藤美洋北海道大学
高野一史大阪ガスケミカル(株)
崔準哲国立研究開発法人産業技術総合研究所
安田弘之国立研究開発法人産業技術総合研究所
岡田昌樹日本大学
冨重圭一東北大学
榧木啓人東京工業大学
深谷訓久国立研究開発法人産業技術総合研究所
古賀舞都東京農工大学
富永洋一東京農工大学
三宅信寿旭化成(株)
青柳直人近畿大学
落合文吾山形大学
遠藤剛近畿大学
松井南国立研究開発法人理化学研究所
米山賢群馬大学
中野遼東京大学
野崎京子東京大学

趣旨

 地球温暖化との関連から“二酸化炭素”を取り巻く社会情勢は日ごとに厳しさを増している。短期的には地中や海底に隔離・貯留することにより、大気中の二酸化炭素を削減することができるだろう。しかし、それらの技術では、二酸化炭素が存在する場所を移したことに過ぎず、根本的な解決とはいい難い。また、隔離場所まで移送するためのエネルギーコストや貯留中の安全確保などが副次的な問題として浮かび上がってくる。やはり、環境中の二酸化炭素を本質的かつ安全に減らしたければ、第一には排出しないこと、そして第二には、二酸化炭素を他の物質へと変換すること(二酸化炭素の化学的固定)が必須である。
 また、その一方で、有用な化学製品の根本的な原料である化石資源の枯渇が刻々と近づいている。現代の生活水準や社会基盤を維持しながら、将来的にも持続可能な産業と社会を築くには、化石資源に頼らない化学工業の確立が求められる。
 本書では、現代におけるこれら二つの大問題を同時に解決できると期待される、二酸化炭素の有用物質への化学的変換に関する近年の研究・開発事例を集めて紹介する。二酸化炭素の化学的変換の技術は「秒進分歩」と言えるほどの速さでめざましい進歩を遂げており、二酸化炭素を対象とする研究・開発を手がける研究者・技術者は、常に最新の情報を入手しておくべきである。本書が、そのような方々の助けとなって、ご活用いただければ幸いである。さらには、二酸化炭素の削減等の対策に迫られていながら未だに手を着けられずにいる方々が、めざすべき方向を定めるためにも、是非、本書を参考にしていただきたい。

(杉本 裕 「はじめに」より抜粋)

目次

第1章二酸化炭素を用いた炭化水素・アルコールの合成・製造技術
第1節二酸化炭素を用いた化学品製造における触媒技術
はじめに
1改質反応
1.1CO2によるメタン改質
1.2逆シフト反応によるCO2の還元
2二酸化炭素を用いた炭化水素の合成
2.1CO2からメタンの合成
2.2Power to Gas
2.3二酸化炭素からLPGの合成
2.4二酸化炭素によるFT合成
2.5二酸化炭素から芳香族の合成
3二酸化炭素を用いたメタノールの合成
3.1メタノール合成
3.2CO2によるメタノール合成触媒
3.3CO2の利用によるメタノールプラントの収率の向上
3.4液相懸濁層によるメタノールの合成
4二酸化炭素によるエタノールの合成
おわりに
第2節電場印加触媒反応によるメタンと二酸化炭素からのC2炭化水素の合成
はじめに
1従来のCO2-OCMにおける最近の動向
2電場印加触媒反応によるCO2-OCM
おわりに
第3節膜電極接合体を用いる二酸化炭素の電気化学的固定
はじめに
1膜電極接合体を用いたCO2電解還元と硫酸水溶液中での比較
2計算機化学を用いた反応解析
2.1計算方法
2.2CO2単独吸着
2.3CO2 + H2吸着
2.4CO2 + H2 + H2O吸着
2.5計算機化学を用いた反応解析のまとめ
3膜電極接合体にPt/CおよびPt-Ru/Cを用いた際のCO2電解還元ボルタモグラム
4生成物の分析
5CO2電解還元の電極電位依存性
6CO2電解還元生成物の電極表面吸着効果
おわりに
第4節二酸化炭素を利用した酸化チタン系光触媒による化成品合成
緒言
1ベンゼンの部分酸化
2フェノールの部分酸化
3シクロヘキサンの部分酸化
おわりに
第2章二酸化炭素を用いたエーテル・アルデヒド・カルボン酸の合成・製造技術
第1節二酸化炭素の水素化によるジメチルエーテル直接合成とそれに用いる触媒の開発
はじめに
1DMEの一般的な製造法(合成ガス、一酸化炭素からの合成法)
2二酸化炭素からのDME製造に関して
3ゾル─ゲル法で調製したCu系Al2O3触媒に関して、およびCO2からのDME製造に対する改良
おわりに
第2節二酸化炭素と海水からのホルムアルデヒド合成
はじめに
1電極を用いた電解還元の研究例
2電極を用いた電解還元における生成物の選択性
3ダイヤモンド電極を用いた二酸化炭素の電解還元
おわりに
第3節二酸化炭素をC1炭素源とするキラルRh錯体によるオレフィンの触媒的不斉カルボキシル化反応
はじめに
1遷移金属錯体を用いる二酸化炭素固定化反応
1.1遷移金属錯体に対する二酸化炭素の配位様式
1.2アルキンを基質とするカルボキシル化反応
1.3アルケンを基質とするカルボキシル化反応
2不斉触媒的二酸化炭素固定化反応
3キラルRh錯体による二酸化炭素を用いる触媒的不斉カルボキシル化反応の開発
4スチレン類のロジウム触媒カルボキシル化反応の開発
4.1基質適応範囲
4.2反応メカニズム
5共役カルボニル化合物の触媒的カルボキシル化反応の開発
5.1基質適応範囲
6不斉触媒的カルボキシル化反応の開発
6.1不斉誘起メカニズム
7まとめと展望
第4節銀触媒によるアルキンの活性化を基軸とする複素環化合物合成
はじめに
1プロパルギルアミンに対する二酸化炭素とヨード基の連続的導入反応
1.1反応条件の最適化
1.2種々基質への適用
2銀触媒によるイソシアナート中間体を経る複素環化合物合成
2.1反応メカニズムに関する考察
2.1.1同位体標識実験
2.1.2時間分解赤外分光法による赤外吸収スペクトルの測定
2.24‐ヒドロキシキノリン‐2(1H)‐オン誘導体9の合成
2.3テトラミン酸合成への適用
3銀触媒を用いるエノラートを求核種とする炭素‐炭素結合形成反応
3.1エノラートを求核種とするラクトン誘導体合成
3.1.1反応条件の検討
3.1.2種々の基質への展開
3.2エノラートを求核種とするジヒドロイソベンゾフラン誘導体合成
3.2.1反応条件の最適化
3.2.2種々の基質への適用
おわりに
第5節遷移金属錯体触媒を利用した炭素-炭素結合形成を伴う二酸化炭素固定化反応の開発
はじめに
1ニッケル触媒を用いる塩化アリールのカルボキシル化反応
2コバルト触媒を用いる酢酸プロパルギルのカルボキシル化反応
3ニッケル触媒を用いるアルキンのダブルカルボキシル化反応
4銅触媒を用いるアルキンのヒドロカルボキシル化反応
5銅触媒とシリルボランを用いるアルキンのシラカルボキシル化反応
おわりに
第6節共役ジエンを使った不飽和カルボン酸合成
はじめに
1パラジウム触媒を用いた共役ジエンと二酸化炭素の反応
1.1共役ジエンの二量化を介したラクトン合成
2ニッケルを促進剤とする共役ジエンと二酸化炭素の反応
2.1共役ジエンと二酸化炭素によるシクロペンタンカルボン酸合成
2.2共役ジエンと二酸化炭素による不飽和カルボン酸の合成
2.3共役ジエンと二酸化炭素の還元的カップリングによる不飽和カルボン酸合成
2.4二酸化炭素、共役ジエン、アルキン、有機亜鉛の4成分カップリング反応
3金属触媒非存在下での二酸化炭素、共役ジエン、有機亜鉛によるカップリング反応
おわりに
第7節二酸化炭素を一炭素源として用いるα-アミノ酸の化学合成
はじめに
1フッ化物イオンを用いたアミノスズからのカルボキシル化
2イミン前駆体からのワンポット反応の開発
3アルデヒド、スルホンアミド、およびCO2からのα-アミノ酸合成
4ケイ素中間体を経るワンポット反応の検討
5光学活性α-アミノ酸の触媒的不斉合成
6マンガンを用いるα-アミノ酸合成
おわりに
第3章二酸化炭素を用いた炭酸エステル・ウレタン・尿素の合成・製造技術
第1節二酸化炭素を原料とした炭酸ジアルキル類の合成技術及び動向
はじめに
1炭酸エステル類の利用用途
2現在の炭酸ジアルキル合成法
3二酸化炭素とメタノールからの炭酸ジメチル合成法 -脱水剤なし-
4二酸化炭素からの炭酸ジメチル合成の高収率化 -脱水剤の利用-
5再生不可能な脱水剤
6再生可能な脱水剤
6.1脱水剤アセタール
6.2脱水剤モレキュラーシーブ
6.3高活性触媒の開発
6.4アセタール骨格の影響
7次世代脱水剤の開発動向
おわりに
第2節固体触媒を用いたグリセリンと二酸化炭素からグリセリンカーボネートの一段合成
1BDF 製造の副産物としてのグリセリン
2グリセリンのグリセリンカーボネートへの変換
3グリセリンカーボネートの合成に向けた炭酸エステルの合成
3.1触媒開発
3.2脱水剤の添加
3.3グリセリンとDMCの反応によるグリセリンカーボネートの合成
4グリセリンカーボネートの一段合成に向けた挑戦
4.1グリセリンカーボネートのワンポット合成
4.2カップリング剤としてプロピレンオキシドの利用
4.3触媒の開発
5まとめ
第3節酸化セリウムを触媒とする二酸化炭素とアルコール類およびアミン類の反応
はじめに
1二酸化炭素とメタノールからの炭酸ジメチル合成
2二酸化炭素とメタノールからの炭酸ジメチル合成反応の平衡制約とH2O除去
3脱水剤2-シアノピリジン水和反応の特徴
4酸化セリウムの酸・塩基両機能性とDMC合成反応
52-シアノピリジンの助触媒としての機能発現
6酸化セリウム触媒と2-シアノピリジンを用いたアルコールと二酸化炭素からの有機カーボネート合成
7酸化セリウム触媒を用いた二酸化炭素を用いたカーバメートおよび尿素類の合成
8酸化セリウムの特徴を活かす二酸化炭素、アルコール、アミンからのカーバメート合成
おわりに
第4節二酸化炭素を用いる不飽和アミンの環化カルボキシル化反応による環状ウレタン合成
1はじめに:二酸化炭素とアミンから生成するカルバミン酸類
2プロパルギルアミンの環化カルボキシル化反応による五員環ウレタン合成
3アレニルメチルアミンの環化カルボキシル化反応による五員環ウレタン合成
4今後の展望
第5節二酸化炭素を原料とする芳香族ウレタンの合成
はじめに
1ウレタン類の用途
2芳香族ウレタン合成法
2.1ホスゲン法
2.2一酸化炭素法
2.3尿素法
2.4炭酸エステル法
3二酸化炭素法
4二酸化炭素からの芳香族ウレタン合成
4.1スズアルコキシド錯体の利用
4.2チタンアルコキシド錯体の利用
おわりに
第4章二酸化炭素を用いたポリカーボネートの合成・製造技術
第1節二酸化炭素由来脂肪族ポリカーボネートとその研究開発動向
1二酸化炭素由来脂肪族ポリカーボネート
2二酸化炭素・エポキシド共重合用触媒の探索
3二酸化炭素由来脂肪族ポリカーボネートの基本的性質と用途展開
3.1二酸化炭素由来脂肪族ポリカーボネートの諸物性概観
3.2二酸化炭素由来脂肪族ポリカーボネートの光学特性
3.3二酸化炭素由来脂肪族ポリカーボネートの熱物性
4側鎖官能基の導入による二酸化炭素由来脂肪族ポリカーボネートの物性向上
4.1親水性・水溶性の付与
4.2導電性の付与
4.3側鎖反応性の付与
5今後の課題・展望
第2節二酸化炭素を原料利用した固体高分子電解質の研究開発
はじめに
1ポリカーボネート型SPEのイオン伝導性
2ポリカーボネート型SPE無機フィラーコンポジット
おわりに
第3節二酸化炭素を直接活性化利用する炭酸エステル・芳香族ポリカーボネート製造技術
はじめに
1二酸化炭素をカルボニル源とする技術
1.1カルボニル基の役割
2ポリカーボネート製造方法の展開
2.1界面重合法ポリカーボネート
2.2メルト法ポリカーボネート
3旭化成が開発したポリカーボネート製造プロセス
3.1副生二酸化炭素を原料とする新規な非ホスゲン法ポリカーボネート製造プロセス
3.2二酸化炭素を直接活性化利用する炭酸エステル製造プロセス(旭化成DRC法)
3.2.1二酸化炭素の直接活性化
3.2.2DRCを中間体とする、新しいPC製造プロセス
3.2.3二酸化炭素を直接活性化利用する炭酸エステル製造プロセス(旭化成DRC法)」の特徴
3.2.4重力利用・無撹拌重合プロセス
おわりに
第5章二酸化炭素を用いた各種ポリマーの合成・製造技術
第1節二酸化炭素から得られる五員環カーボナートを利用する高分子合成
はじめに
1高分子合成に向けたCO2とエポキシドの反応による五員環カーボナートの合成
2CO2を利用する五員環カーボナート構造をもつポリマーの合成
3五員環カーボナートとアミンの反応を利用するポリウレタン類の合成
4まとめ
第2節藍藻を使った二酸化炭素と太陽光からのポリヒドロキシ酪酸の高効率合成
はじめに
1基本的な藍藻の種類
2藍藻の遺伝子導入
3藍藻を用いたポリヒドロキシ酪酸を始めとするポリマー合成
3.1内在性PHAの生合成
3.2PCC7002でのPHA合成
3.3NphT7による代謝経路改変によるPHA合成
3.4挿入変異によるPHA生産性の増大
4誘導性プロモーター
5今後の研究の方向性
第3節イオン液体触媒を用いた脂肪族ジアミンと二酸化炭素とからのポリウレアの合成
1ポリウレアについて
2二酸化炭素とイオン液体
3二酸化炭素とアミンとの反応によるウレア(尿素)化合物の生成
4イオン液体を用いた二酸化炭素と脂肪族ジアミンとからのポリウレアの合成
4.1イオン液体のみを用いるポリウレアの合成
4.2イオン液体とセシウム塩を用いるポリウレアの合成
5まとめ
第4節二酸化炭素とブタジエンによるポリラクトンの合成
はじめに
1アルケンと二酸化炭素の共重合によるポリエステル合成
2なぜ二酸化炭素とアルケンは直接共重合しないのか?
3二酸化炭素とジエンからなるラクトン中間体の利用
おわりに



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