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バルク金属ガラスの材料科学と工学
Materials Science and Engineering of Bulk Metallic Glasses
[コードNo.2008T559]

■監修/ 井上明久(東北大学総長;日本学士院会員)
■体裁/ B5判 347ページ
■発行/ 2008年 4月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 70,200円(税込価格)

バルク金属ガラスの最新成果を取り入れた、日本初の本格的専門書!
開発の経緯・歴史、成分、組成、構造、形成能、作製プロセス、物理的、化学的性質、機械的性質、加工法、工学的応用など、バルク金属ガラスのすべてを網羅!

※ 本書籍はご試読頂けません ※

刊行のねらい
 金属は我々の日常の社会生活基盤を支える最も基本的な材料であり、金属材料なくしては現在の高度な人類文明社会の維持・発展は不可能である。ところで、酸化物ガラスなどの他の基本材料には、結晶質と非晶質構造が相補する形で実用材料の発展に貢献してきている。これに対して、有史以来非常に長い間使用されてきた金属材料では非常に偏った状況で発展してきた。すなわち、3次元形状が利用できる厚みが数ミリメートル以上のバルク形状の金属材料においては、実用材料は有史から産業革命を経て1990年頃までの極めて長い間結晶構造状態のみに限られていた。これは、金属結合物質では融点近傍の高温では構成原子は容易に動くことが出来る結果、融点以下に冷却された過冷却金属液体では瞬時に平衡状態相である結晶相に変態を起こしてしまうためであった。このような状況を反映して、社会基盤材料として最も重要な構造用材料として金属を取り扱った書籍のすべては結晶金属のみが取り扱われており、非結晶構造の金属を商用の構造用材料として紹介している書籍はほとんど見当たらない。唯一、バルク金属ガラス開発の初期のデータに基づいて書かれた英語の2冊の書籍「Bulk Amorphous Alloys-Preparation and Characterization-(A. Inoue,Trans Tech Publications,Zurich,1998)」および「Bulk Amorphous Alloys-Characteristics and Applications-(A. Inoue,Trans Tech Publications,Zurich,1999)」があるのみである。この本は1998年当時の最新成果に基づいて書かれ、この本に刺激を受けてバルク金属ガラス分野の研究に参入した研究者も多くいるようである。しかし、執筆後、10年近くが経ち、最新の成果を取り入れた書籍の出版が待ち望まれていた。
 最近、バルク金属ガラスの生成を世界に先駆けて見出した筆者らの研究の進展に伴って、3次元形状材として利用できる新金属として、特殊なランダム構造を持ったバルク金属ガラスが特定の成分則を満たした多くの合金系で見出され、基礎学術研究用としてのみならず産業用素材として使用され始めている。長い歴史を持つ金属材料の分野において、社会基盤材料の革新をもたらしつつあるバルク金属ガラスの基礎と応用について大学生ならびに専門外の研究者や技術者に理解できるように、出来る限り平易に体系化して紹介した教科書、解説書の類の出版を数年前から数社の出版社から強く依頼されていた。
 このたび、1997年から2002年の5年間、過冷却金属液体の極限を見極めるとともにその原因を究明するために行った科学技術振興事業団(現在、科学技術振興機構)の創造科学推進事業「井上過冷金属」プロジェクトのグループリーダーを勤めた西山信行博士(現在、東北大学金属材料研究所RIMCOF研究室、特別研究員)、才田淳治博士(現在、東北大学学際科学国際高等研究センター、准教授)および今福宗行博士(現在、日鐵テクノサーチ、解析センター、物性グループリーダー)の共同執筆者ならびにシーエムシー出版の江幡雅之氏の協力を得て、長年に渡って依頼されていた“バルク金属ガラスの材料科学と工学”と題する書籍をここに出版できるに至ったことは、本分野を世界に先駆けて開拓し、世界に広め、多くの研究者を引き込んだ研究者としての社会的責務の一端を果たすことに繋がるものと思っている。
 本書は、金属材料開発とバルク金属ガラスの位置づけ、バルク金属ガラスに先立って開発されたアモルファス金属の特長と問題点、金属ガラスの開発の経緯、金属ガラスとアモルファス金属の特長の差異、金属ガラスの成分、組成、構造、形成能、作製プロセス、熱的安定性、物理的性質、機械的性質、変形・破壊挙動、化学的性質、粘性流動挙動、塑性加工プロセス、鋳造成形加工プロセス、微細転写加工プロセス、ポーラス化プロセス、結晶化挙動、ナノ結晶分散型ガラス合金の生成と性質、ナノ準結晶分散型ガラス合金の生成と性質、デンドライト結晶分散型ガラス合金の生成と性質、様々な応用例と機能特性などについて出来る限り最新の結果を取り入れて紹介している。
 本書により、新金属“バルク金属ガラス”に興味を抱き、次世代を担う若手人材が輩出するとともに、本材料の非常に優れた諸特性とユニークな作製・加工プロセスを利用した応用分野の開拓に興味を抱く技術者や研究者が生まれ出て、本新金属が結晶金属と合い並び立つ状況で社会基盤を支える材料として発展することを祈念致しております。
(「序論―刊行のねらい―」より)
2008年3月 東北大学総長 井上明久

監 修
井上明久東北大学総長;日本学士院会員、米国ナショナルアカデミー(工学)外国人会員

執筆者一覧
井上明久東北大学総長;日本学士院会員、米国ナショナルアカデミー(工学) 外国人会員
今福宗行(株)日鐵テクノリサーチ かずさ事業所 解析センター 物性グループリーダー
才田淳治東北大学 学際科学国際高等研究センター 准教授
西山信行(財)次世代金属・複合材料研究開発協会(RIMCOF)
東北大学研究室 研究開発グループ長 特別研究員

構成および内容
【第I編 総論―バルク金属ガラス開発の歴史と経緯―】

第1章金属材料の歴史におけるバルク金属ガラスの位置づけ
第2章バルク金属ガラスの対極としての結晶金属材料
第3章アモルファス金属開発の黎明期
第4章超急冷アモルファス合金
1作製法・成分
1.1気体状態からの凍結
1.2液体状態からの凍結
1.3固相状態からの凍結
1.4成分系の特徴
2構造
3熱的性質
4機械的性質
5磁気的性質
6耐食性
7アモルファス合金の応用の限界と問題点
第5章構造緩和研究とバルク金属ガラスの発見
1はじめに
2構造緩和研究とバルク金属ガラス
3バルク金属ガラスの発見
4バルク金属ガラスの発見以降の構造緩和研究
5おわりに
第6章バルク金属ガラス合金系
1はじめに
2主構成元素からの分類
3構成元素組み合わせからの分類
4開発の経緯と指針、研究開発動向、研究勢力の分布
5おわりに
第7章過冷却液体の安定化機構
1はじめに
2アモルファス合金の局所原子配列
3バルク金属ガラスの局所原子配列
4おわりに
【第II編 バルク金属ガラスの構造と基礎物性】

第1章3成分則
第2章密度・構造
1密度
2構造
2.1Zr‐Al‐Niガラス合金の結晶化にともなう局所構造変化
2.2Zr‐Al‐Ni‐Cu金属ガラスの相変態解析からの局所環境の考察
2.3Fe‐(Zr,Hf,Nb)‐B金属ガラスの相変態と局所構造解析
2.4その他の系の金属ガラスにおける局所構造
2.5金属ガラスの局所構造に関する最近の成果
第3章粘性
1ガラス固体温度域における粘性率の温度依存性とその圧縮変形挙動への影響
2過冷却液体温度域における粘性率の温度依存性とその圧縮変形挙動への影響
第4章熱的性質
第5章基礎物性
1電気抵抗
2比熱
3拡散
第6章電子状態
第7章構造緩和とガラス遷移
1構造緩和
2ガラス遷移
【第III編 バルク金属ガラスの作製とガラス形成能】

第1章バルク金属ガラスの作製プロセス
1はじめに
2従来のアモルファス合金の作製技術
3バルク金属ガラスの作製技術
3.1溶融合金焼入れ法
3.2高周波溶解鋳造法
3.3アーク溶解鋳造法
4おわりに
第2章ガラス形成能と臨界冷却速度
1はじめに
2従来の研究
3ガラス化臨界冷却速度の実測
4ガラス形成能を評価する熱力学的パラメータ
5おわりに
第3章フラックス処理と結晶核生成・成長
1はじめに
2従来の研究
3ガラス相生成に関する従来の熱力学的アプローチ
4Pd‐Cu‐Ni‐P合金に対する熱力学的アプローチの適用
5等温保持によるPd‐Cu‐Ni‐P過冷却液体の核生成・成長
6等温保持によるPd‐Cu‐Ni‐P過冷却液体の結晶核成長挙動
7Pd‐Cu‐Ni‐P過冷却液体に対するB2O3フラックスの効果
8おわりに
第4章形成能・安定性の計算科学予測
1熱力学的アプローチ
2幾何学的アプローチ
3計算科学的アプローチ
第5章結晶化
1結晶化相とその速度論
1.1Zr系金属ガラス
1.2Fe系金属ガラス
1.3Pd系金属ガラス
1.4その他の系の金属ガラス
2結晶相の核生成・粒成長
2.1Zr‐Al‐Ni‐Cu金属ガラス
2.2Pd‐Cu‐Ni‐P金属ガラス
3ナノ結晶・ナノ準結晶
3.1ナノ結晶
3.2ナノ準結晶
第6章2相金属ガラス
【第IV編 バルク金属ガラスの機械的および機能特性】

第1章機械的性質
1はじめに
2引張強さ、圧縮強さ、伸び
3弾性変形挙動
4曲げ強度、捩り強度、疲労強度
5衝撃強さ、破壊靭性
6耐摩耗性
7組織制御による高延性・高靭性化
8おわりに
第2章耐食性
1はじめに
2金属ガラスの高耐食性の発現機構
3Zr基金属ガラスの耐食性
4Cu基金属ガラスの耐食性
5特殊な環境での金属ガラスの耐食性
6おわりに
第3章磁気的性質
1はじめに
2軟磁性バルク金属ガラス
3バルク金属ガラスの軟磁気特性の特異性
4零磁わいバルク金属ガラスの開発
5おわりに
【第V編 バルク金属ガラスの加工法】

第1章冷間加工性
1はじめに
2金属ガラスに対する冷間加工
3バルク金属ガラスに対する冷間加工
4おわりに
第2章切削加工性
1はじめに
2変形挙動と切削加工性
3バルク金属ガラスの切削による変質
4バルク金属ガラスの切削力
5バルク金属ガラスの切削加工面
6良好な切削加工性の発現理由
7おわりに
第3章粘性流動加工
1はじめに
2金属ガラスとガラス遷移
3高温域での粘性流動
4中温域での粘性流動挙動
5金属ガラスの変形・破壊挙動の本質
6粘性流動加工の加工条件設定
7おわりに
第4章ナノ集束イオンビーム加工
1はじめに
2金属ガラスに対するFIB加工
3FIB加工を用いた金属ガラスのナノパターニング
4おわりに
第5章ナノインプリント加工
1はじめに
2インプリントによるナノパターンの転写および形状評価
3FIB加工とインプリント加工
4金属ガラスを用いたインプリント加工の応用開発例
5おわりに
第6章接合加工
1はじめに
2接合加工の分類
3液相接合
4過冷却液相接合
5固相接合
6おわりに
第7章表面装飾加工
1はじめに
2素材
3表面エンボス加工
4転写レプリカ
5その他表面仕上げ
6おわりに
第8章粉末作製と固化
1はじめに
2粉末作製および固化成形技術の開発経緯
3金属ガラス粉末の作製
4おわりに
第9章線材作製
1はじめに
2従来の研究
3融液抽出法による金属ガラス細線の作製
4溝急冷法による金属ガラス線材の作製
5おわりに
第10章金型精密鋳造
1はじめに
2従来の研究
3高寸法精度精密部材の作製
4金属ガラスの型転写性
5おわりに
第11章金属ガラス薄膜
1はじめに
2スパッタ法による金属ガラス薄膜の作製と性質
3金属ガラス薄膜の応用研究事例
4おわりに
第12章ポーラスバルク金属ガラス
1はじめに
2ポーラスバルク金属ガラス開発の経緯
3ポーラスバルク金属ガラスの作製方法
4ポーラスバルク金属ガラスの構造と組織
5ポーラスバルク金属ガラスの機械的性質
6ポーラスバルク金属ガラスの変形挙動
7おわりに
第13章表面被覆金属ガラス
1はじめに
2金属ガラスに適用可能な表面被覆法
3最近の金属ガラス表面被覆
4おわりに
第14章異種金属分散バルク金属ガラス
1異種金属分散
2異種セラミックス分散
第15章ナノ結晶分散バルク金属ガラス
1ナノ結晶分散による機械的特性の改善
2ナノ結晶分散による磁気的特性の改善
第16章ナノ準結晶分散バルク金属ガラス
第17章デンドライト結晶分散バルク金属ガラス
第18章ナノクラスター分散バルク金属ガラス
第19章3成分則の拡張による非平衡結晶合金
1はじめに
2非平衡結晶合金開発に至る経緯
3開発された非平衡結晶合金
4おわりに
【第VI編 バルク金属ガラスの工学的応用】

バルク金属ガラスの工学的応用
1はじめに
2スポーツ用具
3携帯機器用ケーシング部材
4光学機器用部材
5記録媒体
6圧力センサ
7マイクロギヤードモータ
8コリオリ流量計
9リニアアクチュエータ
10投射材
11電磁気部材
12機械構造部材およびロボット部材
13高速輸送機器部材
14装飾部材
15水素透過膜
16セパレータ
17おわりに
バルク金属ガラスの今後の展望

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