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先端ガラスの産業応用と新しい加工
Industrial Application of the Advanced Glass and New Processing
[コードNo.2009T703]

※ 本書籍はご試読頂けません ※

■監修/ 平尾一之(京都大学 教授)
■体裁/ B5判 334ページ
■発行/ 2009年 8月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 70,200円(税込価格)
■ISBNコード/ 978-4-7813-0152-5
 
★フラットパネルガラスの最新技術を解説
★世界をリードするわが国のガラス加工技術を詳述
★期待が膨らむナノガラスの応用と可能性を15章にわたって紹介

刊行にあたって

 ガラスの用途は建築、自動車、エレクトロニクスなど多岐にわたるが、ナノガラスとして扱うディスプレイ、プリンターのマイクロレンズ、情報用光学部品などの応用物理に関係する製品も伸びてきている。ディスプレイ用のガラスは直接目に見えないがナノテクノロジーの宝庫である。
 次世代の液晶ディスプレイ用のガラスはサイズ3m×3mで、30nm以上の泡は全くなく、(茨城県の面積にピンポン玉の大きさ1個以下に相当)レーザーで熱処理をしているのでクラックも入らず、厚みは0.5mm以下にもなっている。
 情報通信用ガラスも非常に発達してきた。波長多重通信には広帯域で光信号の増幅を行う必要があり、さまざまな希土類元素が試されてきた。また熱膨張も課題であった。光ファイバーの温度が上がっても熱膨張がないようにガラス中に透過度の良い低熱膨張のナノ結晶を析出させ、そのバランスによって300℃くらいまでは、波長多重通信の信号が混じらないようにするなど、光増幅用希土類ドープファイバーもさまざまなナノガラスで作られている。
 また、光中継器に必要な回折格子は1個1個作るのではなく、ナノインプリントといって微細な細工をした鋳型に高温融体を流入し、ナノオーダーの精密寸法をもつガラスを成形することも可能となっている。非球面レンズを金型でつくる技術もナノテクノロジーである。
 さらに、我々のグループが行ってきた、フェムト秒レーザーを当てることで、ガラスの中に任意の屈折率分布を作る技術と新しく開発された光空間位相変調器を併用することで三次元光導波路のような光集積デバイスを三次元一括加工でき、複雑な光部品も量産化でき、多様な用途が期待されている。
 環境やエネルギー問題についても日本のガラス溶融技術は世界をリードしており、今後もさらに競争力を維持すべきである。また溶融せずガラスを作る革新的技術も日本で進んでいる。ガラスは耐環境性・耐熱性に優れ、しかも地球に豊富に存在する環境にやさしい材料である。本書で述べられているように脱炭素時代に向け、省エネルギーでアクティブなガラスがさらにぞくぞくとでるような研究開発が今後も一層加速することを期待したい。
(「はじめに」より抜粋)
2009年8月  京都大学 大学院工学研究科 平尾一之

執筆者一覧(執筆順)

平尾一之京都大学 大学院工学研究科 教授
三和晋吉日本電気硝子(株) 技術部 第一グループ 主管研究員
中尾泰昌旭硝子(株) 執行役員;グローバル技術推進統括プロジェクト プロジェクトリーダー
森田達夫PMディメンションズ(株) 代表取締役
倉重光宏(地独)山口県産業技術センター プロジェクトマネージャー
三浦清貴京都大学 大学院工学研究科 准教授
坂倉政明京都大学 産官学連携センター 産学官連携助教
田中修平(社)ニューガラスフォーラム ナノガラス研究本部 つくば研究室 室長
鈴木潤一(社)ニューガラスフォーラム ナノガラス研究本部 つくば研究室 主席研究員
山地正洋(社)ニューガラスフォーラム ナノガラス研究本部 つくば研究室 主任研究員
川島勇人(社)ニューガラスフォーラム ナノガラス研究本部 つくば研究室 研究員
西井準治北海道大学 電子科学研究所 教授
西川晋司セントラル硝子(株) 硝子研究所 主席研究員
本間秀和(株)KRI 材料解析研究センター マネジャー
赤井智子(独)産業技術総合研究所 環境化学技術研究部門 グループ長
山本浩貴(株)日立製作所材料研究所 電子材料研究部 無機材料ユニット ユニットリーダー
矢澤哲夫兵庫県立大学 大学院工学研究科 物質系工学専攻 教授
忠永清治大阪府立大学 大学院工学研究科 准教授
幸塚広光関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科 教授
山野晃裕関西大学 大学院工学研究科 総合工学専攻 博士課程後期課程
野上正行名古屋工業大学 大学院工学研究科 教授
早川知克名古屋工業大学 大学院工学研究科 准教授
大石泰丈豊田工業大学 大学院工学研究科 先端フォトンテクノロジー研究センター 教授
鈴木健伸豊田工業大学 大学院工学研究科 先端フォトンテクノロジー研究センター 准教授
小松高行長岡技術科学大学 工学部 物質材料系 教授
本間剛長岡技術科学大学 工学部 物質材料系 助教
田部勢津久京都大学 大学院人間・環境学研究科 教授
藤田俊輔京都大学 大学院人間・環境学研究科;日本電気硝子(株) 開発部 電子・光材料グループ 主任研究員
中西貴之京都大学 大学院人間・環境学研究科
轟眞市(独)物質・材料研究機構 光材料センター 主幹研究員
梶原浩一首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 分子応用化学域 准教授
田中勝久京都大学 大学院工学研究科 教授
寺井良平寺井ガラス技術事務所 主宰

構成および内容

序章ガラスの高機能化と開発動向(平尾一之)
1はじめに
2高機能ナノガラスの研究
3ディスプレイ用ガラス材料開発
4溶融プロセス改善と革新的省エネルギーガラス溶解技術
5おわりに

【第1編 フラットパネルガラスと開発の現状】

第1章液晶ディスプレイ用ガラス基板と薄板ガラスの応用(三和晋吉)
1はじめに
2液晶ディスプレイに用いられるガラス材料
2.1LCD用ガラス基板
2.2AM-LCD用ガラス基板
2.2.1無アルカリガラス
2.2.2耐熱性、低熱収縮
2.2.3耐薬品性
2.2.4高光透過率
2.2.5表面精度
2.3AM-LCD用ガラス基板の技術動向
2.3.1大面積化
2.3.2薄肉化、軽量化
2.3.3グリーンガラス
2.3.4平坦性、表面品位
2.4AM-OLED用ガラス基板の技術動向
3超薄膜ガラス
3.1フレキシビリティ
3.2ガスバリア性
3.3高光透過率・ガラス特性
4おわりに
第2章AGCにおけるフラットパネルディスプレイ用ガラス部材の取り組み現状と課題(中尾泰昌)
1はじめに
2代表的FPDの構造
2.1LCDの構造
2.2PDPの構造
3FPD用ガラス関連部材とAGCの取り組み
3.1ガラス基板
3.1.1LCD用ガラス基板
3.1.2PDP用ガラス基板
3.2バックライト用ガラス管
3.3PDP用光学フィルター
3.4フリット・ペースト
4今後
第3章基板ガラスの役割・現状と期待(森田達夫)
1TFT-LCDにおける基板ガラスの役割
2TFT基板の製造プロセス
3結晶育成基板としての期待
3.1背景
3.2新しい加工
第4章FPD技術と開発動向(倉重光宏)
1はじめに
2部材産業からみたFPDの市場動向
3FPD技術動向
3.1PDP
3.2LCD
3.3有機EL(Organic Light Emitting Diode:OLED)
3.4その他
4太陽電池
5おわりに

【第2編 ガラスの革新的先端加工】

第1章fsレーザーによる内部加工の特徴(三浦清貴)
1はじめに
2フェムト秒レーザー集光照射の特徴
2.1レーザー照射直後からナノ秒領域までの現象
2.2ナノ秒からマイクロ秒領域にかけての現象
3高密度化による屈折率変化
4元素分移動による屈折率変化
5おわりに
第2章液晶空間光変調器とレーザーによるガラスの一括三次元加工(坂倉政明)
1はじめに
2ホログラフィック加工の原理
2.1原理の概要
2.2空間光変調器について
2.3位相ホログラムの計算方法
3実験装置について
4パターン形成の具体的な方法と事例
4.1ホログラムの作成方法
4.2CGHへの光学素子機能付加について
5応用例
5.1三次元光メモリ
5.2大面積パターンの描画
5.3他のレーザー加工法との比較
5.4屈折率変化を利用した光導波路と回折光学素子
6おわりに
第3章ガラス・ホログラムとフェムト秒レーザーによるガラス内部の高速・高精度3次元一括加工(田中修平、鈴木潤一、山地正洋、川島勇人)
1はじめに
2フェムト秒レーザーとは
3フェムト秒レーザー加工
3.13次元逐次照射加工(従来の加工法)
3.1.1加工法:フェムト秒レーザーの逐次照射による3次元加工
3.1.2逐次照射によるデバイスの試作例
3.1.3逐次照射加工の課題:逐次照射による3次元造形の問題点
3.23次元一括加工(ホログラム加工)
3.2.1ガラス・ホログラムによる加工法(一括加工システム)
3.2.2ガラス・ホログラムによる高精度3次元加工
3.2.3ガラス・ホログラムによる高速度3次元造形
3.2.4ガラス・ホログラムによる3次元デバイスの作製例
4ガラス・ホログラムによるデバイス加工技術の実用化に向けての考察
4.1フェムト秒レーザー加工用材料(ガラスを主に)
4.1.1溶融ガラス
4.1.2特殊溶融ガラス
4.1.3人工ガラス
4.2フェムト秒レーザーの高出力化動向
4.3ホログラムの耐光性および画素数
4.4製造コストについて
4.5主な応用分野
5おわりに
第4章リソグラフィーとエッチングによる表面微細加工(西井準治)
1はじめに
2リソグラフィーとドライエッチング
31次元周期構造の形成例
3.1レーザー2光束干渉法とドライエッチングによる回折格子の作製
3.2深溝回折格子の表面保護
3.3可視域で機能する深溝回折格子
3.4深溝回折格子の応用例
42次元周期構造(反射防止構造)の形成例
4.1加工方法
4.2表面処理による特性改善
5まとめ
第5章CO2レーザー照射によるガラス基板の端面加工技術(西川晋司)
1はじめに
2CO2レーザー照射による端面加工方法
2.1歪点を超える基板全体の予備加熱を併用した端面加工
2.2歪点を超える基板全体の予備加熱を必要としない端面加工(1)(シングルビーム法)
2.3歪点を超える基板全体の予備加熱を必要としない端面加工(2)(ダブルビーム法)
3端面加工されたガラス基板の評価
3.1ガラス基板の残留応力
3.2端面強度
3.2.1ガラス基板の曲げ強度
3.2.2ガラス基板端面の耐欠け性
4おわりに
第6章FE-EPMAによる加工ガラスの分析と評価(本間秀和)
1はじめに
2FE-EPMAの特徴
2.1空間分解能
2.2WDSスペクトルによる化学状態分析
3ガラス材料のFE-EPMA分析例
3.1ホウケイ酸ガラスのフェムト秒レーザー加工物(微小部元素組成変化)
3.2テルライト系ガラスのフェムト秒レーザー加工物(化学状態分析)
4まとめ

【第3編 ナノガラス応用】

第1章ガラスインプリント技術(西井準治)
1はじめに
2ガラスモールド法の現状
31次元周期構造の成形
42次元周期構造の成形
5鋸歯構造の成形
6まとめ
第2章蛍光ガラス(赤井智子)
1はじめに
2蛍光ガラス材料の種類
3多孔質ガラスを焼成・緻密化させた金属ドープ蛍光ガラス
4蛍光ガラスの用途
5おわりに
第3章光デバイス用ナノガラスアーキテクチャー(三浦清貴)
1はじめに
2金属ナノ微粒子析出
3ナノグレーティング形成
4高密度化による高屈折率化
5元素分布形成による高屈折率化
6シリコン(Si)析出
7液晶空間光位相変調素子(LCOS-SLM)を利用した一括加工
8おわりに
第4章Fe2O3系ナノガラス薄膜の光ディスクへの応用(山本浩貴)
1はじめに
2実験方法
2.1光超解像膜を形成した記録型光ディスクの作製
2.2加熱による分光特性のin-situ測定
2.3超解像膜を形成した光ディスクの記録再生方法
3結果と考察
3.1Fe2O3系超解像薄膜のナノ構造と分光特性
3.2加熱による分光反射率曲線の変化
3.3光ディスク記録再生試験結果
3.4記録時、再生時の超解像メカニズムの考察
4まとめ
第5章ナノポアガラス(矢澤哲夫)
1ナノポアガラスとは
2ナノポアガラスの作成法
2.1分相法
2.1.110〜50nmのナノポアを得る方法
2.1.25nm以下のナノポアを得る方法
2.2結晶化ガラス法
2.3ゾルゲル法
3ナノポアガラスの特性
4ナノポアガラスの応用
4.1ナノポアの利用
4.1.1ポアサイズの利用
4.1.2表面改質したナノポアの利用
4.1.3反応場としての利用
4.2複合材料としての利用
5おわりに
第6章ナノ構造を有する透明超撥水コーティング膜(忠永清治)
1はじめに
2表面の濡れ性
3ガラスへの超撥水性付与
4表面に微細な凹凸を持つ薄膜のガラス基板上への作製
4.1Al2O3
4.2TiO2
5微細凹凸構造を有する薄膜の撥水処理による超撥水膜の作製
6おわりに
第7章ポリシラザンから室温で作製される新しいナノガラス・ナノハイブリッド薄膜(幸塚広光、山野晃裕)
1はじめに
2ポリシラザンから室温で作製されるシリカ薄膜
2.1PHPS薄膜のシリカ薄膜への変化
2.2塩基性蒸気への曝露によるPHPS薄膜のシリカ薄膜への変化とシリカ薄膜の性質
3ゾル-ゲル法によるよりも高い硬度と化学的耐久性を持つ有機・無機ハイブリッド薄膜の作製
4ポリシラザンの疎水性を利用したハイブリッド薄膜の新しい展開
第8章ゾル-ゲル法による光機能ナノガラス(野上正行、早川知克)
1はじめに
2ナノ粒子ドープガラスの光特性
3ナノ粒子-希土類イオン共ドープガラス
4希土類イオンドープガラスの光非線形特性
第9章結晶化ガラスを用いた光増幅(大石泰丈、鈴木健伸)
1はじめに
2高効率Ni2+のホスト結晶の検討
3Ni2+添加ZnO-Al2O3-SiO2透明結晶化ガラスの光学特性
4Ni2+添加Li2O-Ga2O3-SiO2透明結晶化ガラスの光学特性
5Ni2+添加Li2O-Ga2O3-SiO2系ガラスの構造と熱特性
6まとめ
第10章原子加熱法によるガラスの結晶化と機能化(小松高行、本間剛)
1はじめに
2原子加熱法によるガラスの結晶化と特徴
3非線形光学結晶のパターニング
3.1曲線および分岐構造を有する結晶ラインパターニング
3.2強誘電体LiNbO3結晶ラインパターニング
3.3強弾性体β'-Gd2(MoO43結晶ラインパターニング
4フッ化物結晶のパターニング
5リチウムイオン二次電池用結晶のパターニング
6原子加熱法と化学エッチングの組合せによる微細加工
7おわりに
第11章白色LED用結晶化ガラス(田部勢津久、藤田俊輔、中西貴之)
1はじめに
2白色LEDの現状と課題
3YAG:Ce3+結晶化ガラス蛍光体
3.1YGA結晶化ガラスの創製
3.2光学特性
3.3信頼性の評価
3.4物理特性
4高演色性白色LED蛍光体
4.12結晶析出結晶化ガラスの創製
4.2光学特性
5まとめ
第12章ファイバヒューズ(轟眞市)
1はじめに
2なぜ損傷が発生するのか?
3なぜ空孔列が生成するのか?
4なぜ空孔が弾丸の形になるのか?
5おわりに
第13章シリカガラスの新展開(梶原浩一)
1はじめに
2加工法の進展
2.1レーザーアブレーション法
2.2フェムト秒レーザー光による加工
2.3熱インプリント法
3合成法の進展
3.1粉末焼結法
3.2フェームドシリカ焼結法
3.3ゾル-ゲル法
4基礎物性・解析法
4.1シリカガラスの網目構造の乱雑さ
4.2ガラス表面における構造緩和
5応用
5.1エキシマレーザーリソグラフィー用光学材料
5.2深紫外光ファイバー
第14章磁気光学ガラス(田中勝久)
1磁気光学効果
1.1ファラデー効果
1.2磁気カー効果
2磁気光学材料とデバイス
3ガラスのファラデー効果
3.1希土類含有ガラス
3.2Fe2+含有ガラス
3.3反磁性ガラス
3.4複合材料
4アモルファス合金の磁気カー効果と光磁気記録
終章ナノガラスの将来展望(寺井良平)
1アメリカ発のナノテクノロジー
2ナノガラス技術プロジェクトの開始
3「ナノガラス技術プロジェクト」の成果
4デバイス用高機能化ナノガラスプロジェクト(「フォーカス21」)
5革新的部材産業創出プログラム
6ナノガラス関連の研究成果の特徴
7フォト二クスネットワークの構築―量子コンピューター(光コンピューター)へ―
8「再生可能エネルギー」時代への布石―「スマートグリッド」にも光回路ネットワークを―



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