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バンドギャップエンジニアリング    
―次世代高効率デバイスへの挑戦―
Band Gap Engineering
-The challenge to next-generation efficient-
[コードNo.2011T831]

※ 本書籍はご試読頂けません ※

■監修/ 大橋直樹
■体裁/ B5判 252ページ
■発行/ 2011年12月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 71,280円(税込価格)
■ISBNコード/ 978-4-7813-0508-0

 
★次世代デバイスの設計に欠かせない、バンドギャップエンジニアリングを徹底解説!
★グラフェン、窒化物発光ダイオード、量子ドットなど、注目材料・技術が満載!

キーワード

バンドギャップ/半導体/太陽電池/量子ドット/透明導電体/グラフェン/光触媒/光学結晶/パワーエレクトロニクス

刊行にあたって

 バンドギャップ、あるいは、バンドエンジニアリング、という言葉は、近年の技術開発において、より重要性を増してきている。そこには、二つの社会的トレンドが存在すると考えられる。まず、情報通信技術(IT技術、ICT技術)の発展である。Fiber-to-the-home(FTTH)といわれる光ファイバーの一般家庭への敷設やLong-term-evolution(LTE)といわれる次世代大容量無線通信をはじめとする通信の大容量化、あるいは、光ディスクなどの記憶装置や記憶媒体の大容量化等によって、高精細な画像情報が身近なものとなり、それを表示するための画像端末の高性能化が大きな技術開発要素となった。これが引き金となり、液晶パネルをはじめとする画像表示装置やスマートフォンなどの画像端末などの電子機器が日進月歩の勢いで発展している。後に述べるとおり、画像関連機器は、まさに、バンドエンジニアリングの大きな活躍場所の一つとなっている。その一方で、化石燃料の枯渇、地球環境の変動という人類存亡に関わる問題が顕在化してきたことによって、再生可能エネルギー、特に、化石燃料を用いない発電に注目が集まっている。その旗手ともいえるものに太陽光利用技術がある。先の画像表示と同様、この太陽光利用技術もまた、バンドエンジニアリングの活躍場所の一つとなっている。こうした背景を受け、バンドエンジニアリングに関する基礎科学的な知見、さらに、そのバンドエンジニアリングを応用した様々な技術を紹介することを目的として、本書は編纂されている。
 本書の前半部分は、バンドエンジニアリングに関係する基礎的な事柄をおさらいすることを目的に構成されている。すなわち、バンドエンジニアリングという言葉から最初に想起される、いわゆる半導体の基礎からスタートしている。特に、第T編第2章から第4章(黒田先生、大友先生、大場先生)において、バンド理論や電子論に基づく半導体の基礎を示す。バンドエンジニアリングとは、しかるべきバンドギャップを持った材料を適材適所で利用することで、高い性能を持った素子や装置を得ようとするものである。その大きな応用先は、後に示すとおり、発光や光吸収といった光関連機能の制御である。そこで、光に関する応用の視点から、第T編第5章と第6章(原先生、吉川先生)においては、バンドエンジニアリングの応用に関する基礎を示している。
 一方、本書の後半部分は、バンドエンジニアリングの応用についてまとめたものとなっている。特に、半導体のバンドギャップは、光の波長との関係、特に、人間の目が感じることの出来る可視光の波長を基準に語られることが多い。その意味で、バンドエンジニアリングの適用先としてもっとも典型的なものは、ディスプレーである。最近の報道によると、色覚を持っているのは、霊長類のうちでもごく一部であり、その色覚は、危険(たとえば、蛇)を察知するために発達したとの説が発表されたそうである。その人の目を通じて画像情報を伝えるためには、少なくとも、赤(R)、緑(G)、青(B)の色を出してくれる 3種類の材料がそろわなければならず、第U編第2章(天野先生)、第U編第3章(中西先生)、第U編第10章(安達先生)で議論されるような発光材料開発が必須となる。また、近年のフラットパネルディスプレーでは、希少資源問題で取りざたされる透明導電体という材料が、ほぼ必ず利用されている。そのため、第U編第5章(神谷先生)では、透明導電体技術についても紹介する。
 さて、先にも述べたとおり、エネルギー問題は、人類最大の問題と位置づけられる。そこで、第U編第12章(中田先生)で太陽光発電、また、第U編第13章(宮内先生)では光触媒をそれぞれ取り上げ、光からの電気エネルギー、化学エネルギーを得るための技術を紹介する。エネルギー問題の解決には、エネルギーを作ることだけでなく、その消費を抑えることが重要である。そのため、バンドエンジニアリングの主たる活躍場所となるIT技術と省エネルギー技術の両者の重なりの部分に、IT機器の省エネという問題が存在している。すなわち、情報通信によって、人や物の動きを減らすことで社会・エネルギーの効率化を図るために導入されるはずの IT機器であるが、そこで消費される電力が急速に伸びてしまっている。また、天候などによってその発電量に変動が生じる再生可能エネルギーの有効活用には、IT技術を利用したスマートグリッドなどの電力マネジメントの必要性が高まってくる。そうした視点から、第U編第4章(奥村先生)では、電力マネジメントに必要となるパワーエレクトロニクス技術について取り上げる。もちろん、IT機器自体の省力化は必須であり、第U編第 9章(原田先生)や第11章(関口先生)において、次世代のマイクロエレクトロニクスに向けた技術開発の状況を紹介する。
 これまでに述べたIT機器、あるいは、省エネルギー装置の発展には、それを実現するためのプロセス技術も不可欠である。たとえば、半導体を素子に応用するには、まず、高品質の結晶を得る技術が不可欠であり、シリコン半導体プロセスでは短波長紫外線を用いた露光技術が必須である。そうした視点から、バンドエンジニアリングに関わるプロセス技術の例として、第U編第1章(大島先生)において窒化物半導体ウエファーの結晶成長、また、第U編第7章(島村先生)においては、様々な波長のレーザーを利用するための光学結晶・光学素子について紹介する。
 これまで述べてきたとおり、バンドエンジニアリング、といわれると、まずは、照明やディスプレー、さらには、光ファイバー通信に用いられる赤外波長を想起するところではあるが、バンドエンジニアリングの進展は、これまでになかった新たな光の応用先を拓きつつある。近年の報道に見られるように、太陽光ではなく、人工光を用いた農業も注目される技術となりつつある。そこで、第U編第14章(後藤先生)においては、バンドエンジニアリングの新たな応用先の一つと見られる、農業への応用についても紹介することとした。また、人の目に見えないことは勿論のこと、地上に届く太陽光にすら含まれない短い波長の紫外線について、第U編第6章(小出先生)でその応用を紹介する。
 なお、本書では、バンドエンジニアリングをなるべく広い概念として捉えることが一つの狙いとなっている。そのため、一般的な半導体のバンド構造の話題に加え、フォトニックバンドや量子構造に見られるサブバンド構造についても触れることとした。そこで、フォトニックバンド構造については、第T編第7章(迫田先生)においてその基礎を示し、第U編第8章(古海先生)ではフォトニック構造の新たな応用先として興味深い、オールプラスチックレーザーの技術を紹介する。また、第T編第8章(佐久間先生)において、量子構造に見られるサブバンド構造についての基礎を紹介する。
 上記の通り、バンドエンジニアリング、という言葉から想起される様々な技術について、なるべく広い視点から紹介することを本書の目論見とした。しかし、当然ながら、本書の範囲ですべてを包含できるものではない。本書が、バンドエンジニアリングに興味を持ち、また、それを様々な研究開発に役立てようとする読者にとって、何かの知見を与えるものとなっていれば、編集に携わった者としてこの上ない幸せである。なお、最後に、ご多用中にもかかわらずすばらしい原稿をお寄せいただいた執筆者の先生方に謝意を表する。
2011年12月(独)物質・材料研究機構
大橋直樹

著者一覧

大橋直樹(独)物質・材料研究機構 環境・エネルギー材料部門 部門長
黒田隆(独)物質・材料研究機構 先端フォトニクス材料ユニット 主幹研究員
大友明東京工業大学 大学院理工学研究科 応用化学専攻 教授
大場史康京都大学 大学院工学研究科 材料工学専攻 准教授
原和彦静岡大学 電子工学研究所 教授
吉川信一北海道大学 大学院工学研究院 教授
鱒渕友治北海道大学 大学院工学研究院 助教
朱新文北海道大学;(現)横浜油脂工業(株) 社長付
迫田和彰(独)物質・材料研究機構 先端フォトニクス材料ユニット ユニット長
佐久間芳樹(独)物質・材料研究機構 先端的共通技術部門 先端フォトニクス材料ユニット 量子ナノ構造グループ グループリーダー
大島祐一日立電線(株) 技術研究所 先端電子材料研究部;(現)(独)物質・材料研究機構 環境エネルギー材料部門 光・電子材料ユニット 光学単結晶グループ
天野浩名古屋大学 大学院工学研究科 電子情報システム専攻 教授
中西洋一郎静岡大学 電子工学研究所 特任教授
奥村元(独)産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター 研究センター長
神谷利夫東京工業大学 応用セラミックス研究所 教授
柳博山梨大学 大学院医学工学総合研究部 准教授
戸田喜丈東京工業大学 フロンティア研究センター 研究員
細野秀雄東京工業大学 フロンティア研究センター 教授
小出康夫(独)物質・材料研究機構 光・電子材料ユニット グループリーダー
島村清史(独)物質・材料研究機構 光・電子材料ユニット 光学単結晶グループ グループリーダー
Encarnación G. Víllora(独)物質・材料研究機構 光・電子材料ユニット 光学単結晶グループ 主任研究員
古海誓一(独)物質・材料研究機構 応用フォトニック材料グループ 主幹研究員;(独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業さきがけ「ナノシステムと機能創発」 さきがけ研究者
原田直樹(独)産業技術総合研究所 連携研究体グリーン・ナノエレクトロニクスセンター 特定集中研究専門員
安達千波矢九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センター センター長・教授
関口隆史(独)物質・材料研究機構 ナノエレクトロニクス材料ユニット グループリーダー
中田時夫青山学院大学 理工学部 教授
水崎壮一郎青山学院大学 理工学部 助教
宮内雅浩東京工業大学 大学院理工学研究科 材料工学専攻 准教授
後藤英司千葉大学 大学院園芸学研究科 環境調節工学研究室 教授

構成および内容

【第I編 理論・基礎】

第1章総論:バンド理論とバンドギャップ  大橋直樹
1電子と原子核
2多体問題
3化学結合と電子軌道
4バンドギャップと光・電子特性
5バンドエンジニアリングの役割
第2章半導体の光物性とバンドギャップ  黒田 隆
1はじめに
2バンド間遷移と自然放出寿命
3励起子効果
4励起子重心運動の影響
4.1励起子ポラリトン
4.2励起子遷移の巨大振動子効果
5バンド端の発光スペクトル
5.1浅い不純物の束縛励起子
5.2GaAs のバンド端発光
5.3六方晶GaN のバンド端発光
第3章半導体ヘテロ接合のバンド構造と分極効果  大友 明
1量子井戸構造
2半導体ヘテロ超格子
3分極効果
3.1ピエゾ分極
3.2自発分極
3.3理論と実験の比較
4デバイス応用
第4章半導体の物性シミュレーション―第一原理計算を用いた物性シミュレーションの基礎と現状―  大場史康
1はじめに
2半導体の電子構造および諸物性のシミュレーション
2.1第一原理計算に用いられる近似
2.2シミュレーションモデルと境界条件
3半導体への応用例
3.1完全結晶の諸特性とバンド構造
3.2合金のバンドギャップ
3.3バンドアラインメントと界面オフセット
4おわりに
第5章光、波長、色  原 和彦
1光の波長
2視感度と光束
3測光量の定義と単位
4色覚と表色系
5CIE表色系
第6章オキシナイトライドの顔料、蛍光体としての特性の基礎  吉川信一、鱒渕友治、朱新文
1はじめに
2オキシナイトライド顔料
3オキシナイトライド蛍光体
4まとめ
第7章フォトニックバンドギャップ  迫田和彰
1序論:光のバンドエンジニアリング
2フォトニックバンドギャップ
3発光の抑制と増強
4フォトニック結晶共振器と導波路
5結語:フォトニック結晶の実用化への期待
第8章量子ナノ構造とエネルギーバンド  佐久間芳樹
1はじめに
2超格子のバンドギャップエンジニアリング
2.1ミニバンド
2.2ブロッホ振動
2.3サブバンド間遷移デバイス
3ヘテロ接合と量子ナノ構造
3.1格子定数とバンドギャップ
3.2格子整合と歪み成長
3.3歪みとバンドギャップエンジニアリング
3.4バンドオフセットとヘテロ接合の分類
3.5量子ナノ構造の物性機能
3.6低次元構造のサブバンドと状態密度
4おわりに

【第II編 応用】

第1章バンドギャップエンジニアリングにおける結晶成長技術  大島祐一
1はじめに
2エピタキシャル成長技術の概要
2.1LPE法
2.2MOVPE法
2.3HVPE法
2.4MBE法
3結晶成長技術への要求と工学的課題
3.1混晶の成長とドーピング
3.2ヘテロ構造の作製
3.3ナノ構造の作製
4おわりに
第2章光源技術の動向―LED―  天野 浩
1はじめに
2AlGaInNの結晶成長
3伝導性制御
4LED及びLD
5まとめ
第3章LEDランプと蛍光体  中西洋一郎
1はじめに
2発光の原理
2.1熱放射
2.2ルミネッセンス
3発光中心(付活剤)の種類
3.1非局在型発光中心
3.2局在型発光中心
4蛍光体のバンドエンジニアリングと発光色の制御
5LED照明における白色の形成方法
6白色LEDの特性に影響を及ぼす蛍光体の特性
6.1内部量子効率
6.2外部量子効率
6.3温度特性
6.4粒度分布
6.5耐久性
7白色LED用蛍光体
8おわりに
第4章パワーエレクトロニクスとバンドエンジニアリング  奥村 元
1パワーエレクトロニクスとワイドギャップ半導体
2ワイドギャップ半導体の基礎的性質
2.1結晶構造とバンド構造
2.2ワイドギャップ半導体のパワーデバイス材料としての諸物性
3パワー半導体デバイスとバンドギャップ
第5章透明導電体のバンドアライメントとヘテロ接合  神谷利夫、柳 博、戸田喜丈、細野秀雄
1はじめに
2重要な電子構造パラメータ
3バンドアライメントとドーピング則
4バンドアライメントとSchottky-Mott(SM)則
5バンドアライメント図の作り方
6真空準位に関する注意
7SM則に関する注意
8いくつかの実例
9まとめ
第6章ソーラーブラインド特性とその応用―地上の太陽光に含まれない短波長紫外線の話題を中心に―  小出康夫
1はじめに
2深紫外線のセンシング原理
3深紫外線センサのデバイス構造
4ソーラーブラインド特性を持つ紫外線センサ
5ソーラーブラインド型ダイヤモンド深紫外線センサ
6火災検知システムの試作例
7まとめ
第7章光学結晶とバンドギャップ  島村清史、Encarnación G. Víllora
1強誘電体フッ化物BaMgF4単結晶
2基板用β-Ga2O3単結晶
3レンズ用F-ドープ・コアフリーY3Al5O12単結晶
4光アイソレーター用{Tb3}[Sc2-xLux](Al3)O12単結晶
第8章コロイド結晶のフォトニックバンドギャップによるレーザー発振  古海誓一
1はじめに
2コロイド結晶膜の作製と光特性
3レーザーデバイスの作製と光特性
4フレキシブルレーザーの実証
5まとめ
第9章グラフェンとバンドエンジニアリング  原田直樹
1はじめに
2単層グラフェンのバンド構造
3グラフェン・バンドエンジニアリング
3.1グラフェンナノリボン
3.2グラフェンナノメッシュ
3.3異種基板上に形成したグラフェンのギャップ形成
3.4電界を印加した2層グラフェン
4グラフェン・バンドエンジニアリングの今後
第10章有機半導体のエネルギーレベルの制御―新しい発光機構に基づく高効率発光デバイスの創製へ―  安達千波矢
1まえがき
2ポルフィリン誘導体のTADF現象
3新しいTADF分子の設計
4むすび
第11章シリコン歪み格子とその応用―歪シリコン、シリコンゲルマニウム混晶の物性制御―  関口隆史
1はじめに
2SiGe薄膜上の歪Si
3歪Si/グローバル歪とローカル歪
4混晶を使った直接遷移化/SiGe、 GeSn
5シリサイド半導体
第12章CIGS太陽電池の高効率化とバンドギャップ・エンジニアリング  中田時夫、水崎壮一郎
1はじめに
2CIGSのエネルギーバンド構造
3CIGS太陽電池の動作原理
4禁制帯幅プロファイル制御
5デバイスシミュレーションによる最適デバイス設計
6バッファ層/CIGS界面における伝導帯不連続
7おわりに
第13章光触媒とバンドエンジニアリング  宮内雅浩
1はじめに
2窒素のドープによる価電子帯側の制御
3遷移金属のドープによる伝導帯側の制御
4おわりに
第14章農業と光  後藤英司
1はじめに
2施設園芸と植物工場
3植物生育に必要な光波長域
4植物の好む光波長
5植物工場で用いられる光源の特徴
5.1人工光型
5.2太陽光利用型
6植物生産におけるLEDの利用
7LEDの課題
7.1白色系LED
7.2紫外線



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