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食品・医薬品のおいしさと安全・安心の確保技術    
Science and Technology to Produce Deliciousness of Foods/Medicines and Ensure The Safety
[コードNo.2012T857]

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■監修/ 都甲潔
■体裁/ B5判 271ページ
■発行/ 2012年5月 (株)シーエムシー出版
■定価/ 73,440円(税込価格)
■ISBNコード/ 978-4-7813-0608-7

 
★客観的評価が難しかった「おいしさ」を、五感全てから科学的に追及した初めての一冊!
★近年話題の味覚センサについて、食品・医薬品メーカーが様々な実用例を解説!
★「おいしさ」の可視化によって、新商品開発における味・原材料・コストの最適化が可能に!

キーワード

味覚センサ/味の数値化/美味しさ/コストダウン/匂いセンサ/テクスチャー評価/苦味マスキング/口腔内崩壊錠/服薬コンプライアンス/食の安全

刊行にあたって

 「おいしさ」とは何であろうか? 「おいしさは主観。人それぞれ違うもの」と答えるのは簡単である。実際、おいしさは、味やにおいだけではなく、テクスチャー(食感)、見た目、音などにも左右されるため、客観的議論は難しそうである。加えて、その場の雰囲気、環境、食習慣、食文化なども影響するため、その解析は一筋縄でいきそうにない。
 しかし、食品業界が「いかに売れるか」を模索し、新しい食品作りに日夜努力しているのも、また事実である。日本古来の文化である日本酒や味噌、醤油などの製造においても例外ではなく、おいしさの追求が日々なされている。加えて、値上げや安全性の問題で食に対する関心が高まっている現在、科学的な知見から無駄をなくしたり、安全性を高めたりするために、食品メーカーだけではなく様々な分野が、新商品の開発にしのぎを削っている。
 またもちろん、食品には安全性が要求される。そのため、感染症予防ならびに食品産業分野における食中毒の発生予防のためには現場における簡易迅速な病原菌、ウイルスおよび毒素の検査が不可欠である。
 本書は、冒頭の疑問「おいしさとは何であろうか」に現時点での解を与え、さらに安全と安心を得る種々の試みに言及すると同時に、食品業界や大学、研究所における「おいしさ作り」の現状を紹介するものである。
 また、「新規需要の掘り起こし」「ジャンルとしての確立」「ライフスタイルの変化」「食の多様化」といった中で、新しい科学技術である「味覚センサ」「においセンサ」の価値がますます増してきており、この新規科学技術に言及するのも本書の大きな特徴である。
 加えて、食事は人の五感を総動員して行うものであるが、この五感全てに言及する初の成書とも言える。
 科学技術が進化し、私たちは、自分の感じる味、おいしさを客観的に議論できる世界に入っている。味覚や嗅覚といった五感最後の壁とも言われていた感覚に科学のメスが入り、触覚や視覚に関する技術の著しい発展と融合することで、おいしさを科学する新しい世紀に入ろうとしている、その現状を概観するものである。
 本書は、総論編、五感基礎編、応用編、商品開発編の4編から構成され、基礎から応用、現場まで網羅している。以上、本書は、食のおいしさと安全・安心に関する最新の研究開発、関連技術情報を種々の視点から議論、提供したものであり、食品メーカー、医薬品メーカー、化学メーカーの研究開発担当者や、大学、各種研究機関の研究者に幅広く、高い関心を持って読んで頂けるものと確信している。

2012年4月
九州大学
都甲 潔

著者一覧

都甲潔九州大学 大学院システム情報科学研究院 主幹教授
山本隆畿央大学 健康科学部 健康栄養学科 教授;大阪大学名誉教授
内田享弘武庫川女子大学 薬学部 臨床製剤学講座 教授
飯山悟近畿大学 産業理工学部 生物環境化学科 教授
柏柳誠旭川医科大学 生理学講座 神経機能分野 教授
神宮英夫金沢工業大学 情報フロンティア学部 心理情報学科 教授;感動デザイン工学研究所 所長
外池光雄藍野大学 医療保健学部 臨床工学科 教授
南戸秀仁金沢工業大学 高度材料科学研究開発センター 所長
山野善正(社)おいしさの科学研究所 理事長
東輝明ニッタ(株) 事業開発センター センサグループ 部長
志堂寺和則九州大学 大学院システム情報科学研究院 教授
西津貴久岐阜大学 応用生物科学部 准教授
倉澤郁文松本歯科大学 歯学部 歯科補綴学講座 教授
高橋浩二昭和大学 歯学部 口腔リハビリテーション医学講座 教授
池崎秀和(株)インテリジェントセンサーテクノロジー 代表取締役社長
吉田都武庫川女子大学 薬学部 臨床製剤学講座 講師
内田享弘武庫川女子大学 薬学部 臨床製剤学講座 教授
田原祐助九州大学 大学院システム情報科学研究院 学術研究員
喜多純一(株)島津製作所 分析計測事業部 GCTA-BU グループ長(マネージャー)
中本高道東京工業大学 大学院理工学研究科 電子物理工学専攻 准教授
松本清崇城大学 生物生命学部 教授
小林弘司福岡女子大学 国際文理学部 食・健康学科 講師
宮本敬久九州大学 大学院農学研究院 生命機能科学部門 食料化学工学講座 食品衛生化学研究室 教授
千国幸一(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 専門員
肥後温子文教大学 健康栄養学部 教授
大熊廣一東洋大学 生命科学部 食環境科学科 教授
佐藤稔英(地独)岩手県工業技術センター 食品醸造技術部 専門研究員
杉山純一(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 食品工学研究領域 計測情報工学ユニット 上席研究員;ユニット長
北村雅弘沢井製薬(株) 製剤技術センター 製剤技術グループ 副主任研究員
若生直浩(株)キンレイ 食品事業カンパニー 商品開発部 副主任研究員
田嶋徹(株)キンレイ 食品事業カンパニー 品質保証部 部長
石脇智広石光商事(株) 研究開発室 室長
原田努エーザイ(株) エーザイ・ジャパン CJ部 企画推進室 課長
櫻井真帆エーザイ(株) Pharmaceutical Science & Technology 製剤研究部 主任
土居幹治マルトモ(株) 開発本部 常務執行役員開発本部長
永井元サントリービジネスエキスパート(株) 価値フロンティアセンター 部長
蟻川幸彦長野県工業技術総合センター 食品技術部門 食品バイオ部長
丹尾式希味の素(株) イノベーション研究所 主席研究員
野口愛子日本有機(株) 代表取締役社長
井上恵介森永乳業(株) 食品総合研究所 副主任研究員
小柳道啓(株)味香り戦略研究所 代表取締役社長
荒谷和博(株)味香り戦略研究所 研究開発部 部長

構成および内容

【総論編】

第1章おいしさのしくみ  山本 隆
1おいしさ発現の意義
2おいしさ発現の感覚要素
3おいしさの成り立ち
3.1本能的なおいしさ
3.2学習によるおいしさ
4おいしさの脳のしくみ
4.1神経回路によるおいしさ
4.2脳内物質によるおいしさ
5おいしさと自律神経活動
6おいしさの学習・記憶
7おいしさとやみつき
第2章医薬品の味について  内田享弘
1官能試験による医薬品の味評価
2味覚センサによる医薬品の味評価
3フレーバー添加による経腸栄養剤服用性改善の解析12)
3.1SD法について
3.2各種経腸栄養剤評価スコア(SD法)の解析(フレーバーの添加効果)
4市販ドリンク剤・生薬成分の評価

【五感基礎編】

第3章味覚  飯山 悟
1食品
2料理
3味覚の生理学
3.1舌での感覚
3.2受容体(レセプター)
3.3舌から脳へ
第4章味覚センサ  都甲 潔
1「味」とは
2味覚センサの原理と構造
3基本味応答
4食品への応用例
5ハイブリッド・レシピ
6食譜
第5章嗅覚  柏柳 誠
1はじめに
2匂い物質の性質
3匂い受容器
4匂いの識別
5三叉神経による匂い受容
第6章味と匂いの記憶  神宮英夫
1はじめに
2記憶心理物理学
3味の記憶とキー品質
第7章匂いと視覚  外池光雄
1はじめに
2匂いに対する非侵襲脳機能計測
2.1匂いの脳磁図(MEG)計測と匂い中枢部位の推定
2.2f-MRIによる匂いの計測
3視覚画像刺激に対する非侵襲脳機能計測
3.1刺激画像のカテゴリー別に対する脳活動の計測
3.2食物関連画像刺激に対する脳活動の非侵襲計測
4匂い刺激と視覚画像刺激の同時刺激実験
4.1f-MRIによる匂いと視覚の実験
4.1.1f-MRI実験
4.1.2匂いの心理実験
4.2匂いと視覚の同時刺激によるf-MRI実験の解析結果
4.2.1Pleasant-Unpleasantに対する解析結果
4.2.2Match-Mismatchに対する解析結果
5マルチモーダル感覚刺激と非侵襲脳研究の今後の展望
第8章匂いセンサ  南戸秀仁
1はじめに
2匂いセンサシステム
3匂いセンサシステムの食品への応用
4匂いセンサシステムの医療分野への応用
5まとめ
第9章テクスチャーの知覚の要素と表現用語  山野善正
1力学的感覚
2口腔機関の機能
3温度
4外観、色
5
6味覚への影響
7テクスチャーの表現
8まとめ
第10章多素子感圧センサを用いた食感の可視化  東 輝明
1はじめに
2触覚センサの食品分野への展開
3食感センサシステム高速化の実現
3.1高速化の意義
3.2フィルム式圧力分布センサシステムの構造と特徴
3.2.1センサシステムの構造について
3.2.2感圧原理について
3.2.3回路について
3.3高速サンプリングシステムの検証
4食感センサシステム(Mscan)の概要
4.1食感センサシートの仕様
4.2食品咀嚼試験について
4.3現場用 MscanWの現状
第11章視覚  志堂寺和則
1はじめに
2食品における色彩の影響
3食品の外観から得られる情報の知覚
4食感性モデル
第12章聴覚と食品のおいしさ  西津貴久、倉澤郁文、高橋浩二
1はじめに
2食品破砕時の振動
3食感評価における咀嚼音の役割
3.1咀嚼音を表す擬声語
3.2破砕性食品の咀嚼音の周波数分析と食感評価
3.3咀嚼音のマスキングによる効果
4嚥下音測定とその応用

【応用編】

第13章味覚センサで味を科学する  池崎秀和
1はじめに
2味認識装置の応用
2.1固形物の口腔内での味の時間変化
2.2賞味期限への応用
2.3味認識装置を用いた難溶性医薬品の苦味評価(直塗り方法の開発)
3おわりに
第14章医薬品の苦味マスキングと味覚センサによる苦味の数値化  吉田 都、内田享弘
1医薬品の苦味マスキング法の理論
1.1官能的マスキング法
1.2化学的マスキング法
1.3物理的マスキング法
2味覚センサによる苦味評価系の構築
2.1味覚センサによるH1受容体拮抗薬の苦味の数値化
2.2味覚センサによる苦味マスキング評価の実際(アムロジピンOD錠およびファモチジン口腔内速崩壊錠の苦味マスキング評価)
第15章残留農薬検知への応用  田原祐助、都甲 潔
1はじめに
2農薬
3残留農薬の分析技術
3.1機器分析
3.2簡易分析
4新しい残留農薬検知技術の試み
4.1脂質高分子膜電極の作製
4.2残留農薬の検出
5おわりに
第16章におい識別装置を用いたおいしさの定量  喜多純一
1はじめに
2嗅覚感覚量とは
3おいしさはどのように求めるか?
4におい識別装置FF-2020の装置上の工夫
5解析方法の工夫
5.1絶対値表現解析スタンダードモード
5.2絶対値表現解析ユーザーモード
5.3偏位臭マップ法
6まとめ
第17章匂いのセンシングと匂いの再現  中本高道
1はじめに
2匂いの記録再生
3水晶振動子ガスセンサを用いた匂いの記録再生
4実時間質量分析を用いた匂いレシピの計測
5匂い要素臭の探索方法
6まとめ
第18章着香検知センサの開発  松本 清
1はじめに
2SPRセンサ
3抗体の作製
4間接競合SPRセンサによるにおい成分の測定
4.1ベンズアルデヒド(BZ)の高感度検出
4.2アントラニル酸メチル(MA)の高感度検出
5おわりに
第19章食中毒細菌検知のためのSurface plasmon resonance (SPR) バイオセンサの開発  小林弘司、宮本敬久
1はじめに
2SPRバイオセンサの基本原理と留意点
3SPRバイオセンサの食品検査への応用 ―牛乳中の大腸菌の検出―
4おわりに
第20章牛肉のプロテオーム解析と味覚センサ  千国幸一
1はじめに
2味覚センサによる牛肉の分析
3牛肉のプロテオーム解析とおいしさ
4おわりに
第21章センサ付き多機能オーブンレンジによるおいしさ作り  肥後温子
1電子レンジの多機能化と自動化
2自動温め機能の進歩
3電子レンジ庫内の加熱むらと給電方式
4出力可変化路線と多機能・自動化路線
5マイクロ波の昇温特性と食品内の加熱むら
6マイクロ波加熱法の利点と欠点
7多機能オーブンレンジの機能別性能比較
8評判の良いメニューとメニュー別使い分け
9過熱水蒸気はおいしさと健康をアピール
10マイクロ波は調理のアシスタントとして力を発揮
11おいしさを引き出すコツ(サポート編)
12体にも環境にもやさしい調理法の提案
第22章食品の鮮度・機能性・安全性の簡易センシングシステム  大熊廣一、佐藤稔英
1はじめに
2酵素センサの原理および特徴
3おいしさや鮮度(活きの良さ)をはかる
4機能性をはかる
5安全をはかる
5.1ヒスタミン中毒を防ぐ
5.2鮮魚の温度履歴をはかる
5.3残留農薬をはかる
6おわりに
第23章おいしさと安全・安心を支える情報技術  杉山純一
1異物検知の技術
2蛍光指紋(励起蛍光マトリクス)
3かび毒(デオキシニバレノール)の検知への応用
4食品分野における情報伝達の問題点
5市場流通農産物の情報伝達システム「青果ネットカタログ:SEICA」
6XMLがつなぐ民間企業との公的DBの情報連携モデル

【商品開発編】

第24章味覚センサを用いた、おいしさを重視した医薬品開発  北村雅弘
1医薬品開発における味覚センサの必要性
2原薬の味比較マップ
3セチリジン塩酸塩OD錠「サワイ」における苦味マスキング
4ドネぺジル塩酸塩OD錠「サワイ」における苦味マスキング
5セフジニル細粒小児用10%「サワイ」のおいしさの理由
6セフカペンピボキシル塩酸塩小児用細粒10%「サワイ」の飲み合わせ情報マップ
7味覚センサの導入効果(まとめ)
第25章味覚センサを用いた冷凍食品の開発  若生直浩、田嶋 徹
1はじめに
2味覚センサとの出会い
3味覚センサの活用例
3.1有名ラーメン専門店スープの開発
3.2パスタの味比較
3.3専門店の味比較図
4おわりに
第26章味覚センサを用いたコーヒー創り  石脇智広
1はじめに
2コーヒー創りにおける味覚センサの有用性
3味覚センサによるコーヒー創り
3.1データベース構築
3.2インスタントコーヒーの商品設計
3.3リキッドコーヒーの商品設計
3.4レギュラーコーヒーの商品設計
4まとめ
第27章味覚センサを用いた新しい医薬品の創製  原田 努、櫻井真帆
1新製剤への期待と課題
2医薬品開発初期における原薬の味の評価
3内服ゼリー剤の味の評価
4固形製剤の味の評価
第28章味覚センサを用いた新しいだしの創出  土居幹治
1はじめに
2節類の味
3荒節と枯節の違い
4かつお節と昆布の相乗効果
5だしの減塩効果
6コク味を上げる
7新しいだしの創出
8まとめ
第29章飲料・食品の嗜好性の解明とその評価法  永井 元
1消費者の購買行動からわかる嗜好性要因
2嗜好形成・獲得メカニズムの仮説
3事例1:継続摂取と嗜好形成
4事例2:嗜好を客観的に計測する
5食品・飲料商品開発への応用にむけて
第30章おいしい日本酒造りへ向けて  蟻川幸彦
1はじめに
2清酒醸造法
3酒の成分
3.1酒の色
3.2酒の香り
3.3酒の味
4清酒酵母の育種による風味改良
5おいしい酒をいかに評価するか
6おわりに
第31章酵素による食品テクスチャーの制御  丹尾式希
1はじめに
2酵素によるタンパク質含有食品のテクスチャー制御
2.1タンパク質架橋酵素「トランスグルタミナーゼ」
2.2タンパク質脱アミド化酵素「プロテイングルタミナーゼ」
3酵素によるデンプン含有食品のテクスチャー制御
4おわりに
第32章薩摩鴨の安全性とおいしい商品創り  野口愛子
1はじめに
2アイガモ農法に適した「薩摩鴨」誕生の経緯と飼育法
2.1「薩摩鴨」誕生の経緯
2.2飼育法の特徴
3肉質・脂質の特徴と味の深み
4鴨肉の特性を生かした商品化
5おわりに
第33章多変量解析を用いたアイスクリームの品質設計  井上恵介
1はじめに
2フリージング
3アイスクリーム組織への影響
4アイスクリームの物性への影響
5おいしさへの影響
6総括
第34章おいしさの可視化  小柳道啓、荒谷和博
1おいしさとは
2味認識装置を利用したおいしさの可視化、事例1
3味認識装置を利用したおいしさの可視化、事例2
4味認識装置を利用したおいしさの可視化、事例3



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