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ニュートリゲノミクスを基盤としたバイオマーカーの開発    
-未病診断とテーラーメイド食品開発に向けて-
Development of the Biomarker based on Nutrigenomics
-Toward Pre-Symptomatic Diagnosis and Tailor-Made Food Development-
[コードNo.2013T917]

※ 本書籍はご試読頂けません ※

■監修/ 大澤俊彦、合田敏尚
■体裁/ B5判 約200ページ
■発行/ 2013年9月30日 (株)シーエムシー出版
■定価/ 61,560円(税込価格)
■ISBNコード/ 978-4-7813-0820-3

 
★疾病予防バイオマーカーのカギとなるニュートリゲノミクスによる食品解析
★食品栄養科学分野における各データの解析・活用法を解説
★高齢化社会のQOL向上をめざした研究者必携の書

キーワード

ポストゲノム/未病・予防医学/疫学/マイクロアレイ/DNAチップ/オミックス/生活習慣病/抗酸化/アンチエイジング/機能性食品

刊行にあたって

 疾病のリスク低減をはじめ多種多様な機能性を持つ「テーラーメイド食品」開発競争は益々過熱していくと推定されています。このような食品機能評価のためには、最終的にはヒト臨床試験による評価が必要となり、そのためには、簡便な評価システムにより血液や尿中の未病診断バイオマーカーや疾患予防バイオマーカーを検出・定量することで、食と健康の解明のための「分子疫学研究」や「大規模介入研究」への応用も可能となります。これらの研究のためには、疾病に至る前の段階、すなわち、未病診断技術が重要な課題となり、現在、国家的プロジェクトとして全国規模での調査・研究が計画中であり、その目的には、数千人から数万人規模での血液や尿中のバイオマーカーの測定が必要となります。また、「予防医学」や「抗加齢」を目的とした多くの学会や研究プロジェクトがスタートしており、将来的には、「未病診断」や「予防医学」を目的とした診療システムも全国規模で展開されると推定されています。
 このような研究アプローチで大きな注目を集めてきているのが、遺伝子解析技術(ゲノミクス)です。ゲノム情報を利用したゲノミクスは、まず、医療の分野で大きく発展しましたが、その背景には、目覚しいバイオテクノロジー研究の発展を基盤とした「DNAマイクロアレイ」技術に関する研究の進展が大きく寄与しています。様々なタイプの「DNAマイクロアレイ」の開発研究は、治療を目的とした医療の分野のみならず、「がん」をはじめ「生活習慣病」とよばれる「疾病」の発症の予防の分野でも大きく注目されてきています。なかでも、各個人の食生活に最適な食品、「テーラーメイド食品」開発が大きな注目を集め、その基盤的研究として欧米で注目を集めたのが「栄養遺伝子学」、いわゆる「ニュートリゲノミクス」の誕生です。日本でも、東京大学に「ニュートリゲノミクス」寄付講座が設立されるなど、企業を含めた多くの研究者が多種多様な「テーラーメイド食品」への応用開発を活発に進めています。しかし、最近の世界的な研究の方向は急展開しており、「ポストゲノム」研究、すなわち解明されたゲノム情報をどのように利用するかが重要な課題となってきています。
 「ニュートリゲノミクス」の領域は、当初、ゲノミクス、トランスクリプトミクスを中心とした狭義の「遺伝子栄養学」の概念でしたが、現在では、ゲノミクスからトランスクリプトミクス、プロテオーミクス、メタボロミクスなど、いわゆる、オミクスと総称される「バイオマーカー」を利用した総合的な食品機能評価法の開発に発展しており、今後、益々未病診断や機能性食品評価に重要な役割を果たしつつあります。
 そこで、本書では、ニュートリゲノミクスとテーラーメイド食品の分野で多くの研究を主導している静岡県立大学の合田敏尚教授と2人が監修者となって、機能性食品の開発や各疾病におけるバイオマーカーの探索、テーラーメイド食品への応用研究など、この分野では国際的にも評価の高いトップの研究者に執筆をお願いし、専門分野に関連した最新の研究動向をまとめていただきました。その内容は、食品機能学、機能栄養学関連の研究者やメーカー方々から、統合医療、予防医学などの医療関係者の方々にも役立てていただけるものであり、産官学の第一線の研究者にとって必読の書であると確信しております。

2013年9月  大澤俊彦

著者一覧

大澤俊彦愛知学院大学 心身科学部長;教授(健康栄養学科)
合田敏尚静岡県立大学 食品栄養科学部 学部長;教授
津田孝範中部大学 応用生物学部 准教授
小田裕昭名古屋大学 大学院生命農学研究科 准教授
斉藤憲司東京大学 総括プロジェクト機構「食と生命」総括寄付講座
高橋祥子東京大学 総括プロジェクト機構「食と生命」総括寄付講座
加藤久典東京大学 総括プロジェクト機構「食と生命」総括寄付講座 特任教授
門田幸二東京大学 大学院農学生命科学研究科 アグリバイオインフォマティクス教育研究ユニット 特任准教授
内藤裕二京都府立医科大学 大学院医学研究科 消化器内科学 准教授
吉川敏一京都府立医科大学 学長
及川彰山形大学 農学部 准教授
上原万里子東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科 教授
中井雄治東京大学 大学院農学生命科学研究科 ILSI Japan寄付講座 「機能性食品ゲノミクス」 特任准教授
井手隆十文字学園女子大学 人間生活学部 食物栄養学科 教授
立花宏文九州大学 大学院農学研究院 生命機能科学部門 食料化学工学 食糧化学分野 主幹教授
杉浦実(独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 カンキツ研究領域 主任研究員
小堀真珠子(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 食品機能研究領域 上席研究員
白井展也(独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所 主任研究員
鈴木和春東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科 教授
石島(根元)智子東京大学 大学院農学生命科学研究科 ILSI Japan寄付講座「機能性食品ゲノミクス」特任助教
松崎広志東京農業大学 短期大学部 栄養学科 准教授
細野朗日本大学 生物資源科学部 食品生命学科 准教授
武田英二徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 教授
奥村仙示徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 助教
中尾真理徳島大学 大学院栄養生命科学教育部
竹谷豊徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 准教授
橘伸彦不二製油(株) 基盤研究所 健康機能研究室 主事
相澤宏一カゴメ(株) 研究開発本部 自然健康研究部 ソリューション素材研究グループ 課長
堀場太郎キッコーマン(株) 研究開発本部 基盤研究第1部
本田真一(株)カネカ フロンティアバイオ・メディカル研究所 主任
福井雄一郎カゴメ(株) 研究開発本部 自然健康研究部 ソリューション素材研究グループ 主任
粂久枝(株)明治 研究本部 食機能科学研究所

構成および内容

【第1編 総論】

第1章ニュートリゲノミクスとテーラーメイド食品 合田敏尚
1はじめに
2保健の用途に対応した新規バイオマーカーの必要性
3食後高血糖の履歴を示すバイオマーカーの探索例
4ヒトにおけるバイオマーカーの妥当性の評価
5個人の栄養・代謝状態のアセスメントを目的とした実用的なバイオマーカー
6今後の展望
第2章未病診断とバイオマーカー 大澤俊彦
1はじめに
2「ニュートリゲノミクス」の登場
3プロテオミクスへの期待
4メタボリックシンドロームとバイオマーカー
5脳内老化とバイオマーカー
6未病診断バイオマーカーによるデータベースの作製

【第2編 ニュートリゲノミクスと関連手法】

第1章食品機能評価とニュートリゲノミクス、バイオマーカー 津田孝範
1はじめに
2DNAマイクロアレイの原理と技術
2.1フォトリソグラフ法とジーンチップの概要
2.2スタンフォード法
3食品機能評価とDNAマイクロアレイを用いたバイオマーカーの検討
4おわりに
第2章マイクロアレー、オミックス生物学の活用法 小田裕昭
1はじめに
2テーラーメイド食品開発の時代的背景
3食品栄養学研究へのオミックス生物学の応用
4オミックス生物学を利用した「逆」食品栄養学研究
5オミックスの選択
6オミックス生物学の利用における時間因子の重要性
7腸内細菌との関わり
8おわりに
第3章ニュートリゲノミクス研究を加速するツールの開発 斉藤憲司、高橋祥子、加藤久典
1はじめに
2ニュートリゲノミクスデータを可視化するツール
3データベースによるオミクスデータの活用
第4章トランスクリプトミクスの推奨データ解析ガイドライン 門田幸二
1はじめに
2実験デザイン再確認
3発現データの数値化(遺伝子発現行列取得)
4クラスタリング(全体像を眺める)
5発現変動解析(DEG検出時の注意点)
6おわりに
第5章プロテオミクスの応用 内藤裕二、吉川敏一
1はじめに
2脂質過酸化研究の新たな流れ
3酸化ストレスセンサーとしての各種転写因子
4酸化ストレスセンサーとしてのNrf2-Keap1システム
5酸化ストレス誘導タンパク質としてのHO-1
6おわりに
第6章メタボロミクスの応用 及川彰
1はじめに
2メタボロミクス
3ニュートリゲノミクスにおけるメタボロミクス
4今後の展望

【第3編 ニュートリゲノミクスによる食品解析とバイオマーカーの開発】

第1章大豆イソフラボンとメタボライト 上原万里子
1はじめに
2バイオマーカーとしてのイソフラボンとメタボライト
3バイオマーカーとしての測定法
4イソフラボンとメタボライトのニュートリゲノミクス
4.1トランスクリプトミクス
4.2プロテオミクス
4.3メタボロミクス
4.4エピジェネティクス的制御
5おわりに
第2章リン 中井雄治
1はじめに
2高リン食摂取の影響に関する従来の知見
3高リン食摂取がラット腎臓の遺伝子発現に及ぼす影響のニュートリゲノミクスによる評価
4おわりに
第3章ゴマリグナン 井手隆
第4章緑茶カテキン感知力バイオマーカー 立花宏文
1はじめに
2緑茶カテキンEGCG感知レセプター67LR
3EGCG感知レセプター67LRの発現量調節による緑茶カテキン感知力の制御
4EGCGのがん細胞増殖抑制活性発現を担う分子
5EGCGのがん細胞致死活性発現を担う分子
6EGCGの抗アレルギー活性発現を担う分子
7EGCGの抗炎症活性発現を担う分子
8緑茶カテキン感知レセプターの活性化に伴って動く遺伝子
9おわりに
第5章アスタキサンチン 内藤裕二、吉川敏一
1はじめに
2アスタキサンチンとは?
3アスタキサンチンの抗酸化作用
3.1一重項酸素消去作用
3.1.1化学反応 Chemical reaction
3.1.2物理的消去 Physical quenching
3.2脂質過酸化抑制作用
4疾病予防、健康増進効果
4.1抗糖尿病作用
4.2運動に与える影響
4.3抗肥満作用
5おわりに
第6章β-クリプトキサンチン 杉浦 実、小堀真珠子
1はじめに
2β-クリプトキサンチン
3三ヶ日町研究での知見
3.1肝機能障害リスクとの関連
3.2インスリン抵抗性リスクとの関連
3.3メタボリックシンドロームリスクとの関連
4トランスクリプトミクスによるβ-クリプトキサンチンの機能性解明
4.1非アルコール性脂肪肝炎
4.2β-クリプトキサンチンの非アルコール性脂肪肝炎改善作用
4.3トランスクリプトミクスによるβ-クリプトキサンチンの非アルコール性脂肪肝炎改善作用の解析
4.4カスタムアレイによるβ-クリプトキサンチンの非アルコール性脂肪肝炎の評価
5おわりに
第7章ω-3脂肪酸 白井展也
1はじめに
2脂質代謝調節機能
3脳機能
第8章マグネシウム 鈴木和春、石島(根元)智子、松崎広志
1マグネシウムの生理機能
2マグネシウムの体内分布とその調節臓器との関係
3マグネシウム動態と腎臓機能との関係
4マグネシウム動態と骨代謝
5Mgトランスポーターについて
6Mg欠乏ラットのDNAマイクロアレの利用
第9章乳製品 細野朗
1はじめに
2乳および乳製品の生体調節機能
3発酵乳に利用される微生物、およびオリゴ糖による宿主への機能についての網羅的解析
4おわりに
第10章抗ストレス効果を示す食品・食生活とバイオマーカー 武田英二、奥村仙示、中尾真理、竹谷 豊
1はじめに
2ストレスと代謝反応およびバイオマーカー
2.1ストレスによる代謝変化
2.2HPA活性化
2.3セロトニン代謝
2.4ストレスとテストステロン
2.5精神ストレス反応と遺伝子多型
3食品・食事とストレス
3.1魚油
3.2高炭水化物食品
3.3日本食
3.4食物繊維
3.5乳製品
3.6人参サポニン
4おわりに

【第4編 企業における研究開発動向】

第1章植物系食品素材
1分離大豆タンパク質摂取の脂質代謝への影響 橘伸彦
1.1大豆と大豆タンパク質
1.2SPI摂取後の肝臓における網羅的遺伝子発現解析
1.3Post DNA microarray:β-コングリシニンの生理作用解析への応用
1.4今後の食品素材開発に向けて
2トマト、赤ピーマン摂取の肝臓遺伝子の発現に与える影響 相澤宏一
2.1はじめに
2.2トマト、赤ピーマンの体重、血中マーカーへの影響
2.3トマト、赤ピーマンの摂取が肝臓の遺伝子発現に与える影響
2.4トマトの摂取が肝臓の糖、脂質に関連する遺伝子に与える影響
2.5赤ピーマンの摂取が肝臓の糖、脂質に関連する遺伝子に与える影響
2.6まとめ
3ナリンゲニンカルコンが脂肪細胞の代謝に及ぼす影響の解析 堀場太郎
3.1はじめに
3.2ナリンゲニンカルコンのアディポネクチン分泌促進作用
3.3ナリンゲニンカルコンが脂肪細胞の遺伝子発現プロファイルに及ぼす影響
3.4おわりに
4植物抽出素材の生活習慣病予防・改善効果の解析 本田真一
4.1はじめに
4.2甘草グラブラポリフェノール
4.2.1甘草グラブラポリフェノールとは
4.2.2甘草グラブラポリフェノールの脂肪低減効果
4.2.3甘草グラブラポリフェノールのニュートリゲノミクス解析
4.2.4まとめ
4.3菊花ポリフェノール
4.3.1菊花ポリフェノールとは
4.3.2菊花ポリフェノールの尿酸値上昇抑制効果
4.3.3菊花ポリフェノールのニュートリゲノミクス解析
4.3.4まとめ
4.4おわりに
第2章プロバイオティクス・乳製品素材
1Lactobacillus brevis KB290(ラブレ菌)の免疫賦活作用の解析 福井雄一郎
1.1はじめに
1.2Lactobacillus brevis KB290(ラブレ菌)とは
1.3KB290による細胞傷害活性の上昇作用とそのメカニズム
1.3.1KB290の細胞傷害活性の上昇作用
1.3.2DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現の網羅的解析
1.3.3フローサイトメトリーを用いた辺縁帯マクロファージの解析
1.4おわりに
2ホエイタンパク質およびホエイペプチドの抗炎症作用―DNAマイクロアレイによる網羅的遺伝子解析― 粂久枝
2.1はじめに
2.2ホエイタンパク質およびホエイペプチドの抗炎症作用
2.2.1D-ガラクトサミン誘発肝障害モデルでの検討
2.2.2ConA誘発肝炎モデルでの検討
2.2.3ラット腸管虚血再灌流モデルおよびマウスLPS誘発敗血症モデルでの検討
2.3DNAマイクロアレイを用いた網羅的遺伝子解析(トランスクリプトーム解析)
2.3.1精製飼料におけるConA投与前後での遺伝子発現の経時的変化の解析
2.3.2ホエイタンパク質およびホエイペプチドの作用機構
2.3.3正常肝臓での遺伝子発現の解析
2.4ホエイタンパク質およびホエイペプチドの食品への応用



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