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リチウムイオン電池の高安全・評価技術の最前線    
Recent Trends of High Safety and Evaluation Technologies in Lithium-ion Batteries
[コードNo.2014T940]

※ 本書籍はご試読頂けません ※

■監修/ 吉野彰、佐藤登
■体裁/ B5判 254ページ
■発行/ 2014年8月29日 (株)シーエムシー出版
■定価/ 71,280円(税込価格)
■ISBNコード/ 978-4-7813-0950-7

 
★今や私たちの生活に欠かせないリチウムイオン電池。小型のものから車載用、蓄電用と用途が拡大するにつれ、
  その安全性が注目されている!
★安全性を志向した材料開発、次世代電池について各分野のスペシャリストが詳述!
★評価技術や解析事例、規格・標準化の動向など、安全性評価の最前線が本書に!

キーワード

加熱試験 / LTO負極 / Mn酸化物系正極 / 炭素系・非黒鉛性炭素系負極 / 電解液 / 電解質系 / セパレータ / バインダー / パッケージング / LIBの解析事例 / 発生ガス / 負極上析出物 / 高温耐久性 / 安全性評価の規格・標準化 / 受託試験 / 次世代電池 / 市場展望

刊行にあたって

 1991年に世界に先駆け日本で実用化されたリチウムイオン電池は、監修者・吉野博士の偉大な発明功績に負うものであるが、日本が世界に誇れるイノベーションのひとつである。
 モバイル用途、車載用途、定置型蓄電用途にとってリチウムイオン電池は不可欠なデバイスシステムであるだけでなく、製品競争力を支える重要なコンポーネントである。モバイル用途でのリチウムイオン電池では、高容量化の開発による使用時間の拡大がスマートフォンやノートパソコンなどの商品魅力を訴求するのに活用されている。車載用途では電池システムのコンパクト性や出力特性で差別化にもつながる。定置型でも製品の小型化や性能で、電池そのものが商品である。
 しかし一方では、二次電池の様々な事故やリコールが社会問題として、これまで取り上げられてきた。モバイル用途でのリチウムイオン電池では、電気安全法への新試験法の組み込みによって事故はもちろん、リコールも激減し信頼性・安全性に関して大きな進化を遂げた。
 車載用途でのリチウムイオン電池に関しては、信頼性・安全性に関して十分に確立されたという段階には至っていなく、まだ途上にあるのが実態である。実際に自動車に搭載されているリチウムイオン電池は、多くの過酷な評価試験を自動車メーカーや電池メーカーが入念に実施したことで搭載されているが、それでも事故やリコールが起きていることから一層の安全性・信頼性の確立が急務となっている。
 対象となるリチウムイオン電池の安全性試験も、従来の単セルやモジュールのみならず、電池パックシステムまでが試験対象となってきて、評価試験装置の新規開発や評価試験自体もかなり大がかりなものになってきている。
 評価試験法も世界各国での規格や基準もあり、近年では中国が独自の試験法や条件を提示するなど、試験項目自体も多岐に亘ることとなり、自動車各社や電池各社にとって大きな開発負担となっている。
 2009年に同一監修者によって同類の書籍をシーエムシー出版から発刊した。それから5年の歳月を経て、リチウムイオン電池は車載用に適用されるなど各業界では大きな変革が起こっている。
今回の新たな企画では核心を突く監修に拘り、技術開発動向や業界動向、そしてビジネスモデルにまで踏み込んだ総合的な内容とした。安全性・信頼性の概要に始まり、リチウムイオン電池材料、劣化解析、アカデミアからは次世代革新電池を、実際の安全性評価に関しては自動車業界と受託試験機関からも詳細に記述している。

(本書「刊行にあたって」より)

著者一覧

吉野彰旭化成(株)
佐藤登名古屋大学;エスペック(株);(前)サムスンSDI (株)
鳶島真一群馬大学
高見則雄(株)東芝
江守昭彦日立化成(株)
岩田英一東ソー(株)
武内正隆昭和電工(株)
小林正太(株)クレハ
川井友博(株)三菱化学科学技術研究センター
堀尾博英森田化学工業(株);森田化工(張家港)有限公司
西川聡帝人(株)
脇坂康尋日本ゼオン(株)
倉島義博日本ゼオン(株)
奥下正隆大日本印刷(株)
藤田学(株)東レリサーチセンター
森脇博文(株)東レリサーチセンター
村岡正義(株)東レリサーチセンター
右京良雄(株)豊田中央研究所;京都大学
木村宏(株)住化分析センター
末広省吾(株)住化分析センター
新村光一(株)本田技術研究所
鋤柄宜(株)本田技術研究所
青木雄一エスペック(株)
栗栖憲仁(株)コベルコ科研
辰巳砂昌弘大阪府立大学
林晃敏大阪府立大学
石原達己九州大学
Jang Il Chan九州大学
金村聖志首都大学東京
風間智英(株)野村総合研究所
鈴木一範(株)野村総合研究所
小川幸裕(株)野村総合研究所
藤田誠人(株)野村総合研究所

目 次

第I編 総論
第1章リチウムイオン電池の安全性に関する一考察  (吉野彰)
1はじめに
2リチウムイオン電池の開発黎明期に起こったMoli Energy Ltd.製新型二次電池の事故
3Moli Energy Ltd.の事故原因究明過程で提言された“Thermal Runaway”と“Hot Box Test”
4リチウムイオン電池の当時の加熱試験方法とPseudo Hot Box Test
5その後のリチウムイオン電池の高安全化技術の進歩と唯一の未解決課題
第2章リチウムイオン電池の安全性概論  (佐藤登)
1はじめに
2小型民生用LIBの市場動向と安全性
3車載用LIBのビジネスモデルと市場動向と安全性
3.1EV法規発効から車載用二次電池開発の歴史を振り返る
3.2EVからHEVへのシフトと電池開発
3.3電池業界各社の事業展開
4車載用電池の信頼性確保と安全性の確立
4.1安全性技術確保のための開発プロセス
4.2部材開発とLIB安全性技術の構築
4.3革新二次電池の研究課題
4.4車載用電池の信頼性確保と安全性の確立
5おわりに
第II編 リチウムイオン電池の高安全化技術
第1章安全性の現状、課題と向上策  (鳶島真一)
1電池の市場トラブルの現状
2電池が非安全になる基本的メカニズム
3安全性向上のための電池材料の研究開発
3.1電解液の安定性
3.2電解液の燃焼
3.3電解液の燃焼抑制手法
3.4負極表面処理による電解液の安定性向上策
3.5正極表面処理による電解液の安定性向上策
4リチウムイオン電池の安全性の概要
5電池の性能・信頼性評価ビジネス
6まとめ
第2章安全性と高出入力性能に優れたチタン酸リチウム負極系二次電池 (高見則雄)
1はじめに
2電池性能と安全の課題
3基本性能と安全性
3.1LTO粒子のLi吸蔵・放出反応の速度論
3.2LTO負極系二次電池の特長
3.3LTO負極の安全機能
3.4LTO負極系二次電池の性能
4応用と展望
第3章電池制御システムによる高安全化技術  (江守昭彦)
1はじめに
2電池制御アーキテクチャ
2.1電池制御回路
2.2電池制御専用IC
2.3均等化回路
3電池制御ソフト
3.1ソフト構成
3.2電池制御パラメータの定義
4おわりに
第III編 電池材料から見た安全性への取り組み
第1章正極(Mn酸化物系)  (岩田英一)
1はじめに
2リチウムイオン電池正極材料用マンガン酸化物原料
2.1電解二酸化マンガン(EMD:Electrolytic Manganese Dioxide)
2.2化学法マンガン酸化物(CMO®:Chemical Manganese Oxide)
第2章負極材料  (武内正隆)
1はじめに:昭和電工の黒鉛系Liイオン二次電池(LIB)関連材料紹介
2炭素系LIB負極材料の開発状況
2.1LIB負極材料の種類と代表特性
2.2LIB要求項目
2.3各種炭素系LIB負極材料の特性
3人造黒鉛負極材のサイクル寿命、保存特性、入出力特性の改善
3.1人造黒鉛SCMG®-ARの特徴
3.2人造黒鉛負極材SCMG®各種グレード
3.3人造黒鉛SCMG®(AGr)、表面コート天然黒鉛(NGr)の耐久試験後の解析
3.4人造黒鉛SCMG®の急速充放電性(入出力特性)改良
4VGCF®のLIB負極用導電助剤としての状況
第3章非黒鉛性炭素負極材料 〜難黒鉛化性炭素〜  (小林正太)
1はじめに
2炭素系負極材料の分類と難黒鉛化性炭素の位置付け
3難黒鉛化性炭素のLi+挿入脱離機構
4Li+挿入脱離反応の繰り返しによる電池の不可逆変化
5エネルギー回生時の金属Li析出挙動
6おわりに
第4章リチウムイオン電池の安全性能における電解液の影響の工学解析  (川井友博)
1はじめに
2電池の熱暴走と安全性設計に対する基本的な考え方
3高温時の電池発熱挙動の評価
4短絡熱の推算
5熱移動抵抗の支配要因
6電池安全性能の解析
7まとめ
第5章電解質系  (堀尾博英)
1はじめに
2電動車両と電解質の市場動向について
3電解質の種類
3.1LiPF6
3.2LiBF4
3.3LiTFSI
3.4LiFSI
3.5LiPO2F2
4電解質メーカーに対する要求
5動力電池用の電解質
6電動車両開発による市場への影響
7中国における電解質の安全性
8現在の中国における電解質の評価
9中国における電解質メーカーの現状
10電池材料メーカーの位置取り
11まとめ
第6章セパレータ  (西川聡)
1はじめに
2ポリオレフィン微多孔膜とシャットダウン機能
3耐熱加工ポリオレフィン微多孔膜
4不織布セパレータと過充電防止機能
5おわりに
第7章バインダー  (脇坂康尋、倉島義博)
1はじめに
2正極バインダー
2.1正極用バインダーの種類と特徴
2.2バインダーの機能
2.2.1プロセス材料としての機能
2.2.2セル構成材料としての機能
3負極バインダー
3.1水系バインダーと溶剤系バインダーの比較
3.2水系バインダーの動向
4おわりに
第8章パッケージングの技術と電池の安全性  (奥下正隆)
1nu(ラミネート外装材の安全性について)
2保存性
2.1水蒸気及び電解液のバリアー
2.2内面PP樹脂の耐久性
2.3リークの確認方法
3強度
3.1密封強度
3.2振動対策
3.3衝撃・突刺し対策
4電気特性
4.1電気絶縁性
4.2コロージョンの検査方法
5耐薬品性
5.1耐薬品性
6まとめ
第IV編 リチウムイオン電池の解析事例
第1章リチウムイオン電池における発生ガスおよび電解液の成分分析、および負極上の析出物の分析   (藤田学、森脇博文、村岡正義)
1はじめに
2リチウムイオン電池の発生ガス分析
2.1X線CTによる電池断面観察
2.2GC、 GC/MS法による発生ガス分析
3リチウムイオン電池の電解液分析
3.1GC、 GC/MS法による電解液変成物の分析
3.2高分解能LC/MS/MS法による電解液変成物の分析
3.3ICによる電解液中フッ化水素酸(HF)の分析
4負極上の析出物の分析
4.1SEM観察結果
4.27Li MAS NMR(固体)によるリチウムの化学状態評価
5おわりに
第2章リチウムイオン電池の高温耐久性と安定性  (右京良雄)
1はじめに
2試験用リチウム電池
3電池特性評価
4サイクル試験による特性変化および解析
4.1サイクル試験による特性変化
4.2電気化学評価
4.3電極評価・解析
5Mg置換による(LiNi0.8Co0.15Al0.05O2)の安定化
6まとめ
第3章リチウムイオン電池の高性能化に向けた分析評価技術  (木村宏、末広省吾)
1リチウムイオン電池の高性能化に向けて
2電極合剤における各材料の分散状態の解析
2.1測定手法について
2.2電極サンプリングおよび観察条件
2.3正極表面および断面における各材料の分散状態
2.3.1表面観察結果
2.3.2断面観察結果
2.4負極表面および断面における各材料の分散状態
2.4.1表面観察結果
2.4.2断面観察結果
3電極断面における反応分布のin situ顕微鏡観察
3.1in situ顕微鏡観察について
3.2充放電による電極色変化の観察事例
3.3Li デンドライト発生過程の観察事例
4まとめ
第V編 安全性評価技術
第1章自動車メーカーから見る安全性評価技術   (新村光一、鋤柄宜)
1はじめに
2車両に搭載される電池の特徴
3車両に搭載される電池の安全性
4各国の安全性評価基準
4.1SAE J2464
4.2QC/T-743-2006
4.3ECE R100/2
4.4UN38.3
5車両搭載電池の安全性における今後の展望
第2章安全性評価の規格、標準化動向  (青木雄一)
1リチウムイオン二次電池の評価試験と試験規格
2安全性試験規格
2.1電気的試験(連続充電、外部短絡、過充電、過放電、大電流)
2.2機械的試験(振動、落下、衝撃、衝突、圧壊、強制内部短絡)
2.3環境試験(温度サイクル、熱衝撃、加熱、低圧)
2.4UN国連勧告輸送試験
2.5リチウムイオン電池の温度サイクル(熱衝撃)試験とその効果
第3章安全性評価システムの開発動向  (青木雄一)
1評価試験における作業環境への安全性
1.1安全機構付き恒温器
1.2安全性試験の実施例
2自動車用電池の安全性試験装置の動向
2.1釘さし試験装置
2.2外部短絡試験装置
2.3安全性試験統合システム
3充放電サイクル装置における性能と安全
4受託試験動向
5まとめ
第4章安全性評価の受託試験機能  (栗栖憲仁)
1はじめに
2受託試験機関の目的、必要性
3受託試験機関
4受託試験の流れ
4.1引合、受注
4.2試験対応
4.3試験後の後処理(片付け)
5安全性評価実験棟
6安全性受託試験の具体例
6.1セルおよびモジュール電池の安全性試験
6.2安全性試験時発生ガス分析
6.3安全性試験シミュレーション
7安全性試験の実施例
7.1過充電試験
7.2外部短絡試験
8おわりに
第VI編 次世代電池技術
第1章全固体電池  (辰巳砂昌弘、林晃敏)
1はじめに
2無機固体電解質の開発状況
3硫化物固体電解質を用いたバルク型全固体電池
4電極-電解質界面接合にむけたアプローチ
5おわりに
第2章リチウム(Li)‐空気2次電池とポリマーコートLi負極  (石原達己、Jang Il Chan)
1はじめに
2空気電池の種類とLi‐空気電池の位置づけ
3Li‐空気2次電池の現状と安全性
4金属Li負極の課題
5空気電池の今後の課題
第3章リチウム空気電池  (金村聖志)
1はじめに
2エネルギー密度の見積もり
3空気極での反応
4負極での反応
5電解質
6電池の構造
7まとめ
第VII編 市場展望
第1章xEV用リチウムイオン電池の動向と展望  (風間智英、鈴木一範、小川幸裕)
12020年の乗用車市場
2xEV市場の現状
2.1停滞したハイブリッド車(HEV)市場
2.2成長した電気自動車(EV)市場
2.3プラグインハイブリッド車(PHEV)市場の立ち上がり
2.448Vシステムと新興国LEV
2.5新興国LEVも48V系を採用
3中国のエコカー市場と今後の産業政策動向
3.1いよいよ達成が難しくなった新エネルギー車の政策目標
3.2政府内の微妙な駆け引きの中で揺れる自動車政策
3.3新エネルギー車政策の見直しの可能性
42020年のxEV市場の展望
4.12020年のHEV市場
4.22020年のPHEV/EV市場
5xEV用電池市場の展望
第2章大容量定置型Liイオン電池市場の動向と展望  (風間智英、藤田誠人)
1定置用LIBの市場展望
2定置用LIB市場の種類と特徴
2.1A:既存市場
2.2B:新規市場
3定置用市場の変化
3.1B-1:系統安定化のため発電所/送電網へ設置
3.2B-2:送電網への投資延期を目的として配電所へ設置
3.3B-3:非常時バックアップや電気代削減のための住宅・建物など電力需要家へ設置
4定置用LIB市場の動向と予測



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