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水素エネルギーの開発と応用    
Development & Applications of Hydrogen Energy
[コードNo.2014T945]

※ 本書籍はご試読頂けません ※

■監修/ 幾島賢治、幾島貞一
■体裁/ B5判 218ページ
■発行/ 2014年8月22日 (株)シーエムシー出版
■定価/ 66,960円(税込価格)
■ISBNコード/ 978-4-7813-0975-0

 
★天然ガス、石炭、石油プラント、バイオマス、水など様々なエネルギー源からの水素製造を解説!
★圧縮水素、液体水素、アンモニア、水素貯蔵合金など多岐にわたる水素の貯蔵および輸送技術を詳説!
★家庭用燃料電池、燃料電池自動車、水素エンジン自動車、水素火力発電所など水素を利用したエネルギー
  技術も多数掲載!

キーワード

エネルギー / 水素社会 / シェールガス / 天然ガス / 石炭 / 石油プラント / 光合成微生物 / PSA法 / 低温熱化学 / 水熱分解 / 圧縮水素容器 / 液体水素 / アンモニア / 水素スタンド / 水素ステーション / 固体水素源型燃料電池 / 家庭用燃料電池 / 水素エンジン自動車 / 自動車用燃料電池 / 産業用燃料電池 / 水素火力発電所

刊行にあたって

 現在、日本は東日本大震災の影響で国内の全ての原子力発電所が停止しており、在来型炭化水素を主体としたエネルギー構成となっている。一方で日本は総人口減少による国力低下等の多くの問題に直面している。これら国難を解決するため、日本の国力と英知を持って立ち上がる時である。日本は明治維新により急速に近代化を果たし、欧米諸国と肩を並べ、また第二次大戦で荒廃した国土を短期間で先進国に築き上げた過去の実績がある。
 この国難を乗り越える推進力の要はエネルギーの安定供給で、震災前の日本は石油、石炭、天然ガスおよび原子力等でベストエネルギーミックスを構築して、繁栄を支えてきた。
 日本が再び繁栄の道を進むために、既存の石油、石炭及び天然ガスのエネルギー効率の高度化および環境負荷低減を図り、次に新星のシェールガス・オイルを確保し、エネルギーミックスを早急に構築する。更に再生可能エネルギーの供給量、供給時期、経済性及び利便性を見極めて、水素社会の夜明け前の新ベストエネルギーミックスを具現化させる。
 現在、世界の多くの人々は次世代の水素社会のイメージは持っているが、水素社会が人々の目の前に浮き彫りにされていないのが現状である。
 本書では、日々の生活環境の視点でエネルギー計画の中での水素社会の様子を描いた。次に水素社会の要の水素を確保する方法として、石油、天然ガスおよび石炭等の在来型炭化水素からの水素製造方法及びシェールガス・オイル等の非在来型炭化水素からの水素製造方法を説明した。吸着分離プロセスを用いた水素精製についても述べた。クリーンな水素を確保する将来技術として水の電気分解、バイオマスからの水素製造方法を説明した。
 また、水素のインフラ整備に関し、貯蔵技術では水素タンクの構造・運用、運送技術ではアンモニアの活用、水素ステーションの構造・運用等を述べ、水素の応用技術では産業用・家庭用燃料電池、固体水素源燃料電池および燃料電池自動車の現状や将来を述べ、将来の水素火力発電、水素エンジン自動車を予想した。
 今回の国難を吉と捉え、日本の輝ける未来の要のエネルギーである水素エネルギーで水素社会を構築し、日本が主役となって世界の持続可能な発展を牽引する時である。
 水素社会は夢の世界でなく、人類の視野に入ってきた次世代社会であることを本書のまとめとした。

(本書「まえがき」より)

著者一覧

橘川武郎一橋大学
幾島賢治愛媛大学
幾島嘉浩IHテクノロジー(株)
幾島將貴IHテクノロジー(株)
朝倉隆晃大阪ガス(株)
池田耕一郎大阪ガス(株)
清水翼大阪ガス(株)
東隆行(株)KRI
原田道昭(一財)石炭エネルギーセンター
林石英(一財)石炭エネルギーセンター
内田正之東洋エンジニアリング(株)
若山樹国際石油開発帝石(株)
藤本和之(株)エア・ウォーター総合開発研究所
宮岡裕樹広島大学
郷右近展之新潟大学
児玉竜也新潟大学
高野俊夫JFEコンテイナー(株)
小島由継広島大学
荒島裕信(株)日本製鋼所
伊藤秀明(株)日本製鋼所
垣見裕司垣見油化(株)
平尾一之京都大学
永嶋浩二京都大学
ビスバル ヘイディ京都大学
石坂整アクアフェアリー(株)
神澤公ローム(株)
三浦弘ローム(株)
池松正樹JX日鉱日石リサーチ(株)
首藤登志夫首都大学東京
金子哲也(株)野村総合研究所
氏家孝富士電機(株)
幾島宗津(世津子)裏千家茶人

目 次

第I編 総論編
第1章日本のエネルギー展望  (橘川武郎)
1水素の重要性に言及した新「エネルギー基本計画」
2「木を見て森を見ず」
3「元に戻る再稼動」ではなく「減り始める再稼動」
42030年の原発依存度は15%程度か
5リアルでポジティブな原発のたたみ方
6なぜ「リアル」さと「ポジティブ」さにこだわるのか
7原発からの出口戦略
第2章水素社会とは  (幾島賢治)
1背景
2現状の水素の用途および製造
3水素社会に向けての動向
3.1家庭用燃料電池
3.2燃料電池自動車
3.2.1自動車の概要
3.2.2水素ステーション
3.3水素火力発電所
第II編 製造編
第3章シェールガスからの水素製造  (幾島嘉浩、幾島將貴)
1シェールガスの概説
1.1シェールガスの新掘削技術
1.1.1水平掘削
1.1.2水圧破砕
1.1.3水銀除去
1.2シェールガスの現状
1.2.1埋蔵地域
1.2.2市場動向
2シェールガスからの水素製造
2.1水蒸気改質
2.2部分酸化法
2.3自己熱改質法
2.4水素分離型改質
2.5低温プラズマ改質
第4章天然ガスからの水素製造  (朝倉隆晃、池田耕一郎、清水翼、東隆行)
1はじめに
2水素製造法
2.1改質部門
2.1.1脱硫
2.1.2改質
2.1.3CO変成
2.2精製・分離部門
2.2.1吸収法
2.2.2深冷分離法
2.2.3吸着法
2.2.4膜分離法
3最近の水素製造法の進歩
3.1大型の合成ガス製造装置
3.1.1無触媒部分酸化(POX)プロセス
3.1.2自己熱改質(ATR)プロセス
3.1.3自己熱改質(AATG)プロセス
3.2オンサイト型小型水素製造技術
3.2.1工業雰囲気ガス用
3.2.2自動車用水素供給ステーション
4新規水素製造技術の開発
4.1膜分離型水素製造法
4.2熱分解法
4.3プラズマ分解法
4.4ベンゼン併産法
4.5CO2固定型
5おわりに
第5章石炭からの水素製造  (原田道昭、林石英)
1緒言
1.1一次エネルギー源としての石炭
1.2石炭からの水素製造
2石炭ガス化からの水素製造
3石炭ガス化技術
3.1石炭ガス化の反応原理
3.2石炭ガス化炉の分類
3.3噴流層ガス化炉
3.3.1Shell ガス化炉
3.3.2GE (前Texaco) ガス化炉
3.3.3EAGLE ガス化技術
4HyPr-RING法による水素製造技術
5コークス炉ガス(COG)からの水素製造
6まとめ
第6章石油精製における水素製造  (内田正之)
1はじめに
2製油所の装置構成
3製油所からの水素製造
3.1接触改質装置
3.2水素製造装置
4製油所の水素製造余力
5オフガス水素の回収
6製油所における水素の貯蔵
7国内製油所がエネルギー水素供給に貢献する可能性
第7章光合成微生物による水素製造  (若山樹)
1緒言
2光合成微生物による水素製造とは
2.1水素を製造可能な光合成微生物
2.2光合成微生物によるCO2固定能
2.3光合成微生物による水素製造に関する最新研究
3光合成細菌による光水素製造のコストと環境性
3.1光合成微生物による水素製造システム
3.2前提諸条件の試算
3.3試算結果
4結言
第8章PSA法による水素精製  (藤本和之)
1水素PSAの歴史
2吸着分離プロセスの特徴
2.1吸着を利用した気体分離方法の比較
2.2PSAに用いられる吸着剤の種類と性質
2.3吸着剤の選定
2.4PSA装置の構成
3水素PSA装置の概要
3.1主な水素源
3.2代表的な水素精製方法
3.3水素PSAの運転パターン
4当社の水素PSA紹介
4.1納入実績
4.2特徴
4.2.1吸着剤
4.2.2運転プロセス
4.2.3運転レート
4.3装置性能
5おわりに
第9章アルカリ金属系サイクルを用いた低温熱化学水素製造  (宮岡裕樹)
1はじめに
2熱化学水素製造
3M-Redoxサイクル
3.1反応サイクルとその特徴
3.2非平衡反応を用いた熱力学特性制御
3.3水素製造特性
4おわりに
第10章二段階水熱分解ソーラー水素製造システムの開発  (郷右近展之、児玉竜也)
1はじめに
2水熱分解ソーラー反応器の研究開発動向
3反応器試験に関する現在の取り組みと今後の展開について
第III編 輸送・貯蔵・インフラ編
第11章圧縮水素容器の種類と技術課題  (高野俊夫)
1緒言
2高圧水素容器の技術基準
2.1国内外の技術基準の動向
2.1.170MPa FCV搭載用容器
2.1.235MPa輸送用車両搭載用容器
2.1.382MPa蓄圧器用容器
2.2海外の技術基準の動向
3複合容器の種類と構造及び製造プロセス
3.1種類・構造・構成材料
3.2アルミ合金ライナーC-FRP容器の製造プロセス
3.3プラスチックライナーC-FRP容器の製造プロセス
4高圧ガス容器の要求仕様
4.1要求仕様
4.2適用事例
4.2.1高圧水素運送車両へのType 3容器の適用
4.2.2海外の蓄圧用Type 2 容器の適用
5本格普及に向けて水素ステーションの低コスト化への取組
5.1NEDOの取組
5.2蓄圧用複合容器の低コスト化に関わる研究
5.2.1Type 4複合容器の開発
5.2.2アルミ合金ライナーType 3複合容器の開発
5.2.3スチールライナー複合容器の開発
6蓄圧器用複合容器の今後の技術課題
6.1Type4容器ライナー材料の要求性能
6.1.1水素透過性
6.1.2既存の樹脂ライナーの耐久性と設計思想
6.1.3機械構造用プラスチックの耐久性
6.2アルミ合金ライナーType 3容器の疲労寿命
6.3Type 1容器用候補材料(SCM435)の水素脆性
7まとめ
第12章アンモニア  (小島由継)
1はじめに
2アンモニアの特性
3アンモニアの生産
4アンモニアを用いた水素エコノミー
4.1アンモニア製造技術
4.1.1CO2フリーアンモニア製造
4.2アンモニア輸送技術
4.3アンモニア利用技術
4.3.1水素輸送媒体(水素キャリア)
4.3.2内燃機関
4.3.3アンモニアSOFC
5まとめ
第13章高圧鋼製蓄圧器と水素吸蔵合金を用いたタンク
1高圧鋼製蓄圧器   (荒島裕信)
1.1はじめに
1.2鋼製蓄圧器材料
1.3水素ガス中の疲労き裂挙動
1.4水素ステーション用鋼製蓄圧器
2水素吸蔵合金を用いたタンク  (伊藤秀明)
2.1はじめに
2.2自動車への適用
2.3水中船舶用
2.4燃料電池スクーター
2.5水素吸蔵合金キャニスター
2.6再生可能エネルギーの貯蔵
2.7おわりに
第14章水素ステーション(水素スタンド)普及のための具体的提言  (垣見裕司)
1はじめに
2何故 今 水素社会なのか
2.1原発停止と円安で、日本の国富は海外に流出中
2.2都知事選での原発問題と東京都民としての筆者の責任
2.3燃料電池自動車の発電能力に期待
3自動車向けのガス体エネルギーの歴史から学ぶ
3.1天然ガス自動車が普及しなかった理由
3.2LPガス自動車がタクシー業界に普及した理由
3.3一般車にまでは普及しなかった理由
4FCVは魅力ある車なのか、普及するか 筆者のFCVとの出会いと当初の不安
4.1結論 一般消費者から見てFCVを乗ってみたい魅力ある車にする
5水素スタンド普及を考える 魅力あるビジネスにするために
5.1巨大な水素スタンドのイメージSSが完成
6水素スタンドの更なるコンパクト化が急務
7垣見油化八王子SSでの具体例
8水素スタンド 垣見提唱ビジネスモデル
9水素スタンドの数の拡大はSSに普及した格安レンタカーを参考に
10FCV水素スタンド普及の起爆剤はタクシー会社への差額提供
11オートスタンドも実は水素スタンドの有力候補
12最終必要数は、約5,000カ所
13最後の課題は、水素の搬入方法の確立
14一般社会に対する水素社会やその普及のメリット等の情報発信やアピールが必要
第IV編 応用編
第15章固体水素源型燃料電池  (平尾一之、永嶋浩二、ビスバルヘイディ、石坂整、神澤公、三浦弘)
1開発背景
2開発内容
2.1固体水素源
2.2水素流量コントロール
2.3薄型燃料電池
3固体水素源型燃料電池の種類と特徴
3.1小型タイプ(定格電圧5 VDC、 発電量5 Whr)
3.2高出力タイプ(定格電圧12 or 24 VDC、 発電量200 Whr)
3.3ハイブリッド高出力タイプ(マルチ出力5 V、USB・2口、AC100 V)
第16章家庭用燃料電池の本格普及に向けての現状と課題  (池松正樹)
1はじめに
2家庭用固体高分子形燃料電池コジェネレーションシステムの開発概要
3燃料電池システム構成要素毎の技術開発内容の概要
3.1燃料処理装置および触媒の開発
3.2セルスタック
3.3システム制御装置
4今後のさらなる高性能化と大量普及に向けての技術課題と展望
第17章水素エンジン自動車  (首藤登志夫)
1水素を自動車燃料とすることの意義
1.1水素による電気エネルギーの貯蔵
1.2自動車における水素利用と排出ガス
1.3自然エネルギー利用における車両システムと水素
2水素エンジン自動車の特徴と技術的課題
2.1燃料電池自動車と比較した水素エンジン自動車の利点と課題
2.2水素エンジンの出力と熱効率
2.3水素エンジンの冷却損失低減
2.4水素エンジンにおける窒素酸化物の生成とその低減策
3水素の車両搭載方法とエネルギー密度
3.1水素と二次電池のエネルギー密度
3.2水素キャリアとしてのメタノール
3.3水素による低温酸化抑制効果を利用した廃熱回収式メタノール改質HCCIエンジンシステム
4まとめ
第18章燃料電池自動車のポテンシャルと導入シナリオ  (金子哲也)
1はじめに
2FCVの利点
3ユーザへの訴求ポテンシャル
4FCVの普及シナリオ
5FCVの導入セグメント
第19章富士電機における産業用燃料電池  (氏家孝)
1はじめに
2定置用大型燃料電池の開発経緯
3普及状況と新型機(FP-100i)の用途展開
4おわりに
第20章水素発電  (幾島賢治)
1背景
2火力発電の概要
2.1ボイラー
2.2タービン
2.3復水器および冷却器
2.4煤煙処理設備
3水素発電の現状
4水素発電の今後
4.1水素の製造
4.2水素の運送・貯蔵
5まとめ
あとがき 「おもてなしの心が導く水素社会」  (幾島宗津(世津子))
1地球の危機
2おもてなしの心とは
3おもてなしの心は茶道にあり
4おもてなしが地球の危機を救う



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