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メイラード反応の機構・制御・利用    
Mechanism, Control and Use of the Maillard Reaction
[コードNo.2016T001]

※ 本書籍はご試読頂けません ※

■監修/ 宮澤陽夫
■体裁/ B5判 229ページ
■発行/ 2016年4月8日 (株)シーエムシー出版
■定価/ 71,280円(税込価格)
■ISBNコード/ 978-4-7813-1154-8

 
★食品加工において重要な役割を果たすメイラード反応についてまとめた国内初の成書!
★食品と生体におけるメイラード反応のメカニズムと制御法について専門家が解説!
★メイラード反応を利用した食品開発について開発担当者が解説!

キーワード

アミノ酸 / ペプチド / タンパク質 / 糖質 / 脂質 / 糖化 / 抗糖化 / 還元糖 / 希少糖 / こく / 発酵 / 醸造 / 香気成分 / ペットフード / メイラードペプチド /キシロース

刊行にあたって

昨年9月に東京大学伊藤記念国際センターで、第12回国際メイラード反応シンポジウムを、理化学研究所の谷口直之先生を名誉組織委員長にお迎えして開催した。シンポジウムの組織委員は、メイラード反応に関し1990年に設立され世界で最も歴史のある日本メイラード学会(JMARS)のメンバーが務め、海外100名、国内200名の参加者で成功裏に開催することができた。本書の刊行には、本シンポジウムで討議された最先端の研究成果を整理する目論みもあった。

メイラード反応の研究は、我が国では、食品のアミノ・カルボニル反応に代表される褐変やフレーバーに関する有機化学や分析化学系の研究者と、生体内でのメイラード反応産物の生理作用に関する医薬系研究者により進められてきた。メイラード氏は、1900年代に料理の過熱による褐変現象を最初に科学的に研究したフランスの科学者である。食品領域では、加工によってその付加価値を高めるために、菓子類、飲料、発酵・醸造食品などでこの反応の重要性が古くから注目され、我が国の研究者はこの領域で世界をリードしてきた。食品産業界では、油脂の酸化劣化の防止と並んで大変に重要な反応である。一方、近年、生体においてはいまだ十分には解明しきれていないが、高血糖環境における非酵素的なメイラード反応(グリケーション)による生体成分の修飾が注目されてきている。1975年に糖尿病マーカーであるHemoglobin A1cが発見され、最近では膜アミノリン脂質のグリケーションも明らかにされている。これが本当に生理的に意味のある現象であるのか、加齢・老化による正常な反応なのか、検出精度の高い選択的な分析法の開発が求められるとともに、糖尿病、動脈硬化、神経変性疾患、腎臓病など、医薬の研究者からも興味が持たれている。

我が国、そして世界の健康長寿を支える食品・医薬産業の発展のためにもメイラード反応のより高次な理解が求められている。本書は、これに応えられる、ヒントの詰まった内容になっている。本書を一読することにより、メイラード反応の現在が理解でき、この反応に関心のある研究者、医師、栄養士の方々のお役に立ち得ると信ずる。


著者一覧

宮澤陽夫東北大学
早瀬文孝明治大学
渡辺寛人明治大学
村田容常お茶の水女子大学
永井竜児東海大学
大野礼一東海大学
荒川翔太郎東海大学
白河潤一東海大学
永井美芽東海大学
城愛理東京大学
稲城玲子東京大学
棟居聖一金沢大学
原島愛金沢大学
山本靖彦金沢大学
山中幹宏シャープ(株)
斎藤充東京慈恵会医科大学
有原圭三北里大学
戸田雅子ドイツ連邦 ポール・エーリッヒ研究所
能見ゆり新潟薬科大学
伊藤隼哉東北大学
仲川清隆東北大学
大畑素子北里大学
周蘭西北里大学
木村ふみ子東北大学
本城勝東北大学
宮田敏男東北大学
柴本崇行University of Carifornia
白河潤一東海大学
孟g岩手大学
菅原悦子岩手大学
早川茂香川大学
松石昌典日本獣医生命科学大学
島村智子高知大学
菅原達也京都大学
藤原章雄熊本大学
池田剛崇城大学
勝又忠与次MCフードスペシャリティーズ(株)

目 次

【第T編 総論・科学】
第1章メイラード反応の概要    (宮澤陽夫)
1食品のメイラード反応
2生体内のメイラード反応
第2章メイラード反応の化学  (早瀬文孝/渡辺寛人)
1はじめに
2メイラード反応に関与する化合物
2.1アミノ化合物
2.2カルボニル化合物
3初期段階生成物
4アルドース由来のカルボニル化合物の生成
4.1オソンとデオキシオソンの生成
4.23-デオキシオソンの分解生成物
4.3ストレッカー分解生成物
5ケトースによる反応
6酸素の関与と活性酸素の生成
7メイラード反応に影響する諸因子
8メイラード反応国際会議
第3章食品とメイラード反応  (村田容常)
1メイラード反応の食品学的意義
2反応条件
3グルコースとキシロースの比較
第4章生体内のメイラード反応  (永井竜児/大野礼一/荒川翔太郎/白河潤一/永井美芽)
2生体におけるAGEsの生成経路
3AGEs生成と中間体カルボニル化合物について
4生体AGEsの検出法
5ミトコンドリアの代謝異常から生成する構造
6AGEs研究の今後と注意点について
第5章疾病とメイラード反応  (城愛理/稲城玲子)
1総論
2メイラード反応が細胞機能に与える影響
3メイラード反応が関与する疾患
3.1糖尿病
3.2動脈硬化・高血圧
3.3慢性腎臓病
3.3.1AGEsによって促進されるシグナル伝達経路
3.3.2細胞外基質タンパクの糖化
3.3.3腎不全における食事中AGEsの影響
3.4肝疾患
3.5骨粗鬆症
3.6神経疾患
3.7眼疾患(白内障)
3.8悪性腫瘍(癌)
3.9酸化ストレスや加齢による臓器障害における糖化抑制酵素GLO1の役割
3.9.1GLO1は虚血による腎障害を抑制する
3.9.2GLO1は腎臓の老化を抑制する
3.9.3GLO1は血管の老化を抑制する
4治療法
5まとめ
第6章AGE受容体RAGE  (棟居聖一/原島愛/山本靖彦)
1はじめに
2RAGEの発現と機能、細胞内シグナリング
3RAGEの分子多様性とデコイ受容体
4RAGEを標的としたRAGE関連疾患治療の可能性
5おわりに
第7章AGEsの検出  (山中幹宏/永井竜児)
1簡便なAGEs測定の必要性
2腎症患者血清における蛍光スペクトルの測定
3液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)による血清中のN'-(5-hydro-5-methyl-4-imidazolone-2-yl)-ornithine (MG-H1)の測定
4経皮蛍光測定装置について
4.1ファイバー型測定装置
4.2肌メラニン測定
4.3ヒト臨床試験
4.4統計分析
4.5実験結果
4.5.1透析患者血清の蛍光測定結果
4.6経皮蛍光測定に適した部位の検討
4.7指尖における経皮蛍光強度と糖尿病合併症の進行
5考察
第8章マーカー  (斎藤充)
1はじめに
2AGEsをバイオマーカーとして臨床研究がすすむ疾患とは
3骨粗鬆症におけるAGEsの関与とガイドライン掲載への道のり
4骨質マーカーとしてのAGEsの位置付け
5加齢に伴うヒト骨・血・尿中ペントシジンの相関性
6骨質マーカー:ペントシジンとカルボキシルメチルリジン
7骨密度と骨質マーカーによる治療薬使い分けの可能性
8糖尿病および腎機能低下に伴う骨コラーゲンのAGE化
9おわりに
第9章メイラード反応と特許  (有原圭三)
1はじめに
2特許情報プラットフォームによる特許情報の検索
3メイラード反応に関わる特許の状況
4メイラード反応に関する特許出願事例
5おわりに
【第U編 現象・制御】
第10章アミノ酸・ペプチド・タンパク質   (戸田雅子)
1はじめに
2アミノ酸
2.1香気と呈味成分の生成
2.2抗酸化作用の誘導
2.3その他の機能について
3ペプチド
3.1ペプチドだけが生成する香気成分
3.2呈色物質の生成
3.3小腸における消化吸収
3.4機能性ペプチド創出への応用
4タンパク質
4.1分子間架橋の形成とその影響
4.2低アレルゲン化食品への応用
4.3タンパク質の機能性向上への応用
第11章糖質(還元糖)  (能見ゆり)
1はじめに
2糖の種類の違いが反応に及ぼす影響
3糖由来のジカルボニル化合物
4ジカルボニル化合物の開裂機構
5食品中に含まれる糖由来分解生成物
6おわりに
第12章脂質   (伊藤隼哉/仲川清隆)
1食品や生体におけるタンパク質・脂質のメイラード反応、およびその制御
2脂質メイラード産物の測定、食品や生体における糖化脂質の濃度
3脂質メイラード産物の新しい測定法
第13章メイラード反応と色調  (渡辺寛人/早瀬文孝)
1はじめに
2オリゴマー型色素化合物
3メラノイジンの生成
4メラノイジン前駆体
5カラメル化反応(caramerization)
第14章メイラード反応と香り  (大畑素子/周蘭西)
1はじめに
2ペプチド由来のメイラード反応で生成する香気
3メイラード反応により生成する香気の生理作用
3.1メイラード反応で生成する香気の生理作用〜血圧への作用〜
3.1.1食肉タンパク質分解物由来の香気成分の血圧低下作用
3.1.2血圧低下に関与する香気成分の検索
3.2メイラード反応で生成する香気の生理作用〜脳波への作用〜
3.2.1グリシン・グルコース系メイラード反応生成香気成分の脳波への影響
3.2.2脳波に影響する香気成分の検索
4おわりに
第15章メイラード反応と保健的機能性  (木村ふみ子/宮澤陽夫)
1はじめに
2食品のメイラード産物
3原料によるメイラード産物の違い
4食品中の含量と日常摂取量
5メイラード産物の吸収
6消化管におけるメラノイジンの保健機能
7抗酸化作用
8食物繊維様作用とプレバイオティック機能
9抗菌作用
10抗変異原性作用
11おわりに
第16章糖化と老化  (本城勝/宮田敏男)
1はじめに
2老化と糖化ストレス
3加齢性疾患とAGEsとの関連
4糖化ストレス抑制による病態の制御
5おわりに―糖化制御とアンチエイジング
第17章有害物質の生成  (柴本崇行)
1始めに
2多環芳香族炭化水素 [Polycyclic Aromatic Hydrocarbons (PAHs)]
3複素環アミン化合物 [Hetero Cyclic Amines (HCAs)
4アクリルアミド
54(5)-メチルイミダゾール
6結論
第18章メイラード反応の阻害(抗糖化)  (白河潤一/永井竜児)
【第V編 食品】
第19章味噌・醤油の特有香気成分の生成とメイラード反応  (孟g/菅原悦子)
1味噌・醤油のおいしさはメイラード反応と微生物によってつくられる
2味噌と醤油に共通する特有香気成分の生成とメイラード反応
3HEMFは酵母がメイラード反応物から生成する
4味噌・醤油の香気に寄与するチオール化合物の生成とメイラード反応
52FMの生成にもメイラード反応と酵母が関与する
第20章鶏卵とメイラード反応  (早川茂)
1はじめに
2卵白タンパク質の機能特性におけるメイラード反応の影響
3溶解性
4加熱ゲル形成性
5乳化性
6起泡性
7抗菌性
8免疫原性
9おわりに
第21章食肉とメイラード反応  (松石昌典)
1はじめに
2香気成分
3コク味物質
4タンパク質と糖の反応物
第22章牛乳のメイラード反応  (島村智子)
1牛乳の加熱殺菌
2メイラード反応と牛乳の品質
2.1風味への影響
2.2タンパク質への影響
3牛乳のメイラード反応のモニタリング
3.1従来法
3.2XTT法
4牛乳中の溶存酸素とメイラード反応
第23章水産食品とメイラード反応  (菅原達也)
1はじめに
2魚介肉
3ねり製品
4魚介類乾燥品
第24章希少糖とメイラード反応  (早川茂)
1希少糖の特徴
2食品タンパク質の希少糖による糖化
3希少糖による糖化タンパク質の抗酸化性
4希少糖による糖化タンパク質の加工特性
5食品加工における希少糖とメイラード反応
第25章抗糖化作用を有する天然物由来成分や食品について  (藤原章雄/池田剛/永井竜児)
1はじめに
2CMLの生成を抑制する物質
3Pentosidineの生成を抑制する物質
4CMAの生成を阻害する物質
5おわりに
第26章メイラードペプタイド  (勝又忠与次)
1はじめに
2MRPsによる塩味修飾効果の評価(動物試験とヒト官能評価)
2.1方法
2.2結果
3MRPsの作用する塩味レセプターについて
4おわりに
第27章D-キシロースとのメイラード反応を利用した食品加工  (島田裕司)
1はじめに
2キシロースの製造
3メイラード反応を利用する際の注意点
4キシロースの利用用途
4.1甘味料として利用
4.2焼き色改善、フレーバー改善を目的とした利用
4.3食品以外の染色に利用
4.4抗菌活性の付与に利用
4.5キシリトールの原料として利用
5キシロースとのメイラード反応を利用した調理例
6おわりに



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