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探索・毒性部門の実務書 臨床を視野においた創薬研究の指針に
薬物動態研究ガイド −創薬から臨床へ−

[コードNo.03LIC019]

■編集委員/ 佐藤 哲男 千葉大学 名誉教授
堀井 郁夫 ファイザー製薬(株) 中央研究所 安全性研究統括部長
山添 康  東北大学 大学院薬学研究科 薬物動態学分野 教授
■体裁/ B5版 上製本 448頁
■発行/ 2003年 5月31日 (株)エル・アイ・シー
■定価/ 51,700円(税込価格)

刊行のねらい

 臨床に入ってからの開発遅延や中止を防ぐために,最近では創薬段階から薬効とともに薬物動態・毒性や物性・吸収などのスクリーニングを行うようになってきました。
 第1章ではそのような新しい開発体制に必要な薬物動態研究データを内外文献から広く集積・解析するとともに,今後の創薬に重要な位置をしめるゲノム研究を収録しました。
 第2章ではICHによる国際化への流れから,審査に必要な試験データ,ガイドラインの解釈と申請にあたっての留意事項を, 第3章では臨床および市販後に重要となってくる諸問題への対応を, 第4章では情報検索・収集に必須なバイオインフォマティクスの具体的利用法を収録しました。
 いち早く医薬品を開発するために,副作用の予防と解明に,薬効をより高めるために,薬物動態情報を活用するガイドとして本書を企画致しました。 関係の方々に広く利用されることを期待します。


執筆者一覧(執筆順)

堀井 郁夫 ファイザー製薬(株) 中央研究所 安全性研究統括部長
進藤 英俊 中外製薬(株) 鎌倉研究所 前臨床研究第二部 薬物動態・代謝グループ(前日本ロシュ(株))
小川 浩太郎 中外製薬(株) 鎌倉研究所 前臨床研究第二部 薬物動態・代謝グループ(前日本ロシュ(株))
辻本 豪三 京都大学 大学院薬学研究科 ゲノム創薬科学分野教授
 関 直彦 千葉大学 大学院医学研究院 機能ゲノム学助教授
吉田 武美 昭和大学 薬学部 毒物学教室 教授
大野 泰雄 国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 薬理部長
平塚 真弘 東北薬科大学 臨床薬剤学教室 講師
水柿 道直 東北薬科大学 臨床薬剤学教室 教授
清水 直容 医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構 顧問
谷川原 祐介 慶應義塾大学 医学部 教授・薬剤部長
山添 康 東北大学 大学院薬学研究科 薬物動態学分野 教授
笠井 英史 慶應義塾大学 医学部・薬剤部 助手
徳間 洋二 前 藤沢薬品工業(株) 学術部 SAS担当部長
永田 清 東北大学 大学院薬学研究薬物動態学分野 助教授

構成と内容

第T章 創薬
第1節 総論  〈堀井 郁夫〉  1.創薬における薬物動態研究の重要性  2.医薬品開発において考慮される薬物動態上の問題  3.me better drug  4.創薬初期段階における薬物動態研究の留意点  5.創薬における薬物動態研究の環境変化  6.創薬初期段階における薬物動態研究の最近の流れ 第2節 Bioanalysis  〈進藤 英俊〉  1.LC/MS/MS分析の原理  2.LC/MS/MSとHPLC分析の比較  3.LC/MS/MSによる薬物濃度測定の実際と留意点  4.96 穴プレートの利用 第3節 In vivo PKスクリーニング  〈進藤 英俊〉  1.PK 試験に求められるもの  2.Cassette dosing   2.1 Cassette dosingのプロトコールで考慮すべき点   2.2 Cassette dosingと個別投与の比較  3.Sample pooling 第4節 In vitro PKスクリーニング  〈小川浩太郎〉  1.肝ミクロソームを用いた代謝的安定性試験   1.1 肝ミクロソームの調製方法   1.2 肝ミクロソームを用いた代謝速度の測定法  2.肝細胞を用いた代謝的安定性試験   2.1 ラット肝細胞の単離        2.2 肝細胞の培養方法   2.3 肝細胞を用いた代謝速度の測定法  2.4 肝スライスの利用  3.代謝の種差の検討   3.1 代謝プロファイルの比較      3.2 代謝物の構造解析   3.3 代謝酵素の同定          3.4 活性代謝物の検討 第5節 トキシコキネティクス(前臨床から臨床へ)  〈進藤 英俊〉  1.毒作用発現とトキシコキネティクス  2.毒性試験におけるトキシコキネティクスの実際   2.1 TK試験プロトコール   2.2 投与剤形,投与経路について   2.3 TK測定結果の解釈について   2.4 医薬品開発における安全性評価とTKの有用性 第6節 薬物相互作用  〈進藤 英俊〉  1.薬物相互作用とは  2.薬物動態学的相互作用  3.CYPによる薬物代謝   3.1 CYPサブファミリー   3.2 主要なCYP分子種の性質   3.3 CYPの遺伝的多型  4.薬物代謝酵素の阻害   4.1 CYP阻害試験   4.2 CYPの阻害様式   4.3 ハイスループットCYP阻害試験   4.4 In vitroからin vivoへの相互作用の予測   4.5 In vitroからin vivoへの相互作用の予測の限界  5.薬物代謝酵素の誘導   5.1 In vivo酵素誘導試験  5.2 In vitro酵素誘導試験 第7節 その他の評価系について  〈小川浩太郎〉  1.CYP発現系を用いたresponsible isoformおよび代謝寄与率の評価   1.1 代謝に関与するCYP分子種(responsible isoform)の同定   1.2 各CYP分子種による代謝寄与率の算出  2.トランスポーターによる能動輸送の評価   2.1 膜ベシクルを用いたトランスポーターの評価系   2.2 P-糖タンパク質による輸送の評価 第8節 ヒト薬物動態の予測  〈小川浩太郎〉  1.クリアランスの重要性  2.肝固有クリアランス(CLint)の算出   2.1 代謝初速度(V0)から求める方法   2.2 Vmax/Kmから求める方法   2.3 化合物の消失半減期(t2/1)から求める方法   2.4 反応液中の薬物濃度のAUCから求める方法  3.In vitro-in vivoスケールアップ   3.1 生理学的パラメータを用いたスケールアップ   3.2 CLintの単位の変換   3.3 数学モデルの選択について   3.4 In vitroの予測性に与えるタンパク結合の影響について   3.5 In vitro-in vivo相関によるスケールアップ   3.6 アロメトリーに基づくアニマルスケールアップ   3.7 分布容積の予測  4.コンパートメントモデルを用いた血漿中濃度推移の予測   4.1 消失半減期(t2/1)の予測   4.2 血中濃度推移の予測  5.生理学的モデル(Physiologically-based pharmacokinetics : PB-PK model) 第9節 ポストゲノムのレセプターを標的とする薬物開発  〈辻本 豪三〉  1.受容体:分子薬理研究からゲノム薬理研究へ  2.ゲノム情報から機能解析へ:オーファンGタンパク質共役型受容体(GPCR)を    モデルに   2.1 個体レベルにおける機能解析   2.2 細胞レベルにおける機能解析:“可視化細胞生物学”の応用   2.3 タンパクレベルにおける機能解析(プロテオーム)   2.4 遺伝子発現レベル(トランスクリプトーム)における機能解析   2.5 分子レベルにおける機能解析:最近のレセプター概念の変革  3.受容体の薬理ゲノミクス   3.1 薬理ゲノミクス(Pharmacogenomics)   3.2 薬理ゲノミクスの具体的方法論   3.3 薬物感受性に関する受容体遺伝子多型  4.薬理ゲノミクスを基礎としたテーラーメイド医療 第10節 DNAチップ(DNAマイクロアレイ)を用いた遺伝子発現解析                                 〈関 直彦〉  1.創薬ターゲット分子探索の戦略  2.cDNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析とは  3.cDNAマイクロアレイ作製のための遺伝子資源の整備   3.1 マウス遺伝子資源について   3.2 ヒト遺伝子資源について  4.In-house cDNAマイクロアレイの作製について   4.1 2色蛍光法の原理   4.2 プローブDNAのスポッティング機器   4.3 シグナル検出機器およびデータ解析ソフト   4.4 市販のcDNAマイクロアレイを用いた解析  5.In-house cDNAマイクロアレイを用いた解析例   5.1 解析例1(大腸がん転移に関わるマーカー遺伝子の探索)   5.2 解析例2(cDNAマイクロアレイを用いた発がんターゲット遺伝子の探索)   5.3 解析例3(クラスター解析を用いた病態診断)   5.4 解析例4(抗がん剤感受性を規定する遺伝子群の選別)
第U章 申請
第1節 開発・申請に関する一般的薬物動態試験  〈吉田 武美〉  1.非臨床薬物動態試験法の概説   1.1 被験物質について     1.2 試験系について  2.薬物動態試験の各試験項目の検討事項   2.1 吸収に関する試験     2.2 分布過程に関する試験   2.3 代謝過程に関する試験   2.4 排泄に関する試験   2.5 その他の事項  3.非臨床薬物動態試験の展望  4.非臨床薬物動態試験結果の解釈と評価の留意点 第2節 新薬申請における薬物動態データの推移 ―過去, 現状, ICH, 今後の動向―                                 〈大野 泰雄〉  1.薬物動態試験結果の意義   1.1 薬理試験との関連における意義   1.2 多面的な薬理作用をもつ薬物の評価における意義   1.3 毒性試験との関連における意義   1.4 薬物相互作用の予測における意義   1.5 医薬品の適正使用における意義  2.非臨床薬物動態試験ガイドラインの推移について  3.トキシコキネティクス(TK)について   3.1 TKの定義と目的   3.2 TKガイダンスの基本的考え方   3.3 TK測定の対象となる毒性試験の範囲   3.4 毒性試験における用量設定へのTKデータ利用   3.5 TK測定のための試料   3.6 GLPの適用について  4.非臨床薬物動態試験の実施タイミングについて  5.臨床薬物動態試験について   5.1 臨床薬物動態試験の方法   5.2 臨床薬物動態試験における主な原則  6.薬物動態学的薬物相互作用の検討方法について   6.1 薬物相互作用試験の実施における原則   6.2 相互作用試験結果を考察する際の留意点   6.3 In vitro阻害試験結果からin vivo相互作用の予測   6.4 臨床薬物相互作用試験デザイン   6.5 臨床試験の結果による薬物相互作用の有無の判定  7.バイオテクノロジー応用医薬品の薬物動態試験について
第V章 臨床
第1節 PCR(臨床)  〈平塚 真弘/水柿 道直〉  1.SNP検出法   1.1 Allele-Specific Real-Time PCR     (TaqMan Probe あるいは SYBR Green I を用いた方法)   1.2 Real-Time PCR-Melting Curve Analysis     (Hybridization Probe を用いた方法)   1.3 ABI PRISM 7700とLight Cyclerの比較  2.臨床応用   2.1 臨床研究を行う前に   2.2 NAT2遺伝子多型検出によるイソニアジド投与患者の副作作用発現回避   2.3 その他の臨床応用 第2節 臨床評価における民族差  〈清水 直容〉  1.健常日本人・外国人の薬物動態(Cmax比・AUC比)  2.解析方法とその問題点  3.民族的要因に関する日本国行政基準と定義  4.薬力学における民族間の類似性  5.臨床評価における民族差の基本的議論  6.人類の民族分類の問題点 第3節 PPKの進め方と動向  〈谷川原祐介/笠井 英史〉  1.母集団薬物動態解析とは  2.母集団薬物動態解析の背景   2.1 個体間変動,個体内変動   2.2 薬物動態の個人差に関する検討   2.3 解析方法          2.4 個体間変動,個体内変動のモデル  3.解析ソフトウェア   3.1 NONMEM     3.2 WinNONMIX        3.3 SAS/PROC NLMIXED   3.4 S-plus nlme  3.5 解析プログラム間の比較  4.解析のバリデーション   4.1 解析の仮定のチェック    4.2 共変量のモデル化に関する注意点   4.3 解析バリデーションの手法  4.4 クロスバリデーション法   4.5 ブートストラップ法  5.今後の展望 第4節 薬物相互作用ガイダンス  〈山添 康〉  1.吸収過程における薬物相互作用   1.1 消化管内における複合体・キレートの形成および溶解性への影響   1.2 消化管運動に及ぼす影響   1.3 トランスポーターにより吸収されたり,再排出される薬物  2.組織移行および体内分布における薬物相互作用   2.1 血漿タンパク結合   2.2 特殊な組織分布  3.薬物代謝における薬物相互作用   3.1 チトクロムP450の阻害   3.2 チトクロムP450の誘導   3.3 チトクロムP450以外の酵素系についての阻害と誘導   3.4 代謝における薬物相互作用の検討において考慮すべきこと  4.排泄における薬物相互作用   4.1 腎排泄過程における薬物相互作用   4.2 胆汁中排泄における薬物相互作用  5.臨床試験の必要性とデザイン   5.1 実施のタイミング   5.2 検討すべき薬物相互作用の指標   5.3 臨床試験の結果による薬物相互作用の有無の判定   5.4 特殊な集団についての考慮 第5節 PMS −国内,海外−  〈徳間 洋二〉  1.PMSとは   1.1 PMSの目的     1.2 PMSの必要性   1.3 国際協調  2.日本におけるPMS制度の概要   2.1 副作用報告制度  2.2 再審査制度   2.3 再評価制度  2.4 GPMSP  3.海外における市販後医薬品副作用報告制度および市販後臨床試験   3.1 米国における副作用報告制度   3.2 イギリスにおける副作用報告制度   3.3 ドイツにおける副作用報告制度  3.4 EU における副作用報告制度   3.5 海外での市販後臨床試験  4.PMS における臨床薬物動態   4.1 治験の限界Too Fewの補完   4.2 治験の限界Too Simpleの補完   4.3 治験の限界Too Narrowの補完   4.4 治験の限界Too Median-Agedの補完   4.5 治験の限界Too Briefの補完  5.創薬から育薬まで
第W章 バイオインフォマティクス
 1.ゲノム解析とバイオインフォマティクス  〈永田 清〉  2.バイオインフォマティクスの応用  3.データベースの検索  4.データベースの使い方  5.ヒトP450の遺伝子座検索  6.ヒトP450の遺伝子多型の検索  7.P450タンパク質の立体構造  8.P450以外の薬物代謝酵素のホームページ  9.薬物相互作用のデータベース 薬理学あるいは薬物代謝に関するリンクサイトおよびHP 関連ガイドライン INDEX

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