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コンクリート・鋼構造物の新しい腐食・防食技術
〜耐塩・耐久・維持補修性の最新動向を探る〜
[コードNo.03NTS060]
■体裁/ |
B5判 上製 232頁 |
■発行/ |
1999年 1月23日 (株)エヌ・ティー・エス |
■定価/ |
40,040円(税込価格) |
エヌ・ティー・エス主催「港湾・沿岸域を中心としたコンクリート・鋼構造物の新しい腐食・防食技術〜耐塩・耐久・維持補修性の
最新動向を探る〜」セミナー(1997年12月)を編集。
海洋構造物の耐塩性・耐久性向上技術を解説。
編集からのメッセージ
造船・鉄鋼業界は平成7年より、運輸省等の支援のもとにメガフロート(超大型浮体式海洋構造物)の研究開発を進め、実用化を目指している。
この技術は近い将来、物流基地・海上空港等の交通基盤、廃棄物処理施設等の生活基盤などの整備を通し、高度化、多様化する社会のニーズに大きく貢献することが期待されている。
本書は当社主催のセミナー「コンクリート・鋼構造物の新しい腐食・防食技術」(1997年12月11日〜12日)を基に、海洋構造物の耐久性、耐塩性対策について、
幅広い観点から腐食・防食に関する最新技術をまとめたものである。
前半では主としてコンクリートの電着利用による防食補修技術、電気防食技術、後半は主に鋼の腐食実態、防食手法、管理手法について、いずれも豊富な実例を取り入れて解説している。
目次と著者
第1講 耐久性構造技術の基本理念
佐久田 昌昭
日本大学 理工学部 海洋建築工学科 教授
1. はじめに
2. 地球環境問題と建設産業
2.1. 月面写真
2.2. (有限)資源の成長の限界
2.3. 空間の問題
2.4. 先進国と発展途上国
3. 耐久性・耐塩性とライフサイクルマネージメント
3.1. 耐久性・耐塩性
3.2. ライフサイクルマネージメント
4. 20世紀の反省と21世紀の希望
4.1. 大量消費時代の終焉
4.2. 適量生産・適量消費
4.3. 新家長主義
第2講 コンクリート構造物の電着利用による防食補修技術
熊田 誠
山口大学 工学部 応用化学工学科 教授 境計量士 技術士(衛生工学部門)
1. 「電着」の原理
2. 電着によって生じる物質
3. コンクリート構造物の防食
3.1. ひび割れ個所の発見診断とひび割れ部の充填補修
3.2. 塩化物イオンの除去
3.3. 電着コーティングによる表面改質法としての有効性
3.4. 電着物による耐食性
3.5. 鉄筋の電気化学防食法
4. 電着施工の環境への影響
5. 最近の技術動向
第3講 港湾構造物の耐久性向上策と維持管理
福手 勤
運輸省 港湾技術研究所 計画設計基準部長
1. はじめに
2. 耐久性向上の歴史
2.1. 小樽湾防波堤工事
2.2. 横浜港防波堤工事
2.3. 佐世保軍港船渠工事
2.4. 大阪港防波堤工事
3. 現在の耐久性向上策
3.1. 第1種防食法
3.1.1. かぶりをきちんととる
3.1.2. コンクリートのひび割れ幅を制限する
3.1.3. コンクリートの材料、配合、施工を厳しく管理する
3.2. 第2種防食法
3.2.1. コンクリートの品質の改善
3.2.2. コンクリートの表面処理による改善
3.2.3. 鋼材自体に防食性を持たせる
3.3. インドネシアにおける港湾施設の現状
4. 維持管理の実際
4.1. 現在の方法
4.1.1. フロー
4.1.2. 点検
4.1.3. 調査
4.1.4. 劣化評価
4.2. 新たな動向
4.2.1. 拡散予測
4.3. 補修工法の組合わせ
5. 大井埠頭桟橋塩害対策
5.1. 塩害状況
5.2. 劣化過程
5.3. マニュアル作成
5.4. 大井埠頭桟橋劣化調査補修マニュアル
5.4.1. 劣化状況調査
5.4.2. 外観目視調査
5.4.3. 含有塩化物量調査
5.4.4. 自然電位調査
5.4.5. 鉄筋の健全度調査
5.5. 補修計画
5.6. 補修工事
5.6.1. 断面修復工法
5.6.2. 表面塗装工法
5.6.3. 電気防食工法
5.7. 今後の塩害対策
6. まとめ
第4講 コンクリート構造物の新しい電気防食技術
武若 耕司
鹿児島大学 工学部 海洋土木工学科 助教授
1. はじめに
2. 塩害の実例
3. 塩害劣化のメカニズム
4. 塩害防止のための基本的考え方
5. 塩害補修工法の種類
6. 電気防食の特徴
7. 北アメリカにおける電気防食の歴史
8. 日本における電気防食の歴史
9. 電気防食の原理
10. 電気防食の種費
10.1. 外部電源法
10.2. 流電陽極法
11. 実用化されている電気防食システム
11.1. 導電塗料システム
11.2. 網状陽極システム
11.3. 亜鉛シート板システム
12. 施工上の留意点
13. 新たな電気防食システム
13.1. 挿入式陽極システム
13.2. 埋設型枠式陽極システム
13.3. 金属溶射システム
14. 電気防食の副次効果
15. イオン移動の悪影響
16. 遠隔管理制御システム
17. 今後の課題
第5講 各種指針と海洋構造物の耐久設計
清水 五郎
日本大学 理工学部 建築学科 教授
1. はじめに
2. 海洋コンクリート構造物の防食指針案
2.1. 防食区分
2.2. 防食方法
2.2.1. 第一種防食法
2.2.2. 第二種防食法
3. 耐久性に関する事項
3.1. 計画使用年数に応じた区分
3.2. 露出状態に応じた区分
4. 品質基準強度
4.1. 強度の単位
4.2. 計画供用期間の級
4.3. 品質基準強度の算出法
5. 水セメント比とコンクリートの性能
5.1. 水の浸透量
5.2. コンクリートのすり減り
5.3. 耐久性
5.4. 圧縮強度と中性化
6. 海洋建築物構造設計指針
6.1. エポキシ鉄筋
6.2. 鉄筋かぶり厚さ
6.3. 材料強度の特性値
6.3.1. コンクリート強度の特性値
6.3.2. 鉄筋強度の特性値
6.3.3. 設計用材料強度
6.3.4. 設計上のポイント
6.4. 水セメント比の最大値
6.5. スランプの最大値
7. 海洋コンクリート構造物に関する公的規格
8. 新素材・新工法の現状
9. おわりに
第6講 港湾鋼構造物の耐久性確保
柏木 達夫
(株)日本エコ・エネルギー研究所 パイプライン部 技術部長
1. はじめに
2. 腐食実態
2.1. 鋼の腐食
2.2. 腐食形態
2.2.1. 腐食環境
2.2.2. 腐食特性
2.3. 腐食影響因子
3. 腐食対策
3.1. 適用範囲
3.2. 電気防食
3.3. 塗覆装
3.4. 耐食金属
4. 保守管理
4.1. 点検調査
4.2. 腐食調査
4.3. 耐久性評価
4.4. 補修対策
5. まとめ
第7講 鋼構造物の新しい腐食材料
チタンを用いた海洋鉄鋼構造物の超長期防食法
松岡 和巳
新日本製鐵(株) 鉄鋼研究所 鋼構造研究開発センター 主幹研究員
1. はじめに
1.1. チタンを用いた新防食法
1.2. チタンの適用事例
2. チタンとは
2.1. チタンの特徴
2.2. チタンの耐食性
2.3. チタンの接合方法
2.4. チタンクラッド鋼板の構造と特徴
3. 防食法の流れ
3.1. 100年対応の防食法
4. チタンを適用する上での技術課題
4.1. 接合法
4.2. 異種金属接触腐食対策
4.3. 塗装仕様
4.4. 電気防食設計
4.5. 長期性能評価
5. 今後の展開
第8講 港湾鋼構造物の腐食と防食
土居 一幸
新日本製鐵(株) 鉄構海洋事業部海洋・鋼構造エンジニアリング部 部長代理
1. はじめに
2. 海洋環境の腐食
2.1. 海水側の影響因子
2.2. 鋼材側の影響因子
2.3. 外的影響因子
3. 防食技術
3.1. 海上大気部の防食
3.2. 飛沫帯・干満帯の防食
3.3. 補修技術
4. 維持管理
4.1. 電気防食に維持管理
4.2. 塗覆装の維持管理
5. まとめ
6. おわりに
第9講 塗装分野における劣化防止と耐久性向上技術
辻 敏幹
大日本塗料(株) 一般塗料本部 技術担当部長
1. 鋼構造物
1.1. 鋼材の腐食機構
1.2. 沿岸環境における鋼材の腐食傾向と特徴
1.3. 港湾銅棒造物の防食工法と防食塗料
1.4. 海上橋の塗装仕様
1.5. 港湾鋼構造物の代表的塗装仕様
1.6. 電気防食併用塗装仕様
1.7. 水中硬化形塗料
2. コンクリート構造物
2.1. 塩害地域区分
2.2. 塩害対策用塗装材の品質基準
2.3. 塗装の効果
2.4. 日本道路協会の塗装材料の品質規格と塗装系
2.5. 塩害補修施工
2.6. 日本道路公団の塗装材料の品質規格
2.7. 建設省の塗装仕様例(ASR対策)
2.8. 港湾コンクリート構造物用塗装材料の品質規格と塗装仕様
第10講 沿岸域構造物の耐塩・耐久性(総括)
佐久田 昌昭
日本大学 理工学部 海洋建築工学科 教授
1. はじめに
2. 現状
2.1. 鉄筋コンクリート
2.2. 鋼
3. 問題点
3.1. 鉄筋コンクリート
3.2. 鋼
4. 将来性
5. おわりに
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