第1講 食品の安全性とリスク評価
1.はじめに
2.食品の安全性を脅かす因子
2.1. 生物学的危害因子
2.2. 化学的危害因子
2.2.1. 天然の化学物質
2.2.2. 意図的に用いられる化学物質
2.2.3. 偶発的に入り込む化学物質
2.3. 物理的危害因子
3.食中毒
3.1. 統計
3.2. 調査手順
3.3. 統計精度の向上
4.食中毒のリスク管理
4.1. HACCPの背景
4.2. HACCP
4.3. 一般的な衛生管理
4.4. リスクアセスメント
4.5. リスクコミュニケーション
第2講 農作物の安全性確保に寄与する履歴情報システム(VIPS)
‘情報開示の最前線’
1.はじめに
2.農産物流通の特徴と課題
2.1. 農産物流通の特徴
2.2. 農産物流通の問題点
3.農産物情報を伝えるために何が必要か
4.農産物ネット認証システム(VIPS)
4.1. 販売実験1(1999年の例)
4.2. 現場での入力を容易にするために
4.3. 販売実験2(お米の例)
4.4. 販売実験3(しろね茶豆の例)
4.5. 販売実験の解析から
5.次世代web技術の方向
6.汎用化VIPS 青果ネットカタログ
第3講 長寿社会の医食同源‘食事学からみた食の安全性’
1.はじめに
2.食の本質とその問題点
2.1. 食べることの本質とは
2.2. 動物の食と人の食の違い
2.3. 食生活を取り巻く環境の変化
2.4. 食生活に見られる問題点から
2.5. 食の顔
3.サイエンスとしての食の顔
3.1. 安全性を考える上で
3.2. 食品表示の信頼性を取り戻すには
3.3. 環境負荷から考えてどう選ぶか
3.4. We are what we eat
4.アートとしての食の顔
4.1. 大脳生理学から見た食の重要性(1)
4.2. 大脳生理学から見た食の重要性(2)
4.3. 家庭は癒しの場となっているだろうか
4.4. なぜ食事なのか
4.5. 『悩みを抱えられない少年たち』から
5.長寿社会の医食同源とは
6.ヘンリー・ソローの言葉
第4講 青果物の安全保障‘微生物汚染と残留農薬の現状と対策’
1.はじめに
2.生鮮食品としての青果物
2.1. アメリカにおける青果物とカット青果物
2.2. 青果物、カット青果物の食品としての位置付け
2.3. 生鮮食品(生命体)の呼吸代謝経路
2.4. 青果物、カット青果物の鮮度保持
3.微生物汚染と安全性
3.1. 青果物の微生物(細菌)汚染とその分類
3.1.1. 生鮮野菜の付着菌数
3.1.2. 大腸菌群と大腸菌
3.1.3. 菌の同定法
3.1.4. 生鮮野菜からの細菌の検出結果
3.2. アメリカにおける食性疾患発症事例
3.3. アメリカにおける青果物の規範および指針
3.4. 適正農業規範と適正製造基準
3.4.1. アメリカにおける果実類の取り扱いおよび実例
3.5. 果実類のGAPにおける重要事項
3.5.1. 栽培および収穫
3.5.2. 選果場
3.5.3. 出荷および輸送
3.5.4. 追跡システム
4.アメリカにおけるカット青果物の衛生管理法
4.1. HACCPシステムとQTVプログラム
4.2. カット野菜の製造工程
4.3. カットレタスのモデルHACCPプラン
4.4. QTVプログラム
4.4.1. QTVプランと監査
4.5. 青果物、カット青果物の衛生管理
5.青果物の残留農薬と安全性
5.1. 農薬の定義
5.2. 農薬に関する基準と法律
5.3. 農薬の種類
5.4. 農薬の毒性試験
5.5. 残留農薬の検出結果
6.日本における青果物の安全性の確保
6.1. 微生物的安全性の確保
6.2. トレーサビリティの基本概念
6.3. 安全保障された完全な青果物
第5講 食品の真正評価からみた安全性問題
1.消費者保護政策としての真正評価問題
1.1. 消費者保護、あまりにも大きい先進国と日本の差異
1.2. イギリス食品基準庁の消費者保護
2.BSE検査における諸問題
2.1. イギリスの牛肉取り締まりで起こったこと
2.2. DNAによるトレーサビリティ
2.3. 動物性飼料で飼育した牛肉・牛乳の安定同位体比分析
2.4. 肉製品中の混入脳・脊髄の検出
3.15N同位体比分析と窒素分析による有機栽培野菜の真正評価
4.食品の真正評価と安全確保の体制を確立するために
第6講 環境ホルモンの恐怖‘毒性から身を守れるか’
1.はじめに
2.環境ホルモンの影響
2.1. 環境ホルモンの毒性
2.2. 生殖毒性
2.3. 内分泌撹乱作用
3.ダイオキシン類の測定法
3.1. ダイオキシンの摂取
3.2. モノクローナル抗体を用いた測定法
3.3. イムノクロマト法
3.4. イムノクロマト法によるモニタリングシステム
3.5. エライザーによる測定の問題点
4.環境ホルモン汚染の実態と対策
4.1. 大気・水・土壌汚染
4.2. 人体汚染と排出
4.3. 農薬による汚染
5.安全な食品を求めて
第7講 食品衛生管理への提言‘乳製品食中毒から学ぶもの’
1.はじめに
2.食中毒予防対策の基本
3.病原微生物に対する対策
4.乳製品中毒事件からの教訓
5.今後の問題点
第8講 衛生管理技術の向上による品質保持期限の延長とその評価
‘Extended Shelf Life 技術導入による安全性の確保’
1.はじめに
2.チルド製品の品質保持期限
2.1. チルド製品とLL製品の違い
2.2. 品質保持期限
2.3. 品質保持期限を設定するための条件
2.4. 日本および諸外国の冷蔵保管温度
2.5. 温度の違いによる微生物の増殖スピードの違い
3.ESL化に向けた検討
3.1. ESL製品が求められる理由
3.2. ESLに期待される利点
3.3. ESLによる品質上の課題
3.4. ESL製品が充填直後に要求される衛生性のレベル
3.5. 従来の日本のチルド製品の保持期限に影響した要因
3.5.1. 充填後の菌数を0cfu/パック(1,000ml)レベルにするための衛生管理
3.5.2. 殺菌処理前の菌数の違いによる製品汚染レベル
3.5.3. 殺菌処理後の二次汚染を防止するための条件
4.品質保持期限を延長するために
4.1. ESL対応のための品質改善事項
4.2. 充填環境の改善
4.3. 包装材料の改善
5.ESL製品の評価
5.1. 消費者からの評価
5.2. 流通からの評価
5.3. 製造メーカーとしての評価
6.おわりに
第9講 農業生産物・食品の品質と表示の安心
‘Eマークによる安心と信頼’
1.都市農業生産者からのマーケティング
1.1. はじめに
1.2. 大阪農業の役割
1.3. 大阪の農産物―「なにわ特産品」―
1.4. 今後の大阪農業の方向性
2.地域特産品認証制度
3.Eマーク食品の事例
3.1. 大阪府における展開
3.2. おわりに
第10講 遺伝子組み換え食品の功罪‘食資源学の見地から’
1.はじめに
2.バイオの歴史寸描
2.1. 1970年代
2.2. 1980年代
2.3. 1990年代
3.現状と今日的課題
3.1. バイオによる食品開発の現状
3.2. 最近の状況
3.3. 流通の実態
4.食資源学的評価と展望
5.おわりに