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ゲノミクス・プロテオミクスの新展開
−生物情報の解析と応用−
[コードNo.04NTS098]
■体裁/ |
B5判 上製 1282頁 |
■発行/ |
2004年 4月 5日 (株)エヌ・ティー・エス |
■定価/ |
65,780円(税込価格) |
遺伝子工学はその誕生からわずか四半世紀のうちに飛躍的な進歩・発展を遂げた。
このように変化の激しい分野・時代であるからこそ、ある時間断面で得られた情報のエッセンスを整理することが重要である。
本書は微生物・植物・動物など幅広い生物種を対象にしたゲノミクスと、技術の進歩と応用が期待されるプロテオミクスを中心に、
解析、バイオインフォーマティックスから産業・医科学における応用までを網羅したハンドブックである。
発刊にあたって
遺伝子は生命の基本設計図であり、それは基本的に二重らせん構造をとる有機化合物であるというのが普通の考え方だが、
ドーキンスが1976年に著した「利己的な遺伝子(The Selfish Gene)」によれば、遺伝子自身が利己的で、
生物は遺伝子が自らのコピーを増やすために作った乗り物(生存機械)にすぎないというのだ。
また動物行動学の各種特徴も説明できるという。
そういえば、進化系統樹の根の近傍にある超好熱菌の中には外来DNAを容易に体内に取り込み、必要なら染色体の一部にしてしまうものもある。
また、ウイルスなどは遺伝子水平伝播のエースである。
トランスポゾンのように染色体の中で比較的自由に動きまわる因子もある。
性を持つ生物では、遺伝子の組み換えを利用して生存の可能性を高めている。
単に突然変異と自然淘汰といった単純な形で生物は進化してきたのではなかった。
これらの背景を充分に理解するにはとても個々の遺伝子を研究するだけでは間に合わない。
ではどうするか。
幸い、1973年に遺伝子工学が誕生して以来、多くの科学技術が大幅に改善され、スピードアップし、バイオインフォマティクスも発展してきたので、
今や多くの微生物、植物、動物のゲノム解析が終了もしくは進行中である。
幅広い生物種についてゲノムの特徴を比較することにより、あるものは明確に、あるものはうっすらと、進化の歴史や相互関係が浮かび上がってきている。
特にDNAの二重らせん構造が示されてから50年目に当たる2003年に、精度の高いヒトゲノムの解析が終了したことも大きな節目である。
ゲノム情報の羅列ではなく、そこから得られるコンセプトを中心にまとめたのが第1編「ゲノミクス」である。
また生命の働きを理解するのにゲノミクスだけで良いかと聞けば、答えはノーである。
実際に作用する生体物質は多様であるし、それらの変換を触媒する酵素タンパクも多数である。
これらの構造・機能や相互作用が実際の細胞現場での主役であり、この研究なしに生命の基本原理を解き明かすことはできない。
タンパク質の総体を研究するプロテオミクスも重要なもう一本の柱である。
全てのタンパク質とその相互作用を解析するというのは、遺伝子解析と比較して格段にやっかいなことであるのは事実だが、避けて通るわけにはいかない。
またDNAチップの利用によりどのタンパク質が関連ある一群を形成しているか、あるいはコンピュータを用いたバイオインフォマティクスなど、
他の技術も援用しながら解析していく必要があろう。
このような考えから、第2編で「プロテオミクス」を、第3編で「バイオインフォマティクス」を取り上げた。
さらに第4編では産業における展開、医科学における展開、ゲノムバイオロジーとナノバイオテクノロジーなど応用に向けての展開も紹介した。
科学技術の進歩は時として我々が期待し想像する以上に速い。
またゲノミクスの情報も、毎年指数関数的に増加するのではないかと思われる。
しかし本書の内容の幅広さと深さは、現段階においては最高のものだと自負している。
これはまさに優秀な編集委員のご協力、全執筆者のご努力のお陰である。
ここに心から感謝の意を表したい。
また本書の企画から出版まで熱意をもって協力して下さった松風まさみさんはじめ編集企画部の皆さんにお礼を申し上げる。
監修者 今中 忠行
監修者
| |
今中 忠行 | 京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻教授 |
編集委員(五十音順)
| |
加藤郁之進 | タカラバイオ(株)代表取締役社長・バイオ研究所所長 |
金谷 茂則 | 大阪大学大学院工学研究科教授 |
北川 正成 | タカラバイオ(株)ドラゴンジェノミクスセンター副センター長 |
菅野 純夫 | 東京大学新領域創成科学研究科メディカルゲノム専攻ゲノム制御医科学教授 |
高尾 敏文 | 大阪大学蛋白質研究所プロテオミクス総合研究センター教授 |
田畑 泰彦 | 京都大学再生医科学研究所生体材料学分野教授 |
服部 正平 | 北里大学北里生命科学研究所教授 |
三木 邦夫 | 京都大学大学院理学研究科教授/理化学研究所播磨研究所主任研究員 |
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構成と内容
目次
○口絵
序 ゲノミクスからプロテオミクスまで―生命現象を理解するために―
「生物」とは
遺伝子研究の歴史
遺伝学・遺伝子工学からゲノミクスへ
タンパク質研究の歴史
プロテオミクスの意義
第1編 ゲノミクス
第1章 微生物のゲノム解析
第1節 大腸菌
概要
大腸菌ゲノムデータベース 〜GenoBase,PEC〜
GenoBase
PEC(Profiling of E.coli Chromosome)
その他の大腸菌ゲノムデータベース
今後の展望
最小必須遺伝子群
必須遺伝子,最小必須遺伝子群
最小必須遺伝子群についてのこれまでの研究
系統的,網羅的な欠失株作製による大腸菌必須遺伝子群の同定
マイクロアレイ解析
DNAマイクロアレイ実験
大腸菌(Escherichia coli)におけるDNAマイクロアレイ実験
解析システム
実際の解析例
今後の展望
ゲノム分配のダイナミクス
原核生物の細胞周期
染色体複製
染色体分離
核様体
染色体凝縮因子
染色体の配置
染色体の分配
プラスミドの分配
プラスミド分配遺伝子の起源
大腸菌ゲノムDNA複製系
大腸菌ゲノムの複製起点oriCの構造
複製開始の機構の概要
大腸菌ゲノム複製にかかわるタンパク質
複製開始因子DnaAの構造
複製酵素DNAポリメラーゼIIIホロ酵素の構造
ゲノム複製の制御機構
大腸菌(Escherichia coli)全遺伝子のローンセットと完全欠失株の作製
大腸菌(Escherichia coli)全予測遺伝子クローン作製
大腸菌全遺伝子の網羅的な遺伝子欠失株セット
“KO Collection(Knock Out mutant Collection)”の作製
第2節 枯草菌
枯草菌の特徴
枯草菌ゲノムの特徴
枯草菌ゲノムの機能解析
第3節 放線菌
放線菌Streptomyces属の菌種の性質
Streptomycesのゲノムの特徴
ゲノム比較
第4節 シアノバクテリア
シアノバクテリアとは
シアノバクテリアの分類
ゲノムプロジェクト
シアノバクテリアゲノムの構造
シアノバクテリアの遺伝子
シアノバクテリアのポストゲノム研究
第5節 高度好熱菌Thermus thermophilus HB8のゲノム解析―原子生物学のモデル生物―
ゲノム配列解析
代謝系・制御系の特徴
生き物としての特徴
「原子生物学」時代のモデル生物として
第6節 超好熱菌
Thermococcus kodakaraensis KOD1のゲノム解析
超好熱始原菌Thermococcus kodakaraensis KOD1
T.kodakaraensisKOD1の全ゲノム解析
T.kodakaraensisゲノムの特徴
T.kodakaraensisの遺伝子破壊(交換)系の構築
Pyrococcus horikoshii OT3およびその他のアーキアのゲノム解析
アーキアゲノム解析の現状
好熱性アーキアのゲノム解析の進展
日本で解析対象とした超好熱アーキア
好熱性アーキアゲノムの全塩基配列決定
塩基配列から見えるゲノム情報
各アーキアのゲノム解析から明らかとなった特長
アーキア間のゲノム比較
ゲノム解析データの利用―新規機能の探索―
ゲノム解析データの利用―機能解析に向けて―
ゲノム解析の今後
第7節 海洋性細菌
深海由来好圧好冷性細菌Shewanella violaceaの全ゲノム解析
高圧と低温環境に適応した微生物
高圧および低温に対する微生物の応答と適応
有用微生物としてのDSS12株
深海由来好冷好圧性細菌S. violacea DSS12株の全ゲノム解析
極限環境に生きる多様なBacillus属関連細菌
極限環境Bacillus属細菌とは
極限環境Bacillus属関連細菌のゲノム解析
第8節 細胞内共生細菌ブフネラ
アブラムシとブフネラの共生
ゲノムサイズと遺伝子数の減少
ブフネラの遺伝子レパートリー
ブフネラの比較ゲノム
変異を蓄積した遺伝子とシャペロニン
絶対共生細菌のゲノムの普遍的特徴
オルガネラのように宿主に組み込まれた細菌
第9節 酵母
出芽酵母のゲノム解析
出芽酵母ゲノム解析計画の意義
出芽酵母ゲノム解析計画はいかにして行われたか
出芽酵母ゲノム解析により得られた知見
個々の遺伝子機能の理解から生命現象のネットワーク構造理解のための
アプローチ
遺伝子機能解析研究のアプローチ
遺伝子発現制御ネットワークの解析
転写制御ネットワークの課題と今後の展望
タンパク質相互作用解析による機能解析
分裂酵母のゲノム解析と展望
染色体地図の作成
分裂酵母全ゲノム塩基配列の決定
タンパク質をコードする遺伝子
転移因子
イントロン
遺伝子重複
RNAをコードする遺伝子
セントロメア
テロメア
他種生物とのタンパク質相同性比較
疾病関連遺伝子
タンパク質ドメインの比較
真核生物と原核生物,単細胞生物と多細胞生物の決定因子
細胞内局在解析
DNAマイクロアレイ
遺伝子データベース
大規模変異株作成計画
メタノール資化性酵母Pichia pastorisのゲノム解析
ゲノムの概要
メタノールでの生育に関与する遺伝子群
pREMI―Zを用いた変異導入法RALFと網羅的遺伝子同定
ゼオシン耐性変異株の取得
メタノール生育不能変異株
ペルオキシソーム分解不能変異株の単離とPAZ遺伝子群の同定
将来の展望
第10節 糸状菌(カビ)ゲノム解析の現状
背景
世界におけるカビゲノム解析の経過
日本における麹菌ゲノム解析への取り組み
第11節 病原性微生物
腸管出血性大腸菌O157(enterohemorrhagic Escherichia coli O157)の
ゲノム解析
大腸菌とその多様性
病原性大腸菌
腸管出血性大腸菌O157堺株のゲノム解析と
非病原性大腸菌K―12株とのゲノム比較
O157の出現過程におけるプロファージの役割
O157の病原性関連遺伝子
腸管出血性大腸菌の多様性
O157菌株間におけるゲノムの多様性
O157 EDL933株のゲノム配列
O157の全ゲノム情報の利用
他の病原性大腸菌のゲノム解析
ビブリオ
ビブリオとは?
コレラ菌
腸炎ビブリオ
ゲノム解析で明らかになったこと
ポストゲノムシークエンス
Clostridium
Clostridiumの一般的性状
Clostridium perfringens strain 13 type Aのゲノムの特徴
C. perfringensの病原遺伝子
Clostridium tetani E88のゲノムの特徴
Clostridiumの代謝の特徴
輸送系
芽胞形成
Clostridiumの菌種間の比較ゲノム
C. perfringensの病原因子の発現調節機構
第12節 細胞性粘菌のゲノム解析
モデル生物としての細胞性粘菌
細菌感染やヒトの疾病のモデル生物としての粘菌
粘菌のゲノム構成
大規模cDNA解析
遺伝子発現プロファイルの解析
第13節 難培養微生物
〜いかにその遺伝情報にせまるか〜
なぜ培養できないか
リボソームDNAは語る
eDNAとメタゲノム
知られざる細菌Symbiobacterium thermophilum
第2章 植物のゲノム解析
第1節 総論
植物ゲノミクス
植物プロテオミクスとメタボロミクス
第2節 イネ
イネゲノムの遺伝解析
イネゲノム塩基配列解読
ゲノム塩基配列中の遺伝暗号の解読:情報科学的手法
ゲノム塩基配列中の遺伝暗号の解読:生物学的手法
イネ発現遺伝子プロファイリングとネットワーク解析による暗号解読
イネプロテオミクス研究の取組み
イネをさらに高品質な食料とするゲノム情報
第3節 シロイヌナズナ
シロイヌナズナのゲノム機能解析
ゲノム構造解析から機能解析へ
ゲノム構造
ゲノム機能解析
ゲノム研究のためのリソース
シロイヌナズナゲノム情報の利用
シロイヌナズナ完全長cDNAエンサイクロペディアの作製と
遺伝子の機能・発現解析への応用
シロイヌナズナ完全長cDNA(RIKEN Arabidopsis Full―
Length cDNA;RAFL cDNA)の収集と機能アノテーション
シロイヌナズナ完全長(RAFL)cDNAマイクロアレイ解析
シロイヌナズナ完全長(RAFL)cDNAのタンパク質機能・構造解析研究への利用
シロイヌナズナ完全長(RAFL)cDNAデータベース
第3章 動物のゲノム解析
第1節 線虫
モデル生物としての線虫C. elegans
ゲノム
遺伝子発現解析
遺伝子機能解析
タンパク質相互作用
統合的データベース
展望
第2節 Drosophila
ショウジョウバエのゲノム科学
ショウジョウバエゲノム配列の完成版
他のショウジョウバエ種のゲノム配列との比較
複雑な遺伝子の構造
マイクロアレイを用いた発現解析
突然変異体の作製
展望
ショウジョウバエのRNAi変異体バンク
ショウジョウバエ遺伝学
RNAi
ハエにおける誘導型RNAi
RNAi変異体バンク
第3節 ゼブラフィッシュのファンクショナルゲノミクス
フォワードジェネティクス:化学変異原を用いた変異生成
トランスジェニックゼブラフィッシュ
cDNAクローニングを基にした発現解析,機能解析
リバースジェネティクス
フォワードジェネティクス:insertional mutagenesis
第4節 ホヤ
なぜホヤのゲノム科学か
ホヤゲノム
ホヤ発生遺伝子の解析
ホヤのゲノム科学:今後の課題と展望
第5節 マウスゲノムとトランスクリプトーム
マウスゲノム
完全長Mouse cDNAプロジェクト
機能ゲノム学に向けての展開
第6節 ラットゲノム解析
ラットゲノム解析の現状
polygenic diseaseモデルの責任遺伝子単離
第7節 ヒトゲノムの現状
ヒトゲノム解析
ヒトゲノム解読の系譜
日本国内におけるヒトゲノム解読
ヒトゲノム解読の技術と工程
ヒトゲノム完成配列の精度と検証
ヒトゲノム完全解読と今後の課題
ヒトゲノムcDNA
cDNAとは
mRNAの精製
ゲノム研究へのcDNAの登場:EST
cDNAプロジェクトの発展:全長cDNA配列決定
FLJ cDNAプロジェクト
cDNAを基盤としたデータベース:Unigene, RefSeq, LocusLink
ヒト・トランスクリプトームの現状
non-protein-coding RNA(ncRNA)
大腸菌人工染色体(bacterial artificial chromosome:BAC)
ライブラリーの構築,利用,保存と配布
BACライブラリーの構築
BACライブラリーの性質
BAC/PACライブラリーの保存,管理
BACライブラリーのスクリーニング
データベース検索によるライブラリーのスクリーニング
BACクローンを用いた遺伝病診断などへの応用
様々な共同研究
BACライブラリー,高密度フィルターそしてクローンの配布
第2編 プロテオミクス
第1章 タンパク質の検出・同定と一次構造決定
第1節 試料前処理法
タンパク質
二次元電気泳動によるプロテオーム解析法
一次元SDSゲル電気泳動とLC―MS/MS分析装置によるプロテオーム解析法
定量プロテオミクス
ペプチドの抽出・粗精製
組織などの取扱い
抽出
ペプチド画分の濃縮
ペプチドの精製
その他
第2節 微量クロマトグラフィー
システムの概要
LC-MSシステムの実際
大規模プロテオーム解析への適用
LC-MSシステムの課題と展望
第3節 二次元ゲル電気泳動
二次元ゲル電気泳動の開発とその発展
二次元ゲル電気泳動における等電点電気泳動
二次元ゲル電気泳動におけるSDS―PAGE
二次元ゲル電気泳動による定量的解析
二次元ゲル電気泳動による修飾タンパク質の解析
第4節 質量分析
タンパク質解析のためのイオン化法
マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法
エレクトロスプレーイオン化(ESI)法
プロテオミクス研究のための質量分析計
飛行時間質量分析計(time-of-flight mass spectrometer, TOF MS)
直交加速飛行時間質量分析計(orthogonal acceleration TOF MS, oaTOF MS)
四重極質量分析計(quadrupole mass spectrometer, QMS)
イオントラップ質量分析計(ion trap mass spectrometer, ITMS)
フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計
(Fourier-transform ion cyclotron resonance mass spectrometer, FTICRMS)
タンデム質量分析計(tandem mass spectrometer)
第5節 一次構造決定
化学的方法による一次構造分析
質量分析による一次構造分析
第6節 翻訳後修飾解析
検出,同定,構造決定一般
分子量の測定
精密質量測定による翻訳後修飾構造の解析
タンデム質量分析(MS/MS)による翻訳後修飾構造の解析
プロテアソームの翻訳後修飾の解析
26Sプロテアソーム
26Sプロテアソームの翻訳後修飾と機能
質量分析によるリン酸化タンパク質の解析
MSによるリン酸化ペプチドの検出
実試料でのリン酸化タンパク質解析からリン酸化プロテオーム解析へ
リン酸化―事例2
LC/MS解析によるリン酸化部位の同定
特異的検出法(プリカーサースキャン)によるリン酸化ペプチドの検出
第7節 発現プロファイル解析の基礎技術と方法
二次元電気泳動によるディファレンシャルプロテオミクスと
データベースの構築
二次元電気泳動の再現性
タンパク質染色の定量性と特異性
画像解析による定量的なディファレンシャル解析
定量的な発現プロファイル解析結果のデータベース化
ペプチドの分離:高速液体クロマトグラフィーと
二次元クロマトグラフィー
ペプチド分離用カラム,溶媒と装置
ペプチドの二次元分離システム
その他の注意点
第2章 タンパク質の高次構造決定
第1節 タンパク質の大量発現,精製
タンパク質の発現
目的タンパク質の発現量が少ない
目的タンパク質が不溶性である
封入体からの巻き戻し
タグ
無細胞発現系
翻訳後修飾
膜タンパク質
目的タンパク質の特定法
自動化
大腸菌によるタンパク質の発現・精製
考慮すべき基本的な事項
具体的なタンパク質発現のための手順:配列の解析
実際の遺伝子操作
タンパク質の発現検討
コールドショック発現ベクター
大腸菌のコールドショックレスポンス
大腸菌コールドショック発現系としての利用
コールドショック発現ベクターpCold07とpCold08
コールドショック発現系の発現量
コールドショック発現系の特徴とタンパク質の機能構造解析への有効利用
ヒト遺伝子のcDNAを用いた発現効率の評価
ハイスループット発現解析法による発現テスト
酵母によるタンパク質の発現・精製
Saccharomyces cerevisiaeの場合
Pichia pastorisの場合
バキュロウイルス/昆虫細胞系によるタンパク質の発現,精製とその解析
バキュロウイルス/昆虫細胞系による発現システム
組換えタンパク質の発現・精製・解析
組み換えタンパク質の効率的巻き戻し
インクルージョンボディからの巻き戻しにおける塩の添加効果
変性タンパク質の溶解度
TAPS―sulfonate
TAPS―sulfonateを利用した大腸菌生産システイン含有タンパク質の精製と
巻き戻し
無細胞タンパク質合成システム
無細胞タンパク質合成系の安定化と効率化
mRNAの翻訳促進配列(5´,3´非翻訳配列)のデザインと
無細胞専用発現ベクターの構築
PCR法と組み合わせたHT無細胞タンパク質合成法
全自動タンパク質合成ロボット
膜タンパク質の発現
機能発現に寄与する諸因子
原核生物を宿主とする発現系
真核生物を宿主とする発現系
ミトコンドリア膜タンパク質複合体の機能発現
迅速・大量タンパク質発現装置
RTS(Rapid Translation System)ワークフロー
プロテオエキスパートによる目的遺伝子の最適化
RTS無細胞タンパク質合成
RTS専用反応装置:プロテオマスター
第2節 X線結晶構造解析
タンパク質のX線結晶構造解析
タンパク質の立体構造とX線結晶解析法
X線結晶構造解析
タンパク質の結晶化
結晶化の原理
結晶化に影響を与える要因
結晶化の方法
タンパク質結晶化の自動化
SPring−8におけるタンパク質結晶構造解析
大型放射光施設SPring−8
SPring−8のタンパク質結晶構造解析用ビームライン
構造ゲノム研究に向けたビームライン自動化
タンパク質結晶解析ビームライン(Photon Factory)
ビームライン
その他の情報
実験をするためには
タンパク質結晶X線回折実験における自動化
結晶装填システム
結晶交換ロボット
結晶アラインメント
データ収集ストラテジー
データベース管理とリモートコントロール 将来展望
タンパク質の位相決定法
分子置換法
重原子同形置換法
多波長異常分散法
単一波長異常分散法
直接法
位相決定のためのソフトウエア
結晶構造解析における電子密度修正(density modification)の利用
溶媒平滑化(solvent flattening)
電子密度頻度分布適合(ヒストグラムマッチング)
非結晶学的分子平均化(Non-Crystallographic Symmetry(NCS)averaging)
その他
電子密度修正の実例
分子モデル構築
タンパク質結晶構造の精密化
構造解析における精密化
自動精密化システムLafireの開発
タンパク質複合体の調製と構造
タンパク質複合体結晶の調製
タンパク質複合体結晶構造解析の具体例
超分子の構造
タンパク質と核酸からなる超分子
ウイルス
膜タンパク質複合体
タンパク質複合体
第3節 NMRによる構造解析
NMRによるタンパク質の立体構造解析
NMRによる構造解析のハイスループット化
NMRの高感度化
NMRシグナルの自動帰属
NOEの自動解析と完全自動の立体構造計算
今後の課題
NMRによるタンパク質の高精度・高効率立体構造決定手法(SAIL法)の開発
従来のNMR試料調製段階における技術開発
新規同位体標識技術を導入した試料調製技術の開発
SAILタンパク質―実際の応用へ
今後の展望
NMRによる立体構造解析の最新技術―異方性スピン相互作用利用NMR
序―プロテオミクス解析技術としてのNMR構造解析法
異方性スピン相互作用
タンパク質を弱く磁場配向させる技術
残余双極子効果を利用したタンパク質構造解析
第4節 電子顕微鏡による構造解析
電子線照射による損傷と低温
二次元結晶を用いた電子線結晶解析
らせん対称性を用いたらせん再構成法
タンパク質複合体からの単粒子解析
第3章 タンパク質の機能解析
第1節 機能解析のためのタンパク質の精製
タンパク質の検出
粗タンパク質溶液の調製
溶解度の違いを利用するタンパク質の精製
カラムクロマトグラフィーによる精製
純度と収量
第2節 タンパク質の酵素活性(キネティックス)
酵素の特性と分類
補酵素と補欠分子族
一基質一生成物の酵素反応速度論
酵素作用の阻害
二基質反応
アロステリック酵素
第3節 タンパク質の安定性とフォールディング
タンパク質安定性
タンパク質フォールディング
そして今後の展開
第4節 タンパク質の標識法(GFP標識)
蛍光タンパク質の性質,種類
蛍光タンパク質を用いた目的タンパク質の細胞内局在観察
蛍光タンパク質を用いたタンパク質相互作用解析
蛍光タンパク質を用いたタンパク質の動態解析
第5節 タンパク質の相互作用(方法論として)
表面プラズモン共鳴,カロリメトリー
表面プラズモン共鳴を用いた分子間相互作用の解析
カロリメトリーを用いた分子間相互作用の解析
酵母2ハイブリッド法
酵母2ハイブリッド法(Y2H)の原理
Y2Hの利点と欠点
Y2H法の新潮流
出芽酵母の網羅的Y2H解析
網羅的Y2H解析からの教訓
今後のインタラクトーム解析におけるY2Hの役割
ファージディスプレイ法
繊維状ファージディスプレイシステムと応用例
T7,λファージディスプレイシステムと応用例
タンパク質複合体の解析法:ヒトリボソーム生合成前駆体の解析を例として
リボソームの生合成
ヒトNop56p(hNop56p)複合体のプロテオミクス解析
第4章 プロテオミクスの最新事情
第1節 タンパク質の相互作用解析(細胞への適用例を中心として)
相互作用によるタンパク質機能解析
ポストゲノム・シークエンス時代のタンパク質相互作用
ヒト完全長cDNAからの展開
テクノロジーが大規模化をもたらすのか?
Proteomics研究の目指すもの
第2節 イネゲノム機能解明のためのプロテオーム解析と応用
プロテオーム解析によるイネ・タンパク質の網羅的解析
イネプロテオーム解析技術の特徴
プロテオーム解析による機能性タンパク質の検出
第3節 ラン藻
N末端配列の網羅的なサンプリングとプロテオーム解析
細胞画分のプロテオーム解析
異なる条件下における差異的発現のプロテオーム解析
第4節 シロイヌナズナ
シロイヌナズナゲノム配列の解読とプロテオミクス
シロイヌナズナ・プロテオミクスの現状
葉緑体のプロテオミクス
ミトコンドリアのプロテオミクス
その他のプロテオミクス
第5節 バイオセンサを用いたタンパク質相互作用解析
大規模相互作用マッピングの次に来るもの
リアルタイム解析とバイオセンサ
SPRイメージング
SPRi−タンパク質アレイ
第6節 プロテオミクスの新しいツールとしてのRFHR二次元電気泳動法―大腸菌への適用
二次元電気泳動法の流れ
プロテオミクスにおける二次元電気泳動法の現状
RFHR二次元電気泳動法の概略
RFHR法の特徴
大腸菌プロテオミクスへのRFHR法の適用
第7節 枯草菌関連
胞子タンパク質の一次元電気泳動とLC−MS/MSによる網羅的分析
新規2−ハイブリッドスクリーン法
タンパク質の局在部位の解析
ChIP-on-chip法とゲルシフト解析による制御タンパク質の網羅的解析
第8節 磁性細菌のプロテオミクスとその応用
BMP生成メカニズム解明への戦略
解析の実際
BMP膜局在タンパク質のキャラクタリゼーション
BMPの応用
第3編 バイオインフォマティクス
第1章 データベース
第1節 ゲノムのデータベース
ゲノムデータベース概論
データベースのフォーマット
ゲノムデータベース
遺伝子(cDNA)データベース
タンパク質データベース
機能データベース
その他のデータベース
塩基配列データベースとDDBJ
国際塩基配列データベース
ゲノムデータへの取組み
相互運用性
第2節 タンパク質のデータベース:PDBデータベース
タンパク質立体構造データベースの歴史
wwPDBの設立
PDBデータのXML化と新しい検索システム
二次データベースと解析システムの開発
第3節 遺伝子発現データベース
遺伝子発現データの公開オンラインリソース
遺伝子発現データの公共リポジトリー
遺伝子発現データの標準化MGED:The Microarray Gene Expression Database
第4節 疾患データベース
遺伝病の遺伝子型と表現型のデータベース
多型データベース
MutationView/KMDB
第5節 マイクロアレイ遺伝子発現データベース
MIAME
CIBEX(http://cibex.nig.ac.jp),公共遺伝子発現データベース
第6節 代謝データベース
代謝データベース概観
代謝データベースの機能
二次代謝指向の代謝データベース
代謝データベースの展望
第2章 解析ツール
第1節 バイオインフォマティクス概論
各論
第2節 DNAマイクロアレイ
理研マウスcDNAマイクロアレイ
マウス20組織での組織特異的な遺伝子の解析
代謝経路の再構築解析
パブリックなリソースの重要性
第3節 遺伝子アノテーション
大型ゲノム
繰り返し配列のアノテーション
遺伝子構造のアノテーション
遺伝子機能のアノテーション
その他のゲノム上領域のアノテーション
HAL(Human Annotation Laboratory project)
微生物ゲノムのアノテーション解析ツール
シークエンシング配列の品質管理
フラグメントクローンの結合と編集
ゲノムアノテーション
アノテーションの更新
微生物ゲノムアノテーションのための統合解析環境
第4節 自己組織化マップ(SOM):比較ゲノムと生物多様性研究への新規な情報学的手法
ゲノム配列に潜む生物種に特徴的なサイン(genome signature)
多様な環境に生息する生物種の多様性と系統の解析
発現プロファイルに基づいた細胞状態の視覚化
ゲノム情報解析用のSOMアルゴリズムの詳細
第5節 比較ゲノム(進化)
微生物のゲノム進化解析
微生物ゲノム配列解析の時代
類似性検索によるゲノム間でのオーソログ同定
ゲノム構造の進化
オーソログ同定の妥当性
分子進化速度の比較解析
水平遺伝子移行の検出
ほ乳動物
ゲノム配列のアラインメント
比較に基づく遺伝子予測
第3章 シミュレーションおよび知識発見
第1節 電子カルテからゲノムカルテへ
電子カルテの定義,目的,現状
ゲノムカルテ
ゲノムカルテの病因解明への応用
第2節 E-Cell
方法
シミュレーション結果
展望
第3節 Genomic Object Netによるパスウェイの表現とシミュレーション
Genomic Object Net v.1.0
第4編 応用─産業・医科学における展開
第1章 産業における展開
第1節 ケモ・バイオインフォマティクスと創薬研究
医薬品リード探索におけるHTSとコンビケムの役割
医薬品リード探索におけるHTSの課題
医薬品リード探索におけるHTS前のプレスクリーニングについて
期待の大きなstructure base screeningについて
今後を展望して
第2節 タンパク質の相互作用解析による創薬標的探索
相互作用解析の手法
網羅的解析の例と相互作用データベース
酵母ツーハイブリッド解析サービス
ヒトタンパク質の大規模ネットワーク解析
創薬標的探索への応用
酵母ツーハイブリッド法による相互作用解析の問題点
第3節 創薬研究におけるプロテオミクス
要約
新薬発見までの過程
ゲノム情報を有効利用するには?
新薬開発の最重要課題
ボトルネックの解決策
第4節 アミノ酸生産菌のゲノミクスと育種への応用
アミノ酸発酵の歴史
アミノ酸生産菌のゲノミクス
ゲノム科学を応用した「ゲノム育種」
第5節 酢酸菌
酢酸菌の形質転換
酸化発酵のゲノム研究
セルロース合成のゲノム研究
酢酸菌ゲノミクス・プロテオミクスの将来像
第6節 放線菌(二次代謝産物生産における遺伝子情報の活用)
Streptomycesゲノムにコードされる二次代謝産物生成に関与する遺伝子群
ゲノム情報から生産される二次代謝産物の構造予測
第7節 畜産,食品の例
乳酸菌のゲノム解析について
乳酸菌とは
Lactococcus lactis subsp. lactis IL1403のゲノム解析と
同菌種のゲノムの特徴
乳酸菌の全ゲノムシークエンシングの現状
乳酸菌ゲノム解析の将来
ビール酵母
塩基配列決定およびドラフトゲノム構築
ゲノム解析
糸状菌(カビ)ゲノム情報の産業利用
糸状菌(カビ)と産業との関係
カビゲノムの産業応用事例
第2章 医科学における展開
第1節 薬理ゲノミクスによる創薬ターゲット探索研究
薬理ゲノミクスの誕生と展開
薬理ゲノミクスの歴史的背景
ゲノム創薬ターゲットバリデーション
トランスクリプトーム解析による創薬ターゲットバリデーション
メタボローム解析による創薬ターゲットバリデーション
ゲノム創薬インフォマティクス
第2節 LC-MS/MSを基礎とした定量的・機能的プロテオミクス解析
LC-MS/MS法による定量的プロテオミクス
極微流量nano-LC-MS/MSによる機能プロテオミクス
第3節 SNPs
医科学におけるSNPsの応用
ゲノム創薬
オーダーメイド医療
SNP研究の新たな展開
連鎖不平衡とハプロタイプ
第4節 マイクロサテライトマーカーを用いた疾患感受性遺伝子の同定
遺伝マーカー
疾患の遺伝様式
遺伝的相関解析
ゲノムワイドなマイクロサテライトマーカーの設定
ゲノムワイドな遺伝的相関解析
第5節 マイクロシステムとその医科学分野への応用
マイクロシステムの作製技術
マイクロアレイデバイスとその応用
マイクロ流体デバイスとその応用
その他のマイクロシステム
第6節 病態解析へのタンパクレベルでのアプローチ,ゲノム医科学解析
アガロース二次元電気泳動,
高性能液体クロマトグラフィー・イオントラップ質量分析計,
酸化傷害タンパク質検出法を中心にした疾患プロテオーム解析
内分泌疾患のプロテオーム解析例
病態プロテオーム解析が解決するべき今後の課題―機能プロテオミクスの開発
第7節 大規模マウスミュータジェネシスプロジェクト
ミュータジェネシスの歴史
トランスジェニックマウスとノックアウトマウス
順向遺伝学と逆向遺伝学
遺伝子主導ミュータジェネシスとゲノム機能解明
表現型主導ミュータジェネシスとゲノム機能解明
大規模マウスミュータジェネシスの展開
表現型主導優性突然変異体スクリーン
各国の公開プロジェクト
優性変異体と劣性変異体
ENUを用いた遺伝子主導の劣性変異マウス作製
第3章 ゲノムバイオロジーとナノバイオテクノロジー
第1節 マイクロチップ・DNA一分子解析
マイクロチップ・DNA一分子解析技術
マイクロチップを用いたバイオ分析
熱レンズ顕微鏡
イムノアッセイの集積化
細胞実験システムの集積化
第2節 DNAチップ
DNAチップとは
DNAマイクロアレイ
DNAチップ
DNAマイクロアレイおよびDNAチップを用いた遺伝子解析法
DNAマイクロアレイおよびDNAチップを用いた遺伝子変異およびSNP解析
DNAチップを利用したDNA配列の決定法
DNAチップ作成
新しいSNP解析DNAチップ
電気化学アレイ
第3節 プロテインバイオチップ
バキュロウイルスを利用した膜タンパク質の発現と
プロテインチップへの応用
バキュロウイルスへの膜タンパク質の発現
GPCRの再構成系
プロテインチップの開発状況
バキュロウイルスディスプレイのモノクローナル抗体作製への応用
プロテインチップの開発と利用
プロテインチップ実現の可能性
プロテインチップを用いた解析
タンパク質の固定化
ChIP on chip法
DNAチップとその応用
ChIP on chip法の原理と実際
マイクロアレイデータの国際標準化
第4節 マイクロ化学・生化学分析システム(Micro Total Analysis Systems : mTAS)
マイクロマシニング技術とマイクロ流体制御素子
mTASへの取組みの現状
mTASの具体例1:マイクロチップ電気泳動装置
mTASの具体例2:マイクロチップ等電点電気泳動
第5節 マイクロチップテクノロジーとハイスループットスクリーニング
細胞チップによる新機能物質スクリーニング
遺伝子・タンパクチップの新展開
脂質膜チャンバーアレイ
第6節 DNAマイクロビーズテクノロジー
MPSSによる絶対的遺伝子発現プロファイリング
DNAマイクロビーズアレイ技術
MPSSとは
Megacloneの原理
MPSSの原理および解析例
ビーズを用いた計測技術
標識素材としてのビーズ
プローブを固定する担体としてのビーズ
第7節 ナノバイオロジーとナノバイオテクノロジー
「ナノバイオ」というあいまいな言葉
広義のナノバイオテクノロジーに含まれるもの
分子ということ
ナノバイオロジー
ナノバイオにおける日本のオリジナリティーと日本の風土の欠陥
機械的動作とエネルギー
生物分子機械と通常の機械との質的な違い
生物の本質:特異性による隠しエネルギーの利用
ナノバイオマシンの例:転写のナノバイオマシン
転写マシンの中の隠しエネルギー
生体ナノバイオマシンの初期状態への回復
ナノバイオを可能にする技術
第8節 バイオベンチャー企業によるゲノム産業創生
ゲノム産業への道
米国バイオベンチャー企業設立の歴史
ゲノム産業の創生
日本もようやく欧米を追撃へ
○学名索引
○略語索引
○事項索引
○監修者・編集委員プロフィール
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