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翻訳版 From Computer to Brain
〜計算論的神経科学の基礎〜

[コードNo.04NTS106]

■体裁/ B5判 370頁
■発行/ 2004年 5月20日
(株)エヌ・ティー・エス
■定価/ 20,900円(税込価格)


原書
『From Computer to Brain:Foundations of Computational Neuroscience』(2002年)
Springer Verlag(米)
原書著者
William W. Lytton(ニューヨーク州立大学助教授)
翻訳
廣瀬 千秋(東京工業大学名誉教授)

ニューロンおよび神経系をモデル化する方法について、神経科学とコンピュータ科学両方を専門に持たない広汎な読者にも理解できるように解説する。
脳が持つ神秘的な働きを科学的に理解したい読者に大いなる啓発を与える。


翻訳にあたって

 パソコンショップの商品棚に人工ニューラルネットワークや人工知能のパッケージが並んでいるとしよう。 人間の脳の働きを理解または模倣するためのソフトを手に入れようとするときに、目の前にある各商品の問題点や将来性はどうなのだろうか。 また、それをコンピュータ科学の専門家あるいは本物の神経回路網や脳の専門家が見たときの位置づけはどうなっているのだろうか。
 本書は、神経科学から計算論的神経科学の分野に参入した著者が、ウィスコンシン大学の学部学生に行った授業「Zoology 400 , Introduction to Computational Neuroscience」の講義録をもとにして書いた解説書である。
 訳者にとって最も難解だったのは、著者の哲学が披瀝されている1章と2章である。 訳者が推奨する理解しやすい本書の読み方は、まず16章にざっと目を通すことから始めて、次に3章から15章までを読み、最後に1章に戻る、という順序である。
 全体の内容は、計算科学、神経科学、あるいは数学の知識が不十分な者にも理解できる道筋で提示されている。 すなわち、それぞれに関する簡潔な概略が添えられているのである。 しかし、初めから終わりまですんなり読み通せるほどやさしくはない。 例えば、神経用語の「活動(activity)や賦活(activation)」あるいは表現論で使われる「状態(state)」など、日常的な理解より広い意味で使われる単語、および、日常での使い方とは違ったニュアンスを持つ用語に馴染む必要がある。 信号が一つの神経細胞から次の神経細胞に受け渡しされる時に使われる、独特の言い回しもある。 数学の授業で学んだことと違う意味で使われる用語(ベクトルの外積)も出てくる。 ただ、初めの数章でこれらに馴染んでしまえば、肝心な内容が記されている章はすんなりと読み進むことが出来る、というわけである。
 本書で扱われている脳の機能は、知覚と運動である。 喜怒哀楽の仕組みはほとんどわかっていないのであろう。 ここでいう仕組みとは、愛犬の気持ちを読みとるバウリンガルの仕組み、すなわち外に現れた現象からそれを推定するといったたぐいの仕組みではない。 嬉しい気持ちになるときには脳のどことどこがどのような状態になっているか、そこに至るまでの過程はどうなっているか、という意味での仕組みである。 これらを解明する道筋を推測する上で、本書にはそれなりの示唆が含まれているように思う。
 本書は、神経符号の解明という、遺伝子符号の解読よりはるかに複雑な問題の解明を目指す研究者・技術者にとって、自らの研究の位置づけと指針を確認する手がかりになるであろう。 他分野からの参入者との交流を実りあるものにする上でも大いに役立つであろう。
 脳が持つ神秘的な働きを科学的に理解したいと望む読者には、大いなる啓発を与えてくれるであろう。
 物忘れやぼけが気になる読者にとっては、その仕組みをある程度わからせてくれる書物である。
 神経科学とコンピュータ科学の両方に専門的な研究歴を持たない訳者にとって、翻訳を引き受けるのにはかなりの決心が必要だったのだが、決定因子は内容の面白さであった。 馴染みのない専門用語については用語辞典とネットワークの検索サービスに頼って翻訳を進めた。 専門家から見れば用語の使い方に疑問符が付く箇所があるかもしれないが、翻訳そのものに大きな見当外れはないと考えており、これに免じて短所をご容赦願いたい。
 最後に、本書を担当された編集企画部編集3課の臼井唯伸副部長には、文章および全体の仕上げに多大な手助けをいただいた。 この場を借りて心から感謝の意を表したい。
                                                        2004年春  廣瀬 千秋


前書き

 『From Computer to Brain:Foundation of Computational Neuroscience』は、ニューロン(神経細胞)および神経系をモデル化する方法について、 William W. Lytton博士が分かりやすく、しかも厳密に紹介した著作である。 本書は、脳を様々なレベルで、すなわち、シナプスと樹状突起といった神経の基本要素のレベルからニューロンおよび神経回路レベルに至る多くのレベルでモデル化する際に使われている手法とアプローチを、 読者が実際に手を染めることも可能にする入門書である。 レベルごとに違うタイプのモデルが必要になるため、それぞれのレベルで別のタイプの課題が提示される。


この教科書の位置づけ

 計算論的神経科学を勉強しようとする理由のひとつは、実験から得られる結果をうまく予測したい、ということであろう。 一つの仮説をテストするための実験を計画するときには、その実験から出てくる結果を予測し、それぞれの結果に対しては、それが意味することをあらかじめ整理しておく。 生物系でこの作業をするのは困難な場合が多く、とりわけ、多くのパーツが相互作用している脳のような系でこの作業をするのは困難である。 脳のパーツには未知のものも残されている。 そのような系に対しては、これまでは当否がかならずしも明らかでなかった仮説の判別が、モデルを使うことによって可能になる。
 神経科学の初期に提起されて最大の成功を収めたモデルは、活動電位に関するホジキンハックスレイ(Hodgkin-Huxley)モデルである(12章参照)。 彼らが巨大ヤリイカの軸索に関する論文を仕上げる際には、手回し計算機(hand-powered mechanical calculator)を使って微分方程式の数値積分を行った。 現在使われているコンピュータは1950年代のものに比べて何百倍も高速であるから、数千もの樹状突起コンパートメント(分画)と数十のタイプが違うイオンチャネルを持つ皮質ニューロンのシミュレーション(再現計算、模倣計算)や、 数千個のニューロンが相互作用しあっている神経回路網のシミュレーションが可能になっている。 神経回路網における複雑な動力学(ダイナミクス)を予測する作業には、コンピュータ科学で開発された計算ツールと、動的システムの理論から援用する数学的なツールが不可欠である。
 この本に目を通すもう一つの理由がある。 計算論的神経科学からは、脳のメカニズムがわれわれの挙動につながる仕組を考えるための枠組みを手に入れることができる。 事例と結果のつながりには(因果関係の有無が)微妙なものが多い。 例えば、側方抑制によって視覚における境界の不連続度が高くなると言われるが、カブトガニの複眼に対するコンピュータモデル(8章参照)などの定量的なモデルがなければ、 そのようなことがどうして起こるのかは全く不明である。 とくに、信号が時間と空間の両方に対して変化しているときに、この不明度は顕著である。 メカニズムから挙動に移るジャンプを細胞レベルでの学習と記憶に関する知識に基づいて理解することはさらに難しい。 細胞レベルでの記憶は、1個の事例に対する記憶が、脳内の離ればなれの部位にある数百万個のシナプスに分散しているのである。


この教科書が提供するもの

 計算論的神経科学は極めて新しい研究分野であるから、10年前には、研究を始めようとしても適当な教科書が無かった。 今は状況が変わって、優れた教科書が幾つか出版されている。 しかし、既刊書の大部分ではモデルのタイプに関する記述に重点が置かれている。 Hodgkin-Huxleyタイプのモデルや抽象化されたニューラルネットワークの解説が記され、あるいはまた、読者が数学に関して高いレベルの知識を持つことを前提に書かれている教科書もある。 本書では、実行可能なモデル化の様々な技法を公平な視点に立って、しかも、広汎な読者層に理解される形で解説する。
 この教科書が持つもう一つの特徴は、通常は無味乾燥で技術がかった事項に対しても、著者が発揮している茶目っ気をエンジョイ出来ることである。 イマジネーションに富んだ比喩が随所に採用されていて、数学の考え方に日常感覚が付与されている。 本書は、読者の想像力をかきたてるだけではなく、微笑も誘う書物である。
                                                           Terrence J. Sejnowski
                                                     Howard Hughes Medical Institute
                                                   Salk Institute for Biological Studies
                                                   University of California at San Diego


緒言

 脳科学が持つ壮大な課題に筆者が興味を懐いたのは、学部生の頃である。 言語および思考の源泉、記憶の本質、感覚と行動の統合、意識の根源、そして、心身問題(本来は哲学の問題で、唯心論、唯物論、心身二元論があり、 科学に引き継がれたものは、心脳問題とも呼ばれる)である。 2年次のときにはもっぱら心身問題に取り組んだが、解答が得られなかった。 心理学を少し詳しく勉強し、そして、生物学と物理学をかじった後で聴講した計算科学の授業が素晴らしかった。 そこで私が確信したのは、心脳問題を理解する手だては脳をコンピュータ的なデバイスと見なして解析することにある、ということである。
 学部を卒業する際に大学院で専攻する内容を検討した。 そして、コンピュータを脳科学に応用したいという希望を、各面接官に述べたのである。 私を面接した教官のうちの生物医学や計算科学の研究者には、そのような研究をしている人間を知っている人が一人もいなかった。 いま考えると、数学科および物理学科にはそのような研究者が身近にいたのである。 探しているものが見つからなかったので、研究のトレーニングをほぼ10年にわたって放棄しておいた。 研究生活に戻ったときには、新しい分野が拓かれて周囲からも認知されはじめていた。 しばらく経つと、様々な名称で呼ばれる分流と支流を持っていたこの分野は、計算論的神経科学(計算神経科学、脳の計算理論、情報的神経科学などとも呼ばれるが、 英語名はComputational Neuroscienceで統一)と命名されたのである。
 研究を進めるにつれて分かってきたことがある。 筆者が興味を抱いている壮大でチャレンジングな問題に取り組むためには、理論と情報の両面で巨大な枠組みを作る必要がある、ということである。 その作業は既に進行中であった。 筆者は、他の同業者と同様に煉瓦職人になった。 周囲に気を取られないよう注意しながら、ひたすら煉瓦を積み上げて壁を作ったのである。 後に学部の授業を担当する機会を持ったことは、私が取り組んでいる分野の問題点、手法、野心、および目標について、もっと広い視野で眺めるきっかけになった。 学生がたずねる基礎的な質問に答えるためには、煉瓦のかけらが積もった上に立ち上がって全体の構成(アーキテクチャ)に思いをめぐらさざるを得なかったからである。
 自分の専門を講義するようになったときには、計算論的神経科学の様々な教科書に目を通した。 大部分は出版されたばかりであり、優れたものが多かった。 ただ、これらの新しいテキストには、ある特定の角度または理論的立場に偏ったものが多く、この分野が持つ最もエキサイティングな点、すなわち、広い守備範囲と様々なアイディアの交錯が提示されていない。 加えて、一般的にいって、担当するクラスの学生にとっては過大な数学の知識を必要としていた。
 実のところ、私の講義に出席する学生の大部分は、数学にあまり強くないか、生物学に強くないか、あるいは、どちらも良く知らない学生であった。 講義を始めた頃に気がかりだったのは、私が話す内容を全員が理解できるところまでの ”補習的、remedial”材料を学生に詰め込めるだろうか、ということである。 ところが、広範囲にわたる事項について、それぞれに必要なものをほんの少し教えさえすれば、講義を進められることが明らかになった。 加えて、数学が得意でない学生に対しては、十分な説明をする努力をした。 まず比喩を使った説明、次に絵を描きながらの説明、次に直接言葉による説明、次に式を使った説明、そして最後に、コンピュータシミュレーションによる説明である。 これにより、数学が実生活とのつながりを持つようになった。 この教科書にも、私のアプローチの初めの部分を、そのまま取り入れた。 コンピュータシミュレーションについては、プログラムを入手できるようにして、物体の単なる挿絵以外の全ての図について読者が直接手を出していじれるように計らった。
 執筆にとりかかった頃には、本書が書き上がるまでには心身問題に対する答えが最終的に見えてくるかもしれない、と期待していた。 残念ながら、そのような幸運は訪れなかった。 しかし、答えを得るために必要と思われる情報の幾つかを、読者にも伝える努力はしたつもりである。 残る情報については、読者自身が自ら取り組むべき課題である。
                                               Bill Lytton  East Flatbush, NY June, 2002


謝辞

 まず初めに、ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)の諸氏に感謝したい。 彼らの手助けによって、この教科書のもとになった講義科目「動物学400、計算論的神経科学入門」の構成を考え、準備し、そして授業することができた。 なかでも下に挙げる学生諸君は、講義の進行、講義ノートの作成、そしてソフトウェアの製作を手伝ってくれた。 彼らの名前は、Kevin Hellman、Stephen Cowan、William Annis(図10-4)、Ben Zhao、Winston Chang、Kim Wallace(図14-3)、Adam Briska、Luke Greeley、Sam Sober、 そして、Sam Williamsである。
 本書が引用するソフトウェア(Neuron)のバージョン1.0はPerl CGIで書かれているが、University of Wisconsin, Office of Medical Education, Research and Developmentの支援を受けた。 励ましを頂いたMark Albanese氏とJohn Harting氏、そして、最初のソフトウェアを書いてくれたJeff Hamblin氏に感謝する。
 古くからの仲間諸氏と行った討論の中身は、この本に取り入れさせていただいた。 仲間の名前は、Dan Uhlrich氏、Peter Lipton氏、Josh Chover氏、Jay Rosenbek氏、Lew Haberly氏、Sonny Yamasaki氏、そして、Peter Van Kan氏である。
 Springer-Verlag社の担当者各位、Paula Callaghan氏、Jenny Wolkowicki氏、そしてFrank Ganz氏にも感謝の意を表明する。 彼らは一貫して親切で、友情にあふれ、そして、前向きのプレッシャーをしっかりとかけてくれた。
 原稿は、Redhat Linuxで作動するパソコンにより、Emacsを使ったLatexで書いた。 ソフトウェアファンの一人として、Neuronをとくに推奨したい。 本書に使った全図を作るために使ったのだが、素晴らしいプログラムである。 本書に付随して入手することができるソフトウェアは、Neuronシミュレータを使って書かれている。 Neuronを開発・サポートし、さらに、言語を拡張したいとの希望に応えてくれたMike Hines氏とTed Carnevale氏に感謝する。
 筆者は、生物学的および知的な世襲財産に謝意を表しなければならない。 精神分析学者の父と応用数学を専門とした母から、計算論的神経科学者というハイブリッドが生まれた。 知的な面では、指導教官のTerry Sejnowski教授に大きく負うものである。
 多くの犠牲を払ってくれた妻のJeeyuneにも深く感謝する。 二人が最も親密になる瞬間にも、私はこの本のことを考えていたのである。 そして息子のBarryも、一緒に ”SpongeBob Squa-rePants”を見るはずの時間なのに私が執筆のほうに時間を使うのを我慢してくれた。 しかも、Barryは図9-6まで描いてくれたのだ。
 筆者が特別の謝意を表する二人の仲間がいる。 Mark Stewart氏とNing Qian氏である。 この二人は、原稿に詳しく目を通して実に多くの意見を提供してくれるという、計り知れない手助けをしてくれたのである。
 出版に当たって見落とした誤りは(もしあるとすれば)、かなうことなら他人のせいにしたいところである。 しかし、容疑者が浮かばない。 よって、見落とされた誤りは全て、筆者が犯したものである。


原著者

William W. Lyttonニューヨーク州立大学助教授

翻訳

廣瀬 千秋東京工業大学名誉教授

詳細目次

翻訳にあたって
前書き
緒言
謝辞

1.序章
 1.1. この教科書が対象にしている読者
 1.2. この教科書の中身
 1.3. この教科書を読むときのコンピュータソフトウェア
    ソフトウェア
 1.4. 今勉強する意味
 1.5. 副教材
 1.6. この教科書の構成

 
T.概論
2.計算論的神経科学と読者の関係  2.1. この章の位置づけ  2.2. 脳の比喩  2.3. コンピュータと脳の比較と対比  2.4. コンピュータ科学および神経科学の起源  2.5. 様々なレベル     組織のレベル     研究のレベル  2.6. 新しい技術と古い技術  2.7. 神経符号  2.8. 計算論的神経科学の目標と手法  2.9. まとめ 3.神経科学の基礎  3.1. この章の位置づけ  3.2. 微視的に見た神経系  3.3. 巨視的に見た神経系     脳の薄片化  3.4. 脳を構成するパーツ  3.5. 脳の研究方法     解剖学的手法  3.6. 神経生理学  3.7. 分子生物学と神経薬理学  3.8. 心理物理学  3.9. 臨床神経学および神経心理学     離断性脳疾患     内因性脳疾患 3.10. まとめ
U.コンピュータ
4.コンピュータの表現  4.1. この章の位置づけ  4.2. 計算機とタイプライター  4.3. パンチカードとブール代数  4.4. アナログ表示とデジタル表示  4.5. コンピュータ表現のタイプ  4.6. 数字の表現     文字と単語の表現  4.7. 画像の表現  4.8. 神経との類推  4.9. まとめ 5.古い電子計算機の真髄  5.1. この章の位置づけ  5.2. ハックの手口  5.3. ソフトウェアとハードウェア  5.4. 基本的なコンピュータ設計     ポインタの起源はコンピュータのメモリ設計     シーケンシャルアルゴリズムの起源は     コンピュータのコントロールフロー(制御流れ)     CPU:マシン語の命令  5.5. プログラムとハッキング     条件付きプログラム  5.6. ポインタの転用     クルージ(裏技)     コンピュータウィルス  5.7. 神経系に対する推論  5.8. まとめ  
V.サイバネティックス
6.概念ニューロン  6.1. この章の位置づけ  6.2. McCulloch-Pitts型ニューロンの歴史と正体  6.3. 重みと状態でネットワークを記述する     ドット積による総加算入力の計算     状態値の計算  6.4. 単一ユニットからユニットネットワークまで  6.5. ネットワークのアーキテクチャ  6.6. まとめ 7.脳の情報表現(神経信号の符号化)  7.1. この章の位置づけ  7.2. 空間的符号化:集団的・協調的な符号     局所型集団符号化 vs. 分散型集団符号化  7.3. 電圧および化学種による符号化:ニューロン状態の符号化  7.4. 時間軸での符号化:テンポラル符号と頻度符号     時間積分     クロッキング  7.5. 周波数による符号化  7.6. まとめ 8.カブトガニは人間の友人である  8.1. この章の位置づけ  8.2. 生物学  8.3. 何と何が無視できるのか  8.4. 眼は何故うそをつくのか:問題の所在  8.5. 設計上の課題     モデルを小さくする―スケーリング     モデルを小さくする―次元の縮小     エッジ効果を除く―ラップアラウンド     入力を表現する―パラメータ化     動作関数をパラメータ化する     重み行列をパラメータ化する  8.6. カブトガニ方程式  8.7. 状態の計算  8.8. カブトガニが見ている世界  8.9. まとめ 9.教師付き学習:デルタルールとバックプロパゲーション  9.1. この章の位置づけ  9.2. 教師付き学習  9.3. デルタルール(デルタ学習則)     エネルギーとの類推     デルタルールでAND(論理積)の解を出す  9.4. バックプロパゲーション  9.5. 分散表現  9.6. 眼球運動のコントロールにおける分散表現     モデルの設計     モデルが与えた結果と一般化     モデルの探査:隠れユニットの解析     コンピュータによるモデル化 vs. 数式を使った伝統的なモデル化  9.7. まとめ 10.連想記憶と連合ネットワーク 10.1. この章の位置づけ 10.2. 外積で記憶を表す     単一のシナプスを挟んだ結合     2個のベクトルの外積     相互想起型連想記憶と自己想起型連想記憶を作る     リミットサイクル(周期解)     瞬時学習および想起 vs. 緩やかな学習および想起 10.3. Hopfield型ネットワークの問題点 10.4. まとめ
W.脳
   概念からデータまで     ニューロンは細胞である     ニューロン状態とは何か     スカラー状態ではないとすれば,スカラー重みのほうはどうなるのだろうか     モデル化ツールの違い     ちょっと言いすぎました 11.石鹸から電圧に 11.1. この章の位置づけ 11.2. 細胞の基本設計 11.3. 石?と塩を変形させて電池と抵抗を作る 11.4. RC回路を方程式で表す     キャパシタンス(コンデンサ)と電流     電流の加算 11.5. パラメータに対する依存性     数値積分の利点と欠点 11.6. 時定数と時間加算 11.7. 遅速度電位説     PSP(シナプス後電位)の加算による平均化 11.8. まとめ 12.Hodgkin-Huxleyモデル 12.1. この章の位置づけ 12.2. 受動から能動に     静止膜電位は約−70mVである     膜は,絶縁体であり,キャパシタであり,そして,電池である     シナプス入力は電流注入にあらず 12.3. 活動電位の歴史     Hodgkin博士とHuxley博士 12.4. 並列コンダクタンスモデル     回路     電流     実際の計算     電池はどこから現れるのか 12.5. 活性チャネルの挙動     フィードバックシステム     Hodgkin-Huxley粒子の二重性     Hodgkin-Huxley粒子の動力学 12.6. 粒子方程式     状態変数を使って状態を定義する 12.7. シミュレーション 12.8. 信号送信との関連     閾値とチャネル記憶     頻度符号化への回帰 12.9. まとめ 13.コンパートメント(分画)モデル法 13.1. この章の位置づけ 13.2. コンパートメントへの分画     モデルの製作 13.3. 化学シナプスのモデル化     抑制の短絡     GABAとグルタミン酸 13.4. 受動ニューロンのモデル化     シナプスの応答 13.5. 逆進スパイクとHebb型シナプス 13.6. まとめ 14.人工ニューラルネットワークから実物型ニューラルネットワークに 14.1. この章の位置づけ 14.2. Hopfield理論再訪 14.3. 干渉を抑圧する抑制型モデル 14.4. 哲学への寄り道 14.5. アセチルコリンは多重効果を持っている     二重行列仮説     真実の告白 14.6. まとめ 15.神経回路網 15.1. この章の位置づけ 15.2. 基本的なレイアウト 15.3. 海馬 15.4. 視床 15.5. 小脳 15.6. 大脳基底核 15.7. 新皮質 15.8. まとめ 16.基礎的な事項 16.1 この章の位置づけ 16.2 単位     科学的表記法     数値の接頭記号     単位とその省略記号     単位の換算     次元解析 16.3 2進法     10進数と2進数の往復     足し算と引き算     8進法と16進法     ブール代数 16.4 線形代数     代数の意味,線形の意味     和と差     ベクトルのドット積     直交性     外積     行列の掛け算 16.5 微積分の数値計算法     無限小変化     数値解の求め方     数学記号     充電曲線に対する解析解 16.6. 電気学     三大法則:オームの法則,キルヒホッフの法則,そしてもう一つ     オームの法則     電気容量(キャパシタンス) 参照文献 用語解説 索引



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