健康への影響が懸念される自動車から排出される超微粒子は、従来の対策では除去するのが難しい。本書では、その最新の測定法、低減技術、人体影響、国内外の規制動向を解説する。
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大聖泰弘 | 早稲田大学理工学部機械工学科教授 |
奥山喜久夫 | 広島大学大学院工学研究科教授 |
李惠文 | 広島大学大学院工学研究科博士課程後期 |
久保修一 | (株)豊田中央研究所機械分野反応制御研究室室長 |
吉原福全 | 立命館大学理工学部機械工学科教授 |
瀬戸章文 | (独)産業技術総合研究所先進製造プロセス研究部門レーザー微細加工研究グループ研究員 |
齊藤敬三 | (独)産業技術総合研究所産学官連携部門産学官連携コーディネーター |
桜井博 | (独)産業技術総合研究所計測標準研究部門物性統計科応用統計研究室研究員 |
榎原研正 | (独)産業技術総合研究所計測標準研究部門物性統計科応用統計研究室室長 |
後藤雄一 | (独)交通安全環境研究所環境研究領域環境研究領域長 |
藤野聡 | 東京ダイレック(株)研究開発部部長 |
河合英直 | (独)交通安全環境研究所環境研究領域主任研究員 |
篠崎修 | (独)産業技術総合研究所エネルギー技術研究部門クリーン動力グループ主任研究員 |
溝畑朗 | 大阪府立大学先端科学研究所長/教授 |
古山昭子 | (独)国立環境研究所大気中微小粒子状物質(PM2.5)・ディーゼル排気粒子(DEP)等の大気中粒子状物質の動態解明と影響評価プロジェクト主任研究員 |
押尾茂 | 奥羽大学薬学部教授/(独)科学技術振興機構CREST |
小野なお香 | 東京理科大学薬学部/(独)科学技術振興機構CREST |
小田桐隆志 | 東京理科大学薬学部/(独)科学技術振興機構CREST |
武田健 | 東京理科大学薬学部教授/(独)科学技術振興機構CREST |
高野裕久 | (独)国立環境研究所環境健康研究領域領域長 |
小林隆弘 | (独)国立環境研究所環境健康研究領域上席研究官 |
久保田秀暢 | 環境省環境管理局総務課環境管理技術室室長補佐 |
石井康一郎 | 東京都環境局環境科学研究所基盤研究部長 |
山本宗一 | 東京都環境局自動車公害対策部計画課計画係長 |
伊永隆史 | 東京都立大学大学院理学研究科教授 |
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序論 | ディーゼル車の排出ガス規制とその対策技術 |
1. | はじめに |
2. | 今後の排出ガス規制 |
3. | ディーゼル燃焼におけるNOxとPMの生成メカニズム |
4. | 各種の排出ガス低減技術 |
| 燃焼技術 |
| 後処理技術 |
| 燃料・潤滑油性状の改善 |
| スーパーディーゼルの開発 |
5. | おわりに |
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1 | 挙動・メカニズム |
1-1 | ナノ粒子の凝集コントロールおよび安定分散技術 |
1. | はじめに |
2. | ナノ粒子の発生と成長 |
3. | 凝集によるナノ粒子の成長 |
| 凝集の速度式 |
| ブラウン凝集によるナノ粒子の性状変化 |
| 速度勾配によるナノ粒子の凝集 |
| 乱流凝集によるナノ粒子の凝集 |
| 音波凝集 |
| その他の凝集 |
| 焼結による凝集粒子の形態変化 |
4. | ナノ粒子の安定分散化 |
5. | おわりに |
1-2 | 自動車排出ナノ粒子の性状と生成メカニズム |
1. | はじめに |
2. | 実験・解析法 |
| エンジン実験・粒子計測系 |
| 成分分析 |
| 計算モデル |
3. | 車両排出揮発性ナノ粒子の生成条件 |
| アイドリング時に観測されるナノ粒子 |
| 大気放出過程で観測されるナノ粒子 |
| 加減速過程で観測されるナノ粒子 |
4. | 揮発性ナノ粒子の生成メカニズムに関する理論解析 |
| アイドリング時におけるナノ粒子の排気管内挙動 |
| アイドリング時におけるナノ粒子の生成に関する理論解析 |
5. | ナノ粒子の核形成物質 |
| 無機化合物解析 |
| 有機化合物解析 |
6. | まとめ |
1-3 | DEPの物理化学的特性 |
1. | まえがき |
2. | DEPの粒子径分布 |
3. | ナノ粒子の特性 |
4. | 燃焼生成微粒子 |
5. | まとめ |
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2 | 測定・評価 |
| 自動車排出ナノ粒子の測定・評価の重要性 |
1. | はじめに |
2. | 排ガス規制の現況 |
3. | ナノ粒子計測の必要性 |
4. | ディーゼル微粒子の分級計測技術 |
5. | ナノ粒子の生成過程 |
6. | 最近の自動車排出ナノ粒子計測の実験例 |
| タンデムDMA法による自動車排出微粒子の揮発性の評価 |
| ナノ粒子の過渡特性評価 |
7. | おわりに |
2-1 | ナノ粒子の計測に関する校正技術の課題 |
1. | はじめに |
2. | 個数基準の粒子測定装置の概要 |
| 個数濃度測定 |
| 個数基準粒径分布測定装置 |
3. | 個数基準粒子測定装置の校正技術 |
| 個数濃度測定の校正 |
| 粒径分布測定装置の校正 |
| 試験粒子の発生方法 |
4. | 校正に用いる標準とトレーサビリティ |
| 粒径標準 |
| 個数濃度標準 |
2-2 | 排ガス中のナノ粒子の計測─電子式低圧インパクタによる計測 |
1. | はじめに |
2. | 電子式低圧インパクタ(ELPI)の基本原理と使用法 |
| カスケード・インパクタ |
| ELPIの測定原理 |
| ELPIの粒子状物質算出方法 |
3. | 計測の実例 |
| ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質計測実験 |
| フィルタ法とELPIの測定値の比較 |
| 粒径を基準とした質量濃度分布と個数分布 |
| 直接噴射式ガソリンエンジンから排出される粒子状物質のELPIによる個数濃度分布計測例 |
4. | まとめ |
2-3 | 自動車排ガス用パーティクルサイザによる計測法 |
1. | はじめに |
2. | 粒子径分布測定装置 |
3. | SMPS |
4. | DMS/EEPS |
5. | ELPI |
2-4 | 自動車排出ガス中のナノ粒子計測のための新しいDMAの開発 |
1. | はじめに |
2. | ナノ粒子計測の現状と動向 |
3. | Dual-type DMAの基本計測原理および計測装置詳細 |
| 従来のDMAの計測原理 |
| Dual-type DMAの基本計測原理 |
| Dual-type DMAの詳細 |
4. | Dual-type DMA装置での実車排出ガス計測 |
5. | まとめ |
2-5 | ディーゼル排気中ナノ粒子の低減技術 |
1. | はじめに |
2. | ディーゼル排気ナノ粒子の生成過程 |
3. | 最近のナノ粒子計測技術 |
4. | それぞれの由来に対する有効な低減手法 |
5. | 後処理技術によるナノ粒子低減技術 |
6. | おわりに |
2-6 | DEPの計測と課題 |
1. | はじめに |
2. | DEPの物理的・化学的な特徴 |
| 化学組成 |
| 粒径分布 |
3. | 自動車トンネルでの測定 |
4. | 環境大気中DEP濃度の同定 |
5. | おわりに |
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3 | 生体影響 |
3-1 | ナノ粒子の沈着、体内動態 |
1. | 背景 |
2. | 呼吸器への沈着 |
3. | 体内動態 |
4. | 培養系による検討 |
3-2 | ディーゼル排ガスの生殖系および脳神経系への影響 |
1. | はじめに |
2. | 雄性生殖系への影響 |
| 雄性生殖腺分化過程に及ぼす影響 |
| 精子形成に及ぼす影響 |
3. | 雌性生殖系に及ぼす影響 |
4. | 脳神経系に対する影響 |
| 脳内遺伝子 |
| 行動 |
| 脳組織 |
5. | おわりに |
3-3 | 呼吸器・循環器系影響の疫学 |
1. | はじめに |
2. | SPMとディーゼル排ガス(中)微粒子 |
3. | ディーゼル排ガス成分と沿道汚染の疫学 |
| 職業曝露に関する報告 |
| 地域集団曝露に関する報告 |
4. | ヒトへの実験的曝露に関する報告 |
5. | おわりに |
3-4 | 動物実験による排気微粒子の健康への影響評価と今後の展開 |
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4 | 自動車排出ナノ粒子に係る現状と今後の展開 |
4-1 | ディーゼル排出ガス微小粒子を巡る国内外の動向 |
1. | 自動車排出ガス対策の経緯 |
2. | 日本の自動車排出ガス規制の枠組みと経緯 |
| 排出ガス規制の枠組み |
| 排出ガス規制の経緯 |
3. | ディーゼル微粒子を巡る国内外の動向 |
| ディーゼル微粒子に対する考え方 |
| 国際的な活動・貢献 |
| 国内における検討体制 |
4. | 今後の検討の方向性 |
4-2 | 東京都におけるディーゼル車規制の状況とその影響 |
1. | ディーゼル車規制の経緯 |
| 東京都の大気汚染の状況 |
| 都内発生源の状況 |
| PM規制 |
| 環境確保条例による使用過程車対策 |
| 首都圏の連携でディーゼル車走行規制 |
2. | 条例規制への対応の進捗 |
| 国の法規制の適用延期により規制対象車が大幅に増加 |
| 違反ディーゼル車一掃作戦を展開 |
| 補助、融資あっせんにより事業者を支援 |
| 規制開始までに規制対象車の8割が対応 |
3. | ディーゼル車走行規制の効果 |
| 取り締まり状況 |
| 大気汚染常時測定局における環境改善 |
4. | 大気汚染の改善効果 |
| DEP排出量削減の効果 |
| 改善効果をどのように把握するか |
5. | 調査 |
| トンネルの概要 |
| 試料サンプリング |
| 分析条件 |
6. | 結果および考察 |
| 交通量 |
| トンネル内通気量 |
| トンネル内EC濃度 |
| EC排出量 |
| EC排出係数(EF(EC)) |
| EC排出係数の変化から推定した対策効果 |
| その他の成分の排出状況 |
7. | おわりに |
4-3 | 国際標準計測装置─非解離イオン化法全プロファイル分析質量計測装置─の開発に向けて |
1. | 緒言 |
2. | 非解離イオン化法による全プロファイル分析を可能にする質量計測国際標準装置の開発指針 |
3. | 飛行時間型質量分析計(TOF─MS)の小型化追究によりブレークスルーを生んだ先行研究基盤 |
4. | 環境汚染物質、食品生産地などのトレーサビリティ国際標準計測装置開発に向けて |