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マイクロリアクタテクノロジー
〜限りない可能性と課題〜

[コードNo.05NTS143]

■体裁/ B5判・436頁
■発行/ 2005年 7月13日
(株)エヌ・ティー・エス
■定価/ 46,860円(税込価格)


 マイクロリアクタは「極小サイズ化した化学プラント」ともいえる反応装置であり、化学反応の高速化・高効率化を実現しつつ環境負荷を低減する。本書ではマイクロリアクタの様々な利用の現状と今後の課題について解説する。


執筆者一覧(掲載順)

吉田潤一京都大学大学院工学研究科 教授
北森武彦東京大学大学院工学系研究科 教授
菊谷善国(財)神奈川科学技術アカデミー光科学重点研究室マイクロ化学グループ 研究員
長谷部伸治京都大学大学院工学研究科 教授
富樫盛典(株)日立製作所機械研究所MEMSプロジェクト ユニットリーダ/主任研究員
三宅亮(株)日立製作所機械研究所MEMSプロジェクト プロジェクトリーダ
中嶋光敏(独)食品総合研究所食品工学部 部長/筑波大学大学院生命環境科学研究科 客員教授
岡本秀穗京都大学大学院工学研究科 産学官連携研究員/鳥取大学地域共同研究センター 客員教授
吉塚和治北九州市立大学国際環境工学部環境化学プロセス工学科 教授
山口佳子(独)産業技術総合研究所ナノテクノロジー研究部門マイクロ・ナノ空間化学グループ 研究員
前田英明(独)産業技術総合研究所ナノテクノロジー研究部門マイクロ・ナノ空間化学グループ グループ長/九州大学大学院総合理工学府 教授
小林重太東京大学大学院薬学系研究科 博士課程
森雄一朗東京大学大学院薬学系研究科/(独)科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業小林高機能性反応場プロジェクト グループリーダー
小林修東京大学大学院薬学系研究科 教授
福山高英大阪府立大学大学院理学系研究科 助手
佐藤正明大阪府立大学大学院理学系研究科 教授
菅誠治京都大学大学院工学研究科 助教授
前一廣京都大学大学院工学研究科 教授
青木宣明京都大学大学院工学研究科 博士課程
中村浩之(独)産業技術総合研究所ナノテクノロジー研究部門マイクロ・ナノ空間化学グループ 主任研究員
山本貴富喜東京大学生産技術研究所海中工学研究センター 助手
藤井輝夫東京大学生産技術研究所海中工学研究センター 助教授
宮崎真佐也(独)産業技術総合研究所ナノテクノロジー研究部門マイクロ・ナノ空間化学グループ 主任研究員/九州大学大学院総合理工学府 助教授
西迫貴志東京大学大学院工学系研究科/(独)科学技術振興機構 特任研究員
鳥居徹東京大学大学院工学系研究科 助教授
大島榮次東京工業大学名誉教授
芹生章典(独)産業技術総合研究所コンパクト化学プロセス研究センター 非常勤研究員
葉淑英(独)産業技術総合研究所コンパクト化学プロセス研究センター 非常勤研究員
宮村和宏(株)堀場製作所開発センターMEMSライフサイエンスプロジェクト 主任
馬渡和真(財)神奈川科学技術アカデミー光科学重点研究室マイクロ化学グループ 研究員
古川影政(株)マイクロリアクターシステム 代表取締役社長
河村義裕カシオ計算機(株)要素技術統轄部第三技術開発部 リーダー
五十嵐哲工学院大学工学部環境化学工学科 教授
北野延明日立電線(株)技術開発本部アドバンス技術研究所フ ォト・エレクトロニクス技術研究センタ 研究員
松崎覚太盛工業(株)設計開発部
西籔和明大阪府立工業高等専門学校総合工学システム学科 助教授
田中茂雄太盛工業(株)代表取締役社長
和田芳弘(株)イーピーテック プロジェクトマネージャー
小林功(独)食品総合研究所 客員研究員
榛原均大日本スクリーン製造(株)技術開発センター開発管理統轄部開発企画部 担当課長
渡慶次学マイクロ化学技研(株)代表取締役社長
関実大阪府立大学大学院工学研究科 教授
大政健史大阪大学大学院工学研究科 助教授/(独)産業技術総合研究所セルエンジニアリング部門 客員研究員
中西博昭(株)島津製作所基盤技術研究所 主任研究員
下出浩治旭化成(株)研究開発本部 主幹研究員
久保英明花王(株)加工・プロセス開発研究所第1研究室 グループリーダー/主任研究員
佐藤忠久富士写真フイルム(株)R&D統括本部先進コア技術研究所 研究主幹
草壁克己福岡女子大学人間環境学部 教授

詳細目次

1マイクロリアクタテクノロジーの現状と海外動向

1はじめに
2マイクロリアクタとその特長
3マイクロリアクタ研究・開発の世界の動向
4日本における研究・開発動向
5マイクロリアクタの今後の展望
 
2マイクロリアクタシステムの構築

2-1集積化ハイスループットシステムとしてのマイクロ化学システムの構築
1はじめに
2ゲル粒子製造用マイクロ化学プラント
シングルチャネルを用いた粒子形成条件の最適化
ナンバリングアップ法によるゲル粒子量産システムの構築
3培養細胞を用いた生化学分析マイクロチップ
4まとめ
 
2-2マイクロリアクタシステムの設計と制御
1マイクロ化学生産システム
2マイクロ単位操作の設計
装置形状の影響
プレートフィン型デバイスの形状最適化
反応器の流路形状
流路幅の選定
3マイクロ化学プラントの設計
4マイクロ化学プラントの計測と制御
マイクロ化学プラントにおける計測
マイクロプラントの制御
5おわりに
 
2-3マイクロリアクタシステムにおける流動特性解析と制御
1流動特性に影響を与えるパラメータ
2マイクロ化の特性を利用した流動制御法
3マイクロ流路内の流動解析
4システム化における流動特性解析と制御法
 
2-4マイクロチャネルの微細加工技術
1はじめに
2シリコンマイクロチャネルの製造
3ガラスマイクロチャネルの作製
4ポリマーマイクロチャネルの作製
5金属マイクロチャネルの作製
6サンドブラストの利用
7おわりに
 
2-5マイクロリアクタの実生産プロセス化への試み
1はじめに―マイクロ反応化学動向
2マイクロ反応技術の特長
3マイクロ流体セグメントを利用した反応・混合操作
合成方法
製造方法
4マイクロリアクタによる生産への適用の試み
技術的な課題と期待する展開
市場開拓面での課題と期待する展開
産学官連携の研究開発体制に対する期待
未来に対する取り組みへの期待
 
2-6マイクロリアクタにおける流体挙動と分子形態の同時シミュレーション
1はじめに
2マイクロ流路における流体挙動
屈曲したマイクロ流路内における界面の変形
マイクロ流路を利用したDNA分析とマイクロ流体中の分子挙動
3二相界面におけるDNAの分子シミュレーション
 
3マイクロリアクタが拓く新しいケミカルプロセス

3-1マイクロ空間の化学反応
1はじめに
2マイクロ空間における反応場解析
2次流れの影響
せん断応力の影響
拡散・物質移動挙動
3マイクロ空間を用いたナノ材料の合成
セレン化カドミウム(CdSe)ナノ粒子の合成
複合ナノ粒子の合成
4マイクロリアクタを用いた有機・生化学反応
5DNAのハイブリダイゼーション
6おわりに
 
3-2マイクロチャネルリアクタを用いる多相系有機合成反応の開発
1はじめに
2マイクロチャネルリアクタを用いる気相―液相―固相三相系水素添加反応
3超臨界二酸化炭素を媒体として用いる水素添加反応
4マイクロチャネルリアクタを用いる液相―液相二相系アルキル化反応
5おわりに
 
3-3マイクロリアクタを用いた高選択的触媒反応プロセス
1はじめに
2マイクロフロー式反応装置を用いる水素化反応
3マイクロフロー式反応装置を用いる触媒的クロスカップリング反応
薗頭カップリング反応
溝呂木−Heck反応
4マイクロフロー式反応装置を用いる触媒的カルボニル化反応
5おわりに
 
3-4マイクロリアクタを用いた選択的有機合成
1はじめに
2マイクロリアクタの特長
3マイクロ混合による選択的有機合成
競争的逐次反応とDisguised chemical selectivity
Friedel‐Craftsモノアルキル化反応
[4+2]付加環化反応
リビングカチオン重合反応
4まとめ
 
3-5マイクロ空間を利用した反応制御
1緒言
2マイクロ流体セグメントの定義
3マイクロ流体セグメントを利用した反応・混合操作
複合反応における混合制御の役割
薄層セグメント導入の有効性―薄層セグメントモデルとCFDシミュレーション―
薄層流体セグメント幅と反応速度の関連性
薄層流体セグメントの制御による選択率向上の可能性
セグメント配列・形状による影響
セグメントのアスペクト比の影響
異なるセグメント幅を配列した場合の影響
複合反応系における迅速温度制御
4まとめ
 
3-6マイクロリアクタを用いるナノ粒子の合成
1はじめに
2ナノ粒子合成装置としてのマイクロリアクタ
マイクロリアクタによるナノ粒子合成
マイクロリアクタによるナノ複合粒子合成と制御
3マイクロリアクタによる反応最適化と核生成・粒成長挙動解析
4マイクロリアクタによるナノ粒子合成の問題点とその対策
5おわりに
 
4マイクロリアクタシステムの応用技術

4-1シリコーンゴムを用いた反応分析用マイクロチップの開発とその応用
1はじめに
2シリコーンゴム(PDMS)とは
3マイクロチップの製作方法
シリコーンゴムチップの製作方法
ハイブリッド構造によるデバイスの高機能化
4マイクロ反応分析チップのバイオ応用
キャピラリー電気泳動チップ
フロースルーPCRチップ
集積化細胞外タンパク質合成マイクロリアクタ
5おわりに
 
4-2マイクロリアクタを用いた生体関連物質の合成
1はじめに
2マイクロリアクタを用いる生体関連物質合成例
マイクロリアクタを用いる低分子化合物合成
マイクロリアクタを用いる生体高分子の合成
3マイクロリアクタを用いる生化学反応技術
酵素反応技術
マイクロリアクタならではの生化学合成技術
4今後の展望
 
4-3マイクロリアクタを用いた電子ペーパー用二色微粒子の生産技術
1緒言
2電子ペーパーと二色微粒子
ツイストボール式ディスプレイ
従来の二色微粒子製造法
3マイクロチャネルを用いた二色微粒子の製造法
概要
装置と材料
二色液滴の生成
二色ポリマー微粒子と回転試験
4技術的な課題
より微小な粒子の生産
生産量のスケールアップ
5結論
 
4-4マイクロリアクタの高分子反応への応用
1はじめに
2伝熱特性
3流動特性
4拡散過程
5せん断場
6圧力損失
7重合反応
8高分子の拡散
9おわりに
 
4-5ファインケミカルズ合成用マイクロリアクタの開発
1はじめに
2マイクロチューブリアクタを用いたテトラリンの酸化反応
過酸化水素によるテトラリンの酸化反応
酸素によるテトラリンの酸化反応
3MEMS技術を用いたマイクロリアクタの検討
Pdメンブレンマイクロリアクタの作製
Pdメンブレンマイクロリアクタの水素透過性能
Pdメンブレンマイクロリアクタを用いた水素化反応
4おわりに
 
4-6マイクロチップを用いた環境粒子計測
1背景
2マイクロチップを用いた微粒子計測方式
光散乱法
熱レンズ顕微鏡
電気抵抗法
3おわりに
 
4-7マイクロリアクタによる排気ガス浄化装置
1はじめに
2触媒反応器とマイクロリアクタ
3排気ガス処理用マイクロリアクタ
4反応装置化
5おわりに
 
4-8マイクロリアクタ型メタノール改質器の開発
1はじめに
2マイクロ改質器の特徴
水素キャリアとしてのメタノール
マイクロ改質器の構造と動作原理
3マイクロ改質器の製造プロセス
4燃料電池への水素供給のために必要な各要素の集積化
5マイクロ改質器および触媒技術の研究動向
6マイクロ改質器の実用化に向けて
 
4-9石英ガラスの微細加工技術
1まえがき
2石英ガラスの微細加工
プロセスの概要
加工事例
3石英ガラスのドライエッチング
ドライエッチングの概要
ドライエッチングの課題
4将来展望
導波路を用いたマイクロ分析素子
マイクロヒータ内臓素子
高精度・低価格素子製造プロセス開発
5あとがき
 
4-10金属粉末射出成形技術を用いたマイクロリアクタの製造
1緒言
2金属粉末射出成形法(MIM:Metal Injection Molding)
MIMの特徴
MIMの製造工程
マイクロMIMによる汎用金型を用いたマイクロ流路の製造
3LIGAプロセスを用いたマイクロ犠牲樹脂型インサート金属粉末射出成形法によるマイクロ構造体の製造
マイクロ犠牲樹脂型インサート金属粉末射出成形法
LIGAプロセス
LIGAプロセスを用いたマイクロ犠牲樹脂型インサート金属粉末射出成形法の特徴
4原料および製造条件
原料および作製対象
一段転写法によるマイクロ構造体の試作
二段転写法によるマイクロ構造体の試作
5結言
 
4-11マイクロチャネル型量産用乳化装置の開発
1はじめに
2MC乳化技術
MC乳化システム
初期の貫通型MC乳化装置
3貫通型MC乳化装置の実用化に向けた改良
矩形貫通型MCの最適設計
スケールアップ
操作性改善
4おわりに
 
4-12金属製マイクロリアクタの装置化
1はじめに
2金属フォトエッチング技術
シャドウマスクの製造プロセス
シャドウマスク加工寸法の概要
3試作マイクロリアクタについて
金属製マイクロ流体プレート
金属製マイクロリアクタモジュール
金属製マイクロリアクタシステム
4今後の展開
 
4-13化学反応高度分析のためのマイクロ化学チップ―熱レンズ分光分析装置の開発―
1はじめに
2熱レンズ分光分析装置の開発
熱レンズ分光法の原理
熱レンズ顕微鏡と熱レンズ検出デバイス
3熱レンズ分光分析装置による測定例
4今後の展望
 
4-14マイクロリアクタアレイを用いたケミカル・ラボ・オン・チップの構造
1マイクロ流体デバイスとマイクロリアクタ
2マイクロ流体デバイスの特徴
3マイクロ流体デバイスを用いた微量液体操作とマイクロリアクタアレイ
4微量液体の定量的なディスペンシング
5微量液体の合一による定量的反応とその並列化
6マイクロリアクタアレイを用いたHTS系
 
4-15マイクロリアクタを用いた薬物代謝評価系の構築
1はじめに
2生体での薬物代謝と肝臓・腎臓
3薬物代謝をシミュレートするためには―マクロからとミクロからのアプローチ―
マクロからのアプローチ:動物実験系、バイオ人工臓器
ミクロからのアプローチ:肝ミクロソーム、初代肝細胞、肝由来細胞株の利用
4マイクロリアクタを用いた薬物代謝評価系構築の試み
センサとしての細胞選定・構築
測定環境設定
5おわりに
 
4-16DNA分析チップ
1はじめに
2マイクロチップ電気泳動
3石英製電気泳動チップ
4マイクロチップ電気泳動装置
5おわりに
 
4-17プラスチックマイクロキャピラリーチップ
1はじめに
2マイクロキャピラリーチップに使用されるプラスチック
要求される特性
代表的なプラスチック
3プラスチックマイクロキャピラリーチップの製作方法
母型の製作
成形技術
4プラスチックマイクロキャピラリーチップの応用例
 
4-18マイクロチャネルを用いたエマルションおよびマイクロスフェアの調製
1はじめに
2マイクロチャネルを用いたエマルションの調製
マイクロチャネルを用いたO/W型エマルションの調製
マイクロチャネルを用いたW/Oエマルションの調製
3粒子化への応用
4おわりに
 
4-19マイクロ化学プラント
1マイクロ化学プラントとは
2マイクロ化学プラントの「大きさ」について
3マイクロ化学プラントのメリット
4マイクロ化学プラントの実用化において重要な技術
送液制御技術
マイクロ流路閉塞防止技術
5マイクロ化学プラントの実用化例
6おわりに
 
5実用化に向けての課題と将来展望

1はじめに
2計測分析技術としてのマイクロリアクタ
3プロセス強化とマイクロリアクタ
4マイクロリアクタの特徴と応用
マイクロ燃料電池システム
触媒スクリーニング用マイクロリアクタ
集積化マイクロリアクタ
5実用化に向けての課題
6おわりに



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