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ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開
―ナノインプリントの基盤技術と最新の技術展開―

[コードNo.06FTB008]

■編集/ 平井義彦 大阪府立大学 大学院 工学研究科 教授
■体裁/ B5判・281頁
■発行/ 2006年 7月 3日 (株)フロンティア出版
■定価/ 55,000円(税込価格)

刊行のねらい

 ナノインプリント技術が提案されて10年超の年月が経過し、すでに一部では産業利用されつつある。この技術の魅力は、誰でも比較的容易にナノ構造が手中にできる手軽さからはじまり、これまで困難であったマイクロ・ナノ構造を低コストにより高い生産性が確保でき、さらには3次元加工などの高機能化につながる点である。また、各種材料への適応が可能であるため、光学、記憶メディア、半導体、マイクロマシン、バイオ、環境などの実に多様な分野への応用が可能であり、この技術をうまく利用するためのアイデアひとつで、大きなビジネスチャンスにつながる魅力がある。>br>  このように常に進展し続けているこの技術については、このところ各種の解説書の出版、セミナーの開催が行われて、次第に浸透しつつある。>br>  本書では、国内外の第一線でご活躍の先生方のご協力により、これまでのナノインプリント技術の解説書にはない基礎的なサイエンスの部分と、ローラーインプリントやリバーサルインプリントなどの最新の新しい展開を含むテクノロジー部分を中心に各技術を網羅し、併せて、最先端の応用展開を取り上げた。>br>  本書をまとめるにあたり、貴重な原稿をご寄稿頂いた国内外の先生方、最前線の研究者、技術者のみなさまに深く御礼申しあげる。とりわけ、本書のために特別に世界トップレベルの海外の研究者からもご寄稿いただいた。ローラーインプリントのReviewをご執筆いただいたスイス・ポールシェラー研究機構(PSI) Helmut Schift先生、リバーサルインプリントの最新研究をご紹介いただいた米国・ミシガン大学 Jay Guo先生、ならびに、熱ナノインプリント用樹脂について詳細で示唆に富むReviewをご執筆いただいたドイツ・ウッパータル大学 H.-C.Scheer先生に感謝する次第である。>br>  本書は、実際にナノインプリント技術に取り組む初心者から第一線の研究者、技術者が、手元に置いて必ず参考となる最新かつ普遍的な研究成果を網羅しており、末永く使われることを期待するものである。
                                                         2006年6月 平井義彦


執筆者一覧(執筆順)

平井義彦大阪府立大学 大学院 工学研究科 電子物理工学分野 教授
後藤博史(独)産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 ネットワークMEMS研究グループ 招聘研究員
溝上裕夫ケーエルエー・テンコール(株) シニア・アドバイザー
出口公吉NTT-ATナノファブリケーション(株) 営業部 部長
小林道雄(株)ヒキフネ 取締役 技術部 部長
Helmut SchiftProf. Paul Scherrer Institut Laboratory for Micro- and Nanotechnology
鈴木学凸版印刷(株) 総合研究所 ナノテクノロジー研究所 シニア研究員
豊田宏弘前大学 理工学部 知能機械工学科 助手
川田博昭大阪府立大学 大学院 工学研究科 電子物理工学分野 助教授
H.-C.ScheerProf. University of Wuppertal Microelectronic Engineering Faculty of Electrical,Information and Media Engineering
坂井信支東洋合成工業(株) 感光材研究所 新規事業部 ナノテクグループ テーマリーダー
平澤玉乃東洋合成工業(株) 感光材研究所 新規事業部 ナノテクグループ
谷口淳東京理科大学 基礎工学部 電子応用工学科 講師
廣島洋(独)産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 インプリント製造技術研究グループ 主任研究員
松井真二兵庫県立大学 高度産業科学技術研究所 教授
L.Jay GuoAssociate Prof. The University of Michigan Department of Electrical Engineering and Computer Science
横尾篤日本電信電話(株) NTT物性科学基礎研究所 量子光物性研究部 主任研究員
寺川裕佳里オムロン(株) 技術本部 先端デバイス研究所 SPICA推進プロジェクト
細川速美オムロン(株) 技術本部 先端デバイス研究所 SPICA推進プロジェクト プロジェクトマネージャー 主幹
桑原孝介(株)日立製作所 材料研究所 電子材料研究部 研究員
宮内昭浩(株)日立製作所 材料研究所 電子材料研究部 主任研究員
八尾和幸ナルックス(株) 執行役員 技術開発部長

構成と内容

序章ナノインプリントの技術開発と進展(平井義彦)
1コロンブスのタマゴ
2エンボス加工とナノインプリント
3ナノインプリント法
第1章ナノインプリントの基礎的メカニズム(平井義彦)
1熱ナノインプリントの基礎
1.1熱ナノインプリントの概要
1.2高分子樹脂の機械的特性
1.2.1レオロジー特性とプロセス基本条件
1.2.2樹脂の成型性とレオロジー特性
1.3高分子樹脂の変形メカニズム
1.3.1樹脂の変形解析
1.3.2アスペクト比依存性
1.3.3初期膜厚依存性
1.3.4熱ナノインプリントの解像性
1.4インプリントの速度依存性
1.5おわりに
2光ナノインプリントの基礎
2.1光ナノインプリントの概要
2.2光ナノインプリントと解像性
2.2.1光強度分布のシミュレーション
2.2.2線幅依存性
2.2.3残膜厚依存性(回折による影響)
2.2.4モールド段差の影響(干渉による影響)
2.3おわりに
3モールドの基盤技術
3.1はじめに
3.2モールドの表面処理
3.2.1モールドと離型
3.2.2シランカップリング剤によるフッ素樹脂膜のコーティング
3.2.3離型コート膜としての単分子フッ素樹脂膜の性質
3.3レプリカ・モールドの作製
3.4擬似3次元形状モールドの作製と転写
3.4.1レジストマスターパターンによる曲面形状モールドの作製
3.4.2電子線露光による擬似3次元マスターパターンの作製
3.4.3擬似3次元構造のNiモールド作製とそれを用いたインプリント
第2章ナノインプリントの装置技術
1熱ナノインプリント装置(後藤博史)
1.1熱ナノインプリントの工程
1.2熱ナノインプリント装置に求められる機能・性能
1.3熱ナノインプリント装置の方式と特徴
1.3.1一括転写方式
1.3.2ステップ&リピート方式
1.3.3連続転写方式(ローラ転写方式)
1.3.4大面積化と高スループット化を目指した熱ナノインプリント装置
1.4今後の展望
2光インプリント装置(溝上裕夫)
2.1はじめに
2.2基本プロセス
2.3UV硬化方式の優位性
2.4プロセスの進化・発展
2.4.1反転パターンプロセス
2.4.23次元パターンの例−デュアルダマシン工程への応用
2.5テンプレートの製作
2.6課題
3モールド技術(出口公吉)
3.1はじめに
3.2熱インプリント用モールド
3.2.1Siモールド
3.2.2SiO2/Siモールド
3.2.3SiCモールド
3.2.4Ni電鋳モールド
3.2.5Taモールド
3.3UVインプリントモールド(石英モールド)
3.4おわりに
4モールド複製技術(小林道雄)
4.1はじめに
4.2電鋳の用途
4.3電鋳技術を用いた製品・金型
4.4導光板の転写技術
4.5超微細転写技術
4.5.1電鋳金型の応力と歪み
4.5.2電鋳金型製作における懸案事項
4.6今後の展開
4.7おわりに
5-ARoll Embossing and Roller Imprint(Helmut Schift)
5.1Introduction
5.2Roll embossing of foils−web embossing
5.3Roller imprint
5.3.1Soft lithography(microcontact printing)
5.3.2Roller nanoimprint lithography
5.4Roll embossing of fibers
5.5Mold fabrication for roll embossing
5.6Roll embossing−general aspects
5.7Conclusion
5-Bロールエンボッシングアンドローラーインプリント【Roll Embossing and Roller Imprint:Helmut Schift」要旨】(平井義彦)
5.1はじめに
5.2ローラーインプリント
5.2.1ソフトリソグラフィー
5.2.2ローラーナノインプリントリソグラフィー:シリンダーモールド法
5.2.3ローラーナノインプリントリソグラフィー:フラットモールド法
5.3ロールエンボッシング
5.4細い繊維へのロールエンボッシング
5.5ロール成型の特徴
5.6おわりに
6光ナノインプリント用モールド技術(鈴木学)
6.1はじめに
6.2モールド材料
6.3製作プロセス
6.3.1EBリソグラフィ工程
6.3.2石英ドライエッチング
6.4実際の石英モールド
6.4.1汎用評価用石英モールド
6.4.23次元形状石英モールド
6.4.3各社転写装置用の石英モールド
6.5モールドの検査・修正
6.6おわりに
7ナノ光学素子用原器作製技術(豊田宏)
7.1はじめに
7.2ナノ光学素子用原器作製技術
7.2.1反応性イオンエッチングによるナノ光学素子作製のための石英基板加工
7.2.2NLDプラズマエッチング特性
7.3ナノ光学素子用原器作製例
7.3.1無反射光学素子
7.3.2ナノ構造によるAR原理
7.3.3AR光学素子の作製とその光学特性
7.4おわりに
8モールド作製のためのシリコン深溝エッチング(川田博昭)
8.1はじめに
8.2プラズマエッチング
8.3シリコンのプラズマエッチング
8.4切り替えプロセス
8.5モールド作製のためのシリコンエッチング
8.6おわりに
第3章ナノインプリントの材料技術
1-APolymer science in thermal nanoimprint(H.-C.Scheer)
1.1Introduction
1.2General properties of thermoplastic polymers
1.2.1Molecular weight
1.2.2Glass transition temperature
1.3Mechanical behaviour of thermoplastic polymers
1.3.1Basic correlations
1.3.2Frequency dependence of shear modulus
1.3.3Temperature dependence of shear modulus
1.3.4Frequency dependence of viscosity
1.3.5Impact of temperature
1.3.6Shear rate dependant viscosity
1.4Impact of rheology for thermal NIL
1.4.1Imprint temperature
1.4.2Imprint pressure
1.4.3Polymer choice
1.5Conclusion
1-B熱ナノインプリントにおける樹脂の科学【「Polymer science in thermal nanoimprint:H.−C.Scheer」要旨】(平井義彦)
1.1はじめに
1.2熱可塑性樹脂の一般的特性
1.2.1分子量
1.2.2ガラス転移温度
1.3熱可塑性樹脂の機械的振る舞い
1.3.1パラメータ間の基本的な関係
1.3.2せん断係数の周波数依存性
1.3.3せん断弾性率の温度依存性
1.3.4粘性率の周波数依存性
1.3.5粘性率の温度依存性
1.3.6粘性率のせん断速度依存
1.4熱NILにおけるレオロジーの影響
1.4.1インプリント温度
1.4.2インプリント圧力
1.4.3ポリマー選択
1.5まとめ
2光インプリント用樹脂(坂井信支、平澤玉乃)
2.1はじめに
2.2UV-NIL
2.2.1UV-NILの優位点
2.2.2UV-NILプロセス
2.3UV-NIL樹脂
2.4UV-NIL材料の機械的特性試験
2.5UV-NILを用いた金属ナノパターン形成
2.6おわりに
33次元モールドの作製および離型処理材料(谷口淳)
3.13次元モールドとは
3.23次元モールドの作製方法
3.3機械加工法による3次元モールドの作製
3.4電子ビームリソグラフィによる3次元モールドの作製
3.5FIB−CVD法による3次元モールドの作製
3.6離型処理材料とその評価
第4章ナノインプリントのプロセス技術
1熱ナノインプリントプロセス(平井義彦)
1.1高アスペクト比構造の形成
1.1.1高アスペクト比構造のインプリントとその課題
1.1.2プロセスシーケンスと応力集中
1.1.3離型時の樹脂延伸
1.2熱インプリントによるマイクロ・ナノ加工
1.2.1マイクロ・ナノ構造の一括成型
1.2.2バイオ材料のインプリント加工
1.3ガラス材料のナノ加工
1.4金属材料の塑性加工
2光ナノインプリントプロセス(廣島洋)
2.1はじめに
2.2光ナノインプリントの特長
2.3光ナノインプリントプロセス
2.4光ナノインプリント装置
2.5光ナノインプリント用モールド
2.6光ナノインプリント用樹脂
2.7光ナノインプリントリソグラフィ
2.8光ナノインプリントリソグラフィにおけるベース層制御
2.9光ナノインプリントリソグラフィによるパターン形成
2.10おわりに
3室温ナノインプリント技術(松井真二)
3.1はじめに
3.2スピン塗布HSQを用いた室温ナノインプリントプロセス
3.3液滴塗布HSQを用いた室温ナノインプリントプロセス
3.4光感光性ドライフィルムを用いたナノインプリント
3.5おわりに
4-AReversal Nanoimprint Lithography(L.Jay Guo)
4.1Reverse-Nanoimprint Technique
4.2Multi-level-Patterning of Polymer Nanostructures
4.3Polymer Inking Technique
4.4Conclusion
4-Bリバーサルナノインプリントリソグラフィ【「Reversal Nanoimprint Lithography:L.J.Guo」要旨】(平井義彦)
4.1リバーサルナノインプリント技術
4.2樹脂ナノ構造の多層パターニング
4.3インキングテクニック
4.4結論
5リバーサルインプリント法とその応用(平井義彦)
5.1はじめに
5.2リバーサルインプリント法
5.3リバーサルインプリント法による積層化マイクロ構造の作製
5.4リバーサルインプリント法による積層化ナノ構造の作製
5.5おわりに
6ナノキャスティング法(平井義彦)
6.1はじめに
6.2ナノキャスティング法
6.3多様な材料の成型
6.4大面積一括成型
6.5ナノ構造の成型
6.6高アスペクト比マイクロ・ナノ構造の成型
6.7光硬化性樹脂のキャスティングによるナノ構造の転写・複製
6.8おわりに
7ナノ電極リソグラフィ(横尾篤)
7.1背景
7.2ナノ電極リソグラフィ
7.3ナノ電極リソグラフィによる半導体基板のパターニング
7.4ナノ電極リソグラフィを用いた微細構造作製
7.5ナノ電極リソグラフィによる基板への多重パターニング
7.6おわりに
第5章ナノインプリントの応用
1光学素子への応用(寺川裕佳里、細川速美)
1.1はじめに
1.2マイクロレンズアレイ
1.3ナノプリズムアレイ
1.4光導波路
1.4.1光導波路複製技術
1.4.2V溝集積化技術
1.5光導波路を用いたアプリケーション例
1.5.1光通信デバイス
1.5.2機器内光配線
1.6おわりに
2バイオ素子への応用(桑原孝介、宮内昭浩)
2.1はじめに
2.2免疫分析チップとは
2.3ナノインプリント技術の免疫分析チップへの応用
2.4おわりに
3ガラス材料への応用(八尾和幸)
3.1はじめに
3.2ガラス材の微細成形プロセス
3.3ガラス材
3.4モールド
3.5成形装置
3.6形状による成形性
3.6.1格子形状
3.6.2その他さまざまな形状
3.7おわりに
第6章ナノインプリントの技術推移と用途展開(松井真二)
1はじめに
2パターンド・メディア
3ディスプレイ部材
4光学部品
5バイオ応用
6LSI応用
7おわりに
第7章ナノインプリントの展望(平井義彦)
1現状と課題
2応用展開
2.1第一フェーズ
2.2第二フェーズ
2.3第三フェーズ
3技術展開
4おわりに



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