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錫ウィスカ成長プロセスの解明と対策

[コードNo.06NTS160]

■体裁/ B5判・200頁
■発行/ 2006年 6月 1日
(株)エヌ・ティー・エス
■定価/ 26,840円(税込価格)


 RoHS指令により電気・電子機器に対する特定有害物質の使用が2006年7月から制限される。現在鉛フリー化対策が精力的に進められているが、ここにきて鉛フリー対応部品から錫ウィスカによる信頼性問題が発生し、その対策が緊急課題となっている。
 本書では、錫ウィスカ発生への30年にわたる取り組みの経緯から、現在進められている成長プロセスの解明、各種対策、評価技術を紹介する。
※R&Dプランニング主催「緊急課題:錫ウィスカ成長プロセスの解明と対策」セミナー(2005年6月)を講演録として編集。


執筆者一覧(執筆順)

川中龍介有限会社関西品質技術研究所
藤原裕 大阪市立工業研究所
辻清貴 石原薬品株式会社
伊藤貞則オムロン株式会社
井原惇行楠本化成株式会社

詳細目次

第1講歴史的背景と最近の話題(川中龍介)
1ウィスカの歴史
1.1ウィスカ故障の歴史
1.1.1ウィスカ出現・発見の歴史
1.1.2ウィスカの種類(自然発生と人工合成)
1.2信頼性問題と故障解決の手段
1.2.1錫ウィスカによる信頼性問題
1)錫ウィスカ起因故障例
2)応急対策・暫定対策・恒久対策
3)メカニズム解明の重要性
4)故障改善フローとメカニズム解明の手順
1.3信頼性問題と固有技術
1.3.1故障改善のための技術レベルアップ
1.3.2技術的解決
1)固有技術の適用
2)技術のレベルアップ
1.3.3解析技術の利用
1.3.4材料技術の活用
1.4鉛添加によるウィスカ問題の解決
1.4.1鉛の登場
1.4.2鉛の針状結晶成長抑制メカニズム
2ウィスカ成長のメカニズム
2.1ウィスカ発生メカニズムの仮説
2.1.1錫ウィスカの性質と成長の基本条件
2.2仮説の検証
2.2.1駆動力
1)駆動力の作用(内部圧縮応力)
2)内部圧縮応力の発生原因
2.2.2閾値、潜伏期間
1)閾値
2)潜伏期間
3)熱処理による内部圧縮応力の緩和
2.2.3ウィスカの成長と停止
1)ウィスカ成長のステップ(ウィスカ成長の2段階説)
2)錫ウィスカの核生成
2.2.4錫ウィスカの成長
1)駆動力と固体─固体間成長
2)原子の移動
3)ウィスカの成長面
4)結晶粒からの成長
5)ウィスカの断面形状、太さ
2.2.5成長の停止
3今後の問題
3.1課題山積の錫ウィスカ問題の放置
3.2今後追求すべき問題点
3.2.1暫定対策の可能性
1)外部応力のない場合の暫定対策
2)外部応力が加えられる場合
3.2.2恒久対策
3.2.3評価方法の確立
1)ウィスカ発生可否の判定
2)メカニズム解明のための試験方法
3.2.4メカニズムの確立
3.2.5材料信頼性工学に頼る
1)材料技術の活用
2)材料起因故障
3)材料特性
4まとめ
第2講鉛フリー対応錫めっき(藤原裕)
1鉛フリーはんだの概要
1.1エレクトロニクス実装技術
1.2鉛フリー化への動きとヨーロッパでの環境規制
1.3JEITAの鉛フリーはんだ実用化ロードマップ
1.4鉛フリーはんだの候補合金
2鉛フリーはんだ対応のめっき
2.1各種の鉛フリーはんだめっきの採用状況
2.2鉛フリーはんだめっきに要求される特性
2.2.1はんだ濡れ性
3錫めっき
3.1錫めっき皮膜の特性
3.1.1はんだ濡れ性
3.1.2外観と表面形態
3.2錫めっき浴
4錫合金めっき
4.1錫─ビスマス合金めっき
4.2錫─銅合金めっき
4.3錫─銀合金めっきと錫/銀ナノ粒子複合めっき
5まとめ
第3講錫ウィスカの成長機構(辻清貴)
1緒言
2ウィスカの特徴
2.1形態および強度
2.2電気抵抗
2.3成長方向
2.4成長速度
3ウィスカ成長に影響を及ぼす要因
3.1膜厚の影響
3.2温度の影響
3.3素地金属の種類の影響
3.4合金元素の影響
3.5熱処理の影響
3.6雰囲気の影響
3.7外部応力の影響
3.8内部応力の影響
3.9中性子照射の影響
3.10サーマルサイクリングの影響
4めっき液、めっき条件、錫皮膜構造の影響
4.1めっき液の種類の影響
4.2めっき条件の影響
4.3錫皮膜構造の影響
5従来のウィスカ成長モデル
5.1Eshelbyのモデル
5.2Frankのモデル
5.3再結晶モデル
5.4Lindborgのモデル
5.5金属間化合物─圧縮応力モデル
6ウィスカ成長の駆動力とその起源
7おわりに
第4講電子部品の錫ウィスカ(伊藤貞則)
まえがき─RoHS、ELV規制とウィスカ─
1金属原子は簡単に動く
2ウィスカの発生要因
2.1めっき電着時の応力
2.1.1界面応力
2.1.2電着応力
2.2下地の拡散による応力
2.3下地腐食や内分腐食の体積膨張による応力
2.4熱膨張の拘束応力による圧縮応力
2.5外力(圧痕、傷)によって受ける圧縮応力
3ウィスカ防止の方法
3.1錫代替めっき
3.2バリアめっきによる拡散防止策
3.3銅と錫の金属間化合物による拡散防止策
3.4電気錫めっきリフロ処理
3.5はんだ浸漬処理
4問題点
5早期検出方法
5.1下地拡散によるウィスカの検出
5.2外力によるウィスカ
5.3コネクタウィスカの実際と評価方法
第5講錫ウィスカの観察・解析技術(井原惇行)
1はじめに
2鉛フリー化における信頼性問題
2.1新たな問題
2.1.1ウィスカによる短絡障害
2.1.2はんだ槽の浸食
2.1.3低温はんだの適用拡大
2.1.4はんだ接合部Pb含有量0.1%
2.2継続中の問題
2.2.1温度サイクルによる疲労破壊
2.2.2マイグレーションによる絶縁不良
2.2.3機械的応力による疲労破壊
2.2.4構成材料、搭載電子部品の耐熱性
3コネクタのウィスカについて
4光学顕微鏡による錫ウィスカの観察
5SEMによる錫ウィスカの解析
6FIBによるウィスカの解析
7EBSPによる結晶解析



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