小社では2002年6月に「医薬品の品質確保―ICH合意事項を踏まえて―」を発刊致しましたが、その後4年が過ぎ、ICHによる合意事項も増え、国内の行政対応も大きく変わってきています。
またICHでの新しい動きもあり、それに呼応した国内の行政対応も変わりつつあります。
本書では改正薬事法・新GMP規制・現状ガイドラインへの対応と、ICHでの新しい動きおよび今後作成されるであろう新ガイドラインへの対応をまとめました。
医薬品―製剤・原薬・添加剤―の製造・販売に携わる関係者にとって品質を確保するため実務書として購読頂ければ幸いです。
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概論〈小嶋茂雄) |
1 | ICHについて |
2 | ICHの各トピックスの調和の進捗状況 |
3 | 新たな展開へ |
4 | わが国へのインパクト |
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第1章 安定性試験(Q1) |
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第1節 | 安定性試験ガイドライン(Q1A-R2)〈吉岡澄江〉 |
1 | Q1A(R2)の目的 |
2 | Q1A(R2)の調和までの経緯 |
3 | 原薬の安定性試験 |
4 | 製剤の安定性試験 |
5 | 安定性試験に用いる試験法 |
6 | データ評価および取り扱い上の注意/表示 |
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第2節 | 実生産ロットの安定性確認のための試験の実施(コミットメント)〈佐々木秀樹〉 |
1 | ICHガイドラインにおける記載 |
2 | 基準ロットによる安定性試験の継続 |
3 | コミットメントロットによる安定性試験の実施 |
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第3節 | 光安定性試験ガイドライン(Q1B)の解説〈松尾賢明〉 |
1 | 基本方針 |
2 | 一般的事項について |
3 | 原薬の光安定性試験 |
4 | 製剤の光安定性試験 |
5 | 用語の定義 |
6 | キニーネ化学光量測定システムについて |
7 | 光安定性試験法ガイドラインに対するQ&A |
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第4節 | 安定性試験へのブラケッティング法及びマトリキシング法の適用に関するガイドライン(Q1D)〈吉岡澄江〉 |
1 | Q1Dの目的 |
2 | Q1Dの調和までの経緯 |
3 | ブラケッティング法及びマトリキシング法の適用範囲および全数試験との関係 |
4 | ブラケッティング法 |
5 | マトリキシング法 |
6 | 適用における留意事項 |
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第5節 | 安定性データの評価に関するガイドライン(Q1E)〈吉岡澄江〉 |
1 | Q1Eの目的 |
2 | Q1Eの調和までの経緯 |
3 | 安定性データの評価における一般的な原理および留意点 |
4 | 原薬のリテスト期間および製剤の有効期間の設定 |
5 | 安定性データ評価のための統計的解析法 |
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第6節 | 気候ゾーンV/W(Q1F)〈麻生伸一郎〉 |
1 | Q1Fの目的 |
2 | 保存条件 |
3 | 現在の状況(問題点) |
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第7節 | 一部変更申請の安定性試験 ―わが国における現状と調和の可能性―〈麻生伸一郎〉 |
1 | 一部変更申請における安定性試験 |
2 | 一部変更申請に必要な安定性試験の国際調和の可能性 |
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第8節 | 安定性試験ガイドラインに関するQ&A〈小嶋茂雄〉 |
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第2章 分析法バリデーション(Q2) |
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第1節 | 2つのICHテキスト(Q2A&Q2B)の解説〈鹿庭なほ子〉 |
1 | 制定の経緯・目的 |
2 | ICHの分析法バリデーションの特徴 |
3 | 分析能パラメータの評価方法 |
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第2節 | 真度および精度の評価〈鹿庭なほ子〉 |
1 | 誤差モデル |
2 | 室内再現精度評価の重要性 |
3 | 室内再現精度の評価方法 |
4 | 真度および精度の基準 |
5 | 実験計画の適用 |
6 | 適用例 |
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第3節 | 新薬承認申請における分析法バリデーションの現状〈森田收〉 |
1 | 分析法バリデーションの実施状況 |
2 | 承認状況 |
3 | 既承認薬への適用 |
4 | テキストの適用時期 |
5 | 統計的手法 |
6 | パラメータの具体的な評価方法 |
7 | 個々のパラメータの現状 |
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第4節 | システム適合性試験〈小嶋茂雄〉 |
1 | 分析法バリデーション(Analytical validation) |
2 | システム適合性試験(System suitability tests) |
3 | 日局14収載医薬品各条におけるシステム適合性の規定とその問題点 |
4 | 「システム適合性試験」の日局収載案について |
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第5節 | 「分析法バリデーションに関するテキスト(実施項目および実施方法)」 に関するQ&A〈鹿庭なほ子〉 |
1 | 全般 |
2 | 特異性 |
3 | 直線性、範囲 |
4 | 真度と精度 |
5 | 定量限界、検出限界 |
6 | システム適合性試験 |
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第3章 不純物(Q3) |
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第1節 | 原薬の不純物ガイドライン(Q3A)〈小嶋茂雄〉 |
1 | Q3A作成の経緯 |
2 | Q3Aの基本原則 |
3 | 不純物プロファイルの確立とそれに基づく規格の設定 |
4 | 不純物の安全性の確認 |
5 | 日本薬局方に収載される原薬の規格について |
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第2節 | 製剤の不純物ガイドライン(Q3B)〈小田容三/小嶋茂雄〉 |
1 | Q3B作成の経緯 |
2 | Q3Bの解説 |
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第3節 | 不純物ガイドラインの改定(Q3A&B(R) )〈小嶋茂雄〉 |
1 | Q3A&B(R)がステップ2に達するまで |
2 | Q3A(R)のステップ4達成 |
3 | Q3B(R)のステップ4達成 |
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第4節 | 医薬品の残留溶媒ガイドライン(Q3C)〈小嶋茂雄〉 |
1 | Q3Cの策定に至るまでの経緯 |
2 | Q3Cの内容 |
3 | Q3Cのメンテナンス(Q3C(M)) |
4 | 第十五改正日本薬局方収載の残留溶媒試験法について |
5 | 新薬の承認審査における残留溶媒に関する指摘事項について |
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第5節 | 原薬および製剤中の不純物の安全性確認に関するQ&A〈小嶋茂雄〉 |
1 | Q&A作成に至る経過 |
2 | 原薬および製剤中の不純物の安全性確認に関するQ&A |
3 | Q&A作成に携わった関係者 |
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第4章 化学合成医薬品の規格:試験方法と判定基準(Q6A) |
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第1節 | ガイドラインの解説〈小嶋茂雄〉 |
1 | Q6Aの主な特徴 |
2 | Q6Aの基本的な考え方および適用範囲 |
3 | Q6Aの策定に至る経緯 |
4 | 一般的な概念(General concepts) |
5 | 各規格項目に関する記載の内容 |
6 | 「新医薬品の規格及び試験方法の設定について」の通知について |
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第2節 | 一般的概念〈小嶋茂雄〉 |
1 | Q6Aに記載された一般的概念 |
2 | 一般的概念に関する検討経過 |
3 | 各一般的概念についての解説 |
4 | 当初提案されたがガイドラインには盛り込まれなかった概念 |
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第3節 | スキップ試験、工程内試験、パラメトリックリリース〈青柳伸男〉 |
1 | 定義 |
2 | 実施体制 |
3 | 各コンセプトの適用方法 |
4 | スキップ試験・定期的試験の実施に向けて |
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第4節 | 薬局方試験法の国際調和〈青柳伸男〉 |
| 各試験法の国際調和 |
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第5節 | 光学活性医薬品に関する規定〈中西昭雄〉 |
1 | Q6Aにおける規定と留意点 |
2 | 光学特異的な分離分析 |
3 | 用語 |
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第5章 薬局方国際調和現状と今後 ―現状と今後― |
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第1節 | 薬局方間で調和した試験法等の規制当局による相互受入れ(Q4B)〈津田重城〉 |
1 | 三極の薬局方と規制当局との関係の違いについて |
2 | ICHにおけるQ4B専門家会議の設置 |
3 | 2004年6月のワシントンにおける議論 |
4 | 2004年11月の横浜における議論 |
5 | 2005年5月のブリュッセルにおける議論 |
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第2節 | 薬局方国際調和―現状と今後―〈武田寧〉 |
1 | 薬局方国際調和の概要 |
2 | 薬局方国際調和の方針 |
3 | 薬局方調和の手順 |
4 | 薬局方調和の現況 |
5 | 調和成果の日本薬局方への反映と調和した薬局方の相互受け入れ |
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第3節 | 医薬品添加剤〈木嶋敬二〉 |
1 | 医薬品添加剤の定義と実体 |
2 | 医薬品添加剤の国際調和 |
3 | GMP適用除外(日本薬局方収載品)に係る告示、医薬品添加剤GMP自主基準 |
4 | 医薬品添加剤GMP自主基準適合審査制度 |
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第6章 Ctd-Q |
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第1節 | Ctd-Qの解説〈奥田晴宏〉 |
1 | Ctd活動の流れ |
2 | Ctdガイドラインの目的と構成 |
3 | Ctd-Qガイドラインの背景 |
4 | 第2部(モジュール2):品質に関する概括資料 |
5 | 第3部(モジュール3):品質に関する文書 |
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第2節 | Ctdの運用にあたっての国際的な取り組み(ICH―Q&A)〈鹿野真弓〉 |
1 | ICHにおけるIWGの設置経緯 |
2 | ICH―Q&A及び関連文書 |
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第3節 | Ctdの運用にあたっての国内における対応(国内Q&A及びモックアップ)〈井越伸和〉 |
1 | 「Ctd-品質に関する文書の作成要領に関するガイドライン」に関するQ&A(国内Q&A) |
2 | Ctd-品質に関する概括資料の原薬・製剤のモックアップ(記載例) |
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第4節 | Ctd調和後の動き〈奥田晴宏〉 |
1 | 製造承認から製造販売承認へ |
2 | 製造販売承認 |
3 | 製造販売承認申請書記載事項について |
4 | 原薬等登録原簿(マスターファイル)制度 |
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第7章 原薬GMP |
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第1節 | 原薬GMPガイドライン(Q7Aガイド)の解説〈加藤祐一〉 |
1 | 原薬GMPガイドライン(Q7Aガイド)について |
2 | Q7Aガイドの役割 |
3 | GMPの相互承認 |
4 | 日本への影響 Good Manufacturing Practice Guide for Active Pharmaceutical Ingredients(一部抜粋) |
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第2節 | 産業界からみた留意点〈清原孝雄〉 |
1 | Q7Aガイドの特徴 |
2 | ICHにおける検討の経緯 |
3 | Q7Aガイドの構成および記載内容 |
4 | 今後の展開 |
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第3節 | 不純物プロファイルに基づく品質管理〈小嶋茂雄〉 |
1 | Q7Aガイドにおける不純物プロファイルに関する記載 |
2 | 不純物プロファイルに基づく品質管理の対象とすべき医薬品 |
3 | 不純物プロファイルの対象とすべき不純物 |
4 | 不純物プロファイルに基づく品質管理の考え方 |
5 | どのような医薬品を優先すべきか? |
6 | 不純物プロファイルをどのようにして確立するか? |
7 | 不純物プロファイルの同等性の考え方に関する考察 |
8 | 不純物プロファイルの同等性評価基準 |
9 | おわりに―変更管理の定着を― |
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第4節 | 交叉汚染防止 「封じ込め」〈中西昭雄〉 |
1 | 法規制 |
2 | ハザード物質 |
3 | 残存基準値 |
4 | 封じ込め |
5 | 具体的な対応例 |
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第5節 | 医薬品添加剤GMP自主基準〈綱川延孝〉 |
1 | 日本医薬品添加剤協会(JPEC)のGMP委員会の発足 |
2 | JPEC GMP委員会の活動経過 |
3 | 自主基準の試行に向けて |
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第6節 | 医薬品添加剤GMP自主基準への適合審査制度〈武田豊彦〉 |
1 | 「医薬品添加剤GMP自主基準適合審査制度」設立の経緯 |
2 | 医薬品添加剤GMP自主基準適合審査制度の概要 |
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第8章 Total Quality System |
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第1節 | Total Quality Systemを目指して〈清原孝雄〉 |
1 | Ctd-Qに関連した新トピックの検討 |
2 | 新しい品質管理の方向性 |
3 | 日本における新しい品質管理体制 |
4 | ICHの新トピックの検討状況 |
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第2節 | 製剤開発ガイドライン(Q8)の解説〈大河内一宏〉 |
1 | Q8の主な特徴 |
2 | Q8の基本的な考え方および適用範囲 |
3 | Q8の策定に至る経緯 |
4 | 一般的な概念 |
5 | 各項目に対する記載の内容 |
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第3節 | リスク管理(Q9)〈檜山行雄〉 |
1 | ICHのQ9専門家会議および関連国際会議における品質リスクマネジメントの議論の経緯 |
2 | 品質リスクマネジメント(Quality Risk Managemen:QRM)ガイドラインの骨子(Step 4文書) |
3 | 品質リスクマネジメントの適用事例 |
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第4節 | GMP査察の経験を踏まえた品質確保行政(柳原義彦〉 |
1 | 製造販売承認制度の下でのGMP |
2 | GMPと関係するICHガイドラインのわが国での実施状況 |
3 | 日本薬局方の通則の改正とQ6A |
4 | 原薬GMPに関する行政の運用 |
5 | 原薬の製造工程の安定性評価 |
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第5節 | わが国における製剤GMPの展望〈檜山行雄〉 |
1 | 改正薬事法の要点 |
2 | 品質保証に関する現状認識 |
3 | 厚生労働科学研究班からの課題提起 |
4 | ガイドラインの作成 ―厚生労働科学研究班の成果― |
5 | 関連の課題―製造方法の承認書記載、ICHの製剤開発ガイドライン(Q8)、PAT― |
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第6節 | 医薬品の品質保証におけるProcess Analytical Technology(PAT)の活用〈小嶋茂雄〉 |
1 | ICHの製剤開発のガイドライン(Q8)におけるPATの位置づけ |
2 | PATとは? |
3 | PATがクローズアップされるようになった背景 |
4 | PATで用いられる分析技術 |
5 | 何をPAT活用の対象とするか? |
6 | 欧米における活用の事例 |
7 | わが国におけるPATに関する研究の紹介 |
8 | PATの意義 |
9 | 欧米製薬企業のPAT活用戦略 |
10 | わが国におけるPATの積極的な活用に向けて |
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関連ガイドライン(添付CD) |