(株)エル・アイ・シーでは、2001年 3月に「バイオ医薬品の品質・安全性評価」を発刊致しましたが、その後バイオ医薬品の開発も進み、現在かなりのものが臨床応用されています。
本書では、前書に収載された各節を改めて見直し、加筆するとともに、新しいバイオ医薬品の節を加え、その開発・利用状況ならびに品質・安全性確保に関して詳細に解説を加えました。バイオ医薬品の開発・製造に携わる方にとって有益な書籍と確信致します。
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第1部 細胞由来タンパク質性医薬品 |
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第1章 | 細胞基材の品質・安全性確保と製造方法 |
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概 論 | 細胞基材の品質・安全性確保 (早川堯夫) |
1 | はじめに |
2 | 組換え医薬品及び細胞培養医薬品の品質、安全性等確保に必要な一般的留意事項 |
3 | 製造方法において、その詳細を明確にし、その恒常性を維持すべき主な項目 |
4 | 医薬品製造素材としての細胞基材 |
4.1 | 細胞基材の品質、安全性試験や評価のあり方に関連するガイドライン |
4.2 | 細胞基材の起源、履歴に関する情報とその妥当性 |
4.3 | 細胞基材の調製過程における親細胞株の選択 |
4.4 | 細胞基材調製過程における特別な細胞加工(処理)操作 |
4.5 | 医薬品製造の各段階を構成する細胞基材 |
4.6 | マスター・セル・バンクの出発素材としての細胞基材:クローン(種)細胞株の樹立 |
4.7 | 組換え医薬品製造用のクローン株樹立のための遺伝子操作の妥当性 |
5 | セル・バンク・システム |
5.1 | セル・バンクの調製に際しての留意事項 |
5.2 | セル・バンクの特性解析及び品質評価に際しての一般的留意事項 |
5.3 | セル・バンクの特性解析試験 |
5.4 | プラスミド・バンク及びマスター・セル・バンクにおける遺伝子発現構成体の解析 |
5.5 | セル・バンクの純度試験 |
6 | 目的タンパク質を恒常的に生産できる能力に関する細胞基材の安定性評価 |
6.1 | 細胞基材の保存中の安定性評価 |
7 | 核型分析及び造腫瘍性試験 |
8 | 細胞培養法の妥当性の立証及び一定性の確保 |
9 | 精製法の一定性の確保 |
10 | 補遺:初代培養細胞の細胞基材 |
10.1 | 初代培養細胞基材の起源としての組織及びその他の生体由来材料 |
10.2 | 初代培養細胞基材の調製 |
10.3 | 初代培養細胞基材について実施する試験 |
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第1節 | 組換え体における品質・安全性確保 |
第1項 | 大腸菌 (藪田雅之/大島武博) |
1 | 発現系の特徴 |
2 | 発現ベクターの構築 |
2.1 | 目的遺伝子の作製 |
2.2 | 発現方式 |
(1) | 融合タンパク法 |
(2) | 分泌発現法 |
(3) | プロモーター、SD配列、ターミネーター |
3 | 生産菌の選択、作製 |
3.1 | 宿主 |
3.2 | 生産菌の品質の確認 |
4 | セルバンクの作製、保存および大量培養 |
4.1 | セルバンクの作製、保存 |
4.2 | 大量培養 |
5 | 精製工程 |
5.1 | 精製工程の構築 |
5.2 | 不純物、添加物の除去状況の確認 |
6 | 品質管理 |
6.1 | 原材料の管理 |
6.2 | 工程管理 |
6.3 | 最終産物の品質評価 |
第2項 | 酵 母 (小林薫) |
1 | 発現系の選択 |
1.1 | rHSA開発の歴史 |
1.2 | P. pastorisを用いたrHSA発現系 |
2 | 組換えタンパク質の生産(培養) |
3 | 組換えタンパク質の生産(精製) |
4 | 組換えタンパク質の品質評価 |
第3項 | 動物細胞 (桐原清/川崎敦子/加藤和夫) |
1 | 細胞基材の選択 |
2 | 細胞基材の構築 |
3 | セルバンクの特性解析と試験方法 |
4 | 細胞培養 |
5 | 精 製 |
6 | 組換えタンパク質の構造および特性 |
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第2節 | 正常二倍体細胞における品質・安全性確保(金森利至/重松弘樹) |
はじめに |
1 | バイオ医薬品の品質に関わる指針 |
2 | 品質・安全性評価と製造方法 |
2.1 | 細胞の由来 |
2.2 | 細胞バンク |
(1) | 細胞バンクの構築 |
(2) | 細胞バンクの管理 |
2.3 | 細胞特性試験 |
(1) | 増殖特性試験 |
(2) | 形態学的観察 |
(3) | 核型分析 |
(4) | 造腫瘍性試験 |
(5) | アイソザイム分析 |
(6) | 目的物質産生能試験 |
(7) | 無菌試験 |
(8) | ウイルス否定試験 |
(9) | 培養期間中の安定性試験 |
2.4 | 培 養 |
2.5 | 精 製 |
おわりに |
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第3節 | モノクローナル抗体産生細胞の作製方法(中島敏博/樋口浩文/米村宏) |
1 | 概 要 |
2 | 基本的な発現システム |
2.1 | 機能性可変領域分離・創製 |
2.2 | 定常領域の選択 |
2.3 | 基本的な抗体遺伝子発現ユニットの構築 |
2.4 | 発現細胞に用いる宿主細胞 |
3 | 遺伝子導入方法 |
3.1 | リン酸カルシウム法 |
(1) | HBSを用いる方法 |
(2) | BBSを用いる方法 |
3.2 | リポソーム(リポフェクチン)法 |
3.3 | 電気穿孔(エレクトロポレーション)法 |
4 | 高発現クローンの育種、選択 |
4.1 | 遺伝子増幅 |
4.2 | 限界希釈法によるクローニング |
4.3 | フローサイトメトリーによる高発現細胞の濃縮 |
5 | 無血清浮遊培養への順応化およびバンキング |
5.1 | 無血清培地への浮遊化・順応化方法 |
5.2 | 細胞のバンキング |
5.3 | 発現細胞の安定性評価 |
6 | 高生産性を目指して |
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第2章 | 感染性物質 |
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概 論 | 感染性物質 (早川堯夫/福永悟史) |
1 | ヒトまたは動物細胞株を用いて製造されるバイオ医薬品のウイルス安全性評価 |
1.1 | ウイルス汚染の可能性 |
1.2 | 細胞株適格性試験:各細胞レベルで1度は実施すべきウイルス試験の要領 |
1.3 | ウイルスが検出された細胞株の使用について |
1.4 | 未加工/未精製バルクにおけるウイルス試験 |
1.5 | ウイルスクリアランスに関する工程の評価および精製バルクでのウイルス試験実施要領 |
1.6 | ウイルスクリアランス試験の目的 |
1.7 | ウイルスクリアランス工程評価および工程特性解析:2つのアプローチ |
1.8 | ウイルスクリアランスの工程評価および工程特性解析のためのウイルスの選択 |
1.9 | ウイルスクリアランスの工程評価試験および工程特性解析試験のデザインと実施要領 |
1.10 | ウイルスクリアランス試験の解釈 |
1.11 | ウイルスクリアランス試験の限界 |
1.12 | 統 計 |
1.13 | ウイルスクリアランスの再評価が必要な場合 |
1.14 | 他の生物薬品へのICHウイルスガイドラインの適用 |
2 | 細菌、真菌 |
3 | マイコプラズマ |
3.1 | 各公定書等でのマイコプラズマ否定試験 |
3.2 | 日本薬局方におけるマイコプラズマ否定試験 |
3.3 | 培養法(寒天および液体培地法) |
3.4 | 指標細胞を用いたDNA染色法(指標細胞培養法) |
3.5 | PCR法 |
3.6 | バイオ医薬品についてのマイコプラズマ否定試験法の国際調和 |
3.7 | 関連生物学的製剤等におけるマイコプラズマ否定試験 |
4 | プリオン |
4.1 | バイオ医薬品の安全性確保面からみたプリオン対策 |
4.2 | プリオン伝搬や汚染の原因となる可能性が考えられる要素とその排除策 |
5 | 感染性物質評価資料作成に関するICHコモンテクニカル文書の勧告 |
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第1節 | レトロウイルスおよび内在性ウイルス試験(久米田幸介/嶽本澄代/横手公幸/斉藤洋之/久保寺美典) |
1 | はじめに |
2 | In Vivo で生産される医薬品 |
2.1 | ドナー動物コロニーの試験 |
2.2 | 未加工/未精製バルクの試験 |
3 | 初代培養細胞基材で生産される医薬品 |
3.1 | ドナー動物コロニーの試験 |
3.2 | 初代培養細胞基材の試験 |
3.3 | 国内の規定 |
41 | 継代培養細胞基材で生産される医薬品 |
4.1 | 試験事例 |
(1) | セル・バンクの試験 |
1) | マスター・セル・バンク(MCB)の試験 |
2) | ワーキング・セル・バンク(WCB)の試験 |
3) | 医薬品製造のためにin vitro細胞齢の上限にまで培養された細胞(CAL)の試験 |
(2) | 未加工/未精製バルクの試験 |
(3) | 精製バルクの試験 |
(4) | 試験方法 |
1) | S+L−フォーカスアッセイ |
2) | XCプラークアッセイ |
3) | ヒトRD(Rhabdomyosarcoma)細胞との共培養試験 |
4) | 電子顕微鏡観察 |
5) | 逆転写活性酵素活性試験 |
5 | まとめ |
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第2節 | 非内在性ウイルスおよび外来性ウイルス試験(嶽本澄代/有吉伸之/久米田幸介/横手公幸) |
1 | はじめに |
2 | 各極のガイドライン比較 |
2.1 | 日本のガイドライン |
2.2 | 欧米のガイドライン |
(1) | 米 国 |
(2) | 欧州のガイドライン |
(3) | 各極ガイドラインの試験法比較 |
2.3 | ICHガイドライン |
(1) | In Vitro 試験 |
(2) | In Vivo 試験 |
(3) | 細胞種特異ウイルス試験 |
3 | In Vitro 試験 |
3.1 | 細胞接種試験 |
(1) | 概 要 |
(2) | 試験方法 |
(3) | 結果・判定 |
3.2 | Co-cultivation試験 |
(1) | 概 要 |
(2) | 試験方法 |
(3) | 結果・判定 |
3.3 | その他の試験 透過型電子顕微鏡(TEM)試験 |
4 | In Vivo 試験 |
4.1 | 試験飼育施設 |
(1) | 機能区域 |
(2) | 建築指針 |
4.2 | 飼育管理 |
(1) | 物理的環境 |
(2) | 飼 育 |
(3) | 疾病の予防 |
4.3 | 試験内容 |
(1) | 検体準備 |
(2) | 使用動物および発育鶏卵 |
(3) | マウスを用いた試験法 @ ウイルス感受性 A 接種方法 |
(4) | モルモットを用いた試験法 @ ウイルス感受性 A 接種方法 |
(5) | 発育鶏卵を用いた試験法 @ ウイルス感受性 A 接種方法 羊膜腔接種 尿膜接種 血球凝集(HA)測定 卵黄嚢接種 |
(6) | 結果・判定 @ 陽性対照 A 接種時の事故 B 結果の解釈 C 試験の成立 |
5 | まとめ |
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第3節 | ウイルスクリアランス工程評価試験(古賀淳一) |
1 | はじめに |
2 | 実 際 |
2.1 | 工程評価試験の対象 |
2.2 | モデルウイルスについて |
(1) | 迷入する、あるいは迷入する可能性のあるウイルスのクリアランスに関する各工程の有効性の評価 |
(2) | 工程自体が持つウイルスクリアランスに関する能力の一般的な評価 |
2.3 | 不活化工程とその評価 |
(1) | ソルベント・デタージェント(SD法) |
(2) | 熱処理法 |
(3) | pH処理法 |
2.4 | 除去工程とその評価 |
(1) | 限外ろ過膜による方法 |
(2) | クロマトグラフや沈殿等、分画による方法 |
2.5 | 試験実施にあたっての留意点と限界 |
2.6 | 実施すべきタイミング |
2.7 | 国内におけるウイルスクリアランス工程評価試験の現状 |
2.8 | 試験の解釈 |
3 | ウイルスクリアランス工程評価試験と生物薬品のウイルス安全性 |
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第4節 | 血清中のウイルス試験(小原有弘/水澤博) |
1 | ウシ血清に由来するウイルス |
2 | 細胞バンクに寄託された細胞からのBVDVの検出 |
3 | ウシ由来血清からのBVDVの検出 |
4 | BVDV混入によって生じる問題点 |
5 | BVDVの検出 |
5.1 | RT-PCR法 |
5.2 | RNAの抽出 |
5.3 | 逆転写酵素反応 |
5.4 | PCR反応 |
5.5 | PCR反応産物の検出 |
6 | まとめ |
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第5節 | バイオ医薬品製造における原材料とプロセス中間体中のTSE汚染の検出および測定方法(吉成河法吏/Martin Wisher) |
1 | はじめに |
2 | 規制的側面 |
3 | TSEクリアランス試験の原理 |
3.1 | TSEクリアランス試験におけるスパイク材料 |
3.2 | バイオアッセイ法 |
3.3 | ウェスタンブロット法 |
4 | 生物学的検体中のTSEの検出 |
4.1 | より迅速なバイオアッセイ法 |
4.2 | 感染性プリオン単位の性質 |
5 | 結 論 |
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第6節 | マイコプラズマ (清原孝雄) |
1 | マイコプラズマの特性 |
2 | マイコプラズマの混入の原因と影響 |
3 | マイコプラズマの検出法 |
4 | マイコプラズマ検出法の具体例 |
4.1 | 培養法 |
(1) | 培地および培地の性能確認 |
(2) | 培養および観察 |
4.2 | 指標細胞を用いたDNA染色法 |
4.3 | ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法 |
操作法 |
(1) | テンプレートの調製 |
(2) | 1段目PCR |
(3) | 2段目PCR |
(4) | アガロースゲル電気泳動 |
Vero細胞中でマイコプラズマを増殖させる方法 |
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第7節 | 細菌、真菌の検出法(佐々木次雄) |
はじめに |
1 | 無菌試験とは |
2 | 無菌試験の実際 |
2.1 | 試験実施環境 |
2.2 | 試験実施者 |
2.3 | 無菌試験培地、培養温度、培養期間、培地性能菌株 |
(1) | 無菌試験培地 |
(2) | 培養温度 |
(3) | 培養期間 |
(4) | 培地性能菌株 |
2.4 | 検体採集数量、検体接種量、観察 |
2.5 | 無菌試験のバリデーション |
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第8節 | 人獣共通感染症(山内一也) |
1 | 総 論 |
1.1 | 人獣共通感染症の概念 |
1.2 | 人獣共通感染症の種類 |
1.3 | エマージング感染症としての人獣共通感染症 |
1.4 | エマージング感染症の出現の背景 |
(1) | 野生動物の輸入 |
(2) | 劣悪な医療環境 |
(3) | 環境の変化 |
(4) | グローバリゼーション |
(5) | 家畜でのウイルスの増幅 |
(6) | 野生動物からペットを介した感染 |
1.5 | 感染症法における人獣共通感染症対策 |
2 | 動物工場における微生物学的品質管理 |
2.1 | 生ウイルスワクチンの微生物学的品質管理の原則 |
2.2 | ヒツジおよびヤギの微生物学的品質管理 |
2.3 | ウシの微生物学的品質管理 |
3 | 異種移植における微生物学的品質管理 |
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第9節 | 生物由来製品の指定 (早川堯夫) |
はじめに |
1 | 生物由来製品の指定の考え方 |
1.1 | 生物由来製品および特定生物由来製品の定義 |
1.2 | 指定分類の基本的考え方とリスク評価 |
(1) | 最終製品の感染症リスクに関する理論的アプローチ |
(2) | 指定分類の具体例 |
1) | 生物由来製品 |
2) | 特定生物由来製品 |
3) | 原材料が生物由来でも指定の対象とならないもの |
(3) | 反芻動物由来の原料 |
(4) | 指定の区分につき境界の判断を行うべき場合 |
2 | 生物由来製品の製造管理者 |
3 | 生物由来製品を取り扱う製造所の許可権者等 |
4 | 生物由来製品の表示・添付文書 |
4.1 | 表 示 |
4.2 | 添付文書 |
5 | 生物由来製品に関する記録の保管管理 |
5.1 | 生物由来製品の承認取得者等が行う記録および保存 |
5.2 | 特定生物由来製品を取り扱う医療関係者が行う記録および保存 |
5.3 | 販売業者が行う情報提供 |
5.4 | 医療関係者が行う情報提供 |
5.5 | その他 |
(1) | 承認取得者等 |
(2) | 販売業者等 |
(3) | 医療機関、薬局 |
6 | 生物由来原料基準 |
6.1 | 通 則 |
(1) | 目 的 |
(2) | 適用範囲 |
(3) | 用語の定義 |
(4) | 例外規定 |
6.2 | 血液製剤総則 |
6.3 | 人細胞組織製品原料基準 |
6.4 | 人尿由来原料基準 |
6.5 | 人由来原料基準 |
6.6 | 反芻動物由来原料基準 |
6.7 | 動物細胞組織製品原料基準 |
6.8 | 動物由来原料基準 |
7 | 感染症定期報告 |
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第3章 | 製品の特性解析・品質規格および安定性 |
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概 論 | 細胞基材由来タンパク質性医薬品の分子特性解析・品質規格、安定性(早川堯夫) |
1 | 目的物質の構造解析、分子特性および品質特性解析の必要性 |
2 | 細胞基材由来タンパク質性医薬品における成分の不均一性問題とその対応 |
3 | 細胞基材由来タンパク質性医薬品における分子構造的な識別と生物活性との多様な関係 |
4 | 細胞基材由来タンパク質性医薬品における目的物質および有効成分 |
5 | 目的物質等の組成分析、構造および特性解析 |
6 | 目的物質等のタンパク質部分の構造や組成の解析目標と解析方法 |
7 | 糖タンパク質における糖鎖の構造と機能 |
8 | 糖タンパク質の糖鎖の構造や組成の解析目標と解析方法 |
9 | 目的物質の理化学的手法、免疫化学的手法および生物学的手法による分子特性・品質特性解析 |
10 | 有害因子や不純物混入の可能性に関する検討 |
11 | 製造工程の妥当性評価・検証とプロセスコントロール |
12 | 規格および試験方法(ロットごとの品質試験) |
13 | 品質管理における生物学的試験法から理化学試験法への切り替え |
14 | 標準品、標準物質 |
15 | 組換え医薬品や細胞培養医薬品の安定性試験 |
16 | 品質確保にあたっての留意点と方策のまとめ |
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第1節 | タンパク質の構造決定(広瀬正明/真崎厚司/大谷渡) |
1 | タンパク質の構造について |
2 | 一次構造を解析する方法 |
2.1 | 一次構造決定の概要 |
2.2 | 分子量の決定 |
2.3 | マススペクトロメトリー |
2.4 | ペプチド分析 |
(1) | ペプチドの断片化 |
(2) | ペプチドの分離 |
(3) | 遊離Cys残基およびSS結合の同定 |
(4) | ペプチドの同定 |
(5) | 翻訳後修飾の解析 |
2.5 | アミノ酸レベルの構造決定 |
(1) | N末およびC末端アミノ酸分析 |
(2) | アミノ酸組成分析 |
(3) | ペプチドマッピング |
(4) | SS結合の決定 |
3 | 立体構造を解析する方法 |
3.1 | 立体構造決定の概要 |
3.2 | タンパク質表面構造の特徴の分析 |
(1) | イオン交換クロマトグラフィー |
(2) | 疎水性クロマトグラフィー |
3.3 | タンパク質内部環境の分析 |
3.4 | 高次構造(会合構造)の決定 |
3.5 | 微細な立体構造の決定 |
4 | 構造決定に関わる規格および試験方法について |
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第2節 | 糖鎖構造解析(川崎ナナ/早川堯夫) |
1 | 糖鎖結合部位と糖鎖構造 |
1.1 | 糖鎖結合部位 |
1.2 | N結合型糖鎖の構造 |
1.3 | O結合型糖鎖 |
2 | 糖タンパク質性医薬品の構造特性解析 |
2.1 | 単糖組成分析 |
2.2 | 遊離糖鎖の分析 |
(1) | 糖鎖の切り出し 【実験例 1】hCGからのN結合型糖鎖の切り出し |
(2) | HPLC @ HPAEC-PAD A 2-アミノベンザミド(2-AB)標識と蛍光検出HPLC B 2-アミノピリジン(2-AP)標識と蛍光検出HPLC |
(3) | キャピラリー電気泳動法 |
(4) | 蛍光体支援糖質電気泳動法(FACE) |
(5) | エキソグリコシダーゼ消化 |
(6) | MS 【実験例 2】hCGのN結合型糖鎖のLC/MS2 |
(7) | NMR |
2.3 | 糖ペプチドの分析 |
(1) | 消化酵素 |
(2) | 糖ペプチドの分取 |
(3) | 糖ペプチドのMS |
(4) | LC/MSを用いたペプチドマッピング 【実験例 3】LC/MS を用いたhCGのペプチドマッピング |
(5) | エキソグリコシダーゼ消化 【実験例 4】 |
2.4 | 糖タンパク質の分析 |
(1) | ゲル電気泳動法 |
(2) | キャピラリー電気泳動法 |
(3) | 質量分析法 |
3 | 糖鎖の規格および試験法 |
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第3節 | 物理的化学的性質(猶塚正明) |
はじめに |
1 | 分光学的性質 【実験例 1】組換えヒト塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)の分光学的性質 |
2 | 電気泳動 |
2.1 | ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE) |
2.2 | SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE) |
2.3 | 等電点電気泳動(IEF、アイソフォームパターン) |
2.4 | 検出方法 |
2.5 | キャピラリー電気泳動(CE) |
(1) | キャピラリーゾーン電気泳動(CZE) |
(2) | キャピラリーゲル電気泳動(CGE) |
(3) | キャピラリー等電点電気泳動(CIEF) 【実験例 2】アンチトロンビンのキャピラリー電気泳動による分離 【実験例 3】エリスロポエチンのキャピラリー電気泳動による分離 【実験例 4】マイクロチップ型キャピラリー電気泳動装置による組換えモノクローナル抗体の分離 |
(4) | ミセル界面動電クロマトグラフィー(MECC) 【実験例 5】インターフェロン-γのキャピラリー電気泳動による分離 |
3 | 高速液体クロマトグラフィー(HPLC) |
3.1 | ゲルろ過クロマトグラフィー |
3.2 | イオン交換クロマトグラフィー |
3.3 | 逆相クロマトグラフィーおよび疎水クロマトグラフィー |
3.4 | その他 |
3.5 | 検出器 【実験例 6】静的光散乱法によるヒトIgGの凝集物の検出 【実験例 7】陽イオン交換HPLCによる組換えモノクローナル抗体アイソフォームの分析 【実験例 8】逆相HPLCによる組換えヒト腫瘍壊死因子β(rhTNF-β)の分析 【実験例 9】逆相HPLCによる組換えヒトインターロイキン6(rhIL-6)の分析 |
4 | 分子量および分子サイズ 【実験例 10】MALDI-TOFMSによるヒト尿トリプシンインヒビター(UTI)の分子量測定 【実験例 11】MALDI-TOFMSによるエリスロポエチンのダイマー形成メカニズムの解析 【実験例 12】組み換えモノクローナル抗体のESI-TOFMSによる分子量測定 |
5 | 高次構造 |
5.1 | 円二色性(CD)スペクトル |
5.2 | X線結晶構造解析 |
5.3 | 核磁気共鳴(NMR)スペクトル 【実験例 13】ヒト組換えインターフェロン-γ(rhIFN-γ)の熱変性の研究 |
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第4節 | 抗体医薬品の特性・品質等の評価(新見伸吾) |
1 | 抗体医薬品の構造に基づいた分類 |
2 | キメラ抗体およびヒト化抗体における問題点 |
3 | 構造および物理化学的特性 |
3.1 | 末端アミノ酸および末端アミノ酸配列 |
(1) | アミノ酸分析 |
(2) | N末端アミノ酸配列 |
(3) | C末端アミノ酸配列 |
1) | H鎖C末端アミノ酸配列 |
2) | L鎖C末端アミノ酸配列 |
(4) | C末端アミノ酸 |
(5) | ジスルフィド結合の数と位置およびスルフヒドリル基の測定 |
1) | ジスルフィド結合の数と位置 |
2) | スルフヒドリル基の測定 |
(6) | 全一次構造解析 |
(7) | 糖鎖解析 |
1) | 糖鎖結合位置および結合率 |
2) | 糖鎖構造解析 |
3) | 単糖組成分析 |
(8) | 分子量 |
(9) | 等電点 |
(10) | 分光学的性質 |
(11) | SDS-PAGE |
(12) | 高次構造 |
(13) | サブクラスの同定 |
(14) | サイズ排除クロマトグラフ |
(15) | イオン交換クロマトグラフおよび疎水性相互作用クロマトグラフ |
4 | 生物学的性質 |
4.1 | 結合アッセイ |
(1) | ELISAを用いた直接法 |
(2) | ELISAを用いた競合法 |
(3) | 抗原発現細胞を用いた競合法 |
(4) | 抗原に対する結合親和性測定法 |
(5) | 膜タンパク質抗原に対する特異性の解析方法 |
(6) | 免疫沈降法 |
4.2 | バイオアッセイ |
5 | 不均一性 |
5.1 | Fc領域におけるグリコシル化 |
5.2 | H鎖Lysのプロセッシング |
5.3 | メチオニンの酸化 |
5.4 | ヒンジ領域の断片化 |
5.5 | グルコシル化 |
5.6 | アスパラギンの脱アミド化 |
5.7 | 不対システイン残基 |
6 | 毒素あるいはアイソトープとconjugateした抗体医薬品 |
6.1 | 毒素あるいはアイソトープの全体量 |
6.2 | 非結合毒素あるいはアイソトープ |
6.3 | 細胞毒性 |
6.4 | 抗原結合能 |
6.5 | 毒素あるいはアイソトープの結合部位 |
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第5節 | 抗体医薬品の現状と課題(山崎達美) |
1 | はじめに |
2 | 抗体の医薬品化のながれ |
3 | 抗体医薬品の品質と安全性評価の基本的考え方 |
4 | バイオ医薬品の評価に関するガイドライン |
5 | 抗体医薬品の品質コントロール |
6 | 抗体医薬品の安全性評価について |
7 | その他の考慮すべき事項 |
8 | おわりに |
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第6節 | 機能性人工タンパク質(堤康央/石井明子/早川堯夫) |
1 | はじめに |
2 | 上市されている機能性人工タンパク質 |
2.1 | アミノ酸改変型 |
(1) | 改変型インスリン ・Insulin Aspart(ノボラピッド) ・Insulin Glulisine(Apidra) ・Insulin Glargin(ランタス) ・Insulin Detemir(Levemir) |
(2) | 改変型 tissue-plasminogen activator(t-PA) ・Reteplase(Retevase) ・Tenecteplase(TNKase) ・Pamiteplase(ソリナーゼ) |
(3) | 改変型インターフェロン ・Interferon alfacon-1(アドバフェロン) |
(4) | 改変型顆粒球コロニー刺激因子 |
2.2 | 糖鎖改変型 |
(1) | 糖鎖改変型グルコセレブロシダーゼ ・Imiglucerase(セレザイム) |
(2) | 糖鎖改変型エリスロポエチン ・Darbepoetin alfa (Nespo) |
2.3 | PEG結合型 |
(1) | PEG 結合型インターフェロン ・Peginterferon alfa-2a(ペガシス) ・Peginterferon alfa-2b(ペグイントロン) |
(2) | PEG結合型顆粒球コロニー刺激因子 ・Pegfilgrastim(Neulasta) |
(3) | PEG結合型成長ホルモン誘導体 ・Pegvisomant(Somavert) |
2.4 | 融合タンパク質 ・Denileukin Diftitox(Ontak) ・Etanercept(エンブレル) ・Alefacept(Amevive) ・Abatacept(Orencia) |
3 | 新たな機能性人工タンパク質の創出技術 |
4 | 機能性人工タンパク質の品質・安全性確保 |
5 | おわりに |
|
第4章 | コンパラビリティおよび後続品の評価(早川堯夫) |
|
はじめに |
1 | タンパク質性バイオ医薬品生産における新規製法の適用にあたって |
2 | ICHコンパラビリティガイドライン(Q5E)の概略 |
2.1 | ガイドラインの目的 |
2.2 | ガイドラインのコンセプト |
2.3 | コンパラビリティ評価における留意事項 |
(1) | 同等性/同質性評価作業に関する留意事項 |
(2) | 製品の同等性/同質性を判断する際の評価事項の例 |
(3) | 品質に関する留意事項 |
1) | 分析法 |
2) | 特性解析 |
3) | 規格及び試験方法 |
4) | 安定性試験 |
(4) | 製造工程に関する留意事項 |
(5) | 開発段階における製造工程変更時の同等性/同質性評価に関する留意事項 |
(6) | 非臨床試験及び臨床試験に関する留意事項 |
3 | タンパク質性後続バイオ製品の評価のあり方 |
3.1 | 用語 |
3.2 | 評価は医薬品としての本質論から始まり、本質論で終わるべき |
3.3 | 一般的考察 |
3.4 | 後続バイオ製品の先発品に対する同等性/同質性又は同種・同効性を論ずる際の基本要件 |
3.5 | 後続バイオ製品の先発品に対する同等性/同質性又は同種・同効性を論ずる前提として各タイプの目的物質毎に充たされるべき条件 |
(1) | 予期した構造を有する後続タンパク質(例:モノクローナル抗体) |
(2) | DNA塩基配列から特定の構造が期待される後続タンパク質における同等性/同質性 |
(3) | しかるべき翻訳後修飾(グリコフォームを含む)から期待されるタンパク質における同種性 |
(4) | 生物活性分子を生産するのに必要な、意図的な加工・修飾操作から期待されるタンパク質(例:不活性前駆体→目的活性タンパク質) |
3.6 | タンパク質性後続バイオ製品の承認申請や評価を本格的に論ずるための構造、特性解析 |
3.7 | 製品面からみた小括的考察 |
3.8 | 製造工程面からみた一般的留意事項 |
3.9 | 非臨床試験及び臨床試験に関する留意事項 |
(1) | 後続バイオ製品の非臨床試験及び臨床試験の程度や内容の決定に影響する諸要素 |
(2) | 後続バイオ製品に関する安全性監視 |
3.10 | 後続バイオ製品開発段階での製造工程変更 |
3.11 | 結論的考察 |
|
第5章 | 非臨床における安全性確保 |
|
第1節 | 非臨床における安全性評価概論 (永田龍二/早川堯夫) |
1 | はじめに |
2 | タンパク質性医薬品の非臨床における安全性評価 |
2.1 | 非臨床安全性試験の一般的目的と実施原則 |
2.2 | 「バイオテクノロジー応用医薬品の非臨床における安全性評価」に関するガイドライン |
(1) | ICH S6ガイドラインの目的および適用範囲 |
(2) | 製品の品質特性と安全性 |
(3) | 非臨床安全性試験の実施にあたって考慮すべき主な事項 |
1) | 生物学的活性/薬理作用およびその作用機序 |
2) | 適切な動物種および動物モデルの選択 |
3) | 用いる動物の例数および性別 |
4) | 投与量・投与経路・投与方法など動物への投与計画 |
5) | 免疫原性 |
(4) | 個別留意事項 |
1) | 安全性薬理試験 |
2) | ファーマコキネティクス(薬物動態)・トキシコキネティクス試験 |
3) | 単回投与毒性試験 |
4) | 反復投与毒性試験 |
5) | 免疫毒性試験 |
6) | 生殖・発生毒性試験 |
7) | 遺伝毒性試験 |
8) | がん原性試験 |
9) | 局所刺激性試験 |
3 | おわりに |
|
第2節 | タンパク質性医薬品の安全性評価の実際(小林潔/小林孝好/古賀淳一) |
1 | はじめに |
2 | 動物種の選択 |
3 | 代替試験−相同タンパクと遺伝子改変動物 |
4 | 免疫原性 |
4.1 | Clearing Antibody |
4.2 | Sustaining antibody |
4.3 | Neutralizing Antibody |
5 | TGN1412事件に学ぶ |
6 | まとめ |
|
第3節 | バイオ医薬品の非臨床試験における留意点と実際(河合睦文) |
緒 言 |
1 | 分子構造・生物活性からみたバイオ医薬品の分類と留意点 |
1.1 | ヒト型タンパク |
1.2 | 天然型アミノ酸のみから構成される非ヒト型タンパク |
1.3 | 天然型アミノ酸以外の分子を含む非ヒト型タンパク |
1.4 | 抗体医薬品 |
1.5 | 核酸医薬品 |
2 | 試験動物選択上の留意点 |
3 | 生体内濃度測定上の留意点 |
3.1 | 125I-標識化合物を用いる場合の留意点 |
3.2 | 3H-または14C-標識化合物を用いる場合の留意点 |
3.3 | 標識化合物を用いる場合の検討事項 |
3.4 | 標識化合物を用いない場合の留意点 |
3.5 | 適切な分析法の選択 |
4 | その他の留意点 |
後 記 |
|
第2部 細胞・組織利用製品、遺伝子治療用医薬品、その他 |
|
|
第1章 | 細胞・組織利用製品の品質・安全性確保 |
|
概 論 | 細胞・組織利用医薬品等の品質および安全性の確保(早川堯夫/安藤剛) |
T | 細胞・組織利用医薬品等の取扱いおよび使用に関する基本的考え方 |
1 | 目的、基本原則および定義 |
2 | 細胞・組織採取について |
2.1 | 細胞・組織を採取する医療機関等について |
2.2 | 細胞・組織採取に関する説明、同意等 |
(1) | 文書による説明と同意の取得 |
(2) | 代諾について |
(3) | ドナーが死亡している場合 |
(4) | 手術等で摘出された細胞・組織を利用する場合 |
(5) | 動物福祉 |
2.3 | 無対価での細胞・組織の提供 |
2.4 | ドナーおよびドナー動物の選択基準および適格性 |
2.5 | 採取作業の適切性の確保 |
2.6 | 細胞・組織の採取に関する記録 |
3 | 製造段階における安全性確保対策 |
3.1 | 品質管理システム、施設・設備、保管方法 |
3.2 | 標準操作手順書 |
3.3 | 原材料となる細胞・組織の受け入れ |
3.4 | 試薬等の受入試験検査 |
3.5 | 製品の試験検査 |
3.6 | 細菌、真菌、ウイルス等の汚染の危険性の排除 |
3.7 | 検疫、出荷、配送 |
3.8 | 製造工程に関する記録 |
3.9 | 最新技術の反映 |
4 | 職員および組織ならびに管理体制等 |
4.1 | 職員および組織 |
4.2 | 教育訓練 |
4.3 | 健康管理 |
5 | 使用段階における安全性確保対策 |
5.1 | 製品情報提供 |
5.2 | 説明と同意 |
5.3 | 患者等の試料等の保存 |
5.4 | 患者等に関する情報の把握 |
6 | 個人情報の保護 |
7 | 見直し |
U | ヒト由来細胞・組織加工医薬品等の品質および安全性の確保に関する指針 |
1 | 指針の目的と趣旨 |
2 | 定 義 |
3 | 製造方法 |
3.1 | 原材料と製造関連物質 |
(1) | 目的とする細胞・組織について |
1) | 起源および由来、選択理由 |
2) | 生物学的機能等の特徴と選択理由 |
3) | ドナーの選択基準、適格性 |
4) | 株化細胞を用いる場合留意事項 |
5) | ドナーに関する記録 |
6) | 細胞・組織の採取・保存・運搬 |
(2) | 目的とする細胞・組織以外の原材料および製造関連物質 |
1) | 細胞の培養を行う場合 |
2) | 非細胞・組織成分と組み合わせる場合 |
3) | 細胞に遺伝子工学的改変を加える場合 |
3.2 | 製造工程 |
(1) | ロット構成の有無とロットの規定 |
(2) | 細胞・組織の加工方法 |
1) | 受け入れ検査 |
2) | 細菌、真菌、ウイルス等の不活化・除去 |
3) | 組織の細切、細胞の分離、特定細胞の単離等 |
4) | 培養工程 |
5) | 細胞・組織加工の方法について |
6) | 細胞のバンク化について |
7) | 加工工程中の取り違えおよびクロスコンタミネーション防止対策について |
8) | 採取した細胞・組織の一部保管 |
(3) | 加工した細胞の特性解析 |
(4) | 最終製品の形態、包装等 |
(5) | 製造方法の妥当性と恒常性 |
(6) | 製造方法の変更 |
3.3 | 最終製品の品質管理 |
(1) | 総 論 |
(2) | 最終製品の品質管理法 |
1) | 回収率ならびに生存率 |
2) | 確認試験 |
3) | 細胞の純度試験 |
4) | 細胞由来の目的外生理活性物質に関する試験 |
5) | 製造工程由来不純物試験 |
6) | 無菌試験およびマイコプラズマ否定試験 |
7) | エンドトキシン試験 |
8) | ウイルス等の試験 |
9) | 効能試験 |
10) | 力価試験 |
11) | 力学的適合性試験 |
4 | 細胞・組織加工医薬品等の安定性 |
5 | 細胞・組織加工医薬品等の非臨床安全性試験 |
6 | 細胞・組織加工医薬品等の効力または性能を裏付ける試験 |
7 | 細胞・組織加工医薬品等の体内動態 |
8 | 臨床試験 |
V | 確認申請の記載要領等 |
1 | 起源または発見の経緯および外国等における使用状況について |
1.1 | 開発の経緯 |
1.2 | 特徴および有用性 |
1.3 | 外国における使用状況 |
1.4 | 国内における臨床研究の状況 |
2 | 非臨床試験等の内容の総括 |
3 | 確認および報告事項 |
おわりに |
|
第1節 | 皮 膚(大島秀男/熊谷憲夫) |
1 | はじめに |
2 | 自家皮膚移植、同種皮膚移植 |
3 | 再生医療 |
3.1 | 培養表皮移植の実用化 |
3.2 | 培養表皮移植法の工夫 |
(1) | 同種皮膚移植+自家培養表皮移植 |
(2) | フィブリンマトリクス上での表皮細胞培養 |
3.3 | 培養真皮移植 |
4 | 再生医療の展望 |
|
第2節 | 血 管 (村澤聡/浅原孝之) |
1 | はじめに |
2 | 血管内皮前駆細胞の血管再生への関与 |
2.1 | 血管発生の概念 |
2.2 | 血管の構成 |
2.3 | 血管内皮前駆細胞と造血幹細胞のマーカー |
2.4 | 血管内皮前駆細胞の動態 |
2.5 | 細胞源と血管内皮前駆細胞 |
3 | 血管内皮前駆細胞の基礎研究 |
3.1 | EPCの機能の解析 |
3.2 | 小動物における細胞移植効果 |
3.3 | 大動物における細胞移植効果(前臨床研究) |
4 | 血管内皮前駆細胞の臨床応用 |
5 | 次世代の血管内皮前駆細胞移植 |
5.1 | 体外細胞培養 |
(1) | 細胞源 |
(2) | 細胞表面マーカー |
(3) | 培養条件 |
(4) | 培養場所 |
(5) | 培養細胞の評価 |
5.2 | gene modification |
(1) | 遺伝子のコンビネーション |
(2) | 遺伝子治療の問題点 |
5.3 | 血管内皮前駆細胞の分化能 |
6 | おわりに |
|
第3節 | 角 膜(川北哲也/坪田一男) |
はじめに |
角膜再生医療の変遷 |
1 | 羊膜、その質と安全性 |
2 | 角膜上皮の再生医療、その質と安全性 |
2.1 | 動物由来成分を用いない培養方法の開発 |
(1) | 自己血清の使用 |
(2) | 3T3細胞の安全性 |
(3) | 自己細胞の応用 |
(4) | ヒト細胞株の使用 |
2.2 | 培養上皮シートに利用されるさまざまな細胞ソース |
3 | 角膜実質 |
3.1 | 角膜実質細胞 |
3.2 | 人工角膜実質 |
3.3 | 歯根部利用人工角膜 |
4 | 角膜内皮 |
|
第4節 | 軟 骨 (安達伸生/越智光夫) |
1 | はじめに |
2 | 単層培養を用いた培養軟骨細胞移植 |
3 | 組織工学的手法を用いた軟骨再生の臨床応用 |
3.1 | 本法の適応基準および除外基準 |
3.2 | 細胞増殖のscaffoldとして用いるアテロコラーゲン |
3.3 | 軟骨細胞採取、培養と安全性の確保 |
3.4 | 作製した軟骨様組織の移植およびその術後成績 |
4 | 現在までに行ってきた基礎研究結果 |
4.1 | 移植細胞に関して |
4.2 | 成長因子の効果 |
|
第5節 | 心筋シート(笹川忠/清水達也/岡野光夫) |
1 | はじめに |
2 | 温度応答性培養皿と細胞シート工学 |
3 | 重症心不全に対する再生医療の現状 |
3.1 | 血管新生因子を用いた再生医療 |
3.2 | 細胞浮遊液注入による心筋再生医療 |
3.3 | サイトカインを用いた心筋再生療法 |
3.4 | 組織工学的手法による再生心筋組織移植 |
4 | 細胞シート工学を用いた心筋組織の再生 |
5 | 心筋シート移植医療の開発状況 |
6 | 心筋シートの品質・安全性 |
6.1 | 形態学的評価項目 |
6.2 | 生存率評価項目 |
6.3 | 生化学的評価項目 |
6.4 | 純度検定評価項目 |
6.5 | 分化度検定評価項目 |
6.6 | 増殖特性評価項目 |
6.7 | 電気生理学的評価項目 |
6.8 | 使用血清の種類および濃度 |
7 | まとめ |
|
第6節 | 臍帯血/骨髄造血幹細胞の増幅(中畑龍俊) |
はじめに |
1 | 造血幹細胞の性状と測定法 |
2 | 造血幹細胞の可塑性と再生医療 |
3 | 造血幹細胞のex vivo 増幅と再生医療 |
3.1 | 支持細胞を利用した造血幹細胞の増幅 |
3.2 | サイトカインによる造血幹細胞のex vivo 増幅の研究の現状 |
4 | 再生医療のための基盤整備 |
5 | ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針 |
おわりに |
|
第7節 | 間葉系幹細胞(梅澤明弘) |
1 | 間葉系幹細胞とは |
2 | 間葉系幹細胞の培養とは |
3 | 自動培養装置 |
4 | 安全性及び品質 |
4.1 | 培養過程における腫瘍化等の形質転換 |
(1) | p53(テロメア・p53経路) |
(2) | p16/RB経路 |
(3) | ゲノムレベルでの変異の検証 |
4.2 | 分化形質の検証 |
4.3 | 表面マーカーによる検証 |
4.4 | 感 染 |
5 | 間葉系幹細胞の供給源 |
5.1 | 骨 髄 |
5.2 | 臍帯血 |
5.3 | 胎 盤 |
5.4 | 月経血 |
5.5 | 子宮内膜 |
5.6 | 胎児由来の心筋と線維芽細胞 |
5.7 | 真皮由来の間葉系細胞 |
5.8 | 脂肪細胞 |
5.9 | 末梢血 |
5.10 | 細胞バンクに寄託されている間葉系幹細胞 |
6 | 有効性の検証 |
|
第2章 | 遺伝子治療用医薬品等の品質・安全性確保 |
|
概 論 | 遺伝子治療用医薬品の品質、安全性等の確保(早川堯夫/前田大輔/水口裕之) |
1 | 遺伝子治療用医薬品の品質および安全性の確保に関する指針の概要 |
2 | 指針における用語の定義 |
3 | 遺伝子治療用医薬品の製造方法の明確化とその妥当性の検証、一定性の維持 |
3.1 | ウイルスベクターを用いて遺伝子を導入する場合 |
3.2 | 非ウイルスベクターを用いて遺伝子を導入する場合 |
3.3 | 直接DNAまたはRNAを導入する場合 |
3.4 | ex vivo 法およびin vivo 法による投与を行う場合の留意事項 |
4 | 規格および試験方法ならびに製剤設計 |
5 | 遺伝子治療用医薬品の安定性 |
6 | 遺伝子治療用医薬品の非臨床安全性試験 |
7 | 遺伝子治療用医薬品の効力を裏付ける試験、体内動態等 |
8 | 非臨床試験結果等の総括および遺伝子治療臨床試験 |
9 | 遺伝子治療用医薬品製造施設および設備 |
10 | その他:指針の製造業者にとっての利用の仕方、遺伝子治療用医薬品の品質、安全性確保を図る上での報告義務 |
11 | 遺伝子治療用医薬品の実用化と一層の進展に向けての課題 |
|
第1節 | アデノウイルスベクター(水口裕之/早川堯夫) |
はじめに |
1 | アデノウイルスの性質と構造 |
2 | アデノウイルスベクターの特徴 |
3 | アデノウイルスベクターの作製法 |
4 | アデノウイルスベクターの品質・安全性上の課題と次世代ベクターの開発 |
4.1 | 増殖性ウイルス(RCA) |
4.2 | アデノウイルスベクター投与に伴う免疫反応と次世代ベクターの開発 |
(1) | Guttedアデノウイルスベクター |
(2) | カプシド改変アデノウイルスベクター |
(3) | 他の血清型由来のアデノウイルスベクター |
おわりに |
|
第2節 | レトロウイルスベクター (島田隆) |
1 | はじめに |
2 | 野生型レトロウイルス |
2.1 | レトロウイルスの構造 |
2.2 | レトロウイルスの生活環 |
3 | レトロウイルスベクター |
3.1 | 組み換えレトロウイルスの作製 |
3.2 | レトロウイルスベクターのゲノム構造 |
3.3 | パッケージング細胞 |
3.4 | エンベロープ |
3.5 | レトロウイルスベクターの特徴 |
4 | レトロウイルスベクターによる遺伝子治療 |
4.1 | ex vivo 遺伝治療 |
4.2 | in vivo 遺伝子治療 |
4.3 | 造血幹細胞遺伝子治療 |
5 | レトロウイルスベクターの安全性 |
5.1 | 増殖性レトロウイルス(RCR) |
5.2 | RCR検出テスト |
5.3 | 挿入変異 |
5.4 | X-SCID患者の白血病 |
5.5 | レトロウイルスベクターの挿入部位 |
5.6 | レトロウイルスベクターの安全性の評価 |
6 | レトロウイルスベクターの改良 |
7 | おわりに |
|
第3節 | アデノ随伴ウイルスベクター (小澤敬也) |
1 | はじめに |
2 | アデノ随伴ウイルス(AAV)の特徴 |
3 | AAVベクターの開発と応用 |
3.1 | ベクター作製法 |
3.2 | 遺伝子導入用ベクターとしての特徴 |
3.3 | 遺伝子治療臨床研究への応用 |
4 | 品質・安全性の問題 |
4.1 | AAVベクターの作製法について |
4.2 | AAVベクターの体内投与について |
|
第4節 | レンチウイルスベクター(三好浩之) |
はじめに |
1 | レンチウイルス |
1.1 | ゲノム構造とウイルス粒子 |
1.2 | 生活環 |
2 | レンチウイルスベクター |
2.1 | HIV-1レンチウイルスベクター |
2.2 | パッケージングプラスミド |
2.3 | エンベローププラスミド |
2.4 | ベクタープラスミド |
2.5 | レンチウイルスベクターの調製 |
3 | レンチウイルスベクターの安全性 |
3.1 | 増殖性レンチウイルス(RCL) |
3.2 | WPREの安全性 |
3.3 | 挿入変異による癌遺伝子の活性化 |
4 | 遺伝子治療臨床試験 |
おわりに |
|
第5節 | 制限増殖型ウイルス(浦田泰生) |
1 | はじめに |
2 | 制限増殖型ウイルスの開発動向 |
3 | 制限増殖型ウイルスの品質、安全性評価 |
4 | 制限増殖型ウイルスの品質試験における今後の問題点 |
5 | おわりに |
|
第6節 | 非ウイルスベクター(中島俊洋/長澤鉄二/和田博) |
1 | 非ウイルスベクターの安全性 |
1.1 | ウイルス性ベクターによる副作用 |
1.2 | 非ウイルスベクターの課題 |
2 | HVJをベースとした非ウイルスベクターの開発 |
2.1 | HVJによるデリバリーシステムの開発経緯 |
2.2 | HVJ-リポソームの開発 |
2.3 | HVJ-エンベロープベクターの開発 |
2.4 | HVJ-エンベロープベクターの特徴 |
2.5 | HVJ-エンベロープベクターの臨床応用 |
3 | HVJ-エンベロープベクターの非臨床安全性試験 |
3.1 | 臨床試験に移行するまでに検討しておくべきこと |
3.2 | 単回、静脈内投与、マウス |
3.3 | 単回、鼻腔内投与、マウス |
3.4 | 反復、皮内投与、マウス |
3.5 | 単回、静脈内投与、サル |
3.6 | 反復、筋肉内投与、サル |
3.7 | 非臨床安全性試験のまとめ |
4 | HVJ-エンベロープベクターの製造技術 |
4.1 | 製造技術の概要 |
4.2 | 製造用材料(マスターバンク)の整備 |
4.3 | バイオリアクターシステムによる製造 |
4.4 | カラムクロマトグラフィー法による精製 |
4.5 | 凍結乾燥法による製剤化 |
4.6 | HVJ-エンベロープベクターの製造設備 |
5 | 今後の課題 |
|
第7節 | 核酸医薬品の品質・安全性評価(小澤健夫) |
1 | はじめに |
2 | siRNA医薬品 |
2.1 | RNAiの分子機構 |
2.2 | RNAiによる遺伝子発現抑制 |
2.3 | siRNAの配列選択 |
2.4 | 医薬品としての siRNA |
2.5 | siRNAの化学修飾およびデリバリーシステム |
2.6 | siRNAの安全性 |
2.7 | siRNAの合成コスト |
2.8 | siRNAの特許 |
3 | その他の核酸医薬品 |
3.1 | アンチセンス医薬品 |
(1) | アンチセンス医薬品の遺伝子発現抑制 |
(2) | アンチセンス医薬品の臨床応用 |
3.2 | アプタマー医薬品 アプタマー医薬品の分子機能 |
3.3 | リボザイム医薬品 リボザイムの分子機能 |
3.4 | デコイオリゴ医薬品 |
4 | 核酸医薬の研究開発動向 |
4.1 | siRNA医薬品 |
(1) | 米国における開発状況 |
(2) | 日本における開発状況 |
4.2 | アンチセンス医薬品 |
4.3 | アプタマー医薬品 |
4.4 | リボザイム医薬品 |
4.5 | デコイオリゴ医薬品 |
5 | 核酸医薬品開発における薬事規制から見た品質・安全性面の課題 |
6 | 核酸医薬品への期待 |
|
第3章 | トランスジェニック生物由来医薬品の品質・安全性の確保 |
|
第1節 | 動物由来細胞の品質・安全性等の確保(國田智) |
1 | トランスジェニック動物の医学領域での利用 |
2 | 異種移植の研究開発動向 |
3 | 異種移植に用いるトランスジェニックブタの作出 |
3.1 | 異種移植用トランスジェニックブタに求められる品質 |
3.2 | 異種移植用トランスジェニックブタの生産方式 |
4 | トランスジェニック動物由来の細胞・組織・臓器の品質および安全性の確保: 導入遺伝子の面から |
4.1 | 初代トランスジェニックブタの作出方法 |
4.2 | 初代トランスジェニックブタの解析 |
4.3 | 導入遺伝子の安定性確認 |
4.4 | 個体ごとの品質管理 |
4.5 | ドナー個体の品質管理 |
5 | トランスジェニックブタを用いた異種移植の感染症関連リスク |
5.1 | 既知のブタ由来人獣共通感染症病原体およびブタの健康状態に危害をもたらす病原体 |
5.2 | ブタ内在性レトロウイルス |
5.3 | トランスジェニックブタに導入したヒトタンパクがウイルスレセプターとして働く危険性 |
5.4 | 未知のブタ由来病原体 |
5.5 | プリオン |
6 | トランスジェニック動物由来の細胞・組織・臓器の品質および安全性の確保:微生物学的観点から |
6.1 | ドナー動物の由来についての情報 |
6.2 | 微生物コントロールされた動物飼育施設 |
6.3 | 飼育管理の標準操作手順書と記録 |
6.4 | 微生物検査項目と検査方法の設定 |
6.5 | 生産コロニーにおける健康管理と微生物モニタリング |
6.6 | ドナー動物の隔離と微生物検査 |
6.7 | 移植用細胞・組織・臓器の微生物検査 |
6.8 | ドナーに関する記録の保管とサンプルの保存 |
|
第2節 | 動物を用いた医薬品の現状と品質・安全性の確保(上田正次) |
1 | 動物を用いた医薬品の現状 |
1.1 | トランスジェニック動物を用いた医薬品開発の歴史と特色 |
(1) | 技術開発の歴史 |
(2) | 動物工場技術の特色 |
(3) | 商業開発の状況 |
(4) | 技術課題と今後の展望 |
2 | 生産用トランスジェニック動物の品質・安全性の評価 |
2.1 | 動物工場技術を利用した医薬品生産に係わるガイドライン |
2.2 | 欧米のガイドラインの概要 |
(1) | トランスジェニック家畜の作製 |
(2) | トランスジェニック家畜のバンキングと繁殖システム |
(3) | 家畜の飼育と生産物の管理 |
3 | トランスジェニック動物を用いて生産される医薬品の品質 |
3.1 | 動物工場で生産される医薬品の品質特性 |
3.2 | プロセッシング |
3.3 | アミノ酸残基の修飾 |
3.4 | 糖付加 |
3.5 | サブユニット構造 |
3.6 | その他 |
|
第3節 | 植物を用いた医薬品の現状と品質・安全性の確保(石井明子/鈴木琢雄/川西徹/山口照英/早川堯夫) |
はじめに |
1 | 組換え植物を用いたタンパク質生産技術 |
1.1 | 組換え植物を用いたタンパク質生産の特色 |
1.2 | 組換え植物を用いたタンパク質生産の歴史 |
1.3 | 組換え植物を用いたタンパク質生産技術の概要 |
(1) | 宿主植物の選択 |
(2) | 遺伝子導入法 |
(3) | タンパク質発現の制御(発現量・発現時期・発現部位・細胞内局在) |
(4) | 精製法 |
(5) | 今後の課題 |
2 | 医薬品開発への応用 CaroRx™ Merispase® 内因子intrinsic factor インターフェロンα ラクトフェリン 経口ワクチン 一過性発現系の利用 ヒトの医薬品以外 |
3 | 組換え植物を用いて生産されたタンパク質の品質・安全性確保 |
3.1 | 組換え植物を利用したタンパク質性医薬品製造に関するガイドライン |
3.2 | 品質・安全性確保のための課題 |
(1) | 製造方法関連事項 |
(2) | 特性解析 |
1) | 目的タンパク質を精製して用いる場合 <糖鎖構造> <不純物> <混入汚染物質> |
2) | 可食植物に発現させたタンパク質を精製せずに経口摂取させる場合 |
(3) | その他の課題 |
1) | 環境への配慮:封じ込め |
2) | 食用農作物への混入防止および種子レベルでの混入防止 |
おわりに |
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<参考資料> ヒト細胞・組織・ゲノム遺伝子の取り扱いに関する 倫理的配慮について(松村外志張) |
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要 旨 1. はじめに 2. 法律ならびに指針に見える諸原則 3. 原則の明らかでない論点 4. 今後への期待 |
1 | はじめに |
2 | 一般常識 |
2.1 | 法 律 |
2.2 | 条 例 |
2.3 | 政 令 |
2.4 | 指 針 |
2.5 | 委員会 |
2.6 | 公開自主規範 |
3 | 法律ならびに指針に見える諸原則 |
3.1 | 生体を傷つけることは傷害罪の構成要件となるとする原則 |
3.2 | 死体を傷つけることは死体損壊罪の構成要件となるとする原則 |
3.3 | ヒト胚を研究等の対象とすることついて、条件を満した場合にはこれを許容するとする原則 |
3.4 | 個人情報の提供にあたっては、限定目的に対する本人同意を原則とし、提供者は提供した個人情報について一定の権利を保有するとする原則 |
3.5 | 提供者あるいは被験者の自律性を尊重する原則 |
3.6 | 仁恵原則 |
3.7 | 正義の原則 |
3.8 | 人体組織等の提供は無償とする原則 |
3.9 | 研究によって生ずる付加価値や知的所有権は発明者に属し、人体組織等の提供者に属さないとする原則 |
3.10 | 個人情報に配慮した上で、人体組織等の組織バンク等からの二次的な提供を認める(したがって包括同意を認める)とする原則 |
3.11 | 人体組織等を取り扱う機関においては諮問機関として倫理審査委員会を設置し、事業等の計画の事前審査を受けるとする原則 |
4 | 原則が明らかでない論点 |
4.1 | ICはなにを意味するのか |
4.2 | 行政府発信の指針にはどのような拘束力があるのか |
4.3 | 倫理審査委員会ならびに委員はどのような責任性があるのか |
4.4 | 死体に由来する人体組織等の取り扱いが許される基本原則はどのようなものか |
4.5 | 人体組織等の産業利用を含め、人体組織等の一般的な利用はどのような条件、範囲で許されるのか |
4.6 | 本人の医療以外の目的での提供者あるいは被験者に損害が生じたとき、いかに補償されるのか |
4.7 | 人体組織等の取り扱いにおける医療と研究との関係はいかにあるべきか |
5 | 今後への期待 |
5.1 | 倫理審査の充実 |
5.2 | 自主ルールの充実 |
5.3 | 人体組織基本法の制定 |
(1) | 人体組織基本法の基本要件 |
(2) | 西欧では何が問題か−筆者の認識 |
(3) | 我が国では何が問題か−筆者の認識 |
(4) | 問題の三分類 |
(5) | 単体問題 |
(6) | 二体問題 |
(7) | 三体問題 |
6 | おわりに |
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参考資料(【要約】、【留意点】など) |
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参考資料 1 関連する法律、省令ならびに法律に基づく指針 |
1-1 | 刑法(M40(1907).4.24最終改正2001(H13).法97,138,153) |
1-2 | 死体解剖保存法(S24(1949).6.10.法律 204) |
1-3 | 臓器の移植に関する法律(1997(H9).7.16.法104) |
1-4 | ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律(クローン技術規制法)(2000(H12).12.6.法律第146号) |
1-5 | 安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(2002(H14).7.31.法96) |
1-6 | 個人情報の保護に関する法律(2002(H14).5.30.法57. 最終改訂2002(H14)7.16.法119) |
1-7 | 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律法律第97号、2003(H15).6.18 |
1-8 | 薬事法(2005(H17).7.31.法96) |
参考資料 2 国会議員からの要望書 |
2-1 | 脳死状態の者等からの組織の摘出の取扱いについて |
参考資料 3 行政当局からの指針、審議会答申、政府委員会の報告書 |
3-1 | 手術等で摘出されたヒト組織を用いた研究開発の在り方について |
3-2 | 細胞バンク事業を通じたヒト組織の移植等への利用のあり方について(案) |
3-3 | ヒト又は動物由来成分を原料として製造される医薬品等の品質及び安全性確保について3(厚生省医薬安全局長通知 医薬発第1314号2000(H12).12.26.) |
3-4 | ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(文部科学省、厚生労働省、経済産業省告示(2001(H13).3.29.2004(H16).12.28全面改正.2005(H17).6.29一部改正) |
3-5 | ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針(2001(H13)文部科学省告示第155号) |
3-6 | 疫学研究に関する倫理指針」文部科学省、厚生労働省(2002(H14).6.17.2004(H16).12.28.全部改正.2005(H17).6.29.一部改正) |
3-7 | 臨床研究に関する指針(厚生労働省(2002(H14).7.30.全部改正2004(H16).12.28.。平成16年厚生労働省告示第459号) |
3-8 | 遺伝子治療臨床研究に関する指針(2002(H14).3.27.2004(H16).12.28. 全部改正.文部科学省・厚生労働省告示第2号) |
3-9 | ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針(2006(H18).7.現在準備中 厚生労働省健康局疾病対策課) |
3-10 | 機関内倫理審査委員会の在り方について(科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会 2002(H14).3.20.) |
3-11 | 個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン(経済産業省2004(H16).10.) |
3-12 | 適正に医学研究を実施するための指針(2006(H18).2)(財)ヒューマンサイエンス振興財団(編集) |
参考資料 4 学協会・団体発信の指針・倫理委員会規則・公開自主規則 |
4-1 | 非医療分野におけるヒト組織・細胞の取り扱いについて(日本組織培養学会倫理問題検討委員会、組織培養研究17:117-171(1998)(全文ネット公表) |
4-2 | 国立小児病院摘出扁桃組織バンク倫理指針(2000(H12)1.28 絵野沢 伸他) |
4-3 | 厚生省細胞バンクにおけるヒト組織・細胞取り扱い倫理問題への取り組み 増井徹他.組織培養研究19:1-15(2000(H12) |
4-4 | (社)バイオ産業情報化コンソーシアム(J-BIC)遺伝子解析に関する倫理指針2002(H14)3.12, 2005(H17).4.1. 全面改正 |
4-5 | ヒト遺伝子検査受託に関する倫理指針(社)日本衛生検査所協会遺伝子検査倫理検討委員会(2001(H13).4.10.) |
4-6 | ヒトES細胞の使用に関する倫理指針(2002(H14).2.20.)、ヒトES細胞研究倫理審査委員会規定(最終改訂2005(H17).7.20.)田辺製薬(株)研究本部 |
4-7 | 遺伝学的検査に関するガイドライン 遺伝医学関連10学会 |
4-8 | ヒト組織を利用する医療行為に関するガイドライン |
4-9 | ヒト由来試料実験倫理規則((独)産業技術総合研究所(2002(H14).10.1.最終改正2002(H14).9.1.) |
4-10 | (株)ジャパンティシューエンジニアリング(J-TEC)倫理基本方針(2004(H16).6.12.最終改訂) |
4-11 | 患者に由来する病理検体の保管・管理・利用に関する日本病理学会倫理委員会の見解(社)日本病理学会理事会・倫理委員会最終改訂2005(H17).4.) |
参考資料 5 調査研究報告書 |
5-1 | 組織細胞工学技術を用いた医療材料・用具の有効性、安全性、品質評価方法に関する研究 中村晃忠.厚生科学研究 H9(1997)年度報告(厚生省図書館) |
5-2 | 臓器移植の社会的資源整備に向けての研究、屍体からの人組織採取・保存・利用に関する取り扱い基準 北村惣一郎 厚生科学研究(1999(H11).11.6.) |
5-3 | 「ヒト組織提供者側意識調査」調査報告書 HSレポート 32.ヒューマンサイエンス財団 2000(H12)3.9 |
5-4 | 臨床試験の予見性を高めるための、ヒト組織を用いた医薬品の安全性・有効性評価法の確立に関する研究 日本製薬工業協会・研究開発委員会(1999(H11).,2000(H12),2001(H13)) |
5-5 | 個人遺伝情報流通ガイドライン策定のための基礎調査(2002(H14).1) |
5-6 | 遺伝子解析研究、再生医療等分野において用いられるヒト由来資料に関する法的倫理的研究−その体系的あり方から適正な実施の制度まで−(厚生労働省ヒトゲノム再生医療等研究事業宇都木伸班)2001(H13)、2002(H14)、2003(H15)総括・分担研究報告書 |
参考資料 6 出版物(単行本ならびに学術雑誌掲載の論文等) |
6-1 | 儒教とは何か(中公新書)加地伸行 中央公論社 1990(H2).10. |
6-2 | 生命医学倫理 T.L.ビーチャム、J.F.チルドレス(永安幸正、立木教夫監訳)成文堂(1997.3.31.) |
6-3 | 公共的な研究用ヒト組織バンク設立のための検討−国立小児病院における摘出ヒト扁桃リンパ組織構築の試み−絵野沢伸、鈴木盛一、雨宮浩、土橋信明、川城信子、宇津木伸、高村政範、松村外志張. 組織培養研究 19:163-183(2000(H12)) |
6-4 | 真正のインフォームドコンセントを求めて 唄孝一 第2回HAB機能研セミナー、「科学と個の尊厳」HAB研究機構(2000(H12)) |
6-5 | ヒト組織・細胞取り扱いに関する倫理的諸問題. 松村外志張、増井徹、宇都木伸 バイオ医薬品の品質・安全性評価(早川尭夫、山崎修道、延原正弘編 エル・アイ・シー(出版) 489-504(2001(H13)) |
6-6 | 医薬研究におけるインフォームドコンセント−我が国ならびに英国での自己決定のあり方−HAB研究機構双書 雨宮浩編(特定非営利活動法人HAB研究機構 出版 2002(H14)) |
6-7 | IRBハンドブック ロバート・J・アムダー編著 栗原千絵子、斉尾武郎著 中山書店 (2003(H15)12.10.) |
6-8 | 生命倫理ハンドブック 生命科学の倫理的、法的、社会的問題 菱山豊著 築地書館(2003(H15)7.15.) |
6-9 | 改正薬事法と研究倫理−中絶胎児研究のリスク・ベネフィット評価− 栗原千絵子、松本佳代子、光石忠敬 薬学雑誌123:91-106(2003(H15)) |
6-10 | バイオテクノロジーのための人体組織・細胞・遺伝子の取り扱い−理念か技術か−松村外志張.バイオサイエンスとインダストリー 61:38-40(2003(H15))人体組織等取扱いについて筆者が提起する単体問題についての分析と考察 |
6-11 | ヒト組織を研究利用するための課題:公共ヒト組織バンクへ組織提供する医療機関としての取り組み.中谷祥子、桜井史穂子、熊井俊夫、武半優子、田中政巳、松本直樹、松井宏晃、中野浩、朝倉武士、野田真一郎、山田恭二、大坪毅人、小林真一.臨床薬理 36:297-302(2005(H17)) |
6-12 | 人体の個人情報 宇都木伸、菅野純夫、米本昌平(編).日本評論社2004(H16)6. |
6-13 | ジュリスト増刊ケーススタディ生命倫理と法 樋口範雄 編著 有斐閣 2004(H16)12.10 |
6-14 | 患者本人の治療以外の目的での人体ならびにその部分を対象とする取り扱いの在り方について−その基本原則たたき台(V1.1)の提案と古典的倫理諸原則との対比− 松村外志張 組織培養研究 23:91-114(2004(H16))(全文日本組織培養学会のウエブサイトから公開). |
6-15 | 臓器移植に思う−直接本人の医療に関わらない人体組織等の取扱いルールのたたき台提案 松村外志張 移植(日本移植学会雑誌) 40:129-142(2005(H17)) |
6-16 | Studies生命・人間・社会 No.9 ヒト組織の研究利用の規制-海外の動向と日本の課題- 井上悠輔、米本昌平 科学技術文明研究所 2006(H18)3 |