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翻訳版 人工光合成
−生物学的基礎から工業技術的応用まで−>

[コードNo.08NTS204]

■体裁/ B5判・366頁
■発行/ 2008年 5月 7日
(株)エヌ・ティー・エス
■定価/ 31,020円(税込価格)


★光を巧みに操る技が、持続可能な社会の構築に貢献する!
★シドニーで開かれたBoden Research Conference(人工光合成に関する国際会議)に学ぶ!
★太陽光発電、水素の生産(水素エネルギー)、高エネルギー炭水化物、対 温室効果ガス技術、等々、
 近未来のエネルギー問題、食糧問題、環境問題に対する解決策を講じるためのヒントが満載!


原著・編者・監訳者

原著:
「Artificial Photosynthesis〜From Basic Biology to Industrial Application〜」
Anthony F.Collings and Christa Critchley (Editor),wiley(2006)
編者:
アンソニーコリングス(CSIRO応用物理研究所)
チュリスタクリッチェレイ(クイーンズランド大学) 豪州
監訳者:
河野智謙(北九州市立大学 国際環境工学部 准教授)

翻訳者一覧(順不同)

河野智謙北九州市立大学 国際環境工学部 准教授
鈴木拓 北九州市立大学 国際環境工学部 准教授
稲葉丈人岩手大学 21世紀COEプログラム 准教授
大河浩 弘前大学 農学生命科学部 准教授
福島康裕台湾國立成功大學 環境工程學系 助理教授
陽川憲 北九州市立大学 大学院国際環境工学研究科
角野貴志日本学術振興会 特別研究員/九州大学 農学研究院植物資源科学部門
蔭西知子北九州市立大学 国際環境工学部 特任研究員

詳細目次

第1部 本書の目指すもの

第1章人工光合成:社会的・政治的諸問題
1.1 はじめに
1.2 人工光合成への移行の必要性
1.3 関連する社会的・政治的諸問題
1.4 利用可能なフォトンの使用:持続可能な科学に向けて
1.5 まとめ
第2章統合された人工光合成モデル
2.1 はじめに
2.2 天然の光合成
2.3 人工光合成:統合された戦略
2.4 光合成に向けての技術的なアプローチ
2.5 プログラム1:生物模倣による光電発電
2.5.1 高変換効率と高電圧出力を伴った新規の有機光発電技術による国有送電線網への電力の供給
2.5.2 達成すべき課題(マイルストーン)
2.6 プログラム2:電気分解による水素
2.6.1 天然の酵素活性中心をモデルとして開発した電極を活用する、電力による効率的な水素発生に関する新規戦略
2.6.2 達成すべき課題(マイルストーン)
2.7 プログラム3および4:水を使わない農業
2.7.1 プログラム3:生物エネルギー変換装置
2.7.1.1達成すべき課題(マイルストーン)
2.7.2 プログラム4:CO2固定酵素リアクター
2.7.2.1プログラム3からの生化学的物質供給を利用したCO2固定のための人工酵素リアクター
2.7.2.2達成すべき課題(マイルストーン)
2.8 結論
第2部 太陽光を捉える

第3章光電池のため広帯域でのフォトン捕捉を担う生体分子
3.1 はじめに
3.2 光電気化学的なグレッチェル・セル(Gratzel cell、色素増感型太陽電池)
3.3 DSSCの典型的な構成要素と性能
3.3.1操作の構成と様式
3.3.2典型的なDSSCの能力
3.3.3装置の限界
3.4 DSSCのブロードバンド増感体としてのメラニン
3.4.1メラニンの基礎
3.4.2メラニンの化学的、構造的、分光学的特性
3.4.3メラニンの電気的、光伝導性の特性
3.4.4ブロードバンド光集積システムとしてのメラニン
3.4.5合成ユーメラニンを基礎としたDSSC
3.5 まとめ
第4章天然光合成アンテナシステムのデザイン
4.1 はじめに
4.2 限られた分子形態:弱い共役から強い共役とその間のすべて
4.2.1伝統的Förster理論:B800からB800へのバンド内エネルギー移動
4.2.2一般化Förster理論:B800からB850へのエネルギー移動
4.2.3遷移密度キューブ(TCD)法を併せた一般化Förster理論:カロテノイドからBChlへの色素間エネルギー移動
4.2.4改良型Redfield理論:B850バンド内励起子ダイナミクス
4.3 集光性複合体内でのエネルギー的無秩序
4.3.1単離複合体から膜へ:LH2における無秩序性
4.3.2光化学系T
4.4 バクテリア反応中心における光化学と光防御
4.5 光合成における集光の制御
4.6 結論
第5章低温光学分光法による光化学系Uにおける酸化還元活性型発色団の同定
5.1 はじめに
5.2 実験方法
5.2.1サンプル調整
5.2.2照射
5.2.3スペクトル
5.3 結果と考察
5.3.1吸収スペクトルとCDスペクトル特性:植物PSUコアとBBY
5.3.2吸収スペクトルとCDスペクトル特性:植物とシアノバクテリアPSUコア
5.3.3吸収スペクトル特徴:天然および可溶化した反応中心
5.3.4MCD特性:P680とChlZ
5.3.5エレクトロクロミック特性:活性PSUのPheoD1
5.4 結論
5.4.1低温での精密偏光分光法
5.4.2P680とChlZ特性
5.4.3PheoD1のエレクトロクロミズム特性
5.4.4P680と生物模倣システムにおけるカップリングと強さ
第6章光合成初期電荷分離により生成するスペシャルペアラジカルカチオンの性質
6.1 はじめに
6.2 スペシャルペア
6.3 正孔輸送バンド
6.4 正孔輸送バンドの初期の研究
6.5 SHOMOからHOMOバンドまでの同定
6.6 全バンドにかかわる全スペクトルシミュレーション
6.7 スペクトル分析に基づいて予想される化学的特性
6.8 まとめ
第7章タンパク質をベースとした人工光合成反応中心
7.1 はじめに
7.2 天然反応中心
7.2.1 構造と機能
7.2.2 電荷分離状態の創出
7.2.3 変異体の研究
7.3 合成反応中心と半合成反応中心
7.3.1 重層フィルム
7.3.2 合成反応中心
7.3.2.1電子受容体
7.3.2.2電子供与体
7.3.2.3光触媒作用:光活性ペプチド
7.4 展望
第8章発色団間の連結およびスペーシングのための新規幾何学でのポリノルボルナン系足場の開発
8.1 はじめに
8.2 結果と考察
8.2.1非対称性タイプVダイアッド分子を形成するためのカルボニル基での反応
8.2.2フレーム拡張ダイアッド
8.3 予備的結果
8.3.1ダイアッド合成でのマルチカルボニル試薬の利用
8.4 結論
8.5 ダイアッドの命名法
追補実験について
第3部 太陽光で送電線を満たす

第9章シリコン型太陽電池での高効率発電
9.1 はじめに
9.2 シリコンウエーハ法
9.3 薄膜法
9.4 第三世代の技術
9.5 結論
第10章バクテリア光合成の模倣
10.1 はじめに
10.2 自然界における光合成
10.3 人工光合成
10.3.1人工アンテナシステム
10.3.2人工反応中心
10.3.3アンテナ―反応中心複合体
10.3.4膜貫通型のプロトンポンプ
10.3.5ATP合成
10.3.6膜貫通型カルシウム輸送
10.4 結論
第4部 光水素発生

第11章光水素発生のための藻類システムの開発:ヒドロゲナーゼの酸素感受性問題への取り組み
11.1 はじめに
11.2 硫黄欠乏と光水素発生
11.2.1背景
11.2.2硫黄欠乏細胞における異なる代謝経路間の相互作用モデル
11.2.3モデルの検証
11.2.4硫黄欠乏時の光水素発生の制限因子
11.2.5制御機構
11.3 藻類のヒドロゲナーゼの分子エンジニアリング
11.3.1藻類のヒドロゲナーゼと水素発生
11.3.2二つのC. reinhardtii由来[Fe―Fe]ヒドロゲナーゼの単離と配列決定
11.3.3二つのC. reinhardtiiヒドロゲナーゼの嫌気的発現
11.3.4酸素によるヒドロゲナーゼ活性の阻害と酸素耐性の向上を目指した分子エンジニアリング
第12章光合成と水素生産の増進を目指した緑藻のバイオエンジニアリング
12.1 はじめに
12.2 理論的根拠と研究アプローチ
12.3 緑藻におけるクロロフィルアンテナサイズの生理的状態
12.4 緑藻におけるクロロフィルアンテナサイズの遺伝学的制御機構
12.5 光合成クロロフィルアンテナサイズに対する色素関連変異の影響
12.6 光合成クロロフィルアンテナサイズを制御する遺伝子
12.7 まとめ
第5部 炭素の連鎖

第13章高等植物の葉緑体におけるリブロース1,5―ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼの操作
13.1 はじめに
13.2 なぜ植物のRubiscoの操作なのか
13.2.1現在は、高等植物の遺伝学的操作が実行可能である
13.2.2生理学的な意味合いにおけるRubisco「生息地」の「生態学」研究の利点
13.2.3ゲノム―フェノム(phenome)間の相互作用に関する説得力のある事例
13.2.4光合成の資源利用効率の改良
13.3 Rubiscoの高い効率に貢献する要因は何か
13.3.1反応速度に関する重要な要素
13.3.2Rubisco効率の生理学的結末
13.3.3制御的な性質
13.3.4Rubisco効率の進歩
13.4 より良いRubiscoの見つけ方
13.4.1自然界から見つける?
13.4.2合理的な設計によって見つける?
13.4.3in vitroでの進化
13.5 植物においてどのようにRubiscoを操作するのか
13.5.1核の形質転換
13.5.2プラスチドの形質転換
13.6 私たちはこれまでに何を学んだか
13.6.1核ゲノムとプラスチドゲノムは、共にrbcLとRbcS遺伝子の両方を発現できる
13.6.2光合成と生長は外来のRubiscoにより維持することが可能である
13.6.3変異あるいは外来のRubiscoの性質は、葉のガス交換の性質に反映される
13.6.4赤型、FormTRubiscoのサブユニットのフォールディングと組織化で要求されることは、葉緑体では適応できない
13.6.5rbcLの指向性変異発生のために適した戦略
13.6.6サブユニットの混成はin vivoで形成される
13.7 in vivoにおける将来のRubisco操作の優先度
13.7.1効率的な特性の構造的基礎
13.7.2Rubisco遺伝子発現の制御
13.7.3Rubiscoサブユニットのフォールディングと組織化
13.8 まとめ
第14章コンピュータシミュレーションを用いた光合成酵素Rubiscoの化学における非効率性の解明
14.1 はじめに
14.1.1 触媒の非能率性
14.1.2 進化的における制約
14.1.3 実験における制約
14.1.4 シミュレーションの目標
14.1.5 シミュレーションにおける選択肢
14.2 計算方法
14.2.1 計算プログラム
14.2.2 酵素モデル
14.2.3 活性部位複合体
14.2.4 QM/MMシミュレーション
14.3 結果と議論
14.3.1 断片複合体の計算
14.3.1.1エノール化段階
14.3.1.2カルボキシル化段階
14.3.1.3水和段階
14.3.1.4CO2とH2Oの逐次付加
14.3.1.5gem―ジオールの選択的配座
14.3.1.6C2―C3結合開裂:経路T
14.3.1.7C2―C3結合開裂:経路U
14.3.1.8C2のプロトン化
14.3.1.9生成物の分離
14.3.2 主要成果の概要
14.3.3 QM/MM+MD計算
14.3.3.1CO2付加:カルボン酸への初期 vs 後期プロトン化
14.3.3.2β―ケト酸の水和反応
14.3.3.3His294は中間物を脱炭酸反応から保護する
14.3.3.4堅固に結合した活性部位環境
14.4 結論
第15章人工光合成における炭素を基礎とした最終生成物
15.1 はじめに
15.2 植物の葉緑体における光合成の最終生成物は何か
15.3 最終生成物の合成は、光合成を制限するか
15.4 理想的な光合成の最終炭素生成物とは
第16章人工光合成システム:工学的方法
16.1 はじめに
16.2 人工光合成システムに向けての工学的取り組み
16.3 工学的な取り組みの要素
16.3.1 経済的価値
16.3.2 天然の光合成システムの限界
16.3.2.1天然光合成システムの速度
16.3.2.2天然光合成システムのエネルギー効率
16.3.2.3天然光合成システムにおける水の要求
16.3.2.4天然光合成システムにおける土地利用
16.3.3 実用規模
16.3.4 機能上の特性
16.4 システム構想における各要素
16.5 シアノバクテリア
16.6 光バイオリアクター
16.7 理論
16.8 結果
16.9 まとめ
第17章対温室効果ガス技術:炭素量削減のための道筋
17.1 はじめに
17.2 CO2の回収
17.3 CO2の貯留
17.4 オーストラリアのイニシアチブ:回収技術と貯留技術
17.5 まとめ



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