先端技術における新しい概念として生み出された「ナノテクノロジー」は、今では広く普及し、誰もが知りうるキーワードになりました。先端的な技術を用いて小さい機械やデバイスを作ることの有用性や社会貢献は、固定電話と携帯電話の機能を比べれば一目瞭然です。事実、我々はいつどこにいても誰とでもすぐに連絡をつけられるようになっています。このような技術がさら進展し、10億分の1メートルであるナノメートルの精度で基本構造を作って、組み立てられた機械が作られるようになると、人間が機械に縛られる時代から人間が機械を自由に持ち運べる時代が来ます。それは、人口集中、エネルギー枯渇、環境汚染などを解決する大きな手段となるはずです。
さて、「ナノ・・・」の効用は機械が小さくなるという表面的な便利さだけにとどまるのでしょうか?それが大きな誤りであることを科学者・技術者は知っているのです。ナノテクノロジーの影には、まだまだ使いきれていないビッグサイエンスがあるのです。例えば、半導体のような物質の大きさがナノメートルレベルで制御されると、量子効果などの大きな物質では考えられないような性質が表れることはよく知られています。それと同じような考え方は、有機分子や生体分子にも、その性質の表れ方は大きく違いますが、適用することができます。無機物質も有機物質も、自由に振舞うことができる空間から、制限された空間や大きさに閉じ込められると、我々が普段接している大きな物質(バルクの物質)には見られないような“未知の”性質が発揮されるのです。分子は特定の配向のみが可能になり、情報や電子・光の伝わり方、相互作用や化学反応性が劇的に変わります。そのような空間内では、外部からの外乱を排除することができ、有用な特性を守ることもできます。つまり、制限空間に物質を閉じ込めることにより、物質の持つ潜在的な性質、見えてこなかった特性を取り出すことができるのです。このような制限空間、特にナノメートルサイズのナノ空間における科学には、まだまだ大きな可能性が残されているのです。
ナノ空間における未知の科学を解明しそこから生まれる新しい技術を開発するためには、そのナノ空間を作る、つまり決められたサイズ・形・次元のナノ空間を構築する技術が必須です。また、科学現象を有用な技術に昇華させるためには、ナノ空間の材料化とそこにおける機能の開拓が必要になるのです。その目的にかなうナノ空間材料は最先端のサイエンスとテクノロジーを橋渡しする夢の材料となるでしょう。本書では、ナノ空間材料を作製するための基本技術から、エレクトロニクス・フォトニクス、バイオ・医療、エネルギー・環境といった広範な分野への応用のチャレンジを、気鋭の執筆陣でまとめ上げました。ナノ空間材料は夢の材料です。しかしながら、本書では、その夢だけではなく、ナノ空間材料の有用性のリアリティーをも、皆さんに紹介することをお約束いたします。
2009年11月
物質・材料研究機構 世界トップレベル研究プログラム 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 有賀克彦
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北川進 | 京都大学 物質-細胞統合システム拠点 副拠点長;京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 教授 |
藤内謙光 | 大阪大学 大学院工学研究科 生命先端工学専攻 准教授 |
山本淳志 | 大阪大学 大学院工学研究科 生命先端工学専攻 博士前期課程 |
久木一朗 | 大阪大学 大学院工学研究科 生命先端工学専攻 助教 |
宮田幹二 | 大阪大学 大学院工学研究科 生命先端工学専攻 教授 |
伊藤香織 | 東京工業大学 資源化学研究所 集積分子工学部門 助教 |
田代健太郎 | (独)物質・材料研究機構 ナノ有機センター ネットワーク錯体グループ 主幹研究員 |
樋口昌芳 | (独)物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 独立研究者;機能材料化学グループ グループリーダー |
山内悠輔 | (独)物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 独立研究者 |
有賀克彦 | (独)物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 主任研究者 |
Ajayan Vinu | (独)物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 独立研究者 |
植村卓史 | 京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 助教 |
渡辺芳人 | 名古屋大学 物質科学国際研究センター 物質理学専攻 教授/副総長 |
安部聡 | 京都大学 物質-細胞統合システム拠点 研究員 |
上野隆史 | 京都大学 物質-細胞統合システム拠点 准教授 |
陣内浩司 | 京都工芸繊維大学 生命物質科学域 高分子機能工学部門 准教授;東北大学 原子分子材料高等研究機構 連携教授 |
加納博文 | 千葉大学 大学院理学研究科 化学コース 教授 |
野末泰夫 | 大阪大学 大学院理学研究科 物理学専攻 教授 |
西原寛 | 東京大学 大学院理学系研究科 化学専攻 教授 |
西森慶彦 | 東京大学 大学院理学系研究科 化学専攻 博士課程 |
横山士吉 | 九州大学 先導物質化学研究所 先端素子材料部門 教授 |
大越慎一 | 東京大学 大学院理学系研究科 化学専攻 教授 |
所裕子 | 東京大学 大学院理学系研究科;(独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 さきがけ研究員 |
西山憲和 | 大阪大学 大学院基礎工学研究科 物質創成専攻 准教授 |
白鳥世明 | 慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科 准教授 |
菊地和也 | 大阪大学 大学院工学研究科 生命先端工学専攻 教授 |
水上進 | 大阪大学 大学院工学研究科 生命先端工学専攻 准教授 |
川上亘作 | (独)物質・材料研究機構 生体材料センター 生体材料システム化グループ 主幹研究員 |
陳国平 | (独)物質・材料研究機構 生体材料センター 高分子生体材料グループ グループリーダー |
川添直輝 | (独)物質・材料研究機構 生体材料センター 高分子生体材料グループ |
松元亮 | 東京大学 大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻/ナノバイオ・インテグレーション研究拠点;(独)科学技術振興機構 CREST研究員 |
宮原裕二 | (独)物質・材料研究機構 生体材料センターセンター長/国際ナノアーキテクトニクス研究拠点;東京大学 ナノバイオ・インテグレーション研究拠点;(独)科学技術振興機構 CREST研究代表者 |
竹内俊文 | 神戸大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 |
大谷亨 | 神戸大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 准教授 |
吉川千晶 | (独)物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 独立研究者 |
小林尚俊 | (独)物質・材料研究機構 生体材料センター グループリーダー |
中西淳 | (独)物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 独立研究者 |
唯美津木 | 自然科学研究機構 分子科学研究所 物質分子科学研究領域 電子構造研究部門/分子スケールナノサイエンスセンター 准教授;総合研究大学院大学 物理科学研究科 准教授 |
松方正彦 | 早稲田大学 理工学術院 先進理工学研究科 応用化学専攻 教授 |
小倉賢 | 東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門 准教授 |
鈴木義和 | 京都大学 エネルギー理工学研究所 助教 |
小林浩和 | 九州大学 大学院理学研究院 化学部門 特任助教 |
山内美穂 | 北海道大学 触媒化学研究センター 集合機能化学研究部門 准教授 |
北川宏 | 京都大学 大学院理学研究科 化学専攻 教授;九州大学 大学院理学研究院 化学部門 招聘教授 |
中西尚志 | (独)物質・材料研究機構 ナノ有機センター 高分子グループ 主任研究員;マックスプランク研究所 コロイド界面部門 MPI-NIMS国際連携ラボラトリー;(独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 さきがけ研究員 |
藪浩 | 東北大学 多元物質科学研究所 助教;(独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 さきがけ研究員 |
早瀬修二 | 九州工業大学 大学院生命体工学研究科 生体機能専攻 教授 |
森利之 | (独)物質・材料研究機構 燃料電池材料センター 副センター長 |
吉武英昭 | 横浜国立大学 大学院工学研究院 機能の創生部門 准教授 |
小倉賢 | 東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門 准教授 |
岩本正和 | 東京工業大学 フロンティア研究センター/資源化学研究所 有機資源部門 教授 |
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第1章 | ナノ空間の創製と応用−総論(北川進) |
1 | 序 |
2 | 役立つ喜び |
3 | 閉じたナノ空間の化学 |
4 | 高効率機能を生みだす開放空間 |
5 | 発見と驚き、そして新しい展開 |
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第2章 | ナノ空間材料の創製 |
1 | 有機分子集合体空間(藤内謙光、山本淳志、久木一朗、宮田幹二) |
1.1 | 分子集合体と格子型包接現象 |
1.2 | ビスフェニルジスルホン酸アミン塩が形成する包接ナノ空間 |
1.3 | ビスフェニルジスルホン酸アミン塩の光電材料への応用 |
1.4 | アントラセンジスルホン酸アミン塩が形成する包接ナノ空間の応用 |
1.5 | おわりに |
2 | 高分子ミクロ相分離構造によるナノ空間の創製(伊藤香織) |
2.1 | はじめに |
2.2 | ブロックコポリマーのミクロ相分離構造 |
2.3 | ミクロ相分離構造によるナノ空間構築と物性 |
2.4 | ブロックコポリマーテンプレート |
2.5 | まとめ |
3 | パイ電子空間(田代健太郎) |
3.1 | パイ電子空間の構成要素 |
3.1.1 | ナノカーボン |
3.1.2 | パイ電子化合物/金属錯体ネットワーク |
3.1.3 | 共有結合性パイ電子化合物 |
3.2 | パイ電子空間の特徴的な機能 |
3.2.1 | 光活性化 |
3.2.2 | D-A相互作用を用いたセンシング |
3.2.3 | フラーレン分離材料 |
3.3 | 今後の展望 |
4 | デンドリマー空間(樋口昌芳) |
4.1 | デンドリマーの合成法 |
4.2 | デンドリマーの医療応用 |
4.3 | メタロデンドリマー |
4.4 | 金属クラスター内包デンドリマー |
4.5 | おわりに |
5 | メソ多孔空間(山内悠輔) |
5.1 | はじめに |
5.2 | 分子鋳型で作るメソ多孔体 |
5.3 | メソ多孔体の形態制御 |
5.3.1 | 薄膜 |
5.3.2 | 薄膜中のメソ細孔の配向制御 |
5.3.3 | 微粒子 |
5.4 | 新しいメソ多孔体〜メソポーラス金属〜 |
5.5 | おわりに |
6 | カーボンナノ空間(有賀克彦、Ajayan Vinu) |
6.1 | はじめに:カーボンの時代 |
6.2 | 多孔性カーボン |
6.3 | カーボンナノケージによる物質分離 |
6.4 | カーボンナノセンサー |
6.5 | おわりに |
7 | 金属配位空間(植村卓史) |
7.1 | 配位空間とは |
7.2 | 配位空間の特徴 |
7.3 | 貯蔵・分離材料への利用 |
7.4 | ナノ空間反応場 |
7.5 | 低次元物性発現 |
7.6 | 機能性配位空間 |
7.7 | おわりに |
8 | 蛋白質が提供するナノ空間(渡辺芳人、安部聡、上野隆史) |
8.1 | はじめに |
8.2 | 蛋白質空間に導入された金属化合物の構造と機能 |
8.3 | 蛋白質超分子空間の利用した金属化合物の機能化 |
8.4 | おわりに |
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第3章 | ナノ空間の観測・評価 |
1 | ナノ空間の構造評価(陣内浩司) |
1.1 | はじめに |
1.2 | 様々な3次元顕微鏡とそれらの守備範囲 |
1.3 | 共焦点レーザースキャン顕微鏡の高分子系材料への応用例 |
1.4 | 透過型電子線トモグラフィー法の高分子系材料への応用例 |
1.4.1 | ブロック共重合体への応用例 |
1.5 | メゾスケールの3次元顕微鏡法 |
1.6 | 3次元顕微鏡法のこれから |
2 | ナノ空間の計測(加納博文) |
2.1 | はじめに |
2.2 | 気相吸着 |
2.3 | 物理吸着と化学吸着 |
2.4 | 物理吸着 |
2.5 | ミクロ細孔への蒸気吸着 |
2.5.1 | ミクロポアフィリング |
2.6 | メソ細孔への蒸気吸着 |
2.7 | マクロ細孔あるいは平坦表面への蒸気吸着 |
3 | 配列ナノ空間における電子系の物性(野末泰夫) |
3.1 | はじめに |
3.2 | ゼオライト結晶を用いた配列ナノ空間物質の特徴 |
3.3 | ゼオライト中のアルカリ金属クラスター |
3.4 | ゼオライトA中のカリウムクラスター |
3.5 | ゼオライトLSX中のカリウムクラスター |
3.6 | ソーダライト中のアルカリ金属クラスター |
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第4章 | ナノ空間材料のエレクトロニクス・フォトニクスへの応用 |
1 | 電子機能(西原寛、西森慶彦) |
1.1 | はじめに |
1.2 | 電極表面修飾 |
1.3 | 錯体ワイヤ―の界面ボトムアップ作製法 |
1.4 | 錯体ワイヤ―の電子移動特性 |
2 | 光エレクトロニクス機能(横山士吉) |
2.1 | はじめに |
2.2 | 有機・高分子材料の電気光学特性 |
2.3 | NLO色素の飛躍的な性能向上 |
2.4 | 超分子化学による高性能化 |
2.5 | NLOポリマーホスト |
2.6 | 電気光学ポリマーを用いた光スイッチングデバイス |
3 | 磁気機能(大越慎一、所裕子) |
3.1 | はじめに |
3.2 | 光磁性 |
3.3 | 湿度応答型磁性 |
3.4 | 強誘電−強磁性 |
3.5 | 将来展望 |
4 | 低誘電率絶縁膜への応用(西山憲和) |
4.1 | 無機多孔体の層間絶縁膜への応用 |
4.2 | 周期構造メソポーラスシリカ膜の合成 |
4.3 | メソポーラスシリカ薄膜の蒸気合成 |
4.3.1 | 合成手法と構造決定 |
4.3.2 | 疎水化処理と水熱安定性 |
4.3.3 | 機械的強度 |
4.3.4 | 比誘電率測定 |
4.4 | おわりに |
5 | 反射防止材への応用(白鳥世明) |
5.1 | はじめに |
5.2 | 交互吸着法を用いた反射防止膜 |
5.3 | 交互吸着法による光学多層膜と光学特性 |
5.4 | おわりに |
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第5章 | ナノ空間材料のバイオ・医療分野への応用 |
1 | in vivoイメージング用分子バイオセンサ(菊地和也、水上進) |
1.1 | はじめに |
1.2 | 酵素活性をin vivoで検出する19F-MRIプローブの開発4) |
1.2.1 | in vivoイメージング用プローブ開発の意義 |
1.2.2 | 原理開発の着想点 |
1.2.3 | 分子デザインと測定結果 |
1.2.4 | 蛍光および19F MRIで酵素活性を検出する多機能プローブの開発 |
1.3 | おわりに |
2 | ドラッグデリバリーシステム(川上亘作) |
2.1 | はじめに |
2.2 | ミセル |
2.3 | エマルション・マイクロエマルション |
2.4 | リポソーム |
2.5 | 高分子微粒子 |
2.6 | シクロデキストリン |
2.7 | ナノチューブ・ナノホーン |
2.8 | 多孔性担体 |
3 | 細胞機能を制御する多孔質材料(陳国平、川添直輝) |
3.1 | はじめに |
3.2 | 多孔質材料に用いられる素材 |
3.3 | 多孔質材料の作製法 |
3.4 | 多孔質材料の複合化 |
3.5 | 階層構造をもつ多孔質材料 |
3.6 | 被覆型多孔質材料 |
3.7 | 多孔質材料による細胞の機能制御 |
3.8 | 多孔質材料を用いた組織再生 |
3.9 | おわりに |
4 | 半導体技術を応用したバイオデバイス(松元亮、宮原裕二) |
4.1 | はじめに |
4.2 | FETバイオセンサの原理と歴史 |
4.3 | 遺伝子FET |
4.4 | 糖鎖シアル酸定量の意義と現状について |
4.5 | 「シアル酸認識FET」の作製法 |
4.6 | 「シアル酸認識FET」の選択性 |
4.7 | 赤血球表面シアル酸の発現量評価 |
4.8 | バイオデバイスの将来展望 |
5 | 分子インプリンティングのバイオ応用(竹内俊文、大谷亨) |
5.1 | はじめに |
5.2 | N,N’-メチレンビスアクリルアミドを利用したタンパク質インプリントヒドロゲル |
5.3 | 有機―無機ハイブリッド型タンパク質インプリントマテリアル |
5.4 | 固定化テンプレートを利用したタンパク質インプリンティング |
5.5 | エピトープを利用したペプチド・タンパク質インプリンティング |
5.6 | おわりに |
6 | 濃厚ポリマーブラシのバイオ応用(吉川千晶、小林尚俊) |
6.1 | はじめに |
6.2 | 濃厚ポリマーブラシ |
6.3 | 表面開始リビングラジカル重合と濃厚ブラシ |
6.4 | 濃厚ポリマーブラシとタンパクとの相互作用 |
6.4.1 | 濃厚ブラシ表面とタンパクとの相互作用のクロマトグラフィー評価 |
6.4.2 | 濃厚PHEMAブラシへのタンパク吸着 |
6.5 | 濃厚ブラシ表面の細胞接着特性 |
6.6 | おわりに |
7 | 細胞パターニング(中西淳) |
7.1 | はじめに |
7.2 | 細胞パターニングの応用例 |
7.3 | 細胞接着性を制御する化合物 |
7.4 | 汎用的な細胞パターニング技術 |
7.5 | 細胞の動的パターニング技術 |
7.6 | ケージド化合物を利用した光応答性培養基板 |
7.7 | おわりに |
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第6章 | ナノ空間材料の環境・エネルギーへの応用 |
1 | 触媒システム(唯美津木) |
1.1 | はじめに |
1.2 | ベンゼンと酸素からのフェノール直接合成に世界最高の触媒性能を示すゼオライト担持Reクラスター触媒 |
1.3 | 固定化金属錯体の配位子を鋳型分子とした表面モレキュラーインプリンティング触媒 |
2 | 膜分離システム(松方正彦) |
2.1 | はじめに |
2.2 | 大規模エネルギー削減を可能とする技術としての分離膜の可能性 |
2.3 | ミクロ多孔性結晶ゼオライトの分離膜材料としての可能性 |
2.4 | おわりに |
3 | 次世代フィルター(鈴木義和) |
3.1 | はじめに |
3.2 | 多孔体技術マップ |
3.3 | 無機系次世代フィルター材料 |
3.3.1 | 静電紡糸法(Electrospinning)による多孔質膜 |
3.3.2 | セラミックス‐金属ハイブリッド多孔質膜 |
3.4 | 有機・無機ハイブリッド次世代フィルター材料 |
3.5 | 多孔体膜以外を用いるフィルター技術の応用事例 |
3.6 | フィルター周辺分野での最新応用事例 |
3.6.1 | 排ガス浄化フィルターの制御技術革新 |
3.6.2 | 緑化基盤材「グリーンビズ」 |
3.7 | おわりに |
4 | 金属ナノ粒子の水素吸蔵(小林浩和、山内美穂、北川宏) |
4.1 | はじめに |
4.2 | Pdの水素吸蔵特性 |
4.3 | Pd/Ptコアシェル型ナノ粒子の水素吸蔵 |
4.3.1 | 水素吸蔵材料としてのPd/Ptコア・シェル型ナノ粒子 |
4.3.2 | Pdナノ粒子およびPd/Ptコア・シェル型ナノ粒子の作製方法 |
4.3.3 | Pd ナノ粒子およびPd/Ptコア・シェル型ナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真と粒径 |
4.3.4 | Pd/Ptコア・シェル型ナノ粒子の水素吸蔵/放出過程 |
4.4 | 水素処理によるPd/Ptナノ粒子の構造制御 |
4.4.1 | Pd/Ptコア・シェル型ナノ粒子の構造 |
4.4.2 | Pd/Ptコア・シェル型ナノ粒子の水素吸蔵における構造変化 |
4.5 | シェル金属による水素吸蔵量の制御 |
4.5.1 | Pd、Pd/Au、Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子の水素吸蔵 |
4.5.2 | Pd、Pd/Au、Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子の作製方法 |
4.5.3 | 合金ナノ粒子の水素圧力に伴う格子定数の変化 |
4.5.4 | 水素吸蔵量の制御 |
4.6 | おわりに |
5 | 超撥水材料(中西尚志) |
5.1 | はじめに |
5.2 | ポリマー素材の超撥水膜 |
5.3 | カーボンナノチューブ複合超撥水材料 |
5.4 | フラーレン超撥水材料 |
5.5 | “超分子転写法”の応用 |
5.6 | おわりに |
6 | 接着材料のナノ空間制御による新展開(藪浩) |
6.1 | はじめに |
6.2 | バイオミメティックな接着表面 |
6.3 | 液体を接着する表面 |
6.4 | 将来展望 |
7 | ナノ空間を利用した光電変換素子(早瀬修二) |
7.1 | はじめに |
7.2 | 色素増感太陽電池の動作機構 |
7.3 | ナノ空間と光電変換効率 |
7.4 | 変換効率向上に関する研究動向 |
7.5 | 擬固体化とナノ空間 |
7.6 | 立体電極のナノ空間 |
7.7 | ナノ空間を利用した発光素子 |
7.8 | おわりに |
8 | 燃料電池用ナノ空間構造組織制御材料(森利之) |
8.1 | はじめに |
8.2 | 燃料電池の仕組み |
8.3 | 燃料電池材料内ナノ空間構造組織の変化と物性の関係 |
8.4 | ナノ空間構造組織のシミュレーション |
8.5 | ナノ空間構造組織の最適化の試み |
8.6 | おわりに |
9 | ミクロおよびメソスケールで設計された毒性オキシアニオンの吸着媒(吉武英昭) |
9.1 | はじめに |
9.2 | メソポーラスシリカ表面への官能基の導入と調製や吸着に対するメソ構造の関与 |
9.3 | 遷移金属を配位した構造を持つ吸着点とその再生・リサイクル |
9.4 | 縮合したシランにより形成される低次元性固体と高い吸着容量の発現 |
10 | 排ガス浄化システム(小倉賢) |
10.1 | ナノ空間の利用は2通り |
10.2 | ナノ空間内部での結晶合成〜均質メソ多孔質セラミックスの創製 |
10.3 | ナノ空間内部での極低濃度除去対象物質の濃縮と反応〜吸着・改質による貴金属低減 |
10.4 | ナノ空間での活性点の保持〜貴金属フリーカーボン燃焼触媒 |
10.5 | おわりに |
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第7章 | ナノ空間材料の将来展望(岩本正和) |
1 | はじめに |
2 | 細孔構造の制御 |
2.1 | 細孔制御の基本 |
2.2 | 細孔体の構築場所、形状 |
3 | 構成材料および壁成分の制御 |
3.1 | 無機材料系 |
3.2 | 有機材料系 |
3.3 | 細孔内の修飾、機能の制御 |
4 | ナノ空間化学の開拓 |