前書籍「UV硬化プロセスの最適化」(2008年4月発刊)が発刊して約2年経ちますが紫外線硬化技術の利用は電子・情報材料、印刷分野などを中心にますます増えております。前書籍では現場で直面する「硬化阻害、反り・変形、硬化収縮密着性、変色、アウトガス対策…」など個別対応技術についてまとめましたが、本書籍ではコストの大幅削減と省エネルギーの立場から注目を集めている「UV−LED硬化技術」、デメリットが改善され再注目されている「エン・チオール系紫外線硬化」を中心に「UVインクジェット」「光ナノインプリント用光硬化性樹脂」「蛍光測定による硬化挙動解析」・・・といったUV硬化の応用技術を中心に解説しています。
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1章 | 最新のUV硬化技術動向 |
1 | UV硬化技術の話題:光源を中心に |
1.1 | 高圧水銀ランプとLED |
1.2 | 光源からの赤外線の影響について |
1.3 | 開始剤の選択と表面および内部硬化 |
1.4 | 短波長および長波長の深度方向の硬化限界 |
1.5 | 直流電源(高圧水銀灯:無電極ランプ)を利用する光源の特長 |
2 | フォミュレーション関連材料:開始剤、オリゴマーについて |
2.1 | 開始剤の開発 |
2.2 | オリゴマーの役割 |
2.3 | 酸素硬化阻害対策 |
3 | リアルタイムでの硬化過程の追跡 |
4 | UV硬化技術の応用展開 ・表面加工:二次元から三次元へ ・微細加工、光造型などへの展開 |
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2章 | UV-LEDの発光効率の向上と樹脂硬化への応用と課題 |
1 | UV-LEDと紫外線ランプの比較 |
1.1 | UV-LEDの発光原理 |
1.2 | UV-LEDの特性 |
1.3 | InGaN系LEDの特異な発光メカニズム |
1.4 | UV-LEDの発光メカニズム |
2 | UV-LEDの発光効率を高める一般的プロセス技術 |
2.1 | フリップチップ |
2.2 | チップ界面凸凹化 |
2.3 | GaN基板成長及び基板除去による高放熱化 |
3 | 当社のUV-LED高効率化技術 |
3.1 | 高温SiN中間層 |
3.2 | 低温GaNPバッファ層 |
3.3 | Gaドロップレット層 |
4 | UV-LEDの樹脂硬化への応用 |
4.1 | 吸光度と開始剤 |
4.2 | UV硬化インクの色による吸光度の違い |
4.3 | 照射面積と照射方法 |
5 | UV-LEDの今後の発光効率の向上と課題 |
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3章 | UV-LED照射装置 |
1節 | UV-LED光源の最適化 |
1 | オムロンのLED-UV照射器 |
2 | 商品に生かされている技術 |
3 | 照射対象物の品質確保 |
4 | 製品生産効率の向上 |
5 | ランニングコストの削減 |
6 | 生産設備の設計自由度向上 |
7 | 設備の導入時のイニシャルコスト削減 |
8 | サイドビューレンズの開発 |
9 | LED式紫外線照射装置の課題 |
9.1 | 紫外線LEDの短波長化 |
9.2 | 照射出力の高さ |
9.3 | 照射面積の拡大 |
2節 | UV-LED照射面積の広範囲化 |
1 | 長所・省コスト ・長寿命 ・照射面に熱放射がない ・省スペース(薄く作れる) ・放射エネルギーが簡単に調整できる ・均一照射が可能 |
2 | 設計上の注意点 |
2.1 | 照射角度 |
2.2 | 放熱設計 |
2.3 | 照射光の特性とUV-LEDの配置 |
2.4 | 照射光の特性とLED配置 |
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4章 | 光開始系材料の組み合わせと濃度の最適化 |
1 | 高感度な光開始系の設計指針 |
2 | 365nm光に感光するイミダゾール系光ラジカル発生剤について |
2.1 | 365nm光に感光するイミダゾール系光ラジカル発生剤の設計 |
2.1.1 | イミダゾール系光ラジカル発生剤候補化合物の合成 |
2.1.2 | 365nm光に感光するイミダゾール系光ラジカル発生剤候補化合物の物性値 ・置換基効果と吸収曲線との相関 |
2.2 | レジスト特性評価 |
2.2.1 | 365nmに対する吸光係数とレジスト感度との相関 |
2.2.2 | 置換基の種類、位置、数とレジスト感度との相関 |
2.3 | 365nm光に高い感光性を示すイミダゾール系光ラジカル発生剤を用いた詳細検討 ・PRG-7における最適組成比 |
3 | 高機能連鎖移動剤について |
3.1 | 高機能連鎖移動剤の基本骨格探索 ・高機能連鎖移動剤の候補化合物選出 ・連鎖移動剤候補化合物の性能評価 |
3.2 | 3-Amino-4-methoxy-benzenesulfonyl誘導体の詳細検討及び構造最適化 |
3.3 | 3-Amino-4-methoxy-benzenesulfonyl誘導体の水素供与機構の解明 ・3-Amino-4-methoxy-benzenesulfonyl骨格を有する化合物のHOMO-LUMO順位の 計算 |
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5章 | UV-LED硬化にむけた増感剤の使い方 |
1 | 増感剤の実施例 |
1.1 | 飲料缶等の下地塗装 |
2 | UV-LEDとカチオン硬化 |
2.1 | UV-LED |
2.2 | 増感剤の種類 |
3 | カチオン硬化への適用例 |
3.1 | UV-LED(395nm)での硬化 |
3.1.1 | クリアー系結果 |
3.1.2 | 顔料系での効果 |
3.1.3 | 厚膜での効果 |
3.2 | 395nm以外の波長のUV-LEDでの増感効果 |
3.3 | UV-LED(460nm)での増感効果 |
4 | ラジカル硬化 |
4.1 | ラジカル硬化と増感剤 |
4.2 | ラジカル硬化へのDBAの適用 |
4.3 | ハイブリッド硬化 |
5 | 非マイグレーション用増感剤 |
5.1 | エポキシ基を持った増感剤 |
5.2 | アクリル基を持った増感剤 |
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6章 | UV-LED接着剤の設計と技術動向 |
1 | 接着剤市場 |
2 | 接着剤の設計 |
2.1 | 装置の波長と光重合開始剤 |
2.2 | ラジカル系接着剤 ・活性ラジカル濃度の増加 ・不活性ラジカルの再活性化 |
2.3 | カチオン系接着剤 |
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7章 | UV-LED硬化型印刷技術 |
1節 | UV-LED硬化型印刷装置の要求特性と開発動向 |
1 | UV-LED硬化型印刷装置と印刷市場ニーズ |
1.1 | 生産部数の小ロット化・短納期化と止まらぬ価格下落傾向 |
1.2 | 枚葉方式のUV-LED硬化型印刷機械により改善できること |
1.3 | 適用分野による効果の違い |
2 | UV-LED硬化型システムの乾燥性能に影響を及ぼす条件 |
2.1 | マクロな乾燥メカニズム |
2.1.1 | 最大照度と積算光量 |
2.1.2 | 最大照度が不足すると乾燥しない ・最大照度を上げる方法 ・最大照度が不足すると乾燥しない実例 ・ランプの周波数の影響(UV開始剤の影響) |
3 | UV光源の周波数特性と乾燥に影響する因子 |
3.1 | UV光源の周波数特性 |
3.2 | 乾燥の効率に影響する因子 |
4 | UV硬化に係わるエネルギー |
4.1 | UV光源に含まれる乾燥に寄与するエネルギー式の導出 ・最大照度からの積算光量と硬化エネルギーを推定 ・装置の公称消費電力と光変換効率からの推定 |
4.2 | 計算結果と考察 |
5 | UV-LED硬化方式の実機による性能試験 |
5.1 | 乾燥性のチェック |
5.2 | 光沢値の低下 ・UV印刷で光沢が出ないメカニズム ・光沢を確保する機械的な条件 |
6 | 厚紙・特殊印刷への適用 |
2節 | UV-LED硬化インクジェットプリンタの特長とその可能性 |
1 | UV硬化インクジェットプリンタの特徴 |
2 | UVLED硬化インクジェットプリンタの誕生と特長 |
3 | UVLED硬化IJプリンタの特長 |
3.1 | 省電力性 |
3.2 | 小型化 |
3.3 | 長寿命 |
3.4 | 光量が自由に変化できる |
3.5 | メディアの過熱がない |
3.6 | オゾンレス |
4 | UVLED硬化プリンタの主要技術 |
4.1 | UVLEDプリンタの構成 |
4.2 | UVLEDユニット |
4.3 | UVLED用高感度インク |
5 | 実用化例 |
5.1 | UJF-160 |
5.2 | JFX-1631 |
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8章 | UVインクジェット技術 |
1節 | UVインクジェットプリンタ/印刷の市場動向と今後の展望 |
1 | インクジェットプリンタの分類とUVインクジェットプリンタの特長 |
1.1 | インクジェットプリンタの分類 |
1.2 | UVインクジェットプリンタの特長 |
2 | UVインクジェットプリンタに関する市場動向 |
2.1 | UVインクジェットプリンタの市場設置台数 |
2.2 | 展示会での出展動向 |
2.3 | UVインクジェットプリンタのサプライヤー |
2.4 | UVインク適正を持つ基材 |
3 | UVインクジェット印刷のメリットと課題 |
3.1 | 垂幕、懸垂幕 |
3.2 | 屋外看板 |
3.3 | 電飾看板 |
3.4 | POP(大サイズ) |
3.5 | レンチキュラーレンズを使用したチェンジング、3Dイメージ |
3.6 | 金属腐食看板 |
3.7 | 建装材印刷関連 |
4 | 今後の展望と課題 |
2節 | UVインクジェット用材料 色材・光重合開始剤 |
1 | UVインクジェットインク基本処方 |
2 | UVインクジェット用色材の選択 |
2.1 | UVインクジェット用マゼンタ顔料 |
2.2 | UVインクジェット用イエロー顔料 |
2.3 | UVインクジェット用シアン顔料 |
2.4 | UVインクジェット用特色顔料 |
2.5 | UVインクジェット用微粒化加工顔料 |
3 | UVインクジェットインク用光重合開始剤の選択 |
3.1 | UVインクジェット用フリーラジカル光重合開始剤 |
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9章 | エン・チオール系UV硬化材料最適化技術 |
1節 | エン・チオール系UV硬化材料による硬化促進および硬化物特性の向上技術 |
1 | 多官能二級チオールの設計 |
2 | 反応機構 |
3 | UV硬化性 |
3.1 | アクリレート系モノマーでの硬化挙動 |
3.2 | アクリレート系モノマーとアリルエーテル系モノマーとの硬化挙動の比較 |
4 | 密着強度 |
5 | 柔軟性 |
6 | 耐熱性 |
7 | 耐水性 |
8 | 透過率 |
9 | 耐光性 |
10 | 反応組成物の保存性 |
2節 | エン・チオール系UV硬化材料の密着性向上技術 |
1 | チオール化合物の例 |
2 | エン化合物の反応性 |
3 | 反応の特徴 |
4 | 塗膜の密着性 |
4.1 | 体積収縮 |
4.2 | 下地との相互作用 |
4.3 | 粘弾性特性 |
5 | 均一な硬化物 |
6 | 新しい試み |
3節 | エン・チオール系UV硬化の有機・無機ハイブリッド材料への適用 |
1 | 有機・無機ハイブリッド材料とは |
2 | シルセスキオキサン類を用いる有機・無機ハイブリッド材料 |
3 | エン・チオール反応を利用した有機・無機ハイブリッド材料 |
4 | エン・チオール反応と熱硬化反応とを併用した有機・無機ハイブリッド材料 |
4節 | エン・チオール系接着剤のUV-LED照射による精密接着技術 |
1 | UV硬化型接着剤の概要 |
1.1 | 構成 |
1.2 | 硬化機構 |
2 | エン・チオール系UV硬化型接着剤 |
2.1 | 硬化機構 |
2.2 | 表面硬化性 |
3 | UV-LEDの特徴 |
3.1 | 分光分布 |
3.2 | 寿命 |
3.3 | 高安全性・低ランニングコスト |
4 | UV-LEDに適したUV硬化型接着剤の設計 |
5 | UV-LEDにより硬化させたエン・チオール系UV硬化型接着剤の特性 |
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10章 | 光ナノインプリント用光硬化性樹脂とその特性評価方法 |
1 | UVナノインプリント用光硬化性樹脂の種類 |
1.1 | ラジカル重合系 |
1.2 | カチオン重合系 |
1.3 | エン−チオール型 |
2 | 樹脂の特性評価 |
2.1 | 基本プロセス特性評価 |
2.1.1 | 離型性 |
2.1.2 | 反応率 |
2.1.3 | 転写精度 |
2.2 | 用途別特性評価 |
2.2.1 | 永久部材用樹脂 ・熱特性 ・透明性 |
2.2.2 | リソグラフィー応用 ・ドライエッチング用樹脂 ・ウェットプロセス用樹脂 |
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11章 | UV硬化樹脂の硬化時間制御 |
1 | 光後硬化性 |
1.1 | ポリグリシジルメタクリレート中での光後硬化性 |
1.2 | ポリエチルアクリレート中での光後硬化性 |
2 | 速硬化性と可使時間 |
2.1 | 速硬化性 |
2.2 | 可使時間 |
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12章 | UV硬化樹脂の帯電防止性付与と特徴・評価 |
1 | 静電気の発生と減衰 |
2 | 帯電防止性の発現機構 ・理論的な高分子へのイオン電導性の付与 ・一般的な帯電防止性付与方法 ・イオン伝導性固体組成物の設計 |
3 | 帯電防止コーティング |
3.1 | 複合系静電防止塗料 ・金属系 ・カーボン系 ・金属酸化物系 |
3.2 | 界面活性剤系 |
4 | 帯電防止の用途とその要求特性 |
5 | AS性評価方法 |
5.1 | 概略 |
5.2 | 測定器 |
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13章 | 蛍光測定によるUV硬化型樹脂の硬化挙動解析 |
1 | 紫外線硬化樹脂とは |
2 | 現在の硬化判定手法 |
3 | 蛍光測定による硬化度判定手法の原理 |
3.1 | 蛍光発光とは |
3.2 | 紫外線硬化樹脂と蛍光について |
4 | 装置構成 |
5 | 測定例 |
5.1 | モデル系での照射時間と蛍光増加の関係 |
5.2 | 市販樹脂での相関関係及び運用方法について |
5.3 | FT-IRとの相関関係 |