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高分子材料強度のすべて
〜ビギナーからベテランまでの強化書〜
[コードNo.12STE004]
■体裁/ |
B5判並製本 455ページ |
■発行/ |
2012年12月19日 S&T出版(株) |
■定価/ |
10,450円(税込価格) |
■ISBNコード/ |
978-4-907002-08-4 |
工業材料としてもっとも基本的で重要な強度使用に耐える材料設計を体系的に理解するための一冊。
著者
書籍趣旨
高分子材料はゴム、繊維、プラスチックス、接着剤、塗料などとして、さまざまな用途で大量に使われているために、たとえば部品の破損によって重大事故につながる可能性は十分に考えておかなければならない。
最近では、測定装置の高精度化、デジタル化などでより多量のデータの集積も可能になったこと、また、コンピュータ処理の高速化で分子の運動に対するシミュレーション技術やFEMによる計算もより詳細になってきていることは事実であるが、材料を超えて、現象を超えて、総合的な視点から材料の強度・破壊について考えるということはむしろ希薄になっている。 材料強度に関する研究は、どちらかというと材料技術の縁の下に位置する地味な分野である。若い人がバイオ、宇宙、ロボットなど華やかな分野に目が向くのもあながち責められないけれども、このような分野を支えるのが材料技術であり、また、材料技術を支える基本が材料の強度であることをもっと理解してもらうことができればと考えている。
(成澤 郁夫 「はじめに」より抜粋)
目次
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第1章 | 高分子材料の強度と強度設計の基本 |
1 | 高分子の強度に視点をおいた歴史的背景 |
2 | 材料強度学における高分子材料の位置づけ |
3 | 高分子材料の力学的挙動の特徴と強度に影響する要因 |
4 | 強度設計の基本 |
5 | 高分子材料の破損原因解析 |
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第2章 | 弾性体、粘弾性体の応力とひずみ |
1 | 応力 |
1.1 | 応力の定義と応力成分 |
1.2 | 応力の釣り合い式 |
1.3 | 主応力と応力の不変量 |
1.4 | 単純な応力状態の例 |
2 | 変形とひずみ |
2.1 | 簡単なひずみの定義 |
2.2 | 詳細なひずみの定義 |
2.3 | ひずみの適合条件 |
3 | 応力とひずみの関係 |
3.1 | 弾性変形における応力とひずみの関係 |
3.2 | 弾性ひずみエネルギー |
3.3 | 平面応力と平面ひずみ |
3.4 | 応力集中 |
4 | 塑性体の変形 |
4.1 | 偏差応力 |
4.2 | 降伏条件と塑性変形開始条件 |
4.3 | 塑性拘束 |
5 | 粘弾性体の変形 |
5.1 | 粘弾性体の応力とひずみ |
5.2 | 応力緩和 |
5.3 | クリープ |
5.4 | 動的粘弾性 |
5.5 | 散逸エネルギー |
5.6 | 時間-温度の換算変数法 |
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第3章 | 高分子材料の構造と基本的な性質 |
1 | 高分子材料の構造と組織 |
1.1 | 分子構造 |
1.2 | 架橋と分枝 |
1.3 | 分子量と分子量分布 |
1.4 | 結晶化 |
1.5 | 配向 |
2 | 高分子材料の形態と微細組織 |
2.1 | ガラス状高分子 |
2.2 | 自由体積 |
2.3 | 結晶性高分子 |
2.4 | 繊維構造組織 |
3 | 温度特性 |
3.1 | ガラス状高分子と結晶性高分子の温度特性 |
3.2 | 融 解 |
3.3 | ガラス転移 |
3.4 | その他の転移 |
4 | 表面特性、低分子の吸着と拡散 |
4.1 | 表面エネルギー |
4.2 | 吸着現象 |
4.3 | 拡散現象 |
4.4 | 膨潤と溶解 |
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第4章 | 高分子材料の弾性、降伏および塑性変形 |
1 | 弾性変形 |
1.1 | エネルギー弾性とエントロピー弾性 |
1.2 | 高分子結晶の弾性率 |
1.3 | 等方性結晶性高分子の弾性率 |
1.4 | ガラス状高分子の弾性率 |
1.5 | 配向した高分子固体の弾性率 |
1.6 | ゴム弾性 |
2 | 高分子の降伏と塑性変形 |
2.1 | 応力-ひずみ曲線と降伏点 |
2.2 | 降伏の力学的クライテリオン |
2.3 | 降伏の温度・ひずみ速度依存性 |
3 | ガラス状高分子の降伏と塑性変形の微視機構 |
3.1 | 自由体積変化をよる降伏の微視機構 |
3.2 | 降伏の速度論と分子運動機構 |
3.3 | ホットスポット理論 |
3.4 | ひずみ軟化とひずみ硬化の機構 |
3.5 | 不均一降伏(せん断すべり帯) |
3.6 | 不均一降伏(ネッキング) |
4 | 結晶性高分子の降伏と塑性変形の微視機構 |
4.1 | 引張り降伏の微視機構 |
4.2 | ネッキング |
4.3 | キャビテーション |
5 | 異方性高分子の降伏 |
5.1 | 異方性高分子の降伏条件 |
5.2 | 降伏による変形帯 |
5.3 | キンク帯 |
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第5章 | クレーズの発生と成長 |
1 | クレーズとは |
1.1 | クレーズの一般的特徴 |
1.2 | クレーズの形態 |
1.3 | クレーズの構造 |
1.4 | 結晶性高分子のクレーズ |
2 | クレーズ発生のクライテリオン |
2.1 | クレーズの発生モデル |
2.2 | クレーズ発生の力学的クライテリオン(1) |
2.3 | クレーズ発生の力学的クライテリオン(2) |
2.4 | クレーズ発生の力学的クライテリオン(3) |
3 | クレーズ発生のマイクロメカニックス |
3.1 | ボイドの発生と成長モデル |
3.2 | クレーズフィブリルの形成 |
3.3 | クレーズ発生の動力学 |
4 | クレーズ発生に及ぼす諸要因 |
4.1 | クレーズ発生と環境薬品 |
4.2 | クレーズ発生と分子量と分子配向 |
5 | クレーズの成長 |
5.1 | クレーズ成長の方向 |
5.2 | クレーズ成長の速度 |
5.3 | クレーズ成長の微視機構 |
6 | クレーズの力学的性質とフィブリルの破壊 |
6.1 | クレーズの力学的性質 |
6.2 | クレーズ周囲の応力分布 |
6.3 | クレーズの破壊 |
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第6章 | 高分子の破壊 |
1 | 高分子材料の理論強度 |
1.1 | 破壊の微視機構の概要 |
1.2 | 完全配向体の強度 |
1.3 | 高強度繊維 |
1.4 | ガラス状高分子の強度 |
1.5 | 弾性率と理論強度の関係 |
2 | 延性破壊の力学 |
2.1 | ネッキング中とネッキング後の破壊 |
2.2 | 破壊仕事(エッセンシャル・ワーク) |
2.3 | 延性高分子の不安定破壊 |
3 | 延性破壊からぜい性破壊への転移の力学 |
3.1 | 延性破壊が阻害される要因 |
3.2 | 局部的な塑性変形周りの応力分布 |
3.3 | 局部的塑性変形による破壊 |
3.4 | 延性破壊からぜい性破壊への転移 |
4 | ぜい性破壊の力学 |
4.1 | 最弱リンク説 |
4.2 | 動的確率論 |
4.3 | 高分子材料への確率過程の応用 |
5 | ぜい性破壊の微視機構 |
5.1 | 引張りによるミクロボイドの発生 |
5.2 | 配向高分子(繊維)の分子鎖の切断 |
5.3 | 分子鎖切断と巨視的破壊の関係 |
6 | クラックからのぜい性破壊 |
6.1 | クラック周りの応力分布 |
6.2 | 変形の種類と応力拡大係数 |
6.3 | ひずみエネルギー解放率と破壊の条件 |
6.4 | 破壊じん性試験 |
6.5 | 高分子の破壊じん性 |
7 | 非線形破壊力学とJ積分 |
7.1 | クラック先端の塑性変形 |
7.2 | 大規模降伏とJ積分の定義 |
7.3 | 破壊条件とJIc試験法 |
8 | クラック伝搬の力学 |
8.1 | 不安定クラック成長 |
8.2 | 動的破壊じん性 |
8.3 | クラック先端における熱発生 |
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第7章 | 高分子の衝撃破壊と耐衝撃性 |
1 | 衝撃特性の評価と高分子の耐衝撃性 |
1.1 | 衝撃特性の評価法 |
1.2 | 高速変形下の応力とひずみ |
1.3 | 高速引張り試験 |
2 | アイゾットおよびシャルピー衝撃試験の力学 |
2.1 | アイゾットおよびシャルピー衝撃試験 |
2.2 | アイゾットおよびシャルピー衝撃試験の力学 |
2.3 | 計装化アイゾットおよびシャルピー衝撃試験 |
2.4 | 計装化シャルピー試験の実際 |
2.5 | 衝撃破壊じん性 |
2.6 | 衝撃破壊じん性の動的取り扱い |
3 | 面衝撃特性 |
3.1 | 計装化面衝撃試験 |
3.2 | 面衝撃試験の結果と各種条件の影響 |
3.3 | 面衝撃破壊の力学 |
4 | 衝撃強さと粘弾性特性の関係 |
4.1 | 高分子のぜい性指数 |
4.2 | 粘弾性と衝撃特性 |
4.3 | 衝撃による延性―ぜい性変化 |
5 | 耐衝撃性ポリマーアロイとその強化機構 |
5.1 | 耐衝撃性ポリマーアロイ |
5.2 | ポリマーアロイの力学的解析 |
5.3 | クレーズによる耐衝撃発現機構 |
5.4 | せん断降伏による耐衝撃発現機構 |
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第8章 | 高分子材料の遅れ破壊(環境応力割れとクリープ破壊) |
1 | 環境応力割れとその発生機構 |
1.1 | 環境応力割れとは |
1.2 | 環境応力割れの発生機構 |
2 | クリープ変形とクリープ破壊 |
2.1 | クリープ変形曲線 |
3 | クリープ破壊 |
3.1 | クリープ破壊の一般的特性 |
3.2 | クリープクラックの成長 |
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第9章 | 高分子材料の疲労 |
1 | 繰り返し応力に対する力学応答 |
1.1 | 繰り返し応力の一般特性 |
1.2 | 繰り返し応力とひずみの関係 |
1.3 | 繰り返し応力による発熱と温度上昇 |
2 | 疲労試験とその特性値 |
2.1 | 疲労試験 |
2.2 | S-N曲線と耐久限度 |
2.3 | 重複損傷 |
2.4 | 疲労寿命に影響を及ぼす諸要因 |
3 | 疲労過程 |
3.1 | 疲労過程 |
3.2 | 疲労による微細構造変化 |
3.3 | 疲労クラックの発生 |
4 | 疲労クラックの成長 |
4.1 | 疲労クラックの成長則 |
4.2 | 疲労クラック成長の微視機構 |
4.3 | 疲労クラックの成長機構 |
4.4 | 疲労クラック成長の力学的取り扱い |
4.5 | 疲労クラック成長に及ぼす諸要因の影響 |
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第10章 | 変形・破壊が関係する最近の諸問題-表面層、界面層の変形と破壊- |
1 | 硬さの力学的意味とその測定法 |
1.1 | 硬さの測定法 |
1.2 | 押し込みの力学 |
1.3 | マイクロあるいはナノ押し込み |
1.4 | ナノ硬さ計測の問題と最近の傾向 |
2 | 摩擦・摩耗 |
2.1 | 摩擦特性 |
2.2 | 摩耗特性 |
3 | 耐スクラッチ性 |
3.1 | 耐スクラッチ性とは |
3.2 | スクラッチ損傷の発生機構 |
4 | 界面層の破壊(積層材及び接着部の破壊) |
4.1 | 繊維強化複合材料の破損の特徴 |
4.2 | 繊維とマトリックスの界面強度 |
4.3 | 層間界面強度 |
4.4 | 層間破壊じん性 |
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