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<一発必中シリーズ書籍 第2弾>
正しい分散剤の選定・使用方法と、分散体の塗布性を上げる添加剤技術
〜粒子分散の安定化・コントロールと評価、事例もあり!〜

[コードNo.13STM011]

■体裁/ B5判並製本 167ページ
■発行/ 2013年7月25日 サイエンス&テクノロジー(株)
■定価/ 55,000円(税込価格)
■ISBNコード/ 978-4-86428-070-9

★一発必中シリーズでは、かゆいところに手が届く書籍を目指し、技術課題やノウハウに具体的に焦点を充てています。

        ◎現象の理解と分散不具合の解決にむけて、分散剤を中心に糸口を提示した書籍です。

著者

若原 章博 ビックケミー・ジャパン(株) 添加剤技術部 部長

名古屋大学 大学院工学研究科 修士課程 修了後、大手塗料メーカーにて、自動車塗料の分野で顔料評価、上塗り・中塗りの設計およびライン展開に従事。その後、大手学習塾にて総務・営業スタッフを経て、1994年ビックケミー・ジャパン株式会社(BYK Japan KK)に入社。

BYK入社後は約20年間、塗料・インキ・カラーフィルター用添加剤の技術営業、ならびに製品開発をすすめる。粒子の分散安定化や、表面調整・消泡・レオロジーなどが専門である。

趣旨

-----< 本書のポイント >-----

■固体粒子の分散安定化の要望は、分野を問わず多い。非常に多い。
 裾野の広いテーマでもあり、技術者・研究者の共通の悩みどころでもありましょう。


 どのような粒子を用いるか? どのような材料を他に加えるか? どのようなプロセスで加工するか? どのような環境下で用いるか?

 ⇒ 本書は、材料やプロセスの因子など“実際の場面に即した形”で、現象理解と問題解決への糸口が満載。
 ⇒ 図表も多く用い、また分散剤や表面調整剤などの化学構造を示し、その設計思想と特徴をも明らかに!



■本書は、分散安定化のみならず。

 添加した配合物にどんな物性面・作業性面で影響を与えるか? 使用にあたってどのように添加剤を選ぶか?
 その基準あるいは物差しとなるものはあるのか?

 ⇒ それには分散剤構造の理解が欠かせない。どう問題解決をはかるか?事例を挙げてアプローチも解説!
 ⇒ また、ほとんどオリジナルデータであり、他の引用はない。



■さらに、分散剤以外の添加剤技術、評価方法、新しい分散剤も記述。

 なぜなら、スラリーやペースト・インキなど“塗布する段階での問題”も多いゆえ。
 せっかく分散体を作っても、きちんと塗布できないと評価もできない。
 その本来の性質も引き出すことができない。素材に十分濡れずはじいたり、泡が残ったりして不均一な塗布膜では、評価が定まらない。

 ⇒ きちんと塗れてはじめて評価に値し、工業的に意味がある。
 ⇒ 濡れ剤・消泡剤やレオロジーコントロール剤など、スラリー等の設計には不可欠の添加剤をも解説。



 本書では、分散実験をする研究者・配合設計者、あるいは分散剤そのもの構造と役割の理解、選定の方法を模索されている方々を対象として記述している。したがって分散に関する理論を説明するのが趣旨ではない。現象の理解と分散不具合の解決にむけて、分散剤を中心に糸口を提示したい。また分散体本来の特性を引き出すために、塗布性を向上させる添加剤技術に関しても述べる。いくつかの事例を通じて、分散配合の考え方を深めることを狙いとする。

                                                           2013年 若原 章博


目次

第1章粒子分散安定化の必要なのはどんな分野か?
1 アプリケーションの変遷を眺めてみる
2 分散がかかわっている現象は?
2.1粒子の沈降とパターン形成にも影響
2.2ツヤ・光沢・ヘイズへの影響は大きい
2.3粘度、貯蔵増粘もよくみられる不具合
2.4色浮き・色分かれとして現れる
2.5ベナードセルは表面張力と粒子の易動度の問題
第2章分散の基礎について整理しよう!
1 まず分散の過程をおさらい
1.1粒子を安定化するメカニズムをふたつ
2 どんな分散機を選ぶ?
3 分散体は最終の使用環境まで見て完結する
4 分散される粒子表面はどんな特性を持つ?
5 溶媒とは無関係ではない
6 分散剤を選ぶうえでの考え方は?
第3章湿潤分散剤の構造について整理しよう!
1 分散剤のほとんどはポリマー
2 湿潤剤と分散剤という区分
3 分散剤の構造要素は吸着基と相溶性鎖である
4 低分子量タイプにはどんなものがある?
5 高分子量タイプの特徴は?
6 極性で相溶性をコントロール
7 分子量も分散安定に影響する
8 脱凝集タイプとコントロール凝集タイプに分けられる
9 微分散安定化には分子構造が制御された分散剤が最良
9.1 ABブロックとその変性タイプはすでに主流
9.2 ハイパーブランチタイプが次の可能性をひらく
9.2.1ポリアミノ構造のハイパーブランチ
9.2.2ポリウレタン構造のハイパーブランチ
9.2.3ポリエステル構造のハイパーブランチ
10 水系で分散したい!
10.1 水の特性を理解しよう!
10.2 水系分散剤の構造を整理してみよう!
10.3 表面張力の低下と泡への注意
10.4 水系での膜形成への注意
10.5 乾燥・皮張りへの注意
11 分散剤の膜物性への影響
11.1 耐食性への影響
11.2 付着性・密着性への影響
11.3 耐水性への影響
第4章粒子特性に応じて分散剤を選ぶ;事例
1 無機顔料及びフィラーの分散は表面の酸性・塩基性が重要
2 カーボン系粒子の分散にはアミンとπ電子
3 チタン白とカーボンブラックの混合系
4 古くて新しいシリカ粒子の分散
5 セラミック粒子の分散と充填率及び電池・電極での分散
6 フレーク顔料を分散安定化しよう
7 有機顔料の分散
8 顔料誘導体(シナジスト)とはなにか?
第5章製造仕様に着目して分散剤を選ぶ
1 スラリー分散と分散樹脂配合、何に配慮する?
2 共通ペーストで生産性向上
3 ユニバーサルカララントで汎用性を高める
4 顔料濃度が高くてペーストが乾いてしまうとき
5 後添加で色分かれを改良できないか?
6 配合決定の手順を考える
6.1着目点と懸念事項を推定する
6.2分散剤選定ではまず相溶性・吸着基に注意
6.3どのように分散性の一次評価を行うか?
6.4性能評価を忘れない
6.5分散時ではなくレットダウン時に添加することも
第6章事例検討・分散配合
1 フレーク顔料を分散し、沈降を防止するには?;メタリック塗装
2 ろ過性もよくなる;インクジェットでの分散例
3 粉状でも分散に効果がある;粉体塗料での顔料分散
第7章関連技術で分散を確かなものに!
1 粘性コントロール剤・粘性付与剤
1.1粘性コントロールを概観する
1.2添加が容易な液状レオロジーコントロール剤
1.3ワックス系レオロジーコントロール剤も有効
2 泡・わきの防止
2.1消泡のメカニズムを理解しよう!
2.2シリコン系消泡剤は自由度が多い
2.3アクリル系及びその他のポリマー系消泡剤
2.4どのように消泡剤を添加するか?
2.5水系スラリーでの消泡剤;実際はどのように選ぶ?
2.6水系分散体には全部でどんな種類の添加剤が必要?
3 付着性・密着性もコーティングの重要課題
3.1固体の表面張力をまず理解して!
3.2液と固体の相互作用にはどんなものがあるか?
3.3顔料分散技術を基にして付着性をあげる!
4 下地への濡れ性をあげる
4.1バリエーション豊富なポリシロキサン系
4.2耐熱性は有機変性で異なる
4.3接触角を下げよう!
5 スリップ性とバランスを取る
6 添加剤により表面張力を上げる
7 保護テープのはがしやすさ
8 付着防止や液をはじかせる
第8章ナノ粒子でどんなことができているか?の例
1 ナノ粒子で耐スリキズ性を塗膜に付与できる!
1.1ナノ粒子の均一分散がカギ
1.2樹脂系による違い・硬化方式による効果の違いは?
2 ではなぜナノ粒子で耐スリキズ性があがるのか?
3 ナノ粒子の種類・表面修飾を変えれば適性が調整できる
4 ナノ粒子により架橋点を増やしてスリキズ防止
5 使い勝手のよいカーボンナノチューブの分散液
6 ナノ粒子で紫外線をカット
7 フィルムに混ぜるナノ粒子でUVカット
第9章用語の説明
1 レオロジー・粘性のことばを理解しよう!
2 TI値はチキソトロピックの指標かしら?
第10章どんな評価方法があるか?
1 塗膜の表面張力を測定するときには接触角の変化に注意が必要
2 動的表面張力を測定しよう
3 静的表面張力で得られる情報
4 静的表面張力測定には撹拌に注意!
5 光沢値・ヘイズ・DOIの測定
5.1DOI
6 簡単な測定で現象の理解を!
6.1色の動き
6.2静電気的反発の測定
7 分散剤の大きさは?分散体の保護層の厚さはどのくらい?



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