第1編 | 光合成の基礎研究 |
総 論 光合成とは |
1. | はじめに |
2. | 光合成と人間 |
3. | 光合成研究のたどってきた道 |
4. | 光合成研究の現在 |
5. | 光合成研究の未来 |
6. | おわりに |
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第1章 | 構造/機能解析 |
第1節 | 光捕集複合体の構造と機能解析 −紅色光合成細菌を中心に− |
1. | はじめに |
2. | 光合成細菌の光捕集系 |
3. | コア光捕集複合体 |
4. | コア光捕集複合体の構造多様性 |
5. | 植物型コア光捕集複合体との比較 |
6. | おわりに |
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第2節 | 光化学系II反応中心複合体の構造解析 |
1. | はじめに |
2. | 光化学系II反応中心複合体の全体構造 |
3. | PSIIのX線結晶構造解析の歴史 |
4. | Mn4Caクラスターの水分解反応機構 |
5. | Mn4CaO5クラスターおよびその周辺構造 |
6. | 水分解反応におけるプロトン放出機構と、塩素イオンの役割 |
7. | おわりに |
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第3節 | 反応中心色素の構造解析 −HPLCを用いた精密計測− |
1. | はじめに |
2. | クロロフィルの種類 |
3. | HPLCを用いた構造解析 |
4. | 実験 |
5. | 紅色光合成細菌の反応中心クロロフィルの構造解析 |
6. | 緑色光合成細菌の微量反応中心色素の構造解析 |
7. | 円二色性スペクトルを用いた132位立体構造の解析 |
8. | 超高速HPLC のクロロフィル分析への応用 |
9. | おわりに |
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第4節 | Rubiscoの機能と光合成 |
1. | はじめに |
2. | 構造 |
3. | 生合成 |
4. | 触媒反応 |
5. | Rubiscoの変異 |
6. | Rubisco の機能と近未来地球環境での光合成 |
7. | おわりに |
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第5節 | 光合成膜タンパク質分子集合系の機能解析 |
1. | はじめに |
2. | 光収穫系複合体(LH2、LH1−RC)の再構成 |
3. | 再構成アンテナ膜タンパク質の機能−エネルギー移動 |
4. | 膜タンパク質集合系の分子レベルでの機能解析−電流検出AFMによるアプローチ |
5. | おわりに |
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第6節 | アンテナと光合成超複合体 |
1. | はじめに |
2. | シアノバクテリアのフィコビリソーム・光化学系複合体の単離と構造 |
3. | クロロフィル結合アンテナ超複合体の分子構築 |
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第7節 | チラコイド膜の構造解析から明らかになった葉緑体の光ストレス応答の新局面 |
1. | はじめに |
2. | チラコイド膜 |
3. | チラコイド膜の構造変化 |
4. | 光化学系の品質管理機構におけるチラコイド膜の役割 |
5. | おわりに |
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第2章 | 光化学系反応 |
第1節 | 光化学系Iサイクリック電子伝達経路の機能解析 |
1. | はじめに |
2. | サイクリック電子伝達とは |
3. | アンチマイシンA感受性の電子伝達 |
4. | NDH複合体による電子伝達 |
5. | NDH−光化学系I超複合体について |
6. | 光合成の調節における光化学系Iサイクリック電子伝達の役割 |
7. | ATP合成酵素の活性制御 |
8. | C4光合成の駆動 |
9. | おわりに |
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第2節 | 光化学系II酸素発生中心の電子構造とメカニズムの理論的解明 |
1. | はじめに |
2. | 光化学系II酸素発生中心 |
3. | 計算機シミュレーションによる反応機構の解析 |
4. | マンガンクラスターの多参照電子状態 |
5. | マンガンクラスターの酸化状態 |
6. | マンガンクラスターのスピン状態 |
7. | おわりに |
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第3章 | 光受容系 |
第1節 | 光合成の光阻害:光化学系IIの損傷と修復の分子メカニズム |
1. | はじめに |
2. | 光化学系IIの損傷 |
3. | 光化学系II修復サイクル |
4. | おわりに |
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第2節 | シアノバクテリアの補色応答の制御メカニズムの解明 |
1. | 生物の光受容 |
2. | フィトクロムの研究の歴史 |
3. | シアノバクテリアの補色順化の研究の歴史 |
4. | 補色順化の制御機構の解明 |
5. | プロトン発色性光可逆変換の発見 |
6. | アミノ酸置換変異体によるプロトン発色トリオの発見 |
7. | 今後の展望 |
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第3節 | 光合成と光受容体による光応答反応 |
1. | はじめに |
2. | 植物の光受容体 |
3. | 光受容体による葉緑体タンパク質の発現制御 |
4. | フォトトロピンによる細胞機能調節と光合成 |
5. | フォトトロピンによる光屈性と葉の扁平化 |
6. | 避陰応答 |
7. | おわりに |
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第4章 | 二酸化炭素受容系 |
第1節 | 光合成炭素代謝における無機炭素濃縮メカニズム |
1. | はじめに |
2. | C4光合成回路をもつ植物−C4植物 |
3. | C4植物の葉内構造とC4光合成回路 |
4. | C4光合成回路の代謝産物輸送体 |
5. | 単一細胞型C4光合成回路 |
6. | 水圏無機炭素環境と微細藻類CCM |
7. | シアノバクテリアCCM |
8. | 真核微細藻類のCCM |
9. | おわりに |
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第2節 | 気孔開度調節による光合成と植物の生産量の促進 |
1. | はじめに |
2. | 気孔の構造と働き |
3. | 青色光による気孔開口 |
4. | 気孔開口促進による光合成と生産量の増加 |
5. | おわりに |
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第5章 | 酸化還元反応 |
第1節 | 光合成水分解メカニズムの解明 |
1. | はじめに |
2. | 光化学系IIにおける水分解反応活性中心の構造と水分解メカニズム |
3. | FT-IR による水分解反応メカニズムの解明 |
4. | おわりに |
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第2節 | 光合成による高効率エネルギー変換と水の酸化メカニズムの解明 |
1. | はじめに |
2. | 光合成電子伝達系による光エネルギーの生体エネルギーへの変換 |
3. | 光化学系IIの構造と電子伝達 |
4. | 水の酸化メカニズム |
5. | 光化学系IIの電子伝達制御と水の酸化メカニズムの解明を目指した研究と今後の見通し |
6. | 光化学系IIを利用した応用研究 |
7. | おわりに |
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第6章 | 光合成関連遺伝子解析 |
第1節 | 光合成遺伝子の光応答制御メカニズム |
1. | はじめに |
2. | 葉緑体光応答転写制御 |
3. | 転写後の葉緑体RNA 制御機構 |
4. | 核コード光合成関連遺伝子の光発現制御 |
5. | 葉緑体レトログレードシグナルによる光発現制御 |
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第2節 | 作物の光合成速度を向上させる自然変異遺伝子の解明 |
1. | はじめに |
2. | 作物の生産性と光合成速度 |
3. | イネ遺伝資源を用いた光合成速度にかかわる遺伝解析 |
4. | おわりに |
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第2編 | 産業応用を見据えた実用化研究−水素生成、人工光合成、有機系太陽電池 |
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総 論 光エネルギー変換システムの実用化へ向けた研究動向とその課題 |
1. | はじめに |
2. | 光エネルギーの変換と蓄積 |
3. | 光合成と人工光合成 |
4. | 光エネルギーと電荷分離、エネルギー変換 |
5. | 太陽電池と人工光合成 |
6. | 人工光合成へのアプローチと研究動向 |
7. | 光エネルギー変換システム開発の課題 |
8. | おわりに |
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第1章 | 光捕集 |
第1節 | タンパク質−色素複合体を用いた光電変換素子の開発 |
1. | はじめに |
2. | RCを用いた光電変換機能デバイスの作製 |
3. | 導電性AFMによるRCの導電性の評価 |
4. | RCを含むアンテナ系タンパク質−色素複合体(LH1-RC) |
5. | おわりに |
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第2節 | ポルフィリンを用いた光捕集材の開発 |
1. | はじめに |
2. | 有機分子間の共有結合を利用したポルフィリン集合構造 |
3. | 有機分子間の超分子系相互作用を利用したポルフィリン集合構造 |
4. | 無機材料を含む超分子系相互作用を利用した分子集合構造の構築 |
5. | 人工光捕集系の性能評価と後続反応との連結 |
6. | おわりに |
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第2章 | 酸化還元光触媒開発 |
第1節 | 水分解を指向した新規光触媒開発 |
1. | はじめに |
2. | LaTa7O19光触媒へのCu(I)置換による可視光応答化 |
3. | 酸窒化物の窒素量コントロールによる光触媒特性制御 |
4. | 新規酸窒化物光触媒の設計と合成 |
5. | おわりに |
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第2節 | 光エネルギーを用いて炭酸ガスを還元する光触媒系の開発 |
1. | はじめに |
2. | CO2を還元する金属錯体光触媒 |
3. | 光増感剤の連結によるCO2還元光触媒系の改良 |
4. | 光増感剤の混合によるCO2還元光触媒系の改良 |
5. | レニウム錯体を光触媒または触媒とする光反応系における反応中間体 |
6. | おわりに |
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第3章 | 水素生成 |
第1節 | 酸化物光電極および粉末光触媒とレドックス媒体を用いた高効率な水の酸化反応 |
1. | はじめに |
2. | レドックス媒体を用いた光触媒−電解ハイブリッドシステム |
3. | n型酸化物半導体光電極による太陽光水分解水素製造 |
4. | 半導体の高速スクリーニング技術 |
5. | おわりに |
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第2節 | 糸状性シアノバクテリアの窒素固定酵素ニトロゲナーゼを利用した光生物学的水素生産 |
1. | はじめに |
2. | 糸状性シアノバクテリア |
3. | ニトロゲナーゼ |
4. | 遺伝子工学による改良 |
5. | 水素バリア性プラスチック素材を利用したバイオリアクター |
6. | 今後の課題 |
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第3節 | 有機薄膜太陽電池を用いた水素製造技術 |
1. | はじめに |
2. | 有機薄膜太陽電池 |
3. | 水の電気分解による水素製造 |
4. | 有機薄膜太陽電池モジュール |
5. | 有機薄膜太陽電池モジュールによるソーラー水素製造 |
6. | おわりに |
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第4章 | 人工光合成システムの開発 |
第1節 | 炭化水素生成に向けた人工光合成装置の開発 |
1. | はじめに |
2. | 光触媒電極の課題と窒化物半導体 |
3. | AlGaN/GaN+Si p−n junction光電極の構成と測定系の構築 |
4. | デモンストレーションセルと実太陽光下での実験 |
5. | おわりに |
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第2節 | 光合成器官・触媒複合型人工光合成システムの開発 |
1. | はじめに |
2. | 水素製造のための光合成器官・触媒複合型人工光合成系 |
3. | 光合成器官固定電極を用いた人工光合成系光電変換デバイス |
4. | おわりに |
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第5章 | 色素増感太陽電池の開発 |
第1節 | 色素増感太陽電池の研究開発動向 |
1. | はじめに |
2. | TCO-less DSCの概要 |
3. | TCO-lessバックコンタクト円筒型DSC(DSC2) |
4. | ペロブスカイト太陽電池の効率 |
5. | 色素増感太陽電池の固体化と界面制御について |
6. | Sn/Pbカクテルペロブスカイトの物性 |
7. | Sn/Pbカクテルペロブスカイト太陽電池の特性 |
8. | Snペロブスカイト太陽電池に関する研究動向 |
9. | おわりに |
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第2節 | 近赤外ルテニウム錯体色素の開発 |
1. | はじめに |
2. | 代表的なルテニウム錯体色素 |
3. | 色素のエネルギー準位の制御 |
4. | 近赤外光を利用できるルテニウム錯体色素 |
5. | 有機色素とルテニウム錯体色素をハイブリットさせた光増感系 |
6. | 安定性向上に向けたルテニウム錯体色素 |
7. | おわりに |
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第3節 | 色素増感太陽電池の高性能化技術 |
1. | はじめに |
2. | TiO2光電極 |
3. | 色素 |
4. | 電解液 |
5. | 対極 |
6. | おわりに |
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第4節 | ホウ素化合物の機能に着目した太陽電池色素の開発 |
1. | はじめに |
2. | ホウ素色素の研究動向 |
3. | ジフルオロボロンジベンゾイルメタン色素の開発 |
4. | カテコールボロンクルクミン色素の開発 |
5. | おわりに |
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第5節 | 逆電子移動反応制御による色素増感太陽電池の高性能化 |
1. | はじめに |
2. | TiO2光電極付近の電子移動メカニズム |
3. | TiO2光電極の表面修飾による逆電子移動反応の抑制 |
4. | 電解質溶液による逆電子移動反応の抑制 |
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第6章 | 有機薄膜太陽電池の開発 |
第1節 | 太陽光から電気、食糧、燃料を作る、シースルー有機薄膜太陽電池の開発 |
1. | はじめに |
2. | 有機薄膜太陽電池の特徴 |
3. | シースルー有機薄膜太陽電池の作製 |
4. | シースルー有機薄膜太陽電池を用いた植物栽培 |
5. | シースルー有機薄膜太陽電池を用いた植物栽培実証実験 |
6. | おわりに |
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第2節 | 有機薄膜太陽電池の電子伝達機構:光合成反応中心との比較 |
1. | はじめに |
2. | 時間分解電子スピン共鳴法による測定 |
3. | 有機薄膜太陽電池のバルクへテロ接合界面における光電荷解離機構 |
4. | バルクへテロ接合界面に生成した長距離電子−正孔対の電子状態 |
5. | バルクへテロ接合界面と光合成反応中心における初期電荷分離状態の電子状態の相違 |
6. | おわりに |
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第3節 | 界面制御による有機薄膜太陽電池の高効率化技術 |
1. | はじめに |
2. | 有機半導体の概要 |
3. | 光吸収と励起子 |
4. | キャリア分離のためのバルクへテロ接合構造 |
5. | 有機半導体薄膜の形成方法 |
6. | 高効率な有機薄膜太陽電池の例 |
7. | まとめに代えて |
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むすび 植物機能に学ぶ次世代バイオミメティクス研究の将来展望−プラス1 つの実証モデルの提案 |
1. | はじめに |
2. | 人工光合成に対する社会的要請 |
3. | 光合成の歴史:酸素と二酸化炭素 |
4. | 環境中のCO2と植物の生育に関する課題 |
5. | 高濃度CO2耐性藻類 |
6. | 微細藻類のCO2欠乏に対する応答メカニズム |
7. | 人工光合成要素技術としてのCCMを模倣したCO2回収プロセスの提案 |
8. | メタン発酵 |
9. | 既存技術と酵素反応による二酸化炭素の回収効率の比較 |
10. | CO2の捕捉に触媒が必要である理由 |
11. | カルボニックアンヒドラーゼ(CA) |
12. | 緑藻およびシアノバクテリアの光合成によるCO2の固定とバイオマ再変換 |
13. | 光合成由来バイオマスの不活化とガスへの変換 |