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世界の潤滑油/潤滑油添加剤技術と市場・規格動向

[コードNo.14STA108]

■体裁/ B5判上製本 328ページ
■発行/ 2014年9月29日 S&T出版(株)
■定価/ 60,500円(税込価格)
■ISBNコード/ 978-4-907002-40-4

潤滑油・潤滑油添加剤の歴史から、使用用途、要求性能・・・
アジア・欧米・日本の市場の規格動向を網羅。

著者

浜口 仁

(元)エボニック・オイル・アディティブス・アジア・パシフィック 技術顧問 工学博士

【略歴】
  ・1972年〜1996年: 日本鉱業(現JX日鉱日石エネルギー)に勤務
  ・1975年〜1976年にインペリアルカレッジ留学
  ・1979年に世界初のMoDTC配合油を市販化
  ・1993年に東京大学より博士号(工学)取得
  ・1994年にJASO 2サイクル油のオンファイルシステム構築
  ・1996年〜2012年: エボニック・ジャパンに勤務
  ・1997年〜2011年 SAE Asiaのメンバーとして市場 調査実施
  ・1997年〜2012年 自動車技術会の各種委員会に参画
  ・2012年〜2014年: エボニック・オイル・アディティブス・アジア・パシフィック 技術顧問
  ・2014年〜:GS Caltex Corp. 技術顧問

書籍趣旨

 潤滑油は「機械の血液」とも呼ばれ、機械が長期間正常に稼働するために必要不可欠な要素である。
 18世紀半ばにイギリスで産業革命が起こってから約250年経過するが、その間機械文明は長足の発展を続け、それに伴って潤滑油も著しく多様化・高性能化を遂げてきた。一方、その専門性ゆえに、潤滑油の中味や作られ方、市場動向などは限られた関係者にしか知られていない。
 本書は、潤滑油の研究・開発、製造、販売などに従事する人々に潤滑油の内容につき理解を深めていただくとともに、潤滑油を使用する立場の方々にも潤滑油の性能の見分け方、市場動向などを知っていただくことを願って執筆したものである。
 本書では、はじめに、機械と潤滑油、潤滑油添加剤の歴史を振り返り、潤滑油がどのような背景で発展を遂げてきたかを解説する。続いて、潤滑油の用途と種類による分類法を紹介し、潤滑油の種類ごとの要求性能について解説する。また、潤滑油の基剤としての基油と添加剤につき、化学構造、製造方法、性能などについて述べる。
 次に、潤滑油の規格や試験法、性能評価法及び分析方法につき解説するとともに、潤滑油の開発プロセス、配合設計、製造方法についても解説する。さらに、潤滑油及び潤滑油添加剤の市場動向と、参入メーカー、サプライチェーンにつき解説する。最後に、潤滑油の新しい用途や新技術の動向、規制の動きにつき解説し、将来を展望する。
 著者は、1972年に社会人として潤滑油の研究開発に携わって以来、今日に至るまで42年間にわたり、潤滑油の研究開発、製造、品質管理、製品企画、販売、試験法の開発、性能評価、市場調査、教育研修、規格制定、規格運用システムの構築、添加剤のマーケティングと技術サービス、機械メーカーとの折衝などを担当してきた。本書は、これらの多面的な経験をまとめるつもりで執筆したものである。
 本書が、潤滑油に関わる皆様に、多少なりとも参考になれば幸いである。

                                                              「まえがき」より

目次

第1章潤滑油・潤滑油添加剤の歴史
はじめに
1.1機械と潤滑油の歴史
1.2潤滑油添加剤の歴史
第2章潤滑油の用途、種類と要求性能
はじめに
2.1 潤滑油の用途と種類
2.2 潤滑油の種類と要求性能
2.2.1エンジン油
@ 4サイクルガソリンエンジン油
A 2サイクルガソリンエンジン油
B 4サイクルディーゼルエンジン油
C 2サイクルディーゼルエンジン油
D ガスエンジン油
2.2.2駆動系油
@ 手動変速機油
A 自動変速機油(ATF)
B 自動変速機油(CVTF)
C 自動変速機油(DCTF)
D デファレンシャルギヤ油
2.2.3その他の自動車用潤滑油
@ パワーステアリング油
A ショックアブソーバ油
2.2.4工業用潤滑油
@ 油圧作動油
A タービン油
B 工作機械油
C 工業用ギヤ油
D 圧縮機油
E 冷凍機油
F 金属加工油
G 電気絶縁油
第3章潤滑油基油の種類、化学構造と製造方法
はじめに
3.1 潤滑油基油の種類
3.2 潤滑油基油の化学構造と製造方法
3.2.1鉱油系潤滑油基油
3.2.2合成系潤滑油基油
@ ポリアルファオレフィン(PAO)
A ポリブテン(PIB)
B アルキルベンゼン(AB)
C シクロアルカン類
D ジエステル
E ポリオールエステル
F リン酸エステル
G ポリアルキルメタクリレート(PAMA)
H ポリアルキレングリコール(PAG)
I ポリフェニルエーテル
J ポリシロキサン
K シリケートエステル
L ハロカーボン
3.3 潤滑油基油のまとめ
第4章潤滑油添加剤の種類、用途、化学構造と働き
はじめに
4.1 機械の保護を目的とする潤滑油添加剤
4.1.1清浄剤
4.1.2分散剤
4.1.3防錆剤
4.1.4腐食防止剤
4.1.5ゴム膨潤剤
4.2 潤滑油の保護を目的とする添加剤
4.2.1酸化防止剤
4.2.2金属不活性化剤
4.2.3消泡剤
4.2.4乳化剤
4.2.5抗乳化剤
4.2.6防黴剤
4.3 トライボロジー特性を改良する添加剤
4.3.1油性剤
4.3.2摩耗防止剤
4.3.3極圧剤
4.3.4摩擦調整剤
4.4 粘度特性を改良する添加剤
4.4.1粘度指数向上剤
4.4.2流動点降下剤
4.4.3増粘剤
4.4.4粘着性付与剤
4.5 その他の添加剤
4.5.1着色剤
4.5.2着香剤
4.6 潤滑油添加剤のまとめ
第5章潤滑油規格とその運用体系
はじめに
5.1 エンジン油規格
5.1.1米国
5.1.2欧州
5.1.3日本
5.1.4エンジン油の国際規格
5.1.5エンジン油の粘度分類
5.1.6エンジン油のOEM規格
5.2 駆動系油規格
5.2.1手動変速機油の規格
5.2.2自動変速機油の規格
5.3 油圧作動油規格
5.4 その他の工業用潤滑油規格
5.5 潤滑油規格の運用体制
第6章潤滑油の試験方法、性能評価と分析方法
はじめに
6.1 潤滑油の性状試験とその意義
@ 密度
A 色相
B 引火点
C 燃焼点
D 発火点
E 流動点/曇り点
F 動粘度
G 粘度指数
H 高温高せん断粘度
I CCS粘度
J MRV粘度
K ブルックフィールド粘度
L スキャニングブルックフィールド粘度
M 蒸発性
N 泡立ち
6.2 潤滑油の化学組成試験
@ アニリン点
A 全酸価
B 全塩基価
C 硫酸灰分
D 残留炭素分
E 水分
F 夾雑物
G 元素分析
H 硫黄分
I 窒素分
J 塩素分
6.3 潤滑油の性能評価方法
6.3.1机上性能評価
@ 酸化安定性試験
A 熱安定性
B 耐水性/水分離性
C 防錆性
D 腐食防止性
E せん断安定性
F ゴムシール適合性
G 耐荷重能
H 摩耗防止性
I 摩擦係数
6.3.2台上性能評価
6.3.3実機性能評価
6.4 潤滑油・潤滑油添加剤の分析方法
6.5 潤滑油の試験方法のまとめ
第7章潤滑油の配合設計と製造方法
はじめに
7.1 潤滑油の開発プロセス
@ 性状計算
A 粘度計算
B ポリマー添加油の粘度予測
C マルチグレードエンジン油の高温高せん断粘度の予測
D 試作油調合と性能評価
7.2 潤滑油の配合設計
7.2.1エンジン油
7.2.2駆動系油
7.2.3油圧作動油
7.2.4機械油
7.2.5その他の潤滑油
7.3 潤滑油の製造方法
@ 配合率単位について
A 小規模な試作調合
B 中規模な試作調合
C 潤滑油製品の製造
7.4 まとめ
第8章潤滑油・潤滑油添加剤の市場動向と参入メーカー
はじめに
8.1 潤滑油の市場動向
@ 日本の潤滑油市場
A 世界の潤滑油市場
B アジアのエンジン油市場
8.2 (参考)自動車の市場動向
@ 自動車の生産台数
A 自動車の登録台数
B 自動車の保有台数
C 二輪車の生産台数
D 二輪車の販売台数
E 二輪車の保有台数
F アジアの自動車保有率
8.3 潤滑油基油の市場動向
8.4 潤滑油添加剤の市場動向
8.5 参入メーカー
@ 潤滑油製造メーカー
A 基油製造メーカー
B 添加剤メーカー
8.6 まとめ
第9章潤滑油・潤滑油添加剤の採用構造とサプライチェーン
はじめに
9.1 潤滑油のサプライチェーンと採用構造
@ エンジン油
A 駆動系油
B 舶用潤滑油
C 油圧作動油
D 設備用潤滑油
E 冷凍機油
F 金属加工油
G 電気絶縁油
9.2 添加剤のサプライチェーンと採用構造
9.3 まとめ
第10章潤滑油・潤滑油添加剤の今後の展望
はじめに
10.1 潤滑油・潤滑油添加剤の新しい用途
10.2 潤滑油・潤滑油添加剤の新しい技術
10.3 潤滑油・潤滑油添加剤の規制の動向
10.4 潤滑油・潤滑油添加剤の将来展望
おわりに
略語集
サイドストーリー1:万能潤滑油?
サイドストーリー2:地域別エンジン構成
サイドストーリー3:ハイブリッド車のエンジン油は?
サイドストーリー4:地域別トランスミッション構成
サイドストーリー5:キャビテーション
サイドストーリー6:石油と潤滑油
サイドストーリー7:エマルション
サイドストーリー8:MoDTCの想い出
サイドストーリー9:規格名の意味
サイドストーリー10:排気ガス規制の落とし穴



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