本書は、2013年11月13日、14日に開催したセミナー「水素社会実現の道筋とビジネスチャンス 日本全国での実現性を探る!/ S&T出版主催」を元に、専門家でなくても理解しやすい説明文とPowerPointの図で構成した書籍です。
水素社会実現に向けて製造・貯蔵・運搬・利用技術を推進している企業の方々だけでなく、国内外のエネルギー事情に深く関わっているコンサルタント、投資家、大学教授が直面する「水素化社会構築に関わる多様な現実」を収録しています。
現在の水素エネルギーへの動きが「また」なのか「今度は実現する」のか、見極めに本書をご活用いただければ幸いです。
(2014年2月 S&T出版 編集部)
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はじめに:水素社会実現への動き -利用・製造・貯蔵・輸送- |
1 | 水素の利用 |
1.1 | FCV・産業用車両 |
1.2 | 再生可能エネルギーの余剰電力の貯蔵・電力調整 |
| ・エネファームの販売台数 |
1.3 | 産業用電源・分散型電源 |
1.4 | 家庭用燃料電池 |
1.5 | 非常用電源 |
1.6 | 水素混焼・専焼発電 |
1.7 | メタン化 |
2 | 水素製造 |
3 | 水素の貯蔵・輸送 |
4 | 水素ステーション |
| ・稼働中の水素ステーション2014年1月 |
| ・平成25年度 燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業 交付決定内容 |
| ・セントレア水素ステーションの技術開発体制 |
5 | 燃料電池、水素の普及促進に関わる団体、支援事業一覧 |
| ・平成25年度 再生可能エネルギー貯蔵・輸送等技術開発 採択テーマ |
| ・先端的低炭素化技術開発(ALCA)エネルギーキャリアプロジェクトの運営体制 |
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〔1〕 | (株)ユニバーサルエネルギー研究所 代表取締役 金田 武司 氏 インタビュー -水素社会実現のシナリオと課題- |
| ・水素社会到来の可能性について何を留意すべきでしょうか |
| ・低いエネルギー自給率の解決策として水素エネルギーが有力でしょうか |
| ・国レベル・地域レベルのエネルギー・セキュリティに何が必要でしょうか |
| ・アメリカと状況が異なる日本では、天然ガスや水素エネルギーが原子力代替となり得るのでしょうか |
| ・石油依存脱却の一つとして水素エネルギーの導入を決めたアメリカではどのような動きがあるのでしょうか |
| ・日本のエネルギー自給率の推移 |
| ・エネルギー自給率の割合 |
| ・水素エネルギーの特徴 |
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〔2〕 | 燃料電池自動車市販化に向けたFCV技術開発と水素インフラ整備の動向 |
1 | FCVの意義 |
2 | FCVの開発状況 |
| ・水素の特性 |
| ・FCVがガソリン車同等以上の安全性を確保する基本要件 |
3 | FCV以外の燃料電池のアプリケーション |
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〔3〕 | 水素ステーションにおける水素製造技術と全国展開の展望 |
1 | 三菱化工機の水素製造装置 |
| ・三菱化工機の紹介 |
| ・三菱化工機の水素製造装置 |
| ・スチームリフォーミングによる水素製造方法 |
| ・PSAの原理 |
| ・大型〜中型水素製造装置 |
2 | 小型水素製造装置の開発と水素ステーションへの適用 |
| ・小型水素製造装置開発の背景 |
| ・小型水素製造装置 |
| ・TM機およびHyGeiaの開発 |
| ・HyGeiaの主な仕様 |
| ・水素製造装置の機能 |
| ・水素ステーション向け水素製造装置 |
| ・NEDOロードマップの水素コスト目標 |
3 | 水素ステーション用水素製造装置の開発 |
| ・水素ステーション用水素製造装置の開発目標 |
| ・開発項目・実施内容 |
| ・開発スケジュール |
| ・開発成果@ |
4 | オンサイト水素ステーション普及の可能性 |
| ・開発成果まとめ |
| ・HyGeia-Aの実用化 |
| ・FCVと水素ステーションの普及に向けたシナリオ |
| ・水素ステーションの形態 |
| ・2013年度に建設予定の水素ステーション |
| ・ステーション稼働率と水素コスト試算 |
| ・建設コストと水素コスト(オンサイト) |
| ・CO2排出量 |
| ・CO2回収への取組み |
| ・消化ガスの有効利用 |
| ・下水処理場から発生するバイオメタンガス |
| ・バイオマスでの水素製造量ポテンシャル |
5 | 水素製造装置の今後の課題 |
| ・消化ガスを原料とした水素ステーション |
| ・水素製造装置の今後の課題まとめ |
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〔4〕 | 水素インフラ整備に向けて 〜岩谷産業としての取組み〜 |
1 | 水素市場の現状 |
| ・イワタニと水素との関わり |
| ・日本における水素需要 |
| ・外販水素マーケット |
| ・米国の水素マーケット |
| ・水素の工場立地と輸送手段 |
| ・液化水素利用の優位性 |
| ・FCVと水素ステーションの普及に向けたシナリオ |
2 | FCV普及に向けた水素インフラ整備の取組みと課題 |
| ・FCV国内市場導入と水素供給インフラ整備に関する共同声明(2011.1.13) |
| ・NEDO JHFC3の実証水素ステーション(17箇所) |
| ・有明水素ステーション |
| ・関西空港水素ステーション |
| ・北九州水素ステーション |
| ・とよたエコフルタウン水素ステーション |
| ・パッケージ型水素ステーション LINDE・Hydrogear |
| ・中央研究所水素ステーション |
| ・2013年度水素ステーション先行整備 |
| ・普及初期/スポット需要/移動式 |
3 | 水素ステーションの技術開発課題 |
| ・移動式液化水素ステーション概略フロー |
| ・移動式素ステーション(簡易型水素充填設備) |
| ・2015年に向けた水素インフラの課題 |
| ・当社水素ステーションのイメージ |
| ・水素ステーション関連の技術開発 |
| ・イオニックコンプレッサー・IC90システムフロー |
| ・国内導入に向けての課題と対処方法 |
| ・ハンブルグ TOTAL ステーション |
| ・ベルリン Shell ハイパーステーション |
| ・海外における液化水素利用のステーション |
| ・ベルリン Shell ハイパーステーション 全体レイアウト |
4 | 水素ステーション普及に向けての規制見直しについて |
5 | 水素エネルギー社会の展望 |
| ・規制見直し |
| ・国内のFCV普及台数、水素需要見通し |
| ・水素を利用したスマートエネルギーシステム |
| ・当社がめざす水素社会への道のり |
| ・液化水素チェーン |
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〔5〕 | 水素の大量貯蔵輸送技術と水素社会実現の可能性 |
1 | 水素サプライチェーン構想 |
| ・水素の大量供給によって拡大する水素利用分野 |
2 | 有機ケミカルハイドライド法 |
| ・有機ケミカルハイドライド法の構成 |
| ・エネルギー貯蔵密度 |
| ・海上輸送 |
| ・代表的な有機ケミカルハイドライド・システム |
| ・Toluene/MCH系の物性 |
| ・脱水素反応の化学平衡 |
3 | 脱水素触媒の開発 |
| ・従来の脱水素触媒の性能 |
| ・コーキング(炭素析出)の開始反応 |
| ・開発脱水素触媒 |
4 | 技術実証 |
| ・開発触媒の性能 |
| ・実証プラント[反応・貯蔵セクション] |
| ・実証装置の成績 |
| ・SPERA Hydrogen |
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〔6〕 | 水素社会における水電解式水素製造と貯蔵の実現性および課題 |
| ・高純度水素発生装置 |
| ・WE-NET計画(1990年代) |
1 | 水電解式水素製造の位置づけ・特長 |
| ・NEDO・水素社会実現への取組み(2013年) |
| ・水素の優位性 |
| ・水電解の特長 |
| ・水電解技術の比較 |
| ・PEM型水電解の原理 |
2 | 現状のオンサイト水素事業 |
| ・オフサイト vs オンサイト |
| ・当社の水素発生装置の特長 |
| ・コンパクトタイプ (水素サーバー) |
3 | 水素エネルギー社会への展開 |
| ・圧縮ボンベ代替の経済的メリット |
| ・PEM型水電解の可能性 |
| ・夜間電力利用/負荷平準化の検討 |
| ・太陽光発電利用/負荷平準化の検討 |
| ・電力管理システムの概要 |
| ・水素ステーション実証 (屋久島・九州大学) |
4 | PEM型水電解の課題と開発状況 |
| ・神戸製鋼グループの取組み |
| ・国内のPEM型水電解の開発経緯 |
| ・経済性試算 |
| ・開発課題≪水素ガス単価≫ |
| ・電解セル部品の低コスト化 |
| ・電解の高効率化 |
| ・電極触媒量の低減 |
| ・開発課題≪付加価値≫ |
5 | 今後の展望 |
| ・再生可能エネルギー利用における水素変換 |
| ・水素貯蔵との組合せ |
| ・海外のPEM型水電解の技術動向 |
| ・国内のPEM型水電解の技術動向 |
| ・PEM型水電解の拡がり |
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〔7〕 | 再生可能エネルギーの大量導入に向けた高効率水素電力貯蔵の可能性 |
1 | 再生可能エネルギーと電力貯蔵 |
| ・再生可能エネルギー導入先行国の課題 |
| ・水素電力貯蔵に関する最近の具体的な動き |
| ・イギリス・ワイト島エコアイランドPJ@ |
| ・水素電力貯蔵システムの利用形態 |
| ・水素電力貯蔵システム |
2 | SOEC/SOFC水素電力貯蔵システム |
| ・電解方式と水素製造性能・コスト |
| ・電力貯蔵システムの比較 |
| ・電力貯蔵技術の入出力容量・蓄電時間 |
| ・SOEC技術開発の経験 |
| ・システム制御のコンセプト |
| ・DCリンクの効果 |
| ・風力発電との協調制御 |
3 | 経済性の検討 |
| ・充電池を組合せた水素電力貯蔵システム |
| ・経済性の検討 |
| ・想定される水素社会への移行プロセス |
| ・実用化シナリオについての考察 |
4 | まとめ |
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〔8〕 | 分散型水素インフラの狙い |
1 | 自動車開発の方向性 |
| ・スウェーデンSAAB AUTO社破綻・再生 |
| ・SAAB破綻・再生案件からの教訓 |
2 | 水素とは |
| ・自動車開発の方向性:「脱石油」へ |
| ・水素の歴史 |
| ・水素の特徴 |
| ・水素の用途 |
| ・燃料電池の仕組み |
| ・燃料電池の強み |
3 | 水素の位置付け |
| ・エネルギー概念図 |
| ・エネルギー分類図 |
| ・2次エネルギー |
| ・水素インフラ整備を推進する社会的趨勢 |
4 | 化石燃料由来水素から“クリーン水素”へ |
| ・そもそも水素はクリーンか? |
| ・既存の水素製造法 |
| ・水素製造インフラの配置 |
| ・クリーン水素の製造法 |
| ・水素製造法比較 |
| ・「コスト」と「クリーンさ」の2軸分析 |
| ・バイオマス→水素 |
5 | 分散型水素製造 |
| ・水素製造法比較 |
| ・水素製造・輸送・供給技術ロードマップ |
6 | クリーン水素の原料としてのバイオマス |
| ・水素バリューチェーン及びコスト |
| ・水素輸送の距離 |
| ・バイオマスの分類 |
| ・バイオマスの性質 |
| ・バイオマス(森林資源)の需給考察 |
| ・バイオマス(木質系)の位置付け |
| ・「バイオマス」「分散型」の合理性 |
| ・バイオマスの利用技術(発電システム) |
| ・バイオマスエネルギー技術ロードマップ |
| ・バイオマスエネルギー技術体系 |
| ・水素製造技術のロードマップ |
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〔9〕 | 原発事故後のエネルギー政策に関する考察 -自立する国へのシナリオ- |
1 | 序論 子孫に美田を残してきた国 |
2 | 日本のエネルギー・セキュリティー |
3 | 原子力エネルギーの位置づけ |
| ・日本のエネルギー・セキュリティー |
4 | 地域のエネルギー自給率 |
| ・原子力エネルギーの位置づけ |
| ・地域のエネルギー自給率 |
5 | Self Support運動 -B級エネルギー大会 |
6 | エネルギー・マイレージ |
| ・宮古市BLUE CHALLENGE PROJECT 全体イメージと地域貢献 |
7 | 地消地産+水素 |
8 | マクロ経済的な意味 |
9 | Self Support運動の外交的意味 |
10 | まとめ |