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プラント技術者のための
塔・槽・熱交換器見積の基本
大原 宏光 著
[コードNo.20130581]
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■著者/ |
大原宏光(大原シーイー研究所 代表) |
■体裁/ |
A4版 90ページ |
■発行/ |
2012年11月 初版/大原シーイー研究所 |
■定価/ |
11,000円(税・送料込価格) |
著者紹介
大原シーイー研究所 代表 大原宏光 氏
(略歴)1959年三井造船株式会社入社、主にプラント事業部門で見積業務を担当、2000年3月退職。
現在は、企業の見積業務支援・指導、セミナー講師など実施。
著者のことば
塔・槽・熱交換器・反応器などは、「製缶機器」と呼称されていて、流体を主体に扱う石油化学系プラントの建設費のうちでは約20%を占め見積や調達担当にとっては重要な項目である。本書は、塔・槽・熱交換器の見積について詳細解説したものである。
プラントエンジニアリング企業では、塔・槽・熱交換器の見積・評価・コストダウンなどでコスト関連業務に携わる担当者は多い。競争の激しい現在ではコスト知識は、コストを専門とする見積積算技術者のみの知識ではなくある程度は技術者の共通知識として備えていなければならない時代である。グローバル調達が行われる時代にあってはより広い視野でコスト評価が求められる昨今でもある。しかし塔・槽・熱交換器はその都度仕様が異なる特注品であること、又それら機器の製作現場に接する機会や経験の少ない特に若いプラント技術者にとっては、そのコストの成り立ちなどは大変分かりにくい面もあるのが現実であろう。著者は、こうした時代の技術者のコスト評価能力向上のための一助にできないかと考え本書を執筆した次第で、実務経験が浅い方でも理解できるように基礎的な面に重きをおき解説した。主要解説内容は、下記のような項目である。
@塔・槽・熱交換器のコスト構成項目やその内容を詳しく解説
A塔・槽・熱交換器の製作手順などを加工費関連知識として図表・イラストを用いて解説
B塔・槽・熱交換器の詳細「積上げ」見積法の要領を詳細解説
C塔・槽・熱交換器の各種概算見積手法を解説
D塔・槽・熱交換器のコストダウンの着目点を解説
本書が見積関連の教育資料としてお役にたてれば幸甚である。ただ内容は、著者の力量不足もありいささか伝統的なケースで解説させて頂いていることをお許し願いたい。執筆文章にしても丁寧に記述したつもりだが編集も含め不慣れな著者、至らぬ点があろうかと思いますがお許し願いたい。ご教示を頂ければ幸いです。今後も内容の充実に努め、より有益なものがご提供できればと考えている。執筆に際しご協力頂きました方々に御礼申し上げます。
著者 2012年11月
お願い
●塔・槽・熱交換器に関わる設計・製作・検査技術は日進月歩で、又現実の塔・槽・熱交換器メーカーの工場設備や製作手順、さらに素材・部品の調達や加工外注の内容も様々である。詳しく最新のものは本書をヒントに個別に勉強されることをお願いしたい。
●本書の図表類の諸データは、それなりの配慮はいたしていますが、ほとんどは解説のための参考例として示しています。実務では必ず最新の専門書や資料を参照されるようお願いしたい。
目次
| |
第1章 | 機器見積の種類と位置付け |
|
第2章 | 塔・槽・熱交換器の基礎知識 |
2.1 | 塔・槽・熱交換器の形式と構造 |
1) | 塔の形式と構造 |
2) | 槽の形式と構造 |
3) | 多管円筒形熱交換器の形式と構造 |
2.2 | 法規と規格 |
2.3 | 設計図書で使われる単位 |
2.4 | 材料の種類 |
|
第3章 | 塔・槽・熱交換器見積のための設計 |
3.1 | 塔・槽・熱交換器の基本設計と詳細設計 |
3.2 | 機器メーカヘの見積照会 |
1) | 見積引合い書の様式 |
2) | 見積仕様書(購入仕様書)の概要 |
3) | 機器基本設計条件の概要 |
3.3 | 機器データシート |
|
第4章 | 塔・槽・熱交換器見積コストの構成 |
4.1 | 製造業の実際原価計算の考え方 |
1) | 原価の集計方法の違いによる分類 |
2) | 原価の構成 |
3) | 直接工の作業時間分類 |
4.2 | 塔・槽・熱交換器の見積コスト区分 |
4.3 | 塔・槽・熱交換器メーカーの見積コスト区分の事例 |
|
第5章 | 塔・槽・熱交換器詳細見積の詳細解説 |
5.1 | 塔・槽・熱交換器の見積法 |
5.2 | 塔・槽・熱交換器の詳細(積上げ)見積の作業手順 |
5.3 | 材料数量算出の基本 |
1) | 数量算出の目的 |
2) | 正味数量と所要数量 |
3) | 材料数量の単位 |
4) | 材料拾いと正味質量の計算 |
@ | 基本質量について |
A | 材料の品種別単位質量表の準備 |
B | 購入部品の質量表の準備 |
C | 付属品の質量表の準備 |
5.4 | 材料所要数量(質量)の算出 |
1) | 素材率による所要数量(質量)を求める方法 |
@ | 素材率の考え方 |
A | 正味質量算出基準と素材率 |
2) | 材料取り図から所要数量(質量)を求める方法 |
5.5 | 材料費の解説 |
1) | 材料単価について |
@ | 鋼板の価格 |
a) | 鋼板の価格体系の概要 |
b) | 鋼板価格の推移 |
c) | 汎用鋼板の価格情報 |
A | ステンレス鋼板の価格 |
a) | ステンレス鋼板の価格体系の概要 |
b) | ステンレス鋼板の価格推移 |
c) | 汎用ステンレス鋼板の価格情報 |
B | 熱交換器用伝熱鋼管(継目無し引抜き鋼管)の価格と材料費の算出 |
a) | 伝熱鋼管(継目無し引抜き鋼管)の価格体系 |
b) | 伝熱鋼管のkg当り単価と質量の関係 |
C | 鍛鋼成形品(本体フランジ・管板・ノズルフランジ)の価格 |
D | 海外規格材・特殊仕様材料・非鉄金属材料の価格 |
5.6 | 外注加工費の解説 |
5.7 | 加工費の解説一般 |
1) | 直接作業工数の考え方 |
2) | 工数単価の考え方 |
5.8 | 塔・槽・熱交換機器の製作手順と加工工数 |
1) | 塔本体の製作手順と加工工数 |
2) | 槽の製作手順と加工工数 |
@ | 槽の製作手順と製作工数 |
A | 槽の加工工数 |
3) | 熱交換器の製作手順と加工工数 |
@ | 多管円筒形熱交換器の製作手順 |
A | 多管円筒形熱交換器の加工工数 |
5.9 | 設計費の解説 |
1) | 設計工数の考え方 |
2) | 工数単価の考え方 |
5.10 | 検査費の解説 |
1) | 塔・槽・熱交換器の検査項目 |
2) | 検査費見積の実際 |
3) | 官庁検査手数料について |
4) | 非破壊試験費の解説 |
@ | 非破壊試験基礎知識 |
a) | 非破壊試験の種類 |
b) | 放射線透過試験の概要 |
A | 放射線透過試験費の見積 |
a) | 放射線透過試験施工手順と見積範囲 |
b) | 放射線透過試験の撮影フィルム枚数の算出 |
c) | 槽の放射線透過試験費の見積例 |
d) | 放射線透過試験の直接工数について |
B | 浸透探傷試験費の見積 |
a) | 染色浸透探傷試験施工手順と見積範囲 |
b) | 数量の算出 |
c) | 染色浸透試験検査費の見積 |
d) | 染色浸透試験検査の直接工数について |
5.11 | 溶接後熱処理費の解説 |
@ | 基礎知識 |
A | 炉内加熱(熱処理炉)による溶接後熱処理施工法の解説 |
B | 炉内加熱による溶接後熱処理費の見積 |
5.12 | 治具型代の解説 |
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第6章 | 塔・槽・熱交換器の詳細(積上げ)見積例 |
6.1 | 塔の見積例 |
1) | トレイ塔本体の見積例 |
2) | 長尺塔の現地周溶接組立工事費の見積例 |
6.2 | 槽の見積例 |
6.3 | 熱交換器の見積例 |
6.4 | 見積落ちになりやすいもの |
|
第7章 | 塔・槽・熱交換器の概算見積 |
7.1 | 概算見積手法構築の考え方 |
1) | 概算見積手法構築の概念 |
2) | 塔・槽・熱交換器の概算見積法の種類 |
7.2 | 概算見積手法「パラメトリック法」 |
a) | パラメトリック法とは |
b) | パラメトリック法の狙い |
c) | パラメトリック法の構築手順 |
7.2.1 | 塔の概算見積手法「パラメトリック法」の構築例 |
1) | 塔のコストデータの収集条件の設定 |
2) | 塔のコストデータの収集・整理 |
3) | 塔のコストデータのグラフ化と近似曲線式 |
4) | 塔のパラメトリック法による見積例 |
7.2.2 | 槽の概算見積手法「パラメトリック法」の構築例 |
1) | 槽のコストデータの収集条件の設定 |
2) | 槽のコストデータの収集・整理 |
3) | 槽のコストデータのグラフ化と近似曲線式 |
4) | 槽のパラメトリック法による見積例 |
7.2.3 | 熱交換器の概算見積手法「パラメトリック法」の構築例 |
1) | 熱交換器のコストデータの収集条件の設定 |
2) | 熱交換器のコストデータの収集・整理 |
3) | 熱交換器のコストデータのグラフ化と近似曲線式 |
4) | 熱交換器のパラメトリック法による見積例 |
7.2.4 | パラメトリック法の見積精度 |
7.3 | 概算見積手法「コストカーブ法」 |
1) | コストカーブの使い方 |
2) | コストカーブ法の構築 |
3) | グラフ用紙の種類 |
7.4 | 概算見積手法「Ton当り価格,u当り価格法 |
1) | 「Ton当り価格,u当り価格法」の構築 |
2) | 「Ton当り価格,u当り価格法」での見積要領 |
3) | 「Ton当り価格,u当り価格法」を使う場面 |
7.5 | 概算見積手法「指数乗則法」 |
1) | 指数乗則法とは |
2) | 塔・槽・熱交換器の能力指数 |
3) | 指数乗則法の使用上の注意点 |
4) | 能力指数の求め方 |
5) | 熱交換器の指数乗則法による見積例 |
7.6 | 塔・槽・熱交換器のコストインデックス |
1) | コストインデックスの活用 |
2) | 塔・槽・熱交換器のコストインデックスの紹介 |
3) | 塔・槽・熱交換器のコストインデックスの使い方 |
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第8章 | 塔・槽・熱交換器のコストダウンについて考察 |
8.1 | 塔・槽・熱交換器のコストダウンの着目点 |
8.2 | 形式選定時の検討ポイント |
8.3 | 材料費のコストダウン |
1) | 軽量化によるコストダウン |
2) | 材料・部品の製法見直しによるコストダウン |
8.4 | 加工費のコストダウン |
1) | 軽量化によるコストダウン |
2) | 溶接線長を短くしコストダウン |
3) | チューブ本数(管板孔数)減によるコストダウン |
8.5 | 検査費・設計費のコストダウン |
8.6 | メーカー段階でのコストダウンの内容 |
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添付資料−1 |
塔・槽・熱交換器見積用主要部品の正味質量算出基準と素材率一覧表 |
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