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小型化・集密化する電子デバイスを支える 熱輸送・冷却技術の進化と新展開
- 進化するサーマルソリューションの技術開発動向・応用展開と製品化事例 -
[コードNo.21STM069]
■体裁/ |
B5判並製本 183ページ |
■発行/ |
2021年 3月24日 サイエンス&テクノロジー(株) |
■定価/ |
49,500円(税・送料込価格) |
■ISBNコード/ |
978-4-86428-241-3 |
著者
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麓 耕二 | 青山学院大学 |
望月 正孝 | The Heat Pipes |
長野 方星 | 名古屋大学 |
齋藤 博史 | 東京都立産業技術高等専門学校 |
海野 徳幸 | 山口東京理科大学 |
鹿野 一郎 | 山形大学 |
藤井 泰久 | (株)KRI |
西川原 理仁 | 豊橋技術科学大学 |
宮崎 康次 | 九州工業大学 |
柏尾 南壮 | (株)フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ |
書籍趣旨
近年、新規電子デバイスの開発や既存製品の更なる小型化・集密化が求められる中、電子デバイスの故障や信頼性の低下に直結する発熱・放熱問題の対策が喫緊の課題となっており、高度な熱輸送・冷却技術の開発が急務となっています。一例としてスマートフォンに着目すると、次世代通信規格「5G」の導入に伴う情報通信の高速化・大容量化や高機能化、IoT機器の同時接続・処理数の増加などにより、旧型の端末機器と比較し発熱量が急増しています。そのため、従来の熱対策技術では到底賄いきれず、対策としてアプリケーションプロセッサ(AP)/メモリ(DRAM)/ディスプレイなど、各種パーツの一つ一つにサーマルマネジメント技術が必要となっています。
本書は、各種電子デバイスの発熱・放熱問題解決の一助となりうる熱輸送・冷却技術について、従来から実用化が進められ、近年更に進化を続けている「ヒートパイプ」をはじめ、「沸騰冷却」「磁性流体」「電気流体力学(EHD)」を利用した各種熱輸送デバイスの原理・開発動向から高機能化について、専門家による解説を幅広く掲載しました。加えて昨今、新しい熱輸送現象として注目を集めている「表面フォノンポラリトン」による熱輸送現象に基づく新たな試みや、「5G対応スマートフォン / ミニ基地局」の放熱対策部品について、具体的な製品事例を紹介しています。
本書が電子デバイスの発熱・放熱問題を解決する一助となり、電子デバイスの更なる開発・発展のお役に立つ1冊となれば幸いです。
(書籍企画担当)
目次
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第1章 | 小型化する電子デバイスと求められるサーマルマネジメント |
1. | サーマルマネジメントについて |
2. | サーマルマネジメントのための各種技術 |
2.1 | 放熱材料 |
2.2 | 熱エネルギー変換材料 |
2.3 | 蓄熱技術と蓄熱材料 |
3. | 小型化・集密化する電子デバイスのサーマルマネジメント |
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第2章 | ヒートパイプの開発動向 |
第1節 | ヒートパイプの基礎と超薄型サーマルソリューションの開発動向 |
1. | ヒートパイプの基礎 |
1.1 | 原理、構造 |
1.2 | ヒートパイプの作動限界 |
1.2.1 | 粘性限界 |
1.2.2 | 音速限界 |
1.2.3 | 毛細管限界 |
1.2.4 | 飛散限界 |
1.2.5 | 沸騰限界 |
1.3 | 使用温度範囲 |
1.4 | 作動流体・容器材料の適合性 |
1.5 | ヒートパイプの設計 |
1.5.1 | 作動流体の選定 |
1.5.2 | 容器の設計 |
1.5.3 | ウイックの設計 |
1.5.4 | ヒートパイプの熱設計(ヒートパイプの熱抵抗の算出) |
1.6 | ヒートパイプの応用分野 |
2. | 超薄型サーマルソリューションの開発動向 |
2.1 | 開発動向 |
2.2 | カーボングラファイトシート(Gr) |
2.3 | 超薄型ヒートパイプ(HP) |
2.4 | 超薄型ベーパチャンバー(VC) |
2.5 | ループヒートパイプ(LHP) |
2.6 | 自励振動型ヒートパイプ(PHP) |
3. | 等価熱伝導率(Keff)による薄型伝熱素子の総合評価 |
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第2節 | 自励振動型ヒートパイプの開発動向 |
1. | PHP の動作原理 |
2. | 各種パラメータによる熱輸送性能への影響 |
2.1 | 流路形状とターン数(チャンネル数) |
2.2 | 作動流体の物性値と封入率 |
2.3 | 設置姿勢と各種寸法割合 |
3. | PHP に関する既存の研究 |
4. | 研究事例の紹介 |
4.1 | 従来型ヒートパイプと自励振動型ヒートパイプの比較 |
4.2 | 小型PHP への挑戦 |
5. | 応用技術としての可能性 |
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第3節 | 高機能ループヒートパイプ開発動向 |
1. | ループヒートパイプの概要 |
1.1 | ループヒートパイプの特徴 |
1.2 | ループヒートパイプの歴史 |
1.3 | ループヒートパイプの原理 |
2. | 研究開発動向ならびに研究開発事例 |
2.1 | 高熱流束ループヒートパイプ |
2.2 | 超小型ループヒートパイプ |
2.3 | 大型ループヒートパイプ |
2.4 | 長距離ループヒートパイプ |
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第4節 | 極薄ループヒートパイプの開発動向 |
1. | ループヒートパイプ薄型化への期待 |
2. | 薄型ループヒートパイプの研究開発事例 |
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第5節 | 相変化型並列細管熱輸送デバイスの研究開発の動向 |
1. | 並列細管熱輸送デバイスとは |
2. | 並列細管熱輸送デバイスの構造および熱輸送特性評価実験装置 |
2.1 | 基本構造 |
2.2 | 封入作動流体 |
2.3 | 熱輸送特性評価実験装置 |
3. | 並列細管熱輸送デバイスの熱輸送特性 |
3.1 | 封入率が熱輸送特性に与える影響 |
3.2 | 形状・寸法が熱輸送特性に与える影響 |
3.3 | 設置角度が熱輸送特性に与える影響 |
3.4 | 作動流体の種類が熱輸送特性に与える影響 |
3.5 | 内部流動の評価 |
3.6 | 熱輸送量と内部流動の同時計測および流動様式の判別 |
4. | 並列細管熱輸送デバイスの応用 |
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第3章 | 沸騰冷却技術の開発動向 |
第1節 | 沸騰冷却技術の基礎と開発動向 |
1. | Society5.0時代における冷却技術の必要性 |
2. | 半導体デバイスとその冷却技術の歩み |
3. | 沸騰冷却技術の基本原理 |
3.1 | 冷却電力削減を目指したプール沸騰方式 |
3.2 | 超高熱流束除去を目指した強制流動沸騰方式 |
4. | 沸騰冷却技術の実用化に向けた課題 |
4.1 | 気泡核生成とオーバーシュートの問題 |
4.2 | 半導体デバイス温度低減のための熱伝達率の更なる向上 |
4.3 | 最大冷却限界を決める限界熱流束 |
5. | 沸騰冷却技術の開発動向 |
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第2節 | 電界印加による沸騰熱伝達の高機能化 |
1. | 沸騰熱伝達促進技術 |
2. | 電気流体力(EHD)による体積力 |
3. | 冷媒の選定とダイヤモンド粒子電着によるプール沸騰熱伝達促進技術 |
4. | 電界印加によるプール沸騰熱伝達促進 |
5. | 電界印加によるサブクール流動沸騰熱伝達促進 |
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第4章 | 磁性流体の開発動向 |
第1節 | 磁性流体の基礎と開発動向 |
1. | 磁性流体の歴史 |
2. | 磁性流体の製法 |
3. | 特性と各種物性値 |
3.1 | 磁性 |
3.2 | レオロジー特性 |
3.3 | 特殊な性質を持った磁性流体 |
4. | 工業的応用とサーマルマネジメントデバイスへの利用 |
5. | 磁性流体を用いた熱輸送デバイスの今後 |
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第2節 | 電源フリーの磁性流体循環熱輸送デバイスの開発動向 |
1. | 磁性流体駆動式冷却デバイス |
1.1 | 背景 |
1.2 | 磁性流体 |
1.3 | デバイスの構成 |
1.4 | 駆動原理 |
1.5 | 駆動性能の進化 |
1.6 | デバイスの性能 |
1.7 | 想定される応用例 |
2. | 今後の応用開発 |
2.1 | 磁性流体駆動式冷却デバイスのまとめ |
2.2 | 研究プロジェクト |
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第5章 | 電気流体力学(EHD)現象を利用した熱輸送デバイスの開発動向 |
1. | 序論 |
2. | EHD 流動 |
2.1 | 動作原理 |
2.1.1 | 絶縁性液体での電気伝導 |
2.1.2 | イオンドラッグポンプ |
2.1.3 | コンダクションポンプ |
2.1.4 | インダクションポンプ |
2.1.5 | 誘電泳動力 |
2.1.6 | 液面上昇 |
2.1.7 | 数元効果 |
2.2 | 液単相流での応用 |
2.2.1 | イオンドラッグポンプの開発と温度依存性 |
2.3 | 気液二相流での応用 |
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第6章 | 表面フォノンポラリトンによる熱輸送技術 |
1. | 表面フォノンポラリトン |
2. | 熱伝導率と熱拡散率測定方法 |
3. | SiO2超薄膜の作製 |
4. | 熱伝導率と熱拡散率測定結果 |
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第7章 | 5G 対応スマートフォンおよびミニ基地局の放熱対策部品の事例 |
1. | 放熱の理由 |
2. | 放熱の激しい電子部品 |
3. | 放熱対策のバリエーション |
4. | 放熱対策部材のバリエーション |
5. | 5G 対応スマートフォンにおける放熱対策部材の事例 |
5.1 | エラストマー |
5.2 | 炭素黒鉛シート |
5.3 | 銅箔 |
5.4 | 熱伝導パイプ(ベーパーチャンバー) |
5.5 | スマートフォンを使ったライフスタイルの変化 |
6. | ミニ基地局における放熱対策部品の事例 |
6.1 | ミニ基地局とは |
6.2 | 基地局市場 |
6.3 | スモールセルが必要な理由 |
6.4 | ミニ基地局の概要 |
6.5 | ミニ基地局の中身 |
6.6 | 放熱部材 |
6.7 | 結論 |
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