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| <第1部:グローバルでの安全性情報収集・報告編> | 
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| 第1章 | :安全性情報収集の目的について(はじめに) | 
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| 第2章 | :安全性情報の収集体制について | 
| 2.1 | 治験時の安全管理情報について | 
| 2.1.1 | 関連性評価について | 
| 【例題1】 AB-12345という化合物の治験で、未知事象である間質性肺炎を発症し入院した症例があった。この事象に
 関し、治験責任医師は「間質性肺炎とAB-12345の関連性はある」との評価をしていた。一方、企業評価とし
 ては、「間質性肺炎とAB-12345の関連性はない」と評価を行った。
 ⇒ この場合、日米欧での規制当局への報告の要否はどうなると考えられるか?
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| 2.1.1.2 | 関連性評価に基づく記録の残し方について | 
| 2.1.2 | 重篤性について | 
| 【例題-2】 被験者が治験参加前より、合併症である胃のポリープ切除術を入院下で実施する予定があった。
 (本治験は外来受診形態での治験)治験に参加し、最終投薬終了後、治験の追跡調査期間を残してはいた
 が、たまたまベッドの空きが出来た為、急遽胃のポリープ切除術を実施すべく入院した。
 ⇒ これは、重篤症例として取り扱う必要はないのか?
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| 【例題-3】 患者が急性の腹痛に見舞われ、治験実施医療機関の外来を午後に受診したところ、点滴の処置が必要と
 判断され、その日の午後9時に点滴を開始し、午後11時に終了した。その後、帰宅するには遅い時間
 だったため、翌日の午前9時まで救急室のベッドで静養していた。
 医師コメントとしては、外来の救急室において処置は行ったが、その後帰りが遅くなっただけで、発生した
 事象に対する処置も通常外来時のものであるし、また入院にも至っていないので、重篤ではない。
 ⇒ これは、重篤症例として取り扱う必要はないのか?
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| 【例題-4】 治験終了後、プロトコル上退院することになっていたが、被験者の希望により入院期間が延長された。
 CRC(治験コーディネーター)のコメントとしては、被験者の希望による入院期間の延長であり、有害事象の
 発生に伴うものではない事より、重篤として取り扱う必要がないのではないか。
 ⇒ これは、重篤症例として取り扱う必要があるか?
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| 2.1.3 | 新規性について | 
| 【例題-5】 AB-12345の治験で、IBのInvestigator’s Guidanceに腎不全は記載されていないが、他のセクションに
 AB-12345投与症例により腎不全が発現した症例の記載があった。
 ⇒ この時、既知として取り扱って問題ないか?
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| 【例題-6】 AB-12345の治験(二重盲検試験)で、IBに未開鍵症例で腎不全の発現が記載されていた。
 ⇒ この時、既知として取り扱って問題ないか?
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| 【例題-7】 AB-12345の治験で、服用後に腎不全を発症し、その後死亡に至った症例があった。
 IBのInvestigator’s Guidanceには“腎不全”という用語は記載されていた。
 ⇒ この時、既知として取り扱って問題ないか?
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| 【例題-8】 AB-12345の治験で、服用後に自殺企図を発症し、その後死亡に至った症例があった。
 IBのInvestigator’s Guidanceには“自殺企図”という用語は記載されていた。
 ⇒ この時、既知として取り扱って問題ないか?
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| 【例題-9】 AB-12345の治験において、以下の事象が発現した。
 ・2021/4/1に心筋梗塞(入院重篤・未知・関連性あり)が発現
 ・2021/4/10に規制当局に未知重篤副作用として報告すると同時に、治験実施医療機関にもSUSAR
 (Suspected Unexpected Serious Adverse Reaction;未知重篤副作用)情報の伝達を行った。
 ・2021/5/3に、他の症例で心筋梗塞(入院重篤・関連性あり)が発現(2021/4/1時点のIBとの変更なし)
 ⇒ この場合の「3」で発生した症例の心筋梗塞の新規性はどうなる?
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| 2.1.3.1 | 新規性に絡む規制当局への報告要件について | 
| 【例題-10】 被験者は、未知・重篤な潰瘍性大腸炎を発症し、入院に至った。治験責任医師及び企業共に、
 治験薬との関連性は否定できないと考えた。
 ⇒ この場合、各極規制当局への報告要否はどうなるか?
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| 【例題-11】 被験者は、既知の心筋梗塞を発症し、その後死亡に至った症例がある。治験責任医師及び企業共に、
 治験薬との関連性は否定できないと考えた。
 ⇒ この場合、各極規制当局への報告要否はどうなるか?
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| 【例題-12】 被験者は、既知の自殺企図を発症し、その後死亡に至った症例がある。治験責任医師及び企業共に、
 治験薬との関連性は否定できないと考えた。
 ⇒ この場合、各極規制当局への報告要否はどうなるか?
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| 【例題-13】 被験者は、未知の心室細動を発症し、その後死亡に至った症例がある。治験責任医師及び企業共に、
 治験薬との関連性は否定できないと考えた。
 ⇒ この場合、各極規制当局への報告要否はどうなるか?
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| 2.1.4 | 治験薬投与前の有害事象の取り扱いについて | 
| 【例題-15】 以下の治験のうち、治験薬投与前の有害事象を収集しなければならないのはどれになるか?
 ・AB-12345治験薬のEUで実施している治験
 ・AB-12345治験薬のEUで実施している治験がGlobal試験の場合、それに組み込まれているEU域内
 での治験
 ・AB-12345治験薬のEUで実施している治験がGlobal試験の場合、それに組み込まれているEU域外
 での治験
 ・AB-12345治験薬のEUで実施している治験とは別に、日本で実施しているAB-12345治験薬の治験
 (Local試験)
 ・日本でのみ開発を検討している化合物AD-88665を治験薬としている日本で実施の治験
 ・日本と韓国でのみ開発を検討している化合物ZY-32456を治験薬としている日本で実施の治験
 ⇒ さて、どの治験が、適応となるのか?
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| 2.1.5 | 二重盲検試験実施時に未知重篤副作用が発現した際の開鍵について | 
| 2.1.6 | 重篤有害事象発現日について | 
| 【事例1】 ある被験者が、2021/4/1に腸捻転を発症した。この時点では軽度と診断され、自宅療養をすることと
 なった。(この時点では、非重篤と評価された。)
 しかし、その後症状が悪化し、2021/4/10の時点で緊急入院となり、そのまま入院治療を行う事となった。
 
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| 【例題-16】 ある被験者が、2021/1/15に肺炎を発症し、受診した。その際医師は、「経過観察としましょう。」とし、
 非重篤と診断した。その後、2021/1/20に肺炎は悪化し、「保存的療法(薬物治療)を開始しましょう。」とし、
 取り敢えず自宅での治療を継続した。
 しかし、2021/1/23、再度肺炎は悪化し、その日のうちに入院となった。
 ⇒ “事象が重篤となった日”を重篤有害事象の発現日と考える場合、重篤有害事象発現日はいつに
 なるか?
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| 【例題-17】 潰瘍性大腸炎対象の治験で、対象疾患の増悪が2021/4/1より認められ、2021/4/3に入院に至った
 被験者がいる。
 その事象の報告として、「有害事象名:潰瘍性大腸炎の増悪、事象発現日:2021/4/1、重篤性:入院」
 として報告が上がってきた。
 ⇒ この報告に問題はないだろうか?
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| 【例題-18】 次の中で、治験中の原資料となり得るものはどれか?
 A:カルテ(診療記録)、B:看護記録、C:服薬履歴簿、D:CRF(症例報告書)、E:モニタリング報告書
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| 2.1.7 | 既往歴と合併症の考え方について | 
| 2.1.8 | その他の事項 | 
| 【例題-19】 ある被験者が、1日目の尿酸値が5.1mg/dl、4日目が8.9mg/dl、そして7日目が5.2mg/dlであった。
 この時、4日目の8.9mg/dlを示した尿酸値を有害事象として挙げるか否かを医師に確認し以下のコメントを
 得た。
 「尿酸値の上昇については、問題ないと考えられるため、有害事象には該当しないと判断する。」
 ⇒ このコメントのどこが問題なのか?
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| 2.1.9 | 治験時の定期報告 | 
| 2.2 | 市販後の安全管理情報について | 
| 2.2.1 | 患者基本情報について | 
| 【例題-20】 以下の情報をコールセンターで受領した。
 自社医薬品で腹痛(未知)が発現し入院に至ったという1名の副作用情報を入手した。
 以下に、患者の基本情報を記載する。
 ・イニシャル:不明
 ・性別:男性
 ・年齢:不明(年齢層:不明)
 ⇒ この場合、日米欧での規制当局への緊急個別症例報告は必要か?
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| 【例題-21】 以下の情報をコールセンターで受領した。
 自社医薬品で腹痛(未知)が発現し入院に至ったという1名の副作用情報を入手した。
 以下に、患者の基本情報を記載する。
 ・イニシャル:不明
 ・性別:不明
 ・年齢:不明(年齢層:不明)
 ⇒ この場合、日米欧での規制当局への緊急個別症例報告は必要か?
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| 2.2.2 | 関連性評価について | 
| 【例題-22】 自社医薬品(K)において男性・72歳が肺炎(未知)を発症し、入院に至った。
 主治医は、Kと肺炎の関連性はないと評価した。また企業も、関連性はないと評価した。
 ⇒ この場合の各極での規制当局への報告は必要か?
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| 【例題-23】 文献情報で、5名の患者さん(男性2名、女性3名)に自社医薬品Zを使用したところ、4名の患者さんに
 脱水を伴う下痢を発症し、入院に至ったとの情報あり。下痢に至った症例は、それぞれ男性2名、女性2名
 であった。なお、Zと下痢の関連性に関しては、ないと考えている。
 ⇒ この場合の各極での規制当局への報告は必要か?
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| 2.2.3 | 重篤性について | 
| 2.2.3.1 | 新規性に絡む規制当局への報告要件について | 
| 【例題-24】 自社薬服用後に激しい脱水を伴う嘔吐(未知)を発現し、入院に至った副作用症例が報告された。
 各極の規制当局への報告要否は?
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| 【例題-25】 自社薬服用後に肺炎(既知)を発現し、入院に至った副作用症例が報告された。各極の規制当局への
 報告要否は?
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| 2.2.4 | 各国(各極)規制当局への報告要件について | 
| 2.2.5 | 疾患のブレと有害事象について | 
| 2.2.6 | 市販後の定期報告 | 
| 2.2.7 | 外国措置報告、研究報告について | 
| 2.3 | アメリカおよびヨーロッパ当局の安全対策実施体制について | 
| 2.3.1 | アメリカ当局の体制及び安全対策実施体制について | 
| 2.3.2 | ヨーロッパ当局の体制及び安全対策実施体制について | 
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| 第3章 | :日米欧で目指す安全対策とは? | 
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| <第2部 グローバルにおける日本との症例評価・有害事象評価の違いとコーディング> | 
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| 第4章 | 有害事象における3要素のグローバルでの違い | 
| 1. はじめに | 
| 2. 有害事象評価における主要3要素 | 
| 3. 因果関係 | 
| [相当因果関係評価の基準] | 
| [関連性被疑要素] | 
| [関連性評価] | 
| 4. 重篤性 | 
| [重篤性の基準] | 
| [USの重篤性の基準] | 
| [EUの重篤性の基準] | 
| 5. 予測性評価 | 
| [USの専門用語の定義] | 
| [USの連邦法規制「予測できない」についての解釈] | 
| 6. 有害事象評価に関する判断基準 | 
| [安全性情報の予測性評価に関する判断基準] | 
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| <有害事象評価に関する判断基準> | 
| ※日常の実務面で比較的頻度高く遭遇する代表的な事例を出来る限り列挙し提示することによって 基本的な考え方を以下に1〜10項目としてまとめたい。
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| 1) 疾患が機序として実際には異質であるが外観上視覚的には類似するもの | 
| (例)皮膚紅斑(dermal rash)と蕁麻疹(nettle, ulticaria) | 
| 2) 疾患が同一の原因あるいは同一の発症機序によるが重症度や発生の範囲が異なるもの | 
| (例)クインケ浮腫(Quincke’sedema)とアナフィラキシー様反応(anaphylaxis-like reaction) | 
| 3) 一方の疾患が他方の疾患を包含する場合(一方の疾患の範囲がより広い場合) | 
| (例1)細菌感染症(bacterial infection)と急性肺炎(acute pneumonia) | 
| (例2)虚血性心疾患(IHD)と狭心症(Angina pectoris) | 
| 4) 同一の疾患を別の用語で報告している場合 | 
| (例)肝機能障害(hepatic dysfunction)と肝障害(hepatic disorder) | 
| 5) 同一の臓器に生じた障害であるが、病期・進行段階が異なるもの | 
| (例)肝硬変(hepatic cirrhosis)と肝不全(hepatic failure) | 
| 6) 互いにオーバーラップする範囲が存在するが、包含関係にはないもの | 
| (例1)糖尿病(diabetes mellitus)と高血糖(hyperglycemia) | 
| (例2)痛風(glaucoma)と高尿酸血症(hyperuricemia) | 
| 7) 概念的には共通点はあるものの、重症度や進行速度、転帰などを考慮し安全性の観点か | 
| (例)急性肝炎(acute hepatitis)と劇症肝炎(fulminanth) | 
| 8) 確定診断名と確定診断に至る前の暫定的な症状名(状態名)との関係であって、 | 
| 確定診断後に結果として一致する可能性はあるが、報告されてきた時点では比較できないもの | 
| (例)胃潰瘍(gastric ulcer)と上腹部痛(upper abdominal pain) | 
| 9) 一方が総称的疾患名であって、疾患の進行によって他方が一方の状態になる可能性を秘めた 具体的疾患名であるもの
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| (例)腎不全(renal failure)と間質性腎炎(interstitial nephritis) | 
| 10) 一方の疾患名に他方の疾患名の全部または一部が含まれているために紛らわしいもの | 
| (例)筋痙攣(muscle convulsion, spasm)と外眼筋痙攣(outer ocular muscle convulsion, spasm) | 
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| 第5章 | 有害事象/副作用の読み替え基準(ケーススタディ) | 
| ・腹痛・膵炎 | 
| ・アナフィラキシー反応 | 
| ・心筋梗塞 | 
| ・急性心不全 | 
| ・血圧低下 | 
| ・不整脈 | 
| ・高血糖 | 
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| 日英コーディング | 
| ・皮疹 | 
| ・四肢浮腫 | 
| ・注射部位反応 | 
| ・腫瘍(新生物) | 
| ・損傷 | 
| ・乱用(abuse) | 
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| 第6章 | 海外症例(CIOMS)検討事例 | 
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| <第3部:グローバルPV体制構築・ベンダーコントロールとPV Audit> | 
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| 第7章 | :グローバルPVシステムとしてのEU GVP Moduleの理解 | 
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| 第8章 | :グローバルPV体制構築とPVベンダーコントロール手法 | 
| 7.1 | ベンダー(ESP)利用の基礎:ベンダー(ESP)とは? | 
| 7.2 | ベンダーコントロールに必要な文書 | 
| 7.3 | PV Agreement, SDEA, SLAの概念とその範囲 | 
| 7.4 | グローバルPV体制と海外ベンダー(ESP)の利用 | 
| 7.5 | ベンダーコントロールの手法 | 
| 7.6 | PVA、SDEA、SLAの作り方 | 
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| 第9章 | :PVグローバル体制維持のためのPV Audit | 
| 8.1 | PV Auditの目的 | 
| 8.2 | Auditの報告(Evaluation)と判定基準 | 
| 8.3 | QMS、自己点検(CAPA)、ベンダーコントロールとAuditの兼ね合い | 
| 8.4 | Remote Auditの得失と留意点 |