Tj≧175℃のSi IGBTモジュールやSiC MOSFETモジュールではどのような材料が求められるのか、材料の変更に合わせて実装・組み立てプロセスはどのような対応が必要となるのか―
物性・実装性・コスト等の要求に応じた材料開発/材料変化に対応する実装プロセス・装置技術/自動車・高電圧用途における低熱抵抗モジュール構造や信頼性試験の最新動向を解説。
▼ウェッジボンディングワイヤと接続技術
◎高温下における従来ワイヤ材料の接続寿命延長対策の必要性
◎新規組成のAl合金ワイヤの開発動向とチップ電極側の対応
◎Cuウェッジワイヤ導入で起こる問題点、ボンディングの難しさと、装置・プロセスの進展
◎各種ワイヤ/緩衝層/電極材料を用いたウェッジワイヤボンディングの耐熱性(150,175,200,225度)比較と破壊モード
▼ダイアタッチ材料と焼結接合プロセス
◎高温Pbはんだ代替材料の開発・評価の現状
◎パワーサイクル試験における200℃の高温放置試験に十分耐えられる接合層
◎低温・短時間の加熱プロセスと高耐熱性を両立したナノソルダー接合材料
◎採用拡大が期待される焼結接合材料および加圧プロセス・装置技術
◎焼結接合プロセスで考慮すべきコンタミネーションや洗浄プロセス
◎各種焼結接合材料(ペースト・接着剤・フィルム)を用いた界面形成(ダイ・絶縁基板)と接合プロセス
▼絶縁回路基板とモジュール構造
◎接合材料やモジュール構造の変化に対応する絶縁回路基板の開発動向
◎ベースセラミック層の改良、金属回路材料の厚膜化に対応する接合技術
◎高熱伝導樹脂シートと厚Cu回路によるIMB基板の開発
◎ベースレス構造・直接冷却・直接液冷構造・トランスファーモールドパッケージと封止材料、両面冷却
モールド構造などモジュール構造の変遷と開発動向
◎自動車用パワーモジュールの放熱冷却構造(構成部材、代表的な構造)の整理 など
第1章 | パワーモジュールの実装技術動向と先端モジュール構造 |
1. | ウェッジボンディングワイヤ |
1.1 | Cuワイヤボンディング |
1.2 | Al/Cuワイヤ・Al合金ワイヤ |
2. | ダイアタッチ材料 |
2.1 | DA5(Die Attach 5)コンソーシアムで検討されている高温Pbはんだ代替材料 |
2.1.1 | Pbを含まない高融点の代替はんだ材 |
2.1.2 | 金属焼結 |
2.1.3 | TLPS(Transient Liquid Phase Sintering: 遷移的液相焼結) |
2.2 | 嗅皮質と心、記憶を司る脳領域の関係 |
2.2.1 | Ag焼結接合の製品導入の経緯 |
2.2.2 | 加圧焼結プロセスの課題と実用技術 |
2.2.2.1 | 逆導通素子の採用 |
2.2.2.2 | 加圧接合治具の改良 |
2.2.2.3 | 無加圧焼結プロセス |
2.2.3 | Ag焼結接合材料の組成と特性 |
2.3 | Cu焼結ペースト |
3. | 絶縁回路基板とパワーモジュール構造 |
3.1 | 絶縁回路基板 |
3.1.1 | 絶縁セラミックス材料を用いた絶縁回路基板 |
3.1.2 | 絶縁樹脂を用いた絶縁回路基板(IMS、IMB) |
3.2 | DBC基板とその低熱抵抗化 |
3.3 | AlN基板とモジュール構造 |
3.3.1 | AlN基板 |
3.3.2 | AlN AMB基板からAlN DBC基板・AlSiCベース板の採用 |
3.3.3 | ベースレス構造 |
3.3.4 | 直接冷却構造 |
3.3.5 | 高熱ストレス下におけるAl回路基板の課題と対策技術 |
3.4 | Si3N4基板とモジュール構造 |
3.4.1 | Si3N4基板 |
3.4.2 | Si3N4 AMB基板を用いた直接液冷(DLC: Direct Liquid Cooling)構造 |
3.5 | IMS(Insulated Metal Substrate) |
3.6 | IMB(Insulated Metal Baseplate) |
3.7 | 絶縁回路基板を用いないL/Fベースのモールドパッケージ |
3.7.1 | トランスファーモールド構造 |
3.7.2 | 両面冷却モールドパッケージ構造 |
3.7.3 | SiC MOSFETおよび高温動作 (175℃以上) への対応 |
3.7.4 | 両面直接液冷構造 |
3.7.5 | モールド封止材料 |
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第2章 | 高耐熱・高信頼性実装のための材料とプロセス技術動向 |
第1節 | ワイヤーボンディングプロセスの開発動向 |
はじめに |
1. | ウェッジボンディングとは |
1.1 | 接合技術 |
1.2 | トランスデューサーの例 |
1.3 | ワイヤーボンドの例 |
1.4 | ウェッジボンディングの現状 |
2. | 銅太線ボンディング |
2.1 | 銅太線ボンディングの実際 |
2.2 | 加熱によるボンディングサポートとその適用方法 |
2.3 | レーザーソニックプロセスの概要 |
2.4 | レーザーソニックプロセスの効果 |
おわりに |
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第2節 | ダイアタッチ材料と接合技術動向 |
[1] | パワーデバイス向けはんだ材料・Ag焼結材料の現状と展望 |
はじめに |
1. | パワーデバイスに使用されるはんだ |
1.1 | 現代社会とパワーデバイス |
1.2 | パワーデバイスにおけるはんだの用途 |
1.3 | ダイアタッチ用はんだへの要求特性 |
1.4 | はんだの供給形態とそれぞれの特徴 |
1.5 | Si半導体からWBG半導体へ |
1.6 | WBG半導体時代に向けたパワーデバイス用接合材料 |
2. | Pbフリーはんだへの取り組み |
2.1 | SnPb時代からPbフリー時代へ |
2.2 | 高温はんだにおけるPbフリー化の現状と方針 |
2.3 | Sn-10Sbはんだによるステップソルダリング |
2.4 | 高温Pbはんだ代替 SnSbAgCuはんだ |
2.5 | Sbへの認識 |
3. | パワーデバイス用はんだ製品の展開 |
3.1 | はんだ製品への要求 |
3.2 | ボイド抑制ソルダペースト |
3.3 | 洗浄性向上ソルダペースト |
3.4 | 還元ガスリフロー対応ソルダペースト |
3.5 | 真空リフロー炉 |
3.6 | 低残渣ソルダペースト |
3.7 | Niボール入りはんだ |
4. | Ag焼結材料 |
4.1 | Ag焼結材料の性質 |
4.2 | Ag焼結ペーストによる実装 |
4.3 | 無加圧マイクロAg焼結ペースト |
おわりに |
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[2] | 高耐熱ナノソルダー接合材料 |
はじめに |
1. | 短時間焼結ナノソルダー接合材料 |
1.1 | 材料設計 |
1.2 | 接合検証 |
2. | 高品質ナノソルダー合成技術 |
2.1 | ナノ粒子合成技術 |
2.2 | ナノ粒子品質 |
3. | ナノソルダー量産技術 |
3.1 | ナノソルダー製造プロセス |
3.2 | ナノソルダー製造装置 |
おわりに |
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[3] | パワー半導体接合用焼結銅ペースト |
はじめに |
1. | 接合プロセスについて |
2. | 銅ペーストの初期接合特性 |
2.1 | 接合体の作製プロセス |
2.2 | 評価結果及び考察 |
3. | 銅ペーストの信頼性評価 |
3.1 | パッケージ評価の重要性 |
3.2 | 評価用パッケージの作製プロセス |
3.3 | 信頼性評価 |
3.4 | 結果及び考察 |
おわりに |
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[4] | パワーエレクトロ二クスデバイスの加圧焼結プロセス及びシンタリング装置 |
1. | パワーエレクトロニクスモジュールの焼結について |
1.1 | 焼結の定義 |
1.2 | 材料と予備焼結プロセス |
1.3 | はんだ付けと比較した焼結の利点 |
2. | 焼結の原動力 |
2.1 | 大量移動メカニズム |
2.2 | 焼結プロセス |
3. | PINK社製シンタリング装置 |
3.1 | SIN20 研究開発用シンタリング装置 |
3.2 | 大量生産向けモジュール型 SIN200+ |
3.3 | 正確な雰囲気制御のための真空チャンバー |
3.4 | PINK社の高い柔軟性と信頼性を持ったソフトツール |
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[5] | 焼結接合(シンター接合)デバイスで求められる洗浄技術 |
はじめに |
1. | 焼結接合デバイスにおけるコンタミネーションの形成と残留の影響 |
1.1 | 焼結剤成分由来のコンタミネーション【有機物残渣】 |
1.2 | 残留した場合の影響【有機物残渣】 |
1.3 | 接合プロセス起因で生じるコンタミネーション【銅酸化物・シート成分の付着】 |
1.3.1 | AMB/DCB(Active Metal Brazing/Direct Copper Bonding)基板の表面酸化 |
1.3.2 | 加圧焼結プロセスの課題と実用技術 |
1.4 | 残留した場合の影響【銅酸化物・シート成分の付着】 |
1.5 | 目には見えないコンタミネーション【イオン】 |
1.6 | 残留した場合の影響【イオン】 |
1.7 | はんだ接合における洗浄(フラックス洗浄)との相違点 |
2. | 洗浄剤と洗浄方式の選定 |
2.1 | 洗浄剤に求められる基本特性 |
2.2 | 高極性溶媒の適用 |
2.3 | 洗浄剤に求められる環境適正 |
2.4 | 洗浄方式による差異 |
2.5 | 超音波洗浄における課題。「置換性」と「部材ダメージ」 |
2.6 | スプレー洗浄機の形態 |
3. | 洗浄後の清浄度分析 |
3.1 | 清浄度分析の手法 |
3.2 | FT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)分析 |
3.3 | 基板表面の観察 |
3.4 | IC分析 |
3.4.1 | ROSE Testとの相違 |
3.4.2 | IC分析の基準値 |
4. | 洗浄事例 |
5. | 今後の焼結接合技術の発展と洗浄の在り方 |
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第3節 | 絶縁回路基板の技術動向 |
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[1] | 窒化ケイ素製銅回路基板(SiN-AMC/AMB基板) |
はじめに |
1. | 窒化ケイ素セラミックスの高熱伝導化 |
1.1 | 窒化ケイ素の特徴 |
1.2 | 高熱伝導化のポイント |
2. | 高熱伝導窒化ケイ素を適用した銅回路基板の開発 |
3. | 窒化ケイ素基板の諸特性 |
3.1 | 高熱伝導窒化ケイ素基板適用時の熱抵抗特性 |
3.2 | 熱疲労特性 |
3.3 | 曲げ強度・最大たわみ量 |
3.4 | 電気絶縁特性 |
3.4.1 | 耐電圧 |
3.4.2 | V-t特性 |
3.4.3 | 体積固有抵抗の温度依存性 |
3.5 | 窒化ケイ素製銅回路基板としての線膨張係数 |
4. | 高熱伝導窒化ケイ素基板の適用事例 |
4.1 | 多様化する実装形態への適用 |
4.2 | 次世代半導体素子実装への適用 |
おわりに |
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[2] | DBA(Direct Bonded Aluminum)基板 |
はじめに |
1. | DBA基板の特長 |
2. | DBA基板を支えるセラミックスと金属の接合技術 |
3. | DBA基板の高性能化に向けた開発 |
3.1 | DBAC基板 |
3.2 | Ag焼成膜付き(DBA基板6) |
4. | 今後に向けた開発の方向性 |
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[3] | パワーデバイス用高放熱絶縁シートと実装技術評価 |
はじめに |
1. | 金属放熱基板の特徴 |
1.1 | 金属放熱基板とセラミック基板の比較 |
1.2 | 金属放熱基板を用いた新規モジュール構造 |
2. | 当社独自技術による高放熱絶縁シートの特徴と優位性 |
2.1 | 絶縁放熱シートにおける従来課題 |
2.2 | 独自開発フィラーによる高性能絶縁シートの実現 |
2.3 | 高リフロー耐性による基板信頼性向上 |
2.4 | 評価モジュールでの熱抵抗測定結果の比較 |
3. | 更なる高性能な放熱絶縁シートの開発進捗 |
おわりに |
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第4節 | パワーモジュール用封止材料の要求特性と材料設計 |
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はじめに |
1. | パワーモジュールの技術動向 |
1.1 | 適用用途 |
1.2 | 技術トレンド |
2. | パワーモジュール封止材 |
2.1 | 封止樹脂設計の基本 |
2.2 | 封止樹脂の要求特性 |
2.2.1 | 低応力への対応 |
2.2.2 | イオン性不純物への対応 |
2.2.3 | 耐熱性への対応 |
2.2.4 | 難燃性への対応 |
2.2.5 | 放熱性への対応 |
3. | 封止樹脂の今後の技術展望 |
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第3章 | パワーデバイスのパワーサイクル試験と進化する非破壊検査の現状 |
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はじめに |
1. | パワーサイクル試験 |
1.1 | パワーサイクルとは |
1.2 | パワーサイクル試験の制御 |
1.2.1 | Tj測定方法 |
1.2.2 | パワーサイクル試験の制御方法 |
(1) | 試験電流を固定した制御方法 |
(2) | ΔTj を一定に固定した制御方法 |
(3) | 通電発熱量を固定した制御方法 |
(4) | その他の制御 |
1.2.3 | システムによるサージノイズ |
(1) | 試験通電オン時のサージノイズ |
(2) | 試験通電オフ時のサージノイズ |
1.2.4 | システムによるサージノイズ |
2. | その他の信頼性試験 |
2.1 | 温度サイクル試験・熱衝撃試験 |
2.2.1 | 高温逆バイアス寿命試験・高温高湿バイアス寿命試験 |
2.2.2 | AQG324 Annex要求 |
3. | パワーモジュールの評価解析・故障解析技術 |
3.1 | X線観察装置による解析 |
3.1.1 | AI導入によるボイド率 |
3.1.2 | AI判定によるクラック率 |
3.1.3 | X線照射によるパワーモジュールへの影響 |
3.2 | 超音波顕微鏡を用いた構造解析への利用 |
4. | 今後,より重要となる劣化現象(サーモマイグレーション) |
おわりに |
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