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ICH M7(R2)・EMA・FDAガイダンスをふまえた
ニトロソアミン類の分析法/許容摂取量とリスク管理・評価

〜ニトロソアミン類の混入原因とリスク低減措置(事例紹介)〜
〜ニトロソアミン原薬関連不純物(NDSRI)、CPCAの許容値設定とフォローアップ試験〜

[コードNo.25STP183]

■体裁/ B5判並製本 239頁
■発行/ 2025年12月23日 サイエンス&テクノロジー(株)
■定価/ 55,000円(税・送料込価格)
■ISBNコード/ 978-4-86428-345-8

編著者

橋本 清弘 武田薬品工業株式会社

著者

本間 正充 国立医薬品食品衛生研究所
福地 準一 独立行政法人医薬品医療機器総合機構
鳥谷部 貴祥厚生労働省
柳川 卓也 ユーロフィン分析科学研究所株式会社
近藤 加奈子東和薬品株式会社
福田 昭平 東和薬品株式会社
長遠 裕介 富士フイルム富山化学株式会社
小山 直己 中外製薬株式会社
小松 一聖 塩野義製薬株式会社
武藤 重治 中外製薬株式会社
山本 浩之 沢井製薬株式会社

目次

第1部ニトロソアミン類の規制
第1章 ICH M7(R2)、及びQ&A解説とR3の動向
【国立医薬品食品衛生研究所 本間正充】
はじめに
1. 背景
2. ICH-M7ガイドラインの適用範囲
3. 一般原則
3.1 対象物質とその評価
3.2 対象物質のリスク評価と管理
4. ハザード評価
4.1 Ames 試験,及び陽性結果のフォローアップ
4.2 定量的構造活性相関(QSAR)による不純物の変異原性評価
4.3 不純物の分類と管理
5. リスクの特性解析
5.1 化合物特異的なリスク評価に基づく許容摂取量(AI)
5.2 構造に基づくリスクレベルの緩和
5.3 一生涯よりも短い期間の曝露に関する許容摂取量(AI)
5.4 複数の変異原性不純物に関する許容摂取量(AI)
5.5 例外及び柔軟的な対応
5.6 N- ニトロソアミン不純物の許容摂取量(AI)
6. ICH-M7とICH-Q3A/B ガイドラインとの関連性
7. ICH-M7の改訂
7.1 補遺の策定(R1,R2)
7.2 本文の修正(R2)
7.3 質疑応答集(Q&A)の策定
おわりに:ICH-M7(R3)に向けて
第2章 国外における規制と評価法
【(独)医薬品医療機器総合機構 福地準一】
はじめに
両ガイダンスの比較にあたって
両ガイダンスの比較等
1. ガイダンスの適用範囲、対象製品
2. 想定される混入原因
2.1 原薬
2.2 製剤
2.3 GMP
3. 混入リスクの評価に関する留意事項
4. 分析法に関する留意事項
5. 検証試験
6. 製品中に検出された場合
7. リスクの低減
8. 変更申請に必要なデータ等に関する留意事項
9. 承認申請前及び申請時の品目
10. 許容摂取量
10.1 許容摂取量の設定における基本的な考え方等
10.2 TD50の外挿
10.3 CPCAの利用
10.4 EAT(Enhanced Ames Test)の利用
10.5 リードアクロスの利用
10.6 in vivo変異原性試験の結果の利用
10.7 Less-Than-Lifetime(LTL)アプローチ
10.8 複数のニトロソアミンが検出された医薬品の場合
第3章 国内における規制と自主点検
【厚生労働省 鳥谷部貴祥】
第1節日本国内におけるニトロソアミンの対応と規制
はじめに
1. アンジオテンシンU受容体拮抗薬
2. ラニチジン、ニザチジン
3. メトホルミン
おわりに
第2節医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検
はじめに
1. 自主点検実施の経緯等
1.1 自主点検の対象
1.2 自主点検の基本的な考え方
1.2.1 ニトロアミン類の限度値の設定
1.2.2 The Carcinogenic Potency Categorization Approach( CPCA) for N-nitrosamines
1.2.3 暫定的な管理値を設定するアプローチ
1.3 自主点検の確認事項、実施期限等
1.3.1 承認済みの医薬品
1.3.2 承認申請中又は承認申請前の品目
1.3.3 自主点検の実施期限延長
2. 自主点検により限度値超過が認められた事例
3. 自主点検に関連する取り組み
3.1 医薬品に含まれるニトロソアミン類に係るリスクコミュニケーション
3.2 自主点検に基づくリスク管理措置に係る薬事手続
おわりに
第2部ニトロソアミン類の分析方法
第1章 LC-MS/MSを用いた試験法開発
【ユーロフィン分析科学研究所(株) 柳川卓也】
はじめに
1. 試験法開発
1.1 内標準物質の選択
1.2 質量分析計条件の最適化
1.2.1 イオン化モードの選定
1.2.2 モニターイオンの設定
1.3 液体クロマトグラフィー条件の最適化
1.3.1 原薬及び賦形剤と分析対象物質の分離条件設定
1.3.2 洗浄条件設定
1.4 前処理条件の検討
2. 分析法バリデーション
2.1 特異性
2.2 直線性
2.3 検出限界・定量限界
2.4 真度・精度
2.5 頑健性
おわりに
第1章 ニトロソアミン類管理のための分析法の紹介
〜ニトロソアミン類生成原因アミン10 種類の一斉分析法開発並びに
デュロキセチン製剤中のN- ニトロソデュロキセチン分析法の開発〜
【東和薬品(株) 近藤加奈子 福田昭平】
はじめに
1. ニトロソアミン類生成原因アミンの一斉分析法の開発
1.1 背景
1.2 結果
2. デュロキセチン製剤中のN- ニトロソデュロキセチンの分析法開発
2.1 背景
2.2 結果
おわりに
第3部ニトロソアミン類の低減措置
第1章 ニトロソアミン類の混入原因とリスク低減措置における事例紹介
【富士フイルム富山化学(株) 長遠裕介】
1. はじめに
2. ニトロソアミン類について
2.1 ニトロソアミン原薬関連不純物(NDSRIs)について
3. ニトロソアミン類の混入リスク評価
4. ニトロソアミン類の混入原因
5. ニトロソアミン類の混入原因の事例
5.1 アミン成分とニトロソ化剤の併用によるニトロソアミン類の副生
5.2 原薬の分解に起因するニトロソアミン類の副生
5.3 固相状態における脆弱なアミン構造のN-ニトロソ化によるニトロソアミン類の副生
5.4 添加剤に含まれる亜硝酸塩の影響によるニトロソアミン類の副生
5.5 添加剤中に含まれるアルデヒド類の影響によるニトロソアミン類の副生
5.6 添加剤中に含まれる過酸化物の影響によるニトロソアミン類の副生
5.7 大気中のNOxの影響によるニトロソアミン類の副生
5.8 包装資材に起因するニトロソアミン類の副生
6. ニトロソアミン類のリスク低減措置について
6.1 原薬製造におけるリスク低減措置
6.2 製剤製造におけるリスク低減措置
7. ニトロソアミン類のリスク低減措置の事例
7.1 使用する原材料の管理によるリスク低減措置
7.2 製造方法の変更によるリスク低減措置
7.3 亜硝酸塩スカベンジャーまたは塩基の添加によるリスク低減措置
7.4 包装資材の変更によるリスク低減措置
7.5 大気中のNOxの除去によるリスク低減措置
8. リスク低減措置を実施する上での課題
9. おわりに
第4部ニトロソアミン類におけるリスク評価
第1章 不純物の遺伝毒性評価フロー・エキスパートジャッジで
考慮するべきポイントと最新動向をふまえた当局の考え方
【中外製薬(株) 小山直己】
はじめに
1. ICH-M7ガイドラインの進化:ニトロソアミン不純物問題と規制科学の系譜
1.1 医薬品におけるニトロソアミン不純物の課題
1.1.1 ニトロソアミンとその規制上の重要性
1.2 ニトロソアミン類の問題がICH-M7(R2)ガイドラインに与えた影響
2. 不純物の遺伝毒性評価フローの基本とスクリーニング戦略
2.1 不純物の同定・定量からの評価開始点
2.2 In silico 評価(QSAR)による予測と限界
2.3 Ames 試験を中心とした遺伝毒性試験の実施と解釈
2.4 遺伝毒性評価フローにおける閾値TTC の適用
2.4.1 許容摂取量 AI) と発がん性効力カテゴリー分類アプローチ(CPCA)
2.4.2 許容濃度(ppm)の算出
3. エキスパートジャッジメントの役割と考慮すべき科学的根拠
3.1 in silico 評価及びin vitro/in vivo 試験結果の統合的解釈
3.2 構造活性相関(SAR)と作用メカニズムに基づく評価
3.3 関連文献、データベース、既報データの活用
3.4 同族体や類縁化合物の知見の適用
4. 最新動向と規制当局の考え方
4.1 新たな遺伝毒性評価技術の導入と実用性
4.1.1 ecNGS を用いた不純物評価
4.1.1.1 不純物プロファイリングの従来手法とその限界
4.1.2 ニトロソアミン不純物評価におけるecNGS の利用
4.1.2.2 事例研究
4.2 許容摂取量(AI)限度設定のためのベンチマークドーズ(BMD)解析との統合
4.3 ecNGS の規制上の受容と将来展望
4.3.1 医薬品におけるニトロソアミンの変異原評価と規制当局の動向
第2章 ICH-M7 をふまえたリスクアセスメントの進め方と事例
【塩野義製薬(株) 小松一聖】
はじめに
1. ワークフローに関するEFPIA の資料の概要
2. 原薬におけるリスクアセスメント
2.1 原因物質の理解
2.2 生成要因及びfate/purge の理解
3. 製剤におけるリスクアセスメント
3.1 原因物質の理解
3.2 2 級、3 級アミンのアセスメントの重要性
3.3 ニトロソ化剤の由来についてのこれまでの知見
3.4 その他の事例
4. 全般に係るリスクアセスメント
4.1 CPCA、構造活性相関、Less than lifetime
4.2 N- ニトロソアミン化の確証実験
おわりに
第3章 パージファクターを用いた変異原性不純物のリスク評価とその動向
【富士フイルム富山化学(株) 長遠裕介】
1. はじめに
2. 変異原性不純物の管理
3. パージファクターを用いた変異原性不純物のリスク評価
3.1 Required purge factor
3.2 Predicted purge factor
3.2.1 反応性(Reactivity)
3.2.2 溶解性(Solubility)
3.2.3 揮発性(Volatility)
3.2.4 物理的プロセス(Physical processes)
3.3 Measured purge factor
3.4 Purge Ratio
3.5 溶解性パージファクターの寄与が大きい場合の指針
4.i n silicoソフトウェアを用いたパージ評価
4.1 Condition approach to reactivity purge predictions
4.2 solubility predictions
4.3 volatility predications
4.4 Impurity Formation Alerts
4.5 in silicoシステムを用いたパージ評価の展望
5. ニトロソアミン類の管理
5.1 原薬製造におけるニトロソアミン類の管理オプション
5.2 ニトロソアミン類の管理におけるパージ評価の適用の実際
5.2.1 反応性(Reactivity)
5.2.2 溶解性(Solubility)
5.2.3 揮発性(Volatility)
5.2.4 物理的プロセス(Physical processes)
5.2.5 ニトロソアミン類の前駆物質に対するパージ評価の適用
5.2.6 ニトロソアミン類に対してパージ評価を適用する際の注意点
6. おわりに
第4章 ニトロソアミン原薬関連不純物(NDSRI)の許容値設定とフォローアップ試験
【武田薬品工業(株) 橋本清弘】
1. はじめに
1.1 ニトロソアミン類の変異原性、発がん性研究の歴史
1.2 ニトロソアミン類の医薬品への混入発覚と規制当局の反応
1.3 ニトロソアミン類の変異原性及び発がん性メカニズム
2. ニトロソアミン類の分類
2.1 医薬品中ニトロソアミン類の構造上の特性
2.2 ニトロソアミン不純物の分類
2.3 ニトロソアミン不純物の詳細分類
3. NDSRIs の許容値設定
3.1 背景
3.2 リードアクロス化合物選定時の考慮点
3.3 NDSRI の科学的知見に基づく許容値設定の実践的アプローチとその限界
4. NDSRIs のフォローアップ試験
4.1 NDSRIsの変異原性を評価するEnhanced Ames Tes(t EAT)
4.2 トランスジェニック動物を用いたin vivo 遺伝子突然変異試験(TGR 試験)を含めたその他のin vivo フォローアップ試験
5. データ共有イニシアティブの価値
第5章 CPCA を用いた許容摂取量設定
【武田薬品工業(株) 橋本清弘】
1. Carcinogenicity Potency Categorization Approach( CPCA)の開発
1.1 背景と目的
1.2 ニトロソアミン類の構造活性相関研究
1.3 CPCA の開発と導入の利点
2. CPCA の適用方法
3. CPCA に基づいたNDSRI の許容値設定における今後の課題
3.1 電子吸引基やβ - メチル基の影響
3.2 カルボキシル基の影響
3.3 バイオアイソステリックな特徴
3.4 薬理学的特性と分子特性
3.5 LTL の適用
4. 保守的なAI 設定の影響
4.1 上市済医薬品への影響
4.2 新薬開発への影響
4.3 小規模企業やジェネリック医薬品メーカーへの影響
おわりに
第6章 N-ニトロソアミン類の発がんメカニズムや構造活性相関に基づく許容摂取量設定
【中外製薬(株) 武藤重治】
はじめに
1. N-ニトロソアミン類の発がんメカニズム
2. N-ニトロソアミン類のSARに基づくAI設定
2.1 Carcinogenic Potency Categorization Approach (CPCA)
2.2 リードアクロス
2.2.1 概要
2.2.2 N-ニトロソアミン類のリードアクロスによるAI設定
2.2.2.1 QSAR Flex
2.2.2.2 Acrostic
2.3 量子化学計算
2.3.1  概要
2.3.2 CADRE
2.3.3 CPCAのQMによる補完
2.3.4 in vivo 変異原性試験結果とQMの組み合わせによるAI設定の試み
おわりに
第5部後発医薬品製造企業におけるニトロソアミン類への取組み
第1章 後発医薬品の開発段階におけるニトロソアミン対応に関して
【沢井製薬(株) 山本浩之】
はじめに
1. 原薬調達段階におけるリスク管理戦略
1.1 原薬由来ニトロソアミンリスクの事前評価
1.2 パージファクターの戦略的活用
1.3 サプライチェーンの強靭化:マルチソース化戦略
2. 製剤開発段階におけるリスク低減化技術
2.1 添加剤由来リスクの定量的評価と予測技術
2.2 品質特性とのトレードオフを克服する製剤化技術
2.3 製造工程のリスク要因
2.4 包装資材のリスク要因
おわりに



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