●講 師 |
北海道大学大学院 工学研究院 空間性能システム部門 教授 |
長野克則 氏 |
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<講師紹介>
【略歴】 1986年 北海道大学大学院工学研究科衛生工学専攻修了。
東京ガス(株)勤務ののち、北海道大学工学部・助手、助教授を経て、
2006年から大学院工学研究科・教授、現在に至る。
【研究分野】 ・地中熱ヒートポンプシステム
・地下蓄熱システム
・ローエネルギー建築
・稚内層珪質頁岩の環境調和型システムへの利用
・相変化蓄熱材料(PCM)を用いた建物の省エネルギー
・再生可能エネルギー利用(太陽光発電、太陽熱利用、雪の冷熱)
・低温放射暖房の省エネルギー性と快適性
・雪貯蔵と融雪
地中熱利用システムに関する長年の実践的研究成果があり、
この分野では世界をリードする研究者の一人。
現在は国際エネルギー機関(IEA)ヒートポンプ実施協定のANNEX29およびANNEX32と、
2つのANNEXの日本代表専門家として国際共同研究活動に参画。
特に地中熱源ヒートポンプシステムと種々の再生可能エネルギー、蓄熱、調湿技術を
組み合わせたローエネルギーで、かつ快適な住宅の計画・建設、さらに大規模地域熱供給への
適用検討、ハード面では地中熱対応小型ヒートポンプユニットの開発を成功させた実績を持つ。
平成20年度より、NEDOの委託事業として、稚内層珪質頁岩デシカント空調を用いた
住宅向けの高効率冷暖房・給湯ヒートポンプシステムの研究開発に着手。
2010年の6月、「少水量対応高効率地中熱利用ヒートポンプシステムの開発」にて、
産学官連携功労者表彰における環境大臣賞を受賞。
【受賞】 2011年5月 日本地下水学会 学術賞
2011年5月 空気調和・衛生工学 振興賞技術振興賞
2010年6月 産学官連携功労者表彰(環境大臣賞)
「少水量対応高効率地中熱利用ヒートポンプシステムの開発」
2010年5月 空気調和・衛生工学 振興賞住宅環境設備賞
2010年5月 空気調和・衛生工学 論文賞
2009年3月 日本太陽エネルギー学会 論文賞(押田賞)
2008年5月 空気調和・衛生工学 振興賞住宅環境設備賞
2006年3月 日本太陽エネルギー学会 論文賞
など、その他受賞歴多数。
【社会的貢献】 国際エネルギー機関(IEA) ヒートポンプ実施協定 ANNEX29, ANNEX32 日本代表専門家、
同 蓄熱実施協定 ANNEX21 日本代表専門家、
NEDO「次世代ヒートポンプ技術開発」、「固体酸化物形燃料電池システム要素技術開発」、
「IEAヒートポンプ委員会」などの技術委員、
札幌市環境審議会委員、青森県住宅用地中熱利用システム実証導入業務推進委員会、
(財)ヒートポンプ・蓄熱センター「地下熱利用とヒートポンプ研究会」主査、
北海道ニセコ町みどりの分権改革推進委員会委員長、
北海道福島町省エネルギービジョン策定委員会委員長など、
委員会の委員長、委員を歴任、NPO地中熱利用促進協会顧問。
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●日 時 |
2011年 7月 12日(火) 10:00〜16:00 |
●会 場 |
東京・新お茶の水・総評会館・4F会議室 》》 会場地図はこちら 《《
※急ぎのご連絡は(株)技術情報センター(TEL06-6358-0141)まで!!
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●受講料 |
49,980円(1名につき) (同時複数人数お申込みの場合1名につき44,730円) ※テキスト代、昼食代、お茶代、消費税を含む |
●主 催 |
(株)技術情報センター |
【習得できる知識】
・地中熱利用システムの計画や設計に欠かせないシステムの特徴と利用の考え方、世界的状況
・地中熱ヒートポンプシステムの計画・設計手法
・TRT(熱応答試験)方法と計測データの評価方法
・施工手順と施工のポイント、省力化・省コスト化の工夫
・省エネルギー性と環境性の評価方法、各種導入支援制度の利用について
・導入効果の事例
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【講師の言葉】
民生部門のエネルギー消費量が伸び続けています。CO2の大幅削減のためには、機器の効率向上だけでは限界があります。熱源についても再生可能エネルギー利用への転換が必須であることはいうまでもありません。再生可能エネルギーの大幅な利用拡大において最も現実的で効果が高いのは高効率ヒートポンプと蓄熱の導入であると考えます。再生可能エネルギーの中でも地中熱は、蓄熱利用に加え、熱源としての安定性や利用場所の普遍性からドイツ以北の欧州や北米ではヒートポンプの熱源として利用が大きく進んでいます。我が国においても、地中熱利用は1980年代初頭から大学をはじめとしてNEDOや新エネ財団などが中心となり研究開発や調査事業が進められてきた歴史を有しますが、地中熱対応のヒートポンプユニットや掘削コストが高く、また設計方法や施工方法も未熟であった市場は極限られたものでした。しかし、掘削コストの低減や国産Uチューブの製造に加え2004年に量産型の小型地中熱対応ヒートポンプユニットが上市されたのを契機として、それ以前の年間十数台だった市場が、2010年には年間150台以上と導入件数は毎年延び続けています。加えて、講師らが開発した地中熱ヒートポンプシステム・設計性能予測ツールが頒布されて、それを利用することで誰でも簡単に地中熱利用システム設計やプロポーザルの資料の作成ができることになったことも要因として挙げられます。また、数年前からは、環境省が冷房排熱を地中へ吸収させることがヒートアイランド抑制の一助となるという理解の下、本システムの導入を推進してきたこと、さらに2009年8月に施行されたエネルギー供給構造高度化法の施行令において太陽光や風力と並び、ヒートポンプが利用する空気熱、地中熱、水熱(海水熱や河川水熱など)が、初めて法令により再生可能エネルギー源として定義されて、経済産業省においても導入普及に対して力を入れはじめてきたことがあります。
本講演では、まず地中熱利用の考え方について概説した後、地中熱ヒートポンプシステムの世界的状況と各国の大規模システムの実例について紹介します。次に、地中熱ヒートポンプシステムの計画・設計のポイントについて順を追って解説すると共に、TRT(熱応答試験)の実施方法と解析方法、評価方法について説明します。また、実際の現場作業で必要となる施工のポイントなども紹介します。最後に、省エネルギー性と環境性の評価方法と各種導入支援制度について解説した後、筆者らがコミッショニングに参加している地中熱利用システムの実測データから省エネルギー性と環境性など導入効果について紹介します。
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1.地下熱利用の考え方
1-1 建物・施設のローエネルギー化に向かって
1-2 地中熱とは?
1-3 地中熱利用の分類と適用分野
1-4 地中熱ヒートポンプシステム導入のメリット
1-5 地中熱ヒートポンプシステムの分類
(1)垂直ボアホール方式
(2)水平方式
(3)基礎杭利用方式
(4)地下水循環方式
2.地中熱ヒートポンプシステムの世界的普及状況と各国の状況
2-1 世界的普及状況
2-2 各国の状況
(1)スウェーデン
(2)スイス
(3)オーストリア
(4)中国
(5)日本
3.地中熱ヒートポンプシステムの計画・設計のポイント
3-1 計画のポイント
3-2 設計のポイント
3-3 GSHP設計性能予測ツールを用いた設計方法
3-4 GSHP設計性能予測ツールを用いた設計例
4.TRT(熱応答試験)方法と計測データの評価方法
4-1 TRT(熱応答試験)の実施方法と注意点
4-2 TRT(熱応答試験)の計測データの評価方法の実際
5.施工手順と施工のポイント、省力化・省コスト化の工夫
5-1 施工手順と施工のポイント
5-2 実際の施工において、省力化・省コスト化の工夫
6.省エネルギー性と環境性の評価方法、各種導入支援制度の利用について
6-1 省エネルギー性と環境性の評価方法
6-2 各種導入支援制度の利用について
7.導入事例と導入効果
7-1 住宅へのGSHP導入事例と導入効果
7-2 非住宅へのGSHP導入事例と導入効果
7-3 鋼管基礎杭利用地中熱ヒートポンプシステムの導入事例と導入効果
8.導入拡大と将来展望
9.質疑応答
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−名刺交換会−
セミナー終了後、ご希望の方はお残り頂き、講師と参加者間での名刺交換会を実施させて頂きます。
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