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T.藻類ビジネス全般に関する概要
<講演要旨>
生物資源としての藻類に注目が集まってから数年が経ち、各国で多額の投資を集めた開発も研究フェーズから実証フェーズへと移行してきています。本論では藻類産業の全体像について、生物としての藻類の基礎を踏まえながら解説します。その後の各論では「実用化藻類のマーケティング」、「油脂源としての藻類」、「海外での最新動向」というテーマを設定し、より具体的な動向をお伝えします。
1.藻類を利用した産業の意味と実現可能性
(1)藻類を利用した産業構築の意義
(2)期待先行してしまっている現状
(3)藻類産業を構築するための4つの視点
2.藻類を用いた取り組み
(1)藻類の種類と特性
(2)藻類の栽培から目的物の生産までの流れ
(3)藻類を用いた燃料生産の取り組み
@代表的藻類種
ボツリオコッカス、シュードコリシスティス、イカダモ、オーランチオキトリウム、
ナンノクロロプシス、ユーグレナ他
A燃料生産に関わる各工程
(4)実用化されている藻類の取り組み
(5)実用化が期待される藻類の取り組み
3.藻類を扱うための基本技術
(1)藻類の探索・収集技術
@藻類の探索のポイント
〜持参すべき器具、場所の選定、収集方法〜
A有用な藻類を選抜する方法
(2)藻類の扱い方
@藻類の観察法
A藻類の分離方法
B藻類用培養培地の作り方
C藻類の保存方法
(3)藻類の機能評価と品種改良法
@藻類の機能評価
A生産性向上のポイント
B変異導入法による品種改良の実際
4.藻類の大量培養と濃縮・乾燥・抽出技術
(1)藻類の大量培養の実際
@屋外方式(オープンポンド)
〜池培養、チューブ式、ドーム式〜
A屋内方式(クローズドシステム)
〜パネル式、ステンレスタンク方式〜
Bその他フォトバイオリアクター
〜培養容器の設計ポイント〜
(2)大量培養のポイント
〜安定した光の供給、炭酸ガスの供給、培養液の温度管理、コンタミ防止措置〜
(3)藻類の濃縮・乾燥における留意点
(4)藻類からの抽出技術
〜炭化水素、油脂成分、有効成分〜
(5)参考実施例
5.質疑応答
(中原 氏)
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U.実用化藻類のマーケティング
<講演要旨>
藻類全てに通じる魔法のマーケティング手法は存在しません。生物としての藻類の特徴、適用分野のビジネスの特徴を踏まえ、そもそもマーケティング(売り方)が重要となる藻類・適用分野は何処か?から考えていきたいと思います。
1.実用化藻類の市場環境
(1)藻類毎・適用分野毎の現状の市場規模
@藻類:クロレラ、スピルリナ、ドナリエラ、ナンノクロロシプス、ユーグレナ、
ヘマトコッカス、カラギナン、褐藻類 など
A加工方法: 藻体直接利用、抽出物・分泌物(アスタキサンチンなど)
B適用分野:燃料、飼料・肥料、食料、健康食品、化粧品など
(2)今後拡大する市場の見極め方
〜藻類の特性から:栄養含有量、増殖速度、栽培・収穫のしやすさ、
抽出物利用のしやすさ など〜
〜適用分野の特性から:顧客ニーズ、顧客数、顧客の許容コスト、競合商品など〜
(3)市場拡大に向けて解決すべき課題
〜栽培・収穫コストの削減、藻類としてのマーケティングなど〜
2.実用化藻類のマーケティング手法とその実例
(1)藻類マーケティングのポイント(一般のマーケティング手法との違いから)
〜馴染みがない「藻」を、消費者にどうイメージしてもらうか〜
〜そのイメージを、誰と組んで/どのように、広げていくか〜
(2)藻類マーケティングの実例
(商品コンセプト、プロモーション、価格帯、流通網の観点から)
@DICライフテック社
Aユーグレナ社
3.まとめ
4.質疑応答
(松原 氏)
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V.藻類による脂質生産
<講演要旨>
藻由来の油脂は燃料から健康食品まで広い用途に提供できる原料と期待されていますが、生物の性質や生産プロセスを無視した認識が蔓延しているように感じられます。用途に必要な品質、価格帯を満たす取り組みを見極める視点をもつ機会になればと思います。
1.脂質の市場と将来性
(1)油脂需要の現状と見通し
(2)変わりつつある油脂消費構造
(3)油脂不足問題を考える軸
2.藻類での脂質生産への期待(植物との比較)
(1)油脂不足問題を解決する手段
(2)微細藻類による大規模油脂生産の優位性
(3)微細藻類による大規模油脂生産の課題
(4)微細藻類による高付加価値油脂生産
3.抽出方法
(1)藻類の油脂抽出プロセス
(2)抽出法
4.藻類が作る脂質の種類・特性
(1)微細藻類が生産する油脂
(2)油脂の特性と活用
5.用途開発
(1)用途ごとのニーズを満たすための生産プロセス
(2)藻油活用の実例
(3)藻油の用途開発
6.まとめ
7.質疑応答
(桐栄 氏)
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15:30 | 16:30
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W.海外藻類ビジネスの最新動向
<講演要旨>
2000年以降の米国主導の藻類ブームは環境的変化により一息つき、勝者と敗者が見えつつありますが、これらに続く米国の次世代スタートアップを含め、各国が取り組んでいる最新の研究開発動向をご紹介します。
1.現状までの藻類トレンド(米国を中心に)
(1)1980年代WHOによる藻類の食糧としての可能性提案
(2)1985年ハワイ、フロリダを中心にスピルリナの大量培養開始
(3)1990年代のNASAの開発結果としてMartek社の登場
(4)2000年代のエネルギー政策を目的とした企業の登場
〜Solazyme、Algaenol、Cellena、Sapphia Energy〜
(5)2008年代の淘汰と軍主導の政策
(6)2012年新世代の登場 そしてシェールガスによる迷走
2.低迷する米国勢を脇に各国で加熱し始めた藻類
(1)オーストラリア
(2)オランダ
(3)フランス
(4)スペイン(主に食糧)
(5)その他(中国など)
3.今後の動向について
4.まとめ
5.質疑応答
(福井 氏)
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−名刺交換会−
セミナー終了後、ご希望の方はお残り頂き、講師と参加者間での名刺交換会を実施させて頂きます。
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