【受講対象】
・空調関連のエンジニア,研究者
・ヒートポンプ,ルームエアコンに関連するエンジニア,研究者
・空調設備業者
・建築設計業者
・空調機器の省エネルギーに興味のある方
・空調設備ユーザー
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【予備知識】
・空気線図の見方
・湿度,エンタルピー,SHF等の空調関連の基礎知識
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【習得知識】
1.吸着剤ごとのデシカントローター性能の相違
2.固体と液式の特徴,相違
3.空気線図上でのデシカント空調システムの評価方法
4.デシカント空調システムの有効な利用方法
5.最新のシミュレーション技術
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【講師の言葉】
最近になりデシカント空調システムが非常に注目を集めている。この第一の理由としてデシカント空調システムが排熱や太陽熱等を用いて効率よく除湿ができることがあげられる。また,エアコンにおいて採用されている冷却除湿方式が効率のよくない方式であるため,デシカント空調システムを用いて潜熱と顕熱を分離した空調が可能となれば,非常に高効率な空調システムを構築可能である将来性への期待も大きな理由の一つであろう。
一方で,非常に多くの吸着材が開発されてきたが,評価基準が確立されていないため,どのような吸着材,ローター,システムが良いのかほとんど明らかとなっていないばかりでなく,性能に対する誤った認識もはびこっているのが実情である。早稲田大学は,国内で入手可能なほとんどすべてのデシカントローターをテストした実績があり,また,国内では,本格的に液式のデシカントの研究を行っている唯一の機関である。これらの実績をもとに是非とも皆様にデシカント空調システムの正しい理解をしていただきたいと考えこの講演を引き受けたところである。
この講演が,作動原理は難しいが将来性を十分に有するデシカント空調システムをきちんとご理解いただき,この分野がますます発展していく一助になることを期待しているところである。
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【プログラム】
T.デシカント空調システムの特徴
1.デシカント剤の特徴と性能の違い 〜吸湿材と吸着材〜
2.デシカントローターにおける熱・物質移動の原理
3.冷却除湿と吸着式除湿
4.装置構成と流路構成
5.他の空調システムとの比較 〜長所と短所〜
U.デシカント空調システムの開発動向と高効率化のポイント
1.デシカント空調システムの開発動向
(1)デシカント空調システムの普及状況
(2)デシカント空調システムの開発動向
@冷却(冷却/再熱)式
Aローター式(Solid Desiccant)、吸着・収着式
B液式(Liquid Desiccant)、吸収式
Cハイブリッド式、複合システム
(3)吸着材・収着材と吸収材の開発動向
2.デシカント空調システム高効率化のポイント
(1)デシカントローターの水蒸気除去能力の向上策
(2)空調機の最適制御
(3)高効率システム構築の考え方
(4)分散型電源・自然エネルギーとの組み合わせによる高効率化
@コージェネレーション
A燃料電池
B太陽熱など
(5)他の空調システムとの組み合わせによる高効率化
@圧縮・デシカントハイブリッド空調システム 〜リキッドデシカント〜
A間接蒸発冷却器との組み合わせ
V.デシカント空調システムの性能評価と適用のポイント・コスト評価
1.デシカント空調システムの性能評価
(1)エネルギー消費効率(COP)
(2)除湿能力及び快適性
〜調湿(moisture buffering)と湿度制御(humidity control)、露点制御〜
(3)制御性・取り扱い性・運転管理性
(4)環境負荷性
2.デシカント空調システム適用のポイントとコスト評価
〜条件に合ったデシカント空調システムの選定、
どこにどういったデシカント空調が適用できるのか?
又、どの程度の除湿・省エネが実現できるのか?
コスト試算(コストはどの程度なのか)〜
(1)湿度コントロールや低露点環境(ドライルーム)が要求される建物
〜精密工場、食品工場、倉庫、スーパーマーケット、ミュージアム〜
(2)換気量が多い建物 〜化学実験室、病院、福祉施設〜
(3)潜熱負荷の大きい建物 〜蒸気を発する場所、屋内プール〜
(4)排熱利用が可能な建物 〜各種工場、環境施設〜
3.デシカント空調システムのシミュレーション技術
4.エネルギーシステム(Energy flow IAE)の統合解析・数値解析によるシステムの
設計から最適構成・最適運転、更には省エネ性評価・故障診断の実際
W.事例(設計事例、導入事例、改修事例)
X.質疑応答(適宜)
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−名刺交換会−
セミナー終了後、ご希望の方はお残り頂き、講師と参加者間での名刺交換会を実施させて頂きます。
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