●講 師 |
吉原伊知郎技術士事務所 所長 |
吉原伊知郎 氏 |
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【講師紹介】 所属:日本粉体工業技術協会 造粒分科会 名誉幹事
技術士(機械部門)日本技術士会会員
技術士協同組合 微粒子技術研究会世話人
活動:粉/粒に関わる「処理機械とプロセス」の開発と運転、
及びトラブル対策に従事。
粉体処理機器メーカーに長年技術担当として勤務、
海外担当、ヨーロッパ支店長、技術担当役員を経て独立、
2015年1月に技術士事務所を立ち上げる。
技術士事務所として、粉体技術者の育成、粉体処理機器、
特に乾燥・粉砕・造粒・粒子表面改質技術の分野で、
機器選定・スケールアップ・適正運転・トラブル対策の
コンサルティングを通じ、同分野技術者の啓蒙に努めている。
日本技術士会機関誌:月刊「技術士」の2016年6月号で「巻頭技術解説」を担当。
著書:「造粒ハンドブック」:日本粉体工業技術協会造粒分科会監修、編著(オーム社)。
「ものづくり高品位化のための微粒子技術」
:砥粒加工学会微粒子技術専門委員会編著(大河出版)。
「ミスのない難局打開の“造粒技術”」(サイエンス&テクノロジー社)。
「粉体・ナノ粒子の創製と製造・処理技術」
松本幹治/小波盛佳監修、(テクノシステム社)。
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●日 時 |
2016年 8月 19日(金) 10:00〜16:45 |
●会 場 |
東京・新お茶の水・連合会館(旧 総評会館)・4F会議室 》》 会場地図はこちら 《《
※急ぎのご連絡は(株)技術情報センター(TEL06-6358-0141)まで!!
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●受講料 |
49,680円(1名につき) (同時複数人数お申込みの場合1名につき44,280円) 〈昼食・お茶代1,500円(税込)を含む〉 ※テキスト代、昼食代、お茶代、消費税を含む |
●主 催 |
(株)技術情報センター |
【受講対象】
企業の研究、開発、生産、設計、設備部門の技術スタッフ、乾燥技術の基本と実際を知りたい方。
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【予備知識】
特別知識は不要ですが、粉体/粒体に関する仕事をしていると好都合。
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【習得知識】
1.乾燥技術の基礎と実際のスケールアップ事例を得られる。
2.目的に応じた「乾燥原理」を選定し、その原理を使った「乾燥装置」を
選定することができる様になる。
3.特にエネルギー関係や、環境に関わる湿潤物質の乾燥にはノウハウが必要。
4.実際の装置を動かすときに必要な「装置内現象の理解」を得られる。
5.小型の装置による粉体挙動を会場で生体験し、
感性も使った粉体プロセスを考えられるようになる。
6.粉体プロセスでしか発生しないトラブル解決を実際の講師の体験から解説され、
予測・対策について学べる。(小型モデルで実演する)
7.失敗しないためのトラブル対策と、コストパフォーマンスに優れたトラブル対策を学べる。
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【目的】
若いエンジニアが、乾燥技術の基礎と実際、粉体プロセストラブル解決を実際の講師体験から解説され、生々しい実例と小型装置による粉体挙動の体験をして、感性で粉体プロセスを考えられるようになる事。
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【講師の言葉】
粉体/粒体を扱う乾燥技術は広く工業分野で使われているものの、その設計や運転は、特殊な分野の専門が扱っていることが多い。このセミナーでは、基本原理から解説して、実際の装置設計の経験と運転、想定外の現象に対応してきた講師が物質移動・熱量移動・運動量移動に関する事例を挙げて解説する。
先輩達がどのような理由で装置選択をし、運転パラメーターを決め、限界に挑戦してきたかを知る事は、今後我々が装置の能力限界や他物質への応用をする時に大いに役立つ。
これから新しいプロセスを構築する技術者は、粉体現象を予測できなければならない。
セミナーでは「粉体挙動確認実演モデル(透明アクリル製)」を駆使して、自分で運転パラメーターを設定し、その結果としての粉体現象を体感することができる。机上の企画だけではなく、経験/体感を基にした設計ができる様になって頂きたい。
特に「粉体のトラブル10種」を紹介し、複雑なトラブルも分解して単純にすることから、対応が可能になる実例を紹介する。粉体トラブルを小型模型で体験する。小さな失敗を重ねて技術者は、自分で考えるルートを通過してゆく。
液体・気体と異なり「粉体・粒体は、その表面の特性によって扱いが困難である場合が多い。しかしながら、新機能性素材(電池・機能性医薬品・化粧品・電子材料など)は、粉体「微粒子;複合化微粒子」の形態を取らざるを得ない場合が多く、粉体取り扱い技術は人間社会に貢献する工業分野にとって、なくてはならないテクノロジーである。
一方で、微粒子の形態の多様性の為に、その挙動は数値化がなかなか難しく、多くの先輩達の経験と感性によりプロセスの構築と運転が続けられている。昨今の熟練技術者の引退と共に、「なぜこの装置が、この操作に選ばれたのか」、「なぜこの運転パラメーターが最適運転なのか」、「この装置の限界はどこにあるのか」を、基本に立ち返って理解する機会を持ちたい。
小型透明アクリル装置を自ら運転してみることによって、技術者の必要な「体験による感性の構築」、「実際の現象に基づいた経験」に、その現象の「解析」を加味して、自分が責任者になったときに使える、粉体プロセスの適正設計/運転判断基準を体感していただきたい。
今回用意した小型透明粉体処理装置モデルは、いわば「粉体現象の見える化」であり、自分で体験してみなければ分からない粉体挙動「閉塞、ブリッジ、偏析、流動化、液滴と粉体の分散・凝集現象」等が、本講座の中で体験してゆける。
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【プログラム】
T.はじめに;粉体技術を俯瞰する <20分>
1.目的の機能を付与する粉体技術。
(1)化学工学的な処理として「物性の変化する粉体処理」
(2)機能性微粒子の様々な分野での取り扱い例
(3)一方で微粒子であるが為の問題点
(4)微粒子にする業界別の目的要求事項
2.乾燥、(粉砕・造粒)は、目的の粒子を造り上げる単位操作
(1)乾燥操作定義とその周辺技術、トラブルはトータルで対応する
(2)汚泥のように「ドロドロ状態」から「パサパサ状態」
;(アッテルベルグ教授の表より)に乾燥する為のこつ
(3)世界の粉体処理に関わる組織/展示会
(4)最近の展示会話題;ドイツ(ニュルンベルグ)、アメリカ(シカゴ)
U.乾燥技術の原理と、処理物(処理品の物性に合わせた乾燥原理を選定する) <50分>
1.乾燥原理の理解:用語の理解:乾燥カーブを中心に理解する
2.恒率乾燥区域と減率乾燥区域;設計対象はどの区域か把握する
3.粒子と空気の関係;ストークスの式の意味
4.処理能力の表し方;原料投入量、絶乾物質通過量、蒸発量
V.乾燥原理の区分と、乾燥装置(その選定のポイント)・運転パラメーター設定 <50分>
1.直接乾燥(対流伝熱)・・コールドモデルによる実演
2.間接加熱(伝導伝熱)・・コールドモデルによる実演
3.複合型乾燥機・・・操作実例
4.流動層造粒乾燥モデル・・・実演による説明
5.噴霧造粒乾燥・・・資料による説明
6.その他の最近の話題の乾燥装置
W.代表的な乾燥装置のスケールアップ <60分>
1.熱量移動律速乾燥のケース
2.物質移動律速乾燥のケース
3.複合熱量移動乾燥のケース
X.乾燥プロセスのトラブル事例と予防・改善
(粉体現象を把握していなければ、トラブルは予測できない)<60分>
1.固体粒子、液体、気体の混相流体として把握する。
(アッテルベルグの分類)粉体物性の物性評価
2.つまる、くっつく、摩耗する
3.洩れる、流れる、飛んでゆく
4.蓄熱、発火、粉塵爆発
5.偏析、(透明アクリル小型モデルで粉体/粒体の偏析現象を体感する)
6.粉体トラブル対策の対策にあたっての分析
Y.粉体によるトラブル対策の「エスケープルート方式」提唱 <40分>
1.事前対策;あらかじめ対策を施工する
2.事後対策;二度と起こらないように改造する
3.エスケープルート対策;コストとパーフォマンスに注目する対応
Z.おわりに;信頼される技術者になる為にはどうしたら良いか <10分>
1.致命的な失敗をしないために、小さな失敗から「自分で考える」ことを学ぶ。
2.マニュアルを鵜呑みにして満足していてはいけない。粉体プロセスでは想定外のことが必ず起こる。
失敗学から学ぶこと。
3.これからの日本の物造りにおける「微粒子取り扱い技術の重要性」。
[.模型運転と質疑応答(適宜) <45分>
※模型;実演モデル運転は各項目の中でも行います。
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−名刺交換会−
セミナー終了後、ご希望の方はお残り頂き、講師と参加者間での名刺交換会を実施させて頂きます。
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