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T.電気を生産する微生物を利用した電池(微生物燃料電池:MFC)の
研究開発動向と今後の展望
<趣旨>
今から15年くらい前に電気を生産する微生物(発電菌)が発見され、注目が集まっている。 特に、発電菌を用いた微生物燃料電池の開発が進み、省エネ型廃水処理などへの応用が期待されている。本講演では、発電菌の基礎と微生物燃料電池の研究開発動向を紹介する。
1.微生物発電のメカニズム
1)微生物燃料電池の基本構造
2)電池のメカニズム
3)生物のエネルギー獲得メカニズム
4)細胞外電子伝達系
5)電気共生
6)電気共生の応用
2.微生物燃料電池の応用
1)微生物燃料電池の応用分野
2)バイオマス発電
3)廃水処理
4)小型電源
5)田んぼ発電
6)バイオセンサー
3.微生物燃料電池の構造と研究開発の現状
1)装置の形状
2)アノード
3)カソード
4)セパレーターなど
4.バイオマス発電用微生物燃料電池の開発
1)装置の開発
2)発電メカニズムの解析
5.廃水処理用微生物燃料電池の開発
1)微生物燃料電池が必要な理由
2)装置の開発
3)発電メカニズムの解析
6.今後の展望等
1)他の微生物燃料電気化学技術
7.質疑応答・名刺交換
(渡邉一哉 氏)
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U.炎酸化ステンレス鋼アノードによる微生物燃料電池の高出力化
<趣旨>
微生物燃料電池は有機性排水からのエネルギー回収(直接発電)と浄化処理(有機物除去)を同時に行うことができる理想的なバイオリアクターです。実用化に向けては様々な改良が必要ですが、様々な排水が利用できることから大変注目されています。
本セミナーでは、炎で酸化させたステンレス鋼をアノード(負極)として利用する新しいアプローチにより微生物燃料電池の出力を増強する研究開発を解説します。新しい素材によるアノード開発は大きな可能性を秘めており、実用化に向けて重要なポイントになると考えられます。
1.微生物燃料電池の発電原理
2.発電細菌と酸化鉄還元細菌の関係
3.炎酸化ステンレス鋼アノードによる発電の促進効果
4.炎酸化ステンレス鋼アノードによる排水処理(BOD除去)
5.質疑応答・名刺交換
(横山 浩 氏)
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V.下水実廃水を用いた浮遊型微生物燃料電池
<趣旨>
微生物燃料電池は、電流生産菌(有機物を分解する際に生成した電子を電極に渡すことのできる特殊な微生物)を利用することにより、下水中に存在する有機物の分解と同時に発電することができます。また、有機物を分解する際に曝気を必要としないことから、省エネルギー対策として下水処理場への適用が期待されています。
本セミナーでは、微生物燃料電池の下水道処理施設への適用に向けた研究の現状と導入した場合の効果や適用可能性について説明させて頂きます。
1.研究目的と概要
2.微生物燃料電池の特徴
3.定電圧培養試験によるアノード性能評価
4.下水処理場での電力計測結果
5.導入効果の検討
6.質疑応答・名刺交換
(飯田和輝 氏)
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W.微生物燃料電池による有機性廃水の窒素処理や閉鎖性水域の
底質改善への展開
<趣旨>
本講演では、微生物燃料電池が有する有機物除去能を基軸に機能や対象の拡大を指向した取り組みについて、2つの事例に焦点を当てて、それぞれの原理や研究開発の動向を紹介します。その一つは有機性廃水の窒素処理であり、微生物燃料電池の主要な適用対象の有機性廃水に浄化が不可欠な窒素成分が一般に共存していることから、特徴を損なうことなく窒素処理を融合する廃水処理システムへと発展する可能性を説明します。もう一つは、原位置での環境浄化への適用を目指した閉鎖性水域の底質改善への展開について、研究開発の状況を紹介します。
1.微生物燃料電池と生物学的窒素変換の接点
2.窒素処理を融合した微生物燃料電池の開発状況
3.一槽式微生物燃料電池における窒素処理特性
4.微生物燃料電池の底質改善への展開
5.底質改善効果とフィールドでの実施例
6.質疑応答・名刺交換
(渡邉智秀 氏)
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−名刺交換会−
セミナー終了後、ご希望の方はお残り頂き、講師と参加者間での名刺交換会を実施させて頂きます。
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