●講 師 |
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 瀬戸内海区水産研究所 資源生産部 養殖生産グループ(屋島庁舎)研究員 |
森田哲男 氏 |
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<本テーマに関するご活動> 水産学会や関連会議、学会誌、都道府県の勉強会等で多数成果公表しているほか、
水産研究・教育機構主催の成果発表会や栽培漁業関連の研修会等でも講演。
一般企業家や陸上養殖従事者向けには陸上養殖をテーマに、
ジャパンインターナショナルシーフードショー、アグリビジネス創出フェア、
科学技術振興機構(JST)、瀬戸内海研究フォーラムなどで講演を行い、情報提供している。
また、業界紙等における陸上養殖の連載などを通じて研究成果の普及を行っているほか、
秋田県、奈良県、沖縄等では閉鎖循環飼育関連の委員として施設設計等の助言を行っている。
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●講 師 |
東海大学 海洋学部 水産学科 教授 |
秋山信彦 氏 |
●講 師 |
三重大学 大学院 生物資源学研究科 生物圏生命科学専攻 水圏生物利用学教育研究分野 生命科学研究支援センター バイオインフォマティクス部門長(兼任) |
田丸 浩 氏 |
●講 師 |
東京海洋大学 学術研究院 海洋生物資源学部門 助教 |
遠藤雅人 氏 |
●日 時 |
2016年 10月 14日(金) 10:00〜16:40 |
●会 場 |
東京・新お茶の水・連合会館(旧 総評会館)・4F会議室 》》 会場地図はこちら 《《
※急ぎのご連絡は(株)技術情報センター(TEL06-6358-0141)まで!!
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●受講料 |
49,680円(1名につき) (同時複数人数お申込みの場合1名につき44,280円) ※テキスト代、昼食代、お茶代、消費税を含む
<アカデミック割引> 【大学等の学校法人格を有している団体に在籍する方には割引制度がございます。 詳しくはこちらをご覧いただくか06-6358-0141までお問い合わせ下さいませ。】 |
●主 催 |
(株)技術情報センター |
10:00 | 12:00
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T.閉鎖循環式陸上養殖システム設計の基本と飼育事例
<講演要旨>
陸上養殖は環境に優しく、天候や病原菌の侵入、立地条件の影響を受けにくいことから近年注目されています。一方で異分野から参入した場合は飼育の肝がつかめず、飼育技術やシステム設計に大きな壁があるのも事実です。本セミナーでは閉鎖循環飼育システムを用いた魚介類飼育の基礎や留意事項、陸上養殖の特徴や注意点、システムにおける水質浄化や設計の基礎まで丁寧に解説します。飼育現場で長年飼育を行ってきた研究者として、飼育の成功事例や失敗事例も交えながら、これから起業される方や飼育初心者の視点で解説します。
1.循環飼育のメリットとデメリット
2.水質管理とシステム設計
(アンモニアの毒性と除去方法、懸濁物処理、ろ材の選定とろ過方法、
疾病防除方法、殺菌、システム設計の考え方)
3.実証・飼育事例
(親魚の養成から種苗生産、陸上養殖、餌料培養まで事例を交えて解説
:魚種としてはトラフグ、マダイ、キジハタ、カサゴ、ヤイトハタ、カンパチ など)
4.質疑応答・名刺交換
(森田 氏)
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12:50 | 14:00
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U.地下海水を利用した陸上養殖
<講演要旨>
東海大学海洋学部は、静岡県の三保半島に所在している。この三保半島は安倍川が運んできた砂が堆積したもので、砂礫の間隙には海水が浸透している。地層によって異なるが、20〜50mの井戸で浸透している海水を取水することが可能である。この海水は還元層を通ることで無酸素であり、好気性細菌が皆無である。さらに、水脈によって異なるが、地下水となっていることから年間を通じて19〜21℃の温度帯で一定である。この海水を利用することで温度調節の必要性がなく、経済的な陸上養殖が可能である。東海大学では、この海水を利用した陸上養殖対象種を検討してきた。一方で地下水であることから県の地下水条例が適応され、十分量の取水が困難である。そこで、魚種によっては半循環方式による飼育を試みてきた。今回はそれらの事例を紹介する。
1.地下海水を利用した掛け流しによる陸上養殖
ヒラメ,トラフグ,トラウトサーモンなど
2.アワビ養殖に用いた海水の二次利用
排水を用いたトラフグ養殖
3.半循環方式による養殖
クロマグロの試験飼育
4.質疑応答・名刺交換
(秋山 氏)
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14:10 | 15:20
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V.三重県における陸上養殖の取組みと新産業創成
<講演要旨>
陸上養殖の成長は、17世紀の経済学者ペティと20世紀の経済学者クラークの業績を合わせた理論「ペティ=クラークの法則」に沿った動きと言える。すなわち、国の経済発展に伴い、1次産業(農漁業)から2次産業(工業)、2次産業から3次産業(サービス業)へと、就業者と所得の比率が高まり、これは高付加価値で賃金の高い産業にシフトするためと考えられる。農林水産物・食品の輸出に関する統計情報では、2014年は前年に比べて11%増の6,117億円と、2年連続で過去最高を更新した。また,6,000億円を超えたのは1955年に統計を開始してから初めてのことである。さらに、6,117億円のうち水産物が2337億円と38%を占めており、水産物の輸出額のおよそ1割は真珠のような非食品である。日本政府が掲げる農林水産品の目標1兆円輸出産業に向けて水産物の貢献は大きいと言えるが、閉鎖循環式養殖による高付加価値化に向けたさらなる創意工夫が必要であると考えられる。そこで、本講演では三重県におけるバイオマス発電を利用した陸上養殖の取組みについて紹介するとともに、ビジネス化に向けた高付加価値への戦略ならびに「地方創生」への期待について紹介する。
1.陸上養殖の現状
水産品の特徴と海外輸出実績
2.陸上養殖による高付加価値化
魚類を用いたバイオ医薬品製造
3.陸上養殖の将来展望
「地方創生」に向けた陸上養殖の事業化
4.質疑応答・名刺交換
(田丸 氏)
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15:30 | 16:40
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W.閉鎖循環式養殖における物質循環による飼育水再生と産業
<講演要旨>
閉鎖循環式養殖において生産する魚介類から排泄される物質の一部は飼育水に溶解し、蓄積していく。本養殖の特徴はそれらの水質汚濁物質を直接排出しないことにあり、物質の除去と有効利用が必要となる。これに関しては植物の物質吸収能を利用した処理法が最も簡便かつ産業性を有するものと考えられる。アメリカでは近年淡水閉鎖循環式養殖から排出される物質を有機肥料として利用し、有機水耕によって野菜を栽培するアクアポニックスが注目を集めており、今後、産業化も視野に様々な複合生物生産の研究が進められると考えられる。そこで今回はアメリカのアクアポニックスの事例と我々が取り組んでいる物質循環型養殖、特に海産魚類の閉鎖循環式養殖に対応した植物や海藻生産、それを基にした産業創出について解説を行う。
1.物質循環型の食料生産システムとは?
(1)自然の摂理を理解した一挙両得の考え方
(2)アクアポニックスとは?
(3)養殖から排出される物質を植物の肥料へ
2.アメリカにおけるアクアポニックスと日本での取り組み
(1)アメリカにおけるアクアポニックス
(2)日本におけるアクアポニックスの取り組み
3.海産魚閉鎖循環式養殖に対応した物質循環型食料生産技術
(1)海ぶどう(クビレズタ)の栽培
(2)アイスプラントの栽培
4.新産業創出とそのアイデア
(1)販路開拓
(2)ブランド形成
(3)異業種・地域連携
5.質疑応答・名刺交換
(遠藤 氏)
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−名刺交換会−
セミナー終了後、ご希望の方はお残り頂き、講師と参加者間での名刺交換会を実施させて頂きます。
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