【受講対象者の業種、所属部署、レベルなど】
企業の施設・設備・保全・設計・施工・研究・開発・品質管理・品質保証・営業部門の方および水と接する製品を製作するメーカーの担当者の方
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【予備知識】
高校卒業程度の知識
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【修得知識】
淡水中における金属材料の腐食についてその原因の解明と防食対策を立案できる。
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【講師の言葉】
腐食と水質の基礎について講師の4半世紀にわたる経験により、誰にでも判るように解説する。
設備の機器および配管は、鋼、鋳鉄、亜鉛メッキ、銅、銅合金、ステンレス等の金属材料で構成されている。
設備における水質の差は、同じ水道水を水源としている一つの建物における各設備用途によっても生じ、結果として腐食に差を生じる。設備に使用される配管材料等は汎用材料なので、腐食の原因を環境すなわち水質に求めざるを得ない。
設備の腐食・防食に関する技術に関して各設備用途における水環境の違いと、使用される材料の建築設備における耐食性の振る舞いを明らかにし、腐食のメカニズムと防食方法を体系化することを試みた。水質差によって腐食に与える影響は定性的にどのようなものかについて、水質要因に注目して論じた。また、建築設備の水系において水質が変化するメカニズムについて過去の事故事例調査を基に示した。さらに、各設備用途について期待される寿命を損なう腐食のメカニズムを材料別に示すことにより、設備の腐食に関して未経験の人でもどのような事が起こるのか、発生した腐食は頻度の高い現象なのか、珍しい現象なのか等について判断ができる事と経済的な長寿命の実現を目標にした。
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【プログラム】
T.電気化学反応としての腐食
1.両極の電位差
2.環境抵抗
3.両極の面積比
U.腐食の種類と形態
1.全面腐食と局部腐食
2.材料の淡水中での腐食に対する認識
3.全面腐食と局部腐食(pHd :脱不動態化pH)
4.局部腐食
1)孔食
2)応力腐食割れ
3)すきま腐食
4)潰食
5)その他
@脱成分腐食
黄銅の脱亜鉛腐食
鋳鉄の黒鉛化腐食
A電縫鋼管の溝状腐食
B銅管の蟻の巣状腐食
V.腐食と水質
1.濃縮と水質変化のメカニズム
1)水の濃縮TUVW
2)水中の炭酸平衡
3)水中で成立する方程式
2.炭素鋼の淡水中での腐食
1)蒸気ドレン管の腐食
2)同じ金属上に形成されるマクロセル腐食
3)環境差によるマクロセル腐食
4)鋼管の外面腐食
5)亜鉛めっき鋼管の外面腐食
3.銅の淡水中での腐食
1)孔食
2)潰食
4.亜鉛の淡水中での腐食
・亜鉛めっき鋼管の孔食
W.水質の基礎
1.水質をどのように認識するか
2.水質分析結果をどう把握するか
3.pHは何故変化するか
4.溶存酸素は何故変化するか
5.硬度成分は何故変化するか
6.シリカは何故変化するか
7.Mアルカリ度は何故変化するか
8.遊離炭酸は何故変化するか
9.塩化物イオンは何故変化するか
10.硫酸イオンは何故変化するか
11.アンモニウムイオンは何故変化するか
12.冷却水系のマテリアルバランス
13.ボイラーのマテリアルフロー
X.地中埋設管の腐食
Y.淡水中の銅の腐食
1.銅T型孔食
1)空調銅コイル
2)氷蓄熱銅コイル
3)給水銅管
2.銅コイルの材料要因
3.アリの巣状腐食
Z.淡水中における微生物腐食
[.RO処理水道水の腐食
\.建築設備の腐食
].質疑応答(適宜)
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− 名 刺 交 換 な ど −
セミナー終了後、ご希望の方はお残りいただき、 講師とご受講者間での名刺交換ならびに講師へ個別質問をお受けいたします。
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