【受講対象】
ステンレス鋼を用いたプラント・装置及び部品メーカー、エンジニアリング会社などのエンジニア・設計・技術・研究・施設・工務・設備保全ご担当者ならびに、ステンレス鋼の耐食性にご関心のある技術者・管理者の方々。
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【予備知識】
上記対象者であれば専門知識は特に必要ございません。
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【習得知識】
・ステンレス鋼の腐食の原理
・ステンレス鋼の種類と特徴
・ステンレス鋼の腐食の種類とその発生メカニズム
・各種環境におけるステンレス鋼の耐食性と適用事例
・ステンレス鋼の腐食事例とその対策
・ステンレス鋼の腐食試験方法
・ステンレス鋼の水素脆化と対策
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【講師の言葉】
100年前にステンレス鋼が発明されて以来、様々な種類のステンレス鋼が開発されてきた。その優れた耐食性や機械特性により世界的に使用量は増加しているが、材料の選択や使い方を誤ると腐食や割れ等の損傷に至ることがある。ここでは耐食性を中心としたステンレス鋼の適切な選び方・使い方を理解するために、ステンレス鋼の種類と特徴、腐食の種類とそのメカニズム、種々の環境における各種ステンレス鋼の耐食性、および腐食事例と対策について平易に解説する。更には近年注目を集めているエネルギー分野(水素, LNG等)に関わるステンレス鋼の問題(水素脆化)と対策についても解説する。
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【プログラム】
T.ステンレス鋼の概要と耐食性
1.ステンレス鋼の定義と歴史
2.生産量と規格
3.腐食機構
4.防食法
U.ステンレス鋼の種類と特性
1.ステンレス鋼の種類と特徴
〜化学成分、用途例を含めて〜
(1)マルテンサイト系
(2)フェライト系
(3)オーステナイト系
(4)二相系
(5)析出硬化型
(6)スーパーステンレス鋼
2.ステンレス鋼の性質
(1)基本特性 〜機械的性質〜
(2)耐食性 〜不働態皮膜とその安定性〜
(3)腐食形態とメカニズム
@湿食腐食【全面腐食・局部腐食(孔食、すきま腐食、応力腐食割れ、
粒界腐食、微生物腐食、大気腐食)】
A乾食腐食【酸化、水蒸気酸化、硫化、塩化、浸炭、窒化、溶融塩腐食】
(4)水素脆化現象
V.ステンレス鋼の選び方・使い方のポイント
1.使用条件に応じたステンレス鋼の選び方・使い方のポイント
(0)ステンレス鋼(JIS規格鋼種)の選び方
(1)耐酸用ステンレス鋼
(2)耐孔食性・耐すきま腐食性ステンレス鋼
(3)耐応力腐食割れ性ステンレス鋼
(4)耐水素用ステンレス鋼
(5)温水用ステンレス鋼
(6)高温用ステンレス鋼
(7)高強度用ステンレス鋼
2.ステンレス鋼の耐食性評価法とポイント
(0)JISで規格される腐食試験方法
(1)浸漬試験 〜各種試験方法と判定方法〜
(2)実環境暴露試験
(3)電気化学的測定
3.各環境でのステンレス鋼の選び方・使い方のポイント
(1)酸性環境 〜排煙脱硫装置等環境プラント、各種排ガス浄化装置など〜
(2)大気環境 〜建築外装・金属屋根、車両など〜
(3)水・高温水環境 〜上・下水設備から温水器まで〜
(4)海水環境 〜海洋構造物、海水淡水化装置、製塩装置など〜
(5)極低温から高温環境 〜LNG、乾燥炉、熱処理炉〜
(6)化学環境 〜各種化学プラント〜
(7)各種廃棄物処理環境 〜ごみ焼却、廃プラスチック、廃木材処理設備など〜
W.ステンレス鋼の腐食メカニズムとトラブル対策
1.ステンレス鋼の腐食に及ぼす金属学的因子
2.ステンレス鋼の溶接接合と耐食性
3.ステンレス鋼の二次加工と耐食性
4.腐食形態とトラブル対策の実際
(1)全面腐食
(2)局部腐食 〜孔食、すきま腐食、粒界腐食、応力腐食割れ、微生物腐食など〜
(3)高温腐食 〜浸炭、バナジウムアタックなど〜
(4)さび
(5)腐食事故材の腐食原因調査事例
5.ステンレス鋼の水素脆化トラブルと防止対策
X.質疑応答
※参考資料として【過去の質問とその資料】
(水中にあるステンレス鋼に発生する隙間腐食対策として用いられるインヒビター(腐食抑制剤)
の役割を電気化学的に知りたい。)を配布します。
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− 名 刺 交 換 な ど −
セミナー終了後、ご希望の方はお残りいただき、 講師とご受講者間での名刺交換ならびに講師へ個別質問をお受けいたします。
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