【講師の言葉】
MDIは日本で唯一の“排熱回収専門”熱交換エンジニアリングメーカーとして多くの実績と経験を持つ。
昨今の省エネ要求増により、ビニルハウスから自動車工場まで日本全国の現場視察を行って感じたことは、2018年現在において地球温暖化対策が必須となっているのにも関わらず、施設、工場の熱対策は実際にはほとんど解決をしていないと言っても過言ではないと見受けられる。
当然、最新の機器を導入している大手工場を含めての感想である。
熱の省エネに於いて、もっとも必要な知識、機器はすべて熱交換器関連となる。
熱交換器の熱計算の基本、メーカーへの問い合わせの方法、排熱対策の考え方に至るため簡単な方法を解説する。
チラー、ヒートポンプ、バイナリー発電等の機器類もすべて熱交換器が性能を支配しているためその内部構造を少し解説しながら、今後の解決策を理解することができる。
本講習では熱の基礎、各熱交換器(プレート式、多管式、投げ込み式、フィンチューブ等の形状による特徴、機器ごとの代表的な性能(U値=総括伝熱係数)、主な使用環境を理解することにより、昨今発生している最新省エネ機器の聞こえの良いカタログ値過信による現場導入、不具合発生が多発している現状を理解することができる。
熱の省エネに不可欠な熱回収事例を解説しまた今後の経年による性能劣化(スケール、SS、スライム)対策に必要なアイテム、メンテナンス方法を一部解説する。
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【プログラム】
※よりよいセミナー実現のため、当日は参加者のご要望をお伺いし、ご講演内容や順序などの流れが
多少変更になる可能性がございます。(大枠の変更はございません)また、事前のご要望により
講演内容の一部を省略して質疑応答に時間をかける場合もございます。
1.熱とは
(1)熱の種類
(2)実際の熱ロス
(3)最新の施工変更による省エネ事例
〜対流熱から輻射熱への応用〜
2.排熱回収とは
(1)熱回収の考え方
〜気が付かない排熱が膨大な利益を排出〜
(2)熱交換器とヒートポンプの違い
〜基本的な設計思想の再認識〜
(3)排熱回収の事例各種
〜食品工場での省エネ事例、製鉄工場内の大量の油煙排ガスの熱回収+油の分離、
粉体塗装工場の省エネ(輻射+顕熱回収)+VOC対策、
カット野菜工場の冷排水+汚れを含む熱回収によるチラー省エネ、
牛舎の糞尿排水+雑排水の熱利用による床暖冷房ヒートポンプの高効率化〜
3.工場省エネ対策の盲点
(1)省エネ機器を設置して省エネが出来なくなる事例
〜機器を交換すれば省エネが完了!と考えるところに落とし穴がある〜
(2)チラーの放熱方法による消費電力の違いの実情
〜空冷と水冷、同一コンプッサを前提とした冷却温度による消費電力の違いの説明〜
(3)熱搬送ロスを全く考慮していない現状のシステム
〜熱いからファンを設置、寒いからファンで温風という固定観念による
熱ロスとヒートパイプまでの対策案〜
4.自然エネルギー利用のシステムの考え方
(1)フリークーリングシステムによるチラーの省エネ
〜水冷チラー、セカンダリークーリング方式、最新フリークーリングチラー設計思想まで〜
(2)地熱やエンジン熱利用におけるバイナリー温度差発電プラントの熱交換器としての注意点
〜バイナリーサイクルの基本と蒸発器・凝縮器の設計時の注意点、
単純な機器の設置と組み合わせでは、多くの現場で運転停止、
トラブルに発展する事例と解決策案〜
(3)バイオマスボイラー、バイオマスガス発電プラントにおけるチップ乾燥の盲点
〜チップの乾燥方法を間違えるとシステム全体が省エネしなくなってしまう事例と
高温の排気熱を大気へ放出してしまう今後の問題点の解決案〜
5.MDIの設計法と技術ポイント
(1)排ガス、液、汚水までの各種ラインナップ
(2)砂、泥、火山灰対策用マルチサイクロンと、赤水対策用ガラスパールろ過器の
組み合わせによるプレート式熱交換器使用可能への提案
(3)熱交換器用専用洗浄液
〜ダイナミックデスケーラーとダイナミックGC-S〜
(4)MDI製ヒートポンプチラー“BLACKBOX”と“簡易ヒートポンプ”
(5)熱エネルギー省エネのコンサルタント業務
〜工場プロセスのロスの指摘から、解決策、熱交換器を中心とした
メンテナンスコスト問題の削減方法など〜
6.質疑応答
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− 名 刺 交 換 な ど −
セミナー終了後、ご希望の方はお残りいただき、 講師とご受講者間での名刺交換ならびに講師へ個別質問をお受けいたします。
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