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パワーエレクトロニクスハンドブック

[コードNo.03NTS090]

■体裁/ B5判 上製 1,232頁
■発行/ 2002年 2月20日
(株)エヌ・ティー・エス
■定価/ 63,800円(税込価格)


基礎的な回路理論、応用分野、関連用品、新エネルギーへの適用を記述。

発刊にあたって

 パワーエレクトロニクスは,電子による電力の変換・スイッチングに関する分野の総称とされている。 高純度の単結晶半導体として,ゲルマニウムそしてシリコンを基材とする装置が,1950年代に実用化され, その出現以前に電力変換に適用されていた水銀整流器やセレン整流器などに比較すると,優れた特性をもつことが明らかになった。 さらに解析技術と解析ツールの急速な進歩は,電力変換回路の理論的解析,新規な方式の開発・実用化を促進した。 加えて近年の固体集積回路(IC)の微細加工技術が,大電力パワーデバイスへ適用され,その特性に格段の向上が図られた。 その結果,パワーエレクトロニクスは20世紀後半において電力・産業・輸送・通信・家電など幅広く浸透している。
 現状のパワーエレクトロニクスを,基礎理論から応用まで幅広く理解するには,多くの時間が必要になるであろう。 その解決のため,パワーエレクトロニクスの過去,現状および未来予測を集大成したハンドブックを活用していただくことがよい手法であり, 今後の新世代を思考する電力変換技術動向の予測にも役立つであろう。
 今回,パワーエレクトロニクスの研究,専門技術の分野で活動されておられる多くの方々に寄稿をお願いし, パワーエレクトロニクスの生い立ち,基礎的な回路理論,制御・保護方法,応用分野とその製品,関連用品(電池,保護用品・機器など)等をとりあげ, 詳細に記述して頂いた。 また次世代指向のパワーエレクトロニクスに関連する電磁両立性(高調波対策), 新エネルギーへの適用などにも言及して頂いている。 さらにこのハンドブックでは索引用語を多数掲げ,その内容の理解に有効に活用して頂けるように考慮した。
 現在,パワーエレクトロニクスはグローバルに普及しており,そのため世界各国個別の規格があるが, IEC(International Electrotechnical Commission Standard)が国際規格として多数発行されている。 版権の問題があるので,ここでは規格類一覧としてハンドブックの終末にこれらの標題一覧を掲げてあるので,これらも必要に応じて参照して頂きたい。 また日本にもJIS,JEC(電気学会規格調査会規格),JEMA(日本電気工業会規格)など団体規格があるが, 近年のJECはIEC規格と対応して発行されているので参考に標題を示した。
 過去および現状のパワーエレクトロニクスの理解のみでなく,将来の新技術発展への参考資料として、 このハンドブックを有効活用して頂ける事を切望するものである。
                                                   豊田工業大学 名誉教授  今井 孝二


監修者

今井 孝二 豊田工業大学 名誉教授

編集委員

赤木 泰文 東京工業大学 大学院理工学研究科 電気電子工学専攻 教授
色川 彰一 (株)東芝 電力システム社 電力変電技術部 主幹
岡村 昌弘 北陸先端科学技術大学院大学 名誉教授
嶋田 隆一 東京工業大学 原子炉工学研究所 創造エネルギー専攻 教授
難波江 章 長岡技術科学大学 名誉教授
堀内 恒郎 (株)東芝 電力システム社 電力変電技術部 主幹
松井 幹彦 東京工芸大学 工学部 電子情報工学科 助教授

執筆者

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構成と内容

総論
 総論
基礎編
第1章 パワーデバイスとその基本技術  1.1. パワーデバイスの基礎  1.2. パワーデバイスの発展の経緯, 現状, 将来予測  1.3. 各種デバイス   1.3.1. 整流ダイオード   1.3.2. バイポーラパワートランジスタ   1.3.3. パワーMOS   1.3.4. サイリスタ   1.3.5. ゲートターンオフサイリスタ   1.3.6. IGBT/IEGT   1.3.7. SIデバイス    1.3.7.1. 静電誘導型トランジスタ(SIT)    1.3.7.2. SIサイリスタ   1.3.8. パワーIC   1.3.9. パワーモジュールの分類   1.3.10. SiCデバイスの開発の現状と将来  1.4. デバイスのモデリング, シミュレーション 第2章 パワエレの基本原理および動作  2.1. 半導体デバイスによる電力変換   2.1.1. スイッチングによる電力変換   2.1.2. 転流・消流方式の分類   2.1.3. 安全動作領域とスイッチング軌跡   2.1.4. スナバ回路とソフトスイッチング動作  2.2. 電力変換・特性解析のための基礎理論   2.2.1. 電圧形と電流形    2.2.2. 波形の呼称とひずみ波の評価   2.2.3. 多重化方式      2.2.4. スイッチング関数法   2.2.5. 状態平均化法     2.2.6. 座標変換理論   2.2.7. 瞬時無効電力理論  2.3. 他励順・逆変換  2.4. 直流・直流直接変換   2.4.1. チョッパ       2.4.2. DC−DCコンバータ  2.5. 交流・交流直接変換   2.5.1. 他励サイクロコンバータ   2.5.2. マトリックスコンバータ   2.5.3. マトリックスコンバータの新しい展開  2.6. 自励式順・逆変換器  2.7. 共振形変換回路  2.8. 回路シミュレーション   2.8.1. シミュレーション法とその特徴・問題点   2.8.2. 代表的シミュレータの特性比較   2.8.3. EMTP・EMTDCの概要と計算例   2.8.4. SPICEの概要と計算例   2.8.5. PSIMの概要と計算例   2.8.6. SCATの概要と計算例 第3章 パワーエレクトロニクスシステム制御の基本  3.1. 各種モータ制御の基本とそれらのシステム構成   3.1.1. 直流電動機と交流電動機の基礎   3.1.2. 可変速駆動方式   3.1.3. 直流電動機の制御システム   3.1.4. 同期電動機の駆動システム(その1:無整流子電動機)   3.1.5. 同期電動機の駆動システム(その2:正弦波電流による駆動)   3.1.6. 同期電動機の駆動システム(その3:永久磁石同期電動機の駆動方式)   3.1.7. 誘導電動機の駆動システム(その1:スカラー制御)   3.1.8. 誘導電動機の駆動システム(その2:ベクトル制御)   3.1.9. 誘導電動機の駆動システム(その3:2次励磁制御)   3.1.10. 磁気浮上式鉄道用リニアモータの駆動システム   3.1.11. SRM(スイッチドリラクタンスモーク), ベアリングレスモータ   3.1.12. 小形電動機とその制御  3.2. 電力変換制御 第4章 パワーエレクトロニクスシステムとその構成要素  4.1. 変換器   4.1.1. 各種パワーデバイスの制御回路と制御用LSIモジュール   4.1.2. 要素部品   4.1.3. コンパクト化と冷却方式  4.2. 変圧器・直流リアクトル  4.3. フィルタ  4.4. 保護協調と保護用機器, 用品   4.4.1. デバイスの温度計算法   4.4.2. 過電流発生要因, 過電流計算法, および保護協調   4.4.3. 電圧保護とその用品   4.4.4. 直流変成器など(DCCT, DCPT他)  4.5. 電池, 電気二重層キャパシタ   4.5.1. 各種電池および充電システム   4.5.2. 電気二重層キャパシタとそのシステム 第5章 パワーエレクトロニクスとEMI  5.1. パワーエレクトロニクスにおける高調波   5.1.1. 他励変換方式  5.1.2. 自励変換装置  5.1.3. 高周波ノイズ
応用編
第1章 概説 第2章 電力送変電システム  2.1. 直流送電(HVDC:High Voltage Direct Current Transmission)システム  2.2. SVC(Static Var Compensator:静止形無効電力補償装置)  2.3. FACTS(Flexible AC Transmission Systems) 第3章 水力発電所へのパワーエレクトロニクス適用 第4章 分散型電源・貯蔵 第5章 産業システム  5.1. 鉄鋼システム     5.2. 製紙システム  5.3. 誘導加熱システム   5.4. フリッカ制御システム 第6章 電気鉄道システム  6.1. 鉄道車両への応用  6.2. 地上変電設備   6.2.1. 直流き電方式    6.2.2. 交流き電方式 第7章 電気通信システム 第8章 無停電電源システム(UPS&CVCF) 第9章 家電  9.1. エアコン  9.2. 照明  9.3. 厨房用機器  9.4. ランドリー機器 第10章 自動車 第11章 パルスパワー技術
次世代指向のパワーエレクトロニクス
第1章 パワーエレクトロニクス高調波対策実例 (EMI/EMC)  1.1. 高調波対策   1.1.1. 高調波規制の現状と動向   1.1.2. パッシブフィルタの回路設計と特性   1.1.3. アクティブフィルタのシステム構成と実用例  1.2. 電磁障害対策   1.2.1. EMI規制の現状と動向       1.2.2. EMI/EMC対策技術 第2章 パワーエレクトロニクスによる環境改善  2.1. パワーエレクトロニクスに期待する環境改善  2.2. 次世代エネルギーへの貢献   2.2.1. 超電導コイル           2.2.2. フライホイール   2.2.3. 太陽電池             2.2.4. 燃料電池   2.2.5. 風力発電             2.2.6. 磁気閉じ込め核融合   2.2.7. パルスパワー慣性閉じ込め核融合  2.2.8. 小型原子炉(分散型)   2.2.9. 宇宙太陽発電SPS2000
専門用語・規格類
 専門用語・規格類
索引



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