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  メルマガ 「いいテク・ニュース」 雑記帳 2013年11月19日(Vol.120) 『胡桃(くるみ)』       ≫雑記帳トップへ


  『胡桃(くるみ)』

今回は美と健康をもたらす実!!「胡桃」を取り上げました。
胡桃は紀元前7000年の昔から人類が食用にしていた最古の実です。
日本では縄文時代のころの遺跡から発見されています。
古代から人類に重宝されてきた「胡桃」についての豆知識をお届けします。

◎平安時代の医学書『医心方』(国宝/東京国立博物館所蔵)に胡桃は滋養強壮、肌に潤い、
 髪を黒くし、便秘にも良いと書かれている
 胡桃が日本で最初に医学書に出てくるのは平安時代に編纂された国宝で日本に現存する
 最古の医学書『医心方』。
 ここでは胡桃人という名前で登場し、食べると積もり固まった気の滞りをなくし、滋養
 強壮に良い。皮膚がつやつやする。髪が黒くなる。便通が良くなるといったことが書か
 れています。

◎似たものは似たものを補う
 16−17世紀のヨーロッパでは薬物療法が公認の医療となり、身体部分に類似している食物
 が処方されました。
 胡桃は外見的に人の脳に似ていることから頭部の疾患の治療、知能の向上、感情の沈静に
 用いられたとされます。
 また、中国でも「似物補類」の考えから、胡桃は脳ばかりでなく、割り方で心臓にも似て
 いることから、心臓の健康に良いと考えられていました。

◎胡桃には西太后もはまったアンチエイジングパワーが
 胡桃の実は60〜70%が脂肪ですが、非常に良質なオメガ3と呼ばれる不飽和脂肪酸です。
 清の時代の権力者で特に美容、健康、若返りにこだわった西太后は胡桃酪(くるみしるこ)
 を愛飲していたので、老年になっても肌は潤いなめらかであったと伝えられています。

◎胡桃は100年間実がなり続ける
 胡桃を農園で栽培する場合、最初の収穫まで8年間かかりますが、その後100年間実が成り
 続けます。
 アメリカ・カリフォルニア州は世界で取引される胡桃の75%、アメリカ国内の99%を生産
 しています。
 英語のことわざに
 Walnuts and pears you plant for your heirs.
 クルミの木と梨の木は子孫のために植えるもの
 があります。
 クルミも梨も生長が遅く、収穫できるまでには長い年月を要するが一度実が成ると長い間
 収穫できるという意味。

◎胡桃は1本の木から1500個の実が収穫される
 夏の終わりになるとカリフォルニア州の胡桃は実を保護する緑色の外皮が割れて収穫が始
 まります。
 収穫は10月下旬か11月まで続き、ツリーシェーカーで木から揺り落とし収穫されます。
 その数は1本の木から1500個。

◎胡桃の木の下には他の植物が生えにくい
 胡桃や桜、ユーカリの木の下には他の植物が生えにくいことが知られています。
 これは「アレロパシー作用」といわれ、ある植物が他の植物の生長を抑える物質を放出し
 たり、あるいは動物や微生物を近づけなかったり、引き寄せたりする効果を指します。
 植物により雑草や害虫を防除する生物農薬としての利用が今後、期待されています。

◎胡桃と俳句
 種子を取り出して食べるまで手間がかかりますが、その分美味しく香りもいいです。
 傍題に鬼胡桃(おにくるみ)、姫胡桃(ひめくるみ)、胡桃割るなどがあります。
 胡桃を詠んだ句を選んでみました。
  
                     婆々の背に胡桃の袋かつかつと
                      中村草田男(なかむら くさたお)
                               (1901-1983)

                    胡桃届くこれからの夜に親しめと
                         大野林火(おおの りんか)
                               (1904-1982)
 
                   胡桃焼けば灯ともるごとく中が見ゆ
                       加藤楸邨(かとう しゅうそん)
                              (1905-1993)

                     夜の卓智慧のごとくに胡桃の実
                              智慧=ちえ
                          津田清子(つだ きよこ)
                                (1920-)

                     胡桃二つころがりふたつ音違ふ
                        藤田湘子(ふじた しょうし)
                              (1926-2005)
私も詠んでみました。
                       久しぶり笑ひ皺よる鬼胡桃
                          笑ひ皺=わらいじわ
                               白井芳雄

今回は『胡桃』についてのいろいろをお届けしました。
      
最後までお読みいただきありがとうございました。
   
                 (株)技術情報センター メルマガ担当 白井芳雄

全体を通じての参考文献:飯田龍太・稲畑汀子・金子兜太・沢木欣一監修
                       『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』(講談社)

                        白井明大・有賀一広
                       『日本の七十二候を楽しむ−旧暦のある暮らし−』(東邦出版)

                        フリー百科事典
                       『ウィキペディア(Wikipedia)』

            カリフォルニアくるみ協会HP


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