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T.イオン液体を拡散分離媒体とするCO2分離膜の開発動向
膜によるCO2分離法は、省エネルギー且つコンパクトな脱炭酸プロセスを実現できる可能性があり、近年注目されています。様々なCO2分離膜の中でも、CO2分離媒体として設計されたイオン液体を含有するCO2分離膜は、優れたCO2分離性能を有し、実用化の可能性が見込まれます。このセミナーでは、イオン液体を含有する膜について、その特徴、CO2透過機構、CO2分離性能、および、実用化のために求められる課題を紹介します。
1.イオン液体をCO2分離媒体とするCO2分離膜
2.イオン液体含有高強度ゲル膜
3.CO2反応性イオン液体含有高強度ゲル膜
4.今後の展望
5.質疑応答
(神尾 氏)
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U.ゾル−ゲル法によるシリカ系多孔膜の細孔構造制御とCO2透過特性
2016年にNature誌に“Seven Chemical Separations To Change the World”の論文が掲載され、CO2分離も含めて、膜分離プロセスによる省エネ化が注目されている。本講演では、シリカ系多孔膜の技術背景を踏まえた上で、CO2分離のためにアモルファスシリカの細孔径制御に着目した研究成果を紹介する。また、CO2と膜との親和性(吸着性)を制御するために、ネットワーク構造にアルキルアミノ基を導入したアミノシリカ膜に関する研究成果についても紹介する。
1.シリカ系多孔膜の技術背景
2.シリカ系多孔膜によるCO2分離-分子ふるい制御型
3.シリカ系多孔膜によるCO2分離-CO2吸着制御型
4.今後の展望
5.質疑応答
(金指 氏)
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V.シリカ系膜による二酸化炭素分離と膜反応器による二酸化炭素資源化の可能性
二酸化炭素の効率的な分離、資源化のためにシリカ膜を開発している。ここでは、化学蒸着法(CVD)法により製膜したシリカ膜に注目する。CVDシリカ膜の分子ふるい性能制御による二酸化炭素選択分離膜の開発について講演を行う。シリカ源の分子構造に注目することで、サブナノメーターオーダーの細孔径制御に成功した。後半では、二酸化炭素透過膜を用いた膜反応器について解説を行う。膜を介して透過した二酸化炭素を水素で直接メタン化することで、二酸化炭素の効率的な資源化に寄与する技術を紹介する。
1.CVDシリカ膜の開発状況
2.CVDシリカ膜による二酸化炭素分離
3.膜反応器の基礎
4.新規二酸化炭素透過型膜反応器の開発
5.まとめ
6.質疑応答
(野村 氏)
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W.分離膜を用いた大気からの直接CO2回収技術(Direct Air Capture:DAC)
地球温暖化対策として、火力発電所などの大規模CO2排出源からのCO2回収に関して開発が進められてきましたが、これだけではIPCCの目標である気温上昇1.5度以下を実現するのは不可能であり、大気中に放出されてしまったCO2の回収(DAC)が必要となっております。これに対し私たちは、地球上にどこにでも存在する「大気」という特徴を最大限生かすため、”どこでもCO2回収(ユビキタスCO2回収)”という新しい概念のCO2回収技術実現に向け、分離膜による大気からのCO2回収を目指しております。本講演では、これらの技術を紹介します。
1.CO2回収技術の動向
2.Direct Air Capture技術の動向・課題点
3.分離膜によるDAC技術(m-DAC)の利点と特徴
4.DAC向け分離膜の開発動向
5.今後の展望
6.質疑応答
(藤川 氏)
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